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December 15, 24
スライド概要
星のソムリエ何でも情報交換会(06月)にて発表した内容です。
日時 2024年06月4日 火曜 20:00-21:00
場所 zoom 会議
情報提供:
「星が見えない時の星空案内 ~公開天文台を例に~」 米澤 樹 (みさと天文台)
本内容は、所属組織の見解ではありません。
調査へ回答頂いたみなさま本当にありがとうございました。
よろしくお願いします
星が見えない時の星空案内 -公開天文台を例に米澤 樹(みさと天文台)
米澤 樹(よねざわ たつき) みさと天文台 研究員 • • • 2021年4月みさと天文台にて勤務 星空案内 3年 2023年8月 日本公開天文台協会理事 和歌山大学観光学研究科(専門職)観光地域マ ネジメント専攻 専門職学位課程
目次 • 公開天文台における悪天候時の対応についてのアンケート調査 • みさと天文台の例 • まとめ
公開天文台における悪天候時の対応についてのアンケート調査
調査の背景 • イベントや星空ツアーを悪天候時に実施すべきか、中止 すべきか、どのようなタイミングで決断すべきか、検討 していた ⇒中止だと現場やお客さんに混乱が生じる。 実施する場合、お客さんは満足できるのか。 次回以降、どのように運営すべきなのか。 ⇒ほかの天文施設の状況を把握するため調査を実施
調査概要 調査対象:日本公開天文台協会のML閲覧者 調査期間:2024/01/21-2024/01/31 有効回答数:26 注意点 • 中止判断や料金、キャンセルポリシー等、今回回答頂いた内容は はイベント内容や予約人数、属性、お客様の要望等で判断は色々 異なります。 • そのため、本結果は各施設の基本方針を反映したものだと考えら れます。
回答館の属性(n=26) 公開天文台白書2018の定義に従い分類
通常の観望会について
悪天候時に観望会を実施するか(n=26) 悪天候時(警報級でない)に観望会を実施するか尋ねた。 回答館の92%が悪天候時に実施すると回答した。 自由回答欄においても、天候が予測できない、 既に家を出ていることが考えられる等の理由から、 実施しているところが多いことが伺える。
悪天候時のお客様都合でのキャンセル料の有無 (n=26) 悪天候時(警報級でない)のお客様都合でキャンセルがあった 場合のキャンセル料の有無を尋ねた。 すべての施設において当日のキャンセルが可能 唯一キャンセル料を明記している1施設は 無断キャンセル防止のため、100%としているが、 住所等を取得していないため、 実際には請求することができていない。 キャンセル料を取っていない理由 ・そもそも無料のため ・現地支払いや現地受付のため ・キャンセル料対応が施設の負担となる ■まとめ 天候に左右される公開天文台では、すべての施設において 当日のキャンセルが可能で、基本的にキャンセル料は 発生しない。 一方で、無断キャンセルが発生しやすいと言う課題もある。
悪天候時に実施している内容(n=26) 悪天候時に実施している内容に ついて尋ねた。 全施設の85%が「望遠鏡の見 学」を実施。また、73%が「プラ ネタリウム」や「Mitaka(無料)」、 「Stellarium(無料)」「ステラナ ビゲータ(有料)」等で解説を実 施している。 その他では、 ・ピアノ演奏 ・じゃんけん大会 ・シアター上映 ・分光実験 等があった。 自由記述にて悪天候プログラム でも満足してもらえていること が分かった。
悪天候時の観望会料金について(n=26) 悪天候時(警報級でない)に観望会の 料金に変更があるか尋ねた。 悪天候時でも料金の変更がないところ が多い(54%)。ただし、悪天候時に次 回以降で使える割引券を渡していると ころが2施設あった。 リピーター獲得につながる良い施策だ と思う。 また、減額する施設において、人を集 めてしまいかねないので、明言してい ないところもあった。 母数が少ないため参考程度だが、 有料館の27%が減額すると回答
特別イベントについて
悪天候時にイベントを実施するか(n=24) 通常の観望会とは異なる特別イベント(流 星群関係など)を実施を尋ねたところ、 46%が中止すると回答した。 通常の観望会より中止判断をする施設が 多いようだ。
悪天候時のイベントの料金(n=22) 通常の観望会とは異なるイベントにおいて、 悪天候時に料金の変更があるか尋ねた。 通常の観望会と同様にイベントにおいても悪 天候時に減額する施設は少ないようだ。
