令和8年度診療報酬改定:非がん患者の緩和ケア見直し|対象疾患の拡大と包括範囲の完全解説

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July 15, 26

スライド概要

令和8年度診療報酬改定で、非がん患者の緩和ケア評価が動きます。緩和ケア診療加算・外来緩和ケア管理料への末期呼吸器疾患と末期腎不全の追加、緩和ケア病棟入院料への終末期末期腎不全患者の追加、神経ブロックの包括除外という3本柱を、項目別の算定可否マトリクスと算定要件つきで解説します。

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令和8年度改定:非がん患者の緩和ケアはどう変わるか|対象疾患の追加と包括範囲の見直し
https://www.daitoku0110.news/p/non-cancer-palliative-care-revision-2026

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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各ページのテキスト
1.

令和8年度 診療報酬改定:非がん患者の緩和ケアに関する実務ガイド 疾患特異的から症状特異的へ - 対象疾患の拡大と包括範囲見直しの完全解説 [末期呼吸器疾患] [末期腎不全] [神経ブロック]

2.

なぜ今、非がん患者の緩和ケアを評価するのか? がん患者 同等の身体的苦痛 臓器不全患者 呼吸困難 倦怠感 痛み 現行の評価体系における「対象疾患のずれ」を正し、 苦痛の頻度と強度に基づいた専門的な緩和ケアを評価するパラダイムシフト。

3.

令和8年度改定:緩和ケア見直しの3本柱 緩和ケア診療加算等の対象拡大 末期呼吸器疾患と末期腎不全の追加 緩和ケア病棟入院料の対象拡大 終末期の末期腎不全患者の追加 神経ブロックの包括除外 出来高算定への移行 対象疾患の拡大と包括範囲の見直しにより、臨床実態に即した算定が可能に。

4.

柱1:緩和ケア診療加算・外来緩和ケア管理料の「5疾患モデル」へ 統一された5疾患モデル 現行の対象疾患 ・悪性腫瘍 ・後天性免疫不全症候群 ・末期心不全 新規追加 ・末期呼吸器疾患 ・末期腎不全 算定のための必須要件 1. 身体的症状(疼痛、倦怠感、呼吸困難等)または精神症状(不安、抑うつ等)を持つ 2. 患者の同意に基づく 3. 緩和ケアチームによる診療

5.

算定可否マトリクス:項目別の対象疾患アップデート 悪性腫瘍 後天性免疫不全 ALS等 末期心不全 末期呼吸器疾患 末期腎不全 緩和ケア診療加算 / 外来緩和ケア管理料 ✓ ✓ — ✓ ✓ NEW ✓ NEW 在宅麻薬等注射指導管理料 / (携帯型) 注入ポンプ加算 ✓ — ✓ ✓ ✓ ✓ NEW 項目ごとに現行の対象疾患が異なるため、新規追加される疾患(Teal色)も異なります。末期腎不全はすべての項目で新規追加となります。

6.

末期呼吸器疾患の算定要件:3つの必須条件 呼吸器疾患に対して適切な治療が実施されていること 在宅酸素療法 又は NPPV(非侵襲的陽圧換気)を継続的に実施していること 過去半年以内に10%以上の体重減少を認めること 3要件すべてに該当必須

7.

末期腎不全の算定要件:2つの該当パターン 腎不全に対する適切な治療 + 慢性腎臓病 Stage G5以上で腎代替療法を必要とする状態 パターン1へ Palliative Performance Scale (PPS) が40%以下 はい (Yes) 透析療法(血液/腹膜)を実施しているか? いいえ (No) パターン2へ 透析療法の開始又は継続が困難な患者 どちらかのパターンを満たすことで、末期腎不全の緩和ケア対象患者として認定されます。

8.

施設基準の見直しと名称変更 医師の配置要件 緩和ケアに関する研修を受けた医師の配置要件において、対象疾患の記載に「末期呼吸器疾患」と「末期腎不全」が正式に追記されます(注2に規定する施設基準も同様)。 管理料の名称変更 在宅麻薬等注射指導管理料「3」 「心不全、呼吸器疾患又は腎不全の場合」 1,500点 注入ポンプ加算・携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算の対象患者にも「腎不全」が追加。

9.

柱2:緩和ケア病棟への「終末期末期腎不全」患者の受け入れ 臨床的背景 透析の差し控え・中断を選択した末期腎不全患者は、末期がん患者と同様に急速に身体機能が悪化し、密度の高い緩和ケアを要するため。 注1 改定前 (Old System) 原則、悪性腫瘍と後天性免疫不全症候群以外の入院は「特別入院基本料」の例により算定(例外規定)。 改定後 (New System) 例外規定の対象から「終末期の末期腎不全の患者」を除外。 結果として、終末期の末期腎不全患者において「緩和ケア病棟入院料」そのものの算定が可能に。施設基準(入院患者の範囲・医師要件)にも終末期末期腎不全が追加。

10.

柱3:神経ブロックの包括除外(出来高算定への移行) 緩和ケア病棟入院料の包括範囲 神経ブロック 出来高算定 神経ブロック ● 現行の課題: 緩和的放射線治療が出来高算定できる一方、神経ブロックは包括されていたため、実施割合が低迷。 ● 改定後: 第11部第2節「神経ブロック料」、関連する第3節「薬剤料」、第4節「特定保険医療材料料」がすべて包括範囲から除外(注3に反映)。

11.

緩和ケア病棟入院料のベースアップ(点数引き上げ) 緩和ケア病棟入院料1 30日以内: 5,135点 → 5,277点 31日〜60日以内: 4,582点 → 4,724点 61日以上: 3,373点 → 3,515点 緩和ケア病棟入院料2 30日以内: 4,897点 → 5,025点 31日〜60日以内: 4,427点 → 4,555点 61日以上: 3,321点 → 3,449点 個別改定項目の文書に引き上げの理由は明示されていないものの、全体的な評価の底上げが実施されています。

12.

次のステップ:臨床実態と財務の統合 疾患特異的から「症状特異的」なケアへ 令和8年度改定は、単なる対象の追加ではありません。「どの病気か」ではなく「どれほどの苦痛か」で医療資源を配分する、日本の緩和ケアにおける重大なパラダイムシフトです。 算定要件の確認:末期呼吸器疾患の「3要件」と末期腎不全の「2パターン」を臨床現場(医師・看護師)へ早期周知。 施設基準の更新:医師配置の届出や電子カルテの病名・算定マスタにおける対象疾患の拡張。 運用フローの見直し:緩和ケア病棟における神経ブロックの出来高算定(手技・薬剤・材料)の請求フロー構築。