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October 05, 26
スライド概要
令和8年5月13日の第650回中医協総会で示された、DPC高額薬剤判定の案をスライドで解説します。84パーセンタイル値による判定の仕組み、出来高算定の対象とする13成分、インレビックの分岐反映案、医療機関が確認すべき実務ポイントを整理しました。
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DPC高額薬剤判定|第650回中医協で13成分を出来高算定へ
https://www.daitoku0110.news/p/dpc-high-cost-drugs-may-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
DPC高額薬剤判定の全貌と運用上の留意点 第650回中医協決定・13成分の「出来高算定」への抽出メカニズムと実務アクション
DPC包括点数(過去の実績データに基づく定額) 新薬の高額な薬剤費 [固定の包括点数] - [高額な新薬費用] = [医療機関の持ち出し(赤字)] 出来高算定による『抽出・分離』 制度のジレンマ 実績データのない高額な新薬を使用すると、医療機関が費用を負担し続けることになり、最新医療の導入が阻害される。 解決策 次期診療報酬改定までの間、一定基準を満たす高額薬剤をDPCの包括評価から外し、「出来高算定」として保護する。
01 対象医薬品と診断群分類の抽出 3つのルート(新薬、効能・効果等の「一変」、事前評価済公知申請)から抽出。効能・効果に基づく14桁のDPCコードを特定。 02 1入院あたりの標準的費用の算出 「仮想投与回数」の概念を導入。入院初日から退院まで添付文書通りに投与した場合の回数×1回あたり費用(平均在院日数を加味・併用薬含む)。 03 84パーセンタイル値との比較 算出された標準的費用が、対象DPC群の「84パーセンタイル値」を超えれば高額薬剤として指定。
84パーセンタイル値(閾値) 84パーセンタイル値 84% トップ 16% 出来高算定へ移行 84パーセンタイル値とは 該当する診断群分類の1入院あたり包括範囲薬剤費を低い順に並べ、下から84%の位置にある値。 未実績時の対応 前年度に使用実績がない場合、当該医薬品を「使っていない症例」の薬剤費から閾値を算出。 診断群分類ごとの差異 比較は疾患ごとに行われるため、同じ医薬品でも出来高算定となるDPCとならないDPCが生じる。
がん領域(一変5成分) エンハーツ、ニュベクオ、ターゼナ、ルンスミオ、ポライビー がん以外の領域(一変3成分) アイリーア、デュピクセント、フィブリノゲンHT 一部変更(一変) 8成分 新薬 5成分 細胞・脳内移植製品(新薬2成分・超高額) アクーゴ、アムシェプリ その他・希少疾患(新薬3成分) ソホノス、ドジョルビ、インレビック 判定対象範囲:令和8年3月5日公知申請受理 ~ 令和8年5月20日薬価収載予定分等。(年4回の定期判定+緊急収載時の追加判定)
がん領域(一変5成分) エンハーツ点滴静注用100mg HER2陽性進行・再発固形癌 胃癌:770,608円/胃癌以外:577,956円 脳腫瘍,消化器悪性腫瘍等(令8:36分類) ニュベクオ錠300mg AR陽性進行・再発唾液腺癌 4,107.8円(別途併用薬) 03001x 頭頸部悪性腫瘍 ターゼナカプセル 遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌 19,152.0円(別途併用薬) 110080 前立腺の悪性腫瘍 ルンスミオ皮下注 R/R DLBCL,濾胞性リンパ腫 初回:266,843円/2回目以降:2,327,787円(別途併用薬) 130030 非ホジキンリンパ腫 ポライビー点滴静注用 DLBCL,R/R 濾胞性リンパ腫 762,003円(別途併用薬) 130030 非ホジキンリンパ腫
アクーゴ脳内移植用注 72,716,528円 外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺 DPC:010310, 160100 アムシェプリ 55,306,737円 パーキンソン病の運動症状 DPC:010160 希少疾患関連(新薬) ソホノスカプセル 進行性骨化性線維異形成 190,381.3円 070090 筋炎 ドジョルビ内用液 長鎖脂肪酸代謝異常症 734,770.0円 100335 代謝障害 インレビックカプセル 骨髄線維症 44,549.6円 130050 骨髄増殖性腫瘍
全診断群分類を対象とした例外的な判定 アイリーア8mg 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 146,272円 020210 網膜血管閉塞症 デュピクセント皮下注 中等症から重症の水疱性類天疱瘡 初回:106,986円/2回目以降:53,493円 080110 水疱症 フィブリノゲンHT静注用1g「JB」 心臓血管外科手術における出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症 282,231円 対象:全診断群分類(特定のDPCに限定できないため、全包括診断群分類の包括範囲薬剤費を用いて判定)
アクーゴ 標準的費用:72,716,528円 84%値:14,139円 アクーゴ 令和8年度 160100xx97x00x エンハーツ:標準的費用1,541,216円(2回分) VS 84%値 1,048,659円 (令和8年度 胃の悪性腫瘍 060020xx97x6xx) アイリーア 標準的費用:146,272円 84%値:131,900円 アイリーア 令和8年度 020210xx99x1xx 医薬品により、標準的費用と84パーセンタイル値の差は極端に異なる。 閾値ギリギリでの除外から、桁違いの除外まで存在する。
インレビック(骨髄線維症) 診断群分類の分岐へ反映 定義テーブルの分岐への追加 類似薬効比較方式(I)で算定。比較薬である「モメロチニブ塩酸塩」が既に定義テーブルの分岐にあるため、インレビックも令和6年度・8年度の両方で同じ分岐(130050 骨髄増殖性腫瘍)に追加される。 高額薬剤としての出来高算定 出来高算定の対象へ 同時に、高額薬剤判定基準もクリア。(例:令和6年度 130050xx99xxにて、標準的費用801,893円が閾値317,509円を上回る)。 実務上の注意:医療機関は、分岐への反映(コーディング)と出来高算定(請求)の両方の内容を同時に管理する必要がある。
01 薬剤名と効能・効果の厳密な照合 出来高算定の対象は特定の効能・効果に紐づく。 処方内容が中医協の指定要件に完全に合致しているか確認する。 02 14桁コードレベルでの確認 6桁(疾患群)の確認だけでは不十分。細分化された14桁コード単位で出来高算定の可否が分かれるため、医事システム上のマスタ設定を徹底する。 03 適用年度(令和6年 vs 令和8年)の差異管理 対象となる14桁コードや告示番号は年度によって異なる。 具体例:エンハーツにおいて、令和6年度一覧に含まれる「040040(肺の悪性腫瘍)」は、令和8年度の一覧には含まれていない。 適用年度の確認漏れは、意図せぬ包括算定(持ち出し)に直結する。