イベントキャンセル料の有無(n=21) 悪天候時にお客様都合でキャンセルの場合、キャンセル料が発生 するか尋ねた。 1施設のみキャンセル不可だった。一方、その他の施設は キャンセル料はなく、当日キャンセルも可能である。 また、そもそも予約の無いところが多く、キャンセルが生じない 施設も多い。 観望会と同様のキャンセルポリシーの施設が多いようだ
キャンセル連絡手段について 悪天候時にキャンセルとなった場合のお客様への連絡手段を尋ね たところ、下記の通り回答があった。 • 公式HP • Facebook •X • Instagram • 防災無線 • 現地に張り紙 • 告知をしない • 電話やメール等で連絡
その他
自由記述(読みやすい用一部改変) • 観望会の有無を16時をめどにHPへ掲示している。 • 雨天の告知はせず、雨天時のプログラムを勧めている。 • 基本、雨天時のプログラムでも満足して頂いている。 • 中止判断はイベント内容や予約人数、曇りや雨でも実施して欲しいというご要望が多い時などによって 判断は色々異なる。 • 天候不良時でも他館の中継を活用してイベントを実施。 • 無料が故に無断・直前キャンセルも多い。仕方のないことだと諦めている。 • 雨天時のスライドショーは複数のプログラムがあり、季節やお客様のご要望等でプログラムを選んでい る。概ねご満足いただいている。 • 多少の曇や雨なら、当然晴れ間待ち。既に家を出てしまっている人もおられるので、ともかく開けてお く。 • 仮に絶望的でも、お客さんの気持ちの側に立つ、強気の方が好結果と声を掛けつつ、最大限説明したり すると好感度が爆上がりする。 • そもそもお客がほとんどいない状態なので、過剰な負担にもならない。
自由記述(読みやすい用一部改変) • 悪天候予報を見ての実施可否は時と場合による。少しでも晴れの見込みがある場合は、野生の感で実 施に踏み切る場合もあり、それが良かったときもあれば、悪い判断になったこともある • (天候予測はできないので)天候判断が難しい場合は、とりあえず開催にして天気次第で "無料" 対応 • 曇っていても、無料にすると苦情はほぼ無い。 • 悪天候予報を信じて中止にしたけど、実際には晴れて苦情案件になったという事案も過去にはあるの で、よほどの悪天候でない限り、なるべく中止にはしない方針。 • 気温が暖かい時期はお客様も多く来場するので、実施しても良いかなと思いますが、冬場は極端に来 場客が15名以下と減少するので、コスト面で完全に中止と割り切っています。 • 最近では悪天候時にプラネタリウムを活用して、流星群や月食YouTubeライブ映像などを活用でき ないか模索しています。プラネタリウムなら解説しながら楽しめるかなと考えています。ただ著作権問 題が解決できればいいのですが! • 流星群や月食等の天文現象の観察会の開催の有無を、16時までに判断・周知するというルールで現在 運用している。 • 他の施設はどのように判断しているのか。判断材料として何を参照しているのか。
まとめ(観望会) • 54%の施設が予 約制 • 予約制であって も現地支払いが 多い。 • 判断は難しい • 実施可否をHPへ 掲載する施設も ある • 中止にしたら晴 れて苦情が来る こともある • よほどの悪天候 でない限り92% が中止にしない • そもそも無料の 施設が31%ある • そのため、無断 キャンセルもある • すべての施設で キャンセル料は 発生しない • 直前でのキャン セルも可能 • 85%が「望遠鏡 の見学」を実施 • 73%が「プラネ タリウム」等で星 空解説をしてい る • オリジナルスライ ド等を用い、天文 のお話をする施 設も多い • 他館のライブ配 信等も活用 • 雨天時のプログ ラムでも満足度 は高い! • 悪天候時に割引 券を配布してい る施設はリピー ターが望める 実施 その後 予測が難しいので、 有料館の約3割が減額 予約 実施判断 支払
参考:みさと天文台の通常の観望会の場合 あくまでも一例
悪天候時について • 悪天候でも決行(警報発令時を除く) • 雨天の判断は、30分前に判断。雨雲レーダーや気象庁 (予報やひまわり赤外線画像、SCW)を見て判断する。 • 悪天候時のプログラムを実施するが、満足してくれてい ると思われる。
雨天時の主なプログラムについて • 望遠鏡の説明 • 望遠鏡の仕組みを説明。屈折望遠鏡と反射望遠鏡の違いなどを 虫眼鏡や凹面鏡を用いて説明する。 • 遠くにノートPCを置いて、それを望遠鏡で観察してもらう。 • 大型望遠鏡の見学 • 動く姿を見てもらう。迫力があるので、意外と好評。 • 鏡を見てもらう。どちらかと言うとあまり受けが良くない。個人 的にはもう少し伝え方を考えたい。 • 望遠鏡