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September 01, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で後発医薬品使用体制加算が廃止され、地域支援・医薬品供給対応体制加算(87/82/77点)が新設されます。点数と数量シェア基準は据え置き、変わるのは施設基準です。流通改善ガイドラインを踏まえた4項目と、届出に向けた3ステップを図解で解説します。
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後発医薬品使用体制加算が廃止へ|新設「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の要点
https://www.daitoku0110.news/p/regional-drug-supply-addon-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度 診療報酬改定: 後発医薬品の新評価体系 「使用促進」から「安定供給」へ。 医療機関が直ちに備えるべき施設基準と実務対応 【エグゼクティブ・サマリー&実務対応ガイド】
エグゼクティブ・サマリー 1. Shift (転換) 後発薬の評価目的が「使用割合の拡大」から「供給不安への対応とサプライチェーン全体の維持」へシフト。 2. Change (変更点) 従来の「後発医薬品使用体制加算」は廃止。点数とシェア基準はそのままに、流通改善ガイドライン等の「5つの施設基準」が追加された新加算へ移行。 3. Action (実務) 算定継続には「1.数量シェアの再確認」「2.院内・Web掲示物の刷新」「3.卸業者との取引ルールの抜本的見直し」が必須。
改定の背景:医療現場が抱えるパラドックス 普及の進展 (ポジティブな成果) ・薬局での使用割合:90%超 ・届出病院数:令和4年〜6年で着実に増加 ※院内処方での置換えは60%台にとどまる課題も残存 供給悪化と現場の疲弊 (ネガティブな影響) ・供給体制が「悪化した」病院:54.8% ・対応業務量が「増えた」病院:57.5% ・現場の負担:複数卸への問い合わせ、治療計画の見直し、二重在庫のコスト ※令和7年度・病院調査より 結論:「インセンティブ(使用促進)」の役割は終え、現場の「供給対応コスト(負担)」を支えるフェーズへ突入した。
パラダイムシフト:「促進」から「安定供給・地域連携」への転換 従来(〜令和6年度) テーマ:医療機関「内」の取り組み 評価軸:院内での後発薬採用・切替の推進(シェア拡大) 新設(令和8年度〜) テーマ:サプライチェーン「全体」を見据えた体制構築 評価軸:地域連携、流通業者(卸)との協調、供給不足時の処方変更体制
改定の全体像:新旧対応マトリクス(点数は完全据え置き) 区分 廃止される加算 新設される加算 【入院】 後発医薬品使用体制加算1・2・3 地域支援・医薬品供給対応体制加算1・2・3 点数:87点 / 82点 / 77点 【外来】 外来後発医薬品使用体制加算1・2・3 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1・2・3 点数:8点 / 7点 / 5点 本改定の実質は「点数の増減」ではなく、「施設基準の追加」にある。
何が維持され、何が新たに追加されるのか? 引き継がれる要素 (Keep) 【点数】 前スライドの通り、完全据え置き。 【数量シェア基準】 判定方法を含め従来通り維持されます。 ・加算1:90%以上 ・加算2:85%以上〜90%未満 ・加算3:75%以上〜85%未満 ※告示には下限のみ記載、上限を含む区分は通知で提示 新設・追加される要件 (New) 【新名称】 「地域支援・(外来)医薬品供給対応体制加算」への変更。 【流通改善要件の追加】 「流通改善ガイドライン」に基づく取引・配送・返品ルールの厳格化。 【掲示要件の拡大】 院内受付・支払窓口での掲示に加え、原則として自院ウェブサイトへの掲載義務化。
新加算を構成する「5つの施設基準(柱)」 新加算の算定 1. 組織的決定:薬剤部門による情報収集と薬事委員会等での採用決定。 2. 数量シェア:指定の数量割合の達成(75% / 85% / 90%)。 3. 供給不足対応:欠品時における治療計画見直し・処方変更体制の整備。 4. 患者への掲示:院内受付・窓口での掲示+原則ウェブサイトへの掲載。 5. 地域安定供給:流通改善ガイドラインを踏まえた取引適正化体制の整備。
入院・外来の算定要件と対象範囲の明確化 【入院】地域支援・医薬品供給対応体制加算 ■ 算定タイミング:入院初日に限り算定。 ■ 対象:届出機関に入院し、入院基本料(特別入院基本料等含む)または特定入院料を現に算定している患者。 【外来】地域支援・外来医薬品供給対応体制加算 ■ 算定タイミング:1処方につき算定。 ■ 【重要】対象の限定:施設基準により「診療所であること」「当該機関で調剤した」割合が定められており、対象は『診療所の院内処方』に限定される。 注意:病院の外来処方や、院外処方箋の発行は対象外となります。
第5の柱:「流通関係者向けガイドライン」がなぜ医療機関の要件に? 今回のルール化の意図:双方向からの保護 医療機関側にも「卸との関係で守るべき行動(ガイドラインに沿った取組)」を施設基準として義務付けることで、流通網全体の崩壊を防ぐ。 背景:頻回配送や過剰な値引き対応など、卸業者単独での負担が限界に達し、サプライチェーンの維持が危機に。 評価軸は『単なる消費者』から『安定供給を共に支えるパートナー』へと変わります。
流通改善ガイドライン:4つの実践マトリクス 項目 (Item) 要求レベル (Level) 具体的な行動指針 (Action: Do / Don't) 価格交渉 【必須 / Must】 × 価値・流通コストを無視した過度な値引き交渉を慎む。 ✓ 原則としてすべての品目について「単品単価交渉」とする。 配送 【必須 / Must】 × 卸への過度な依頼(頻回配送、休日夜間配送、急配)を慎む。 返品 (Returns) 【必須 / Must】 × 厳格な温度管理を要する医薬品の返品を慎む。 × 在庫調整目的の返品を慎む。 地域連携 (Regional Cooperation) 【推奨 / Recommended】 ✓ 平時から地域の医療機関、薬局、団体と連携し、品目の情報共有や事前合意等に取り組む。
届出に向けた実務対応「3つのステップ」 Step 1: 数量シェアと届出区分の確認 ☑ 基準値は不変だが「新加算」としての再届出が必要になる見込み。 ☑ 今後の告示・通知(届出手続や経過措置)を注視・確認する。 Step 2: 掲示物(院内・Web)の刷新 ☑ 加算名称のアップデート。 ☑ 「供給不足時の対応体制」「薬剤変更の可能性とその説明」を追加。 ☑ 自院ウェブサイトへの掲載作業を実行。 Step 3: 購買・返品ルールの点検と再構築 ☑ ガイドラインに沿った価格交渉(単品単価)・配送依頼になっているか点検。 ☑ 現在の卸との取引実態と返品運用をレビューし、院内ルールを改訂。
成功の鍵:部門間コラボレーション 事務部門の主導タスク ・新加算の届出実務と要件管理 ・掲示物の作成とWebサイト更新 ・卸との契約形態・価格交渉方法(単品単価)の見直し 共同推進 流通改善ガイドライン遵守体制の確立と、院内ルール化 薬剤部門の主導タスク ・医薬品情報の収集・評価と薬事委員会対応 ・供給不足時の代替薬選定・処方変更フロー整備 ・過剰在庫の防止と適切な返品運用の徹底
結論と今後の展望 (Conclusion) 今回の改定は、単なる「加算要件の変更」ではありません。 「後発医薬品への置き換え」という過去の目標から、「地域全体の持続可能な医薬品サプライチェーンの構築」への大きな転換点です。 医療機関は、単なる「医薬品の消費者」ではなく、安定供給を支える『流通のパートナー』としての役割が強く求められる時代を迎えます。 ※本資料は最新の公開情報に基づき作成されています。実際の届出にあたっては、今後の最新の告示・通知および疑義解釈等を必ずご確認ください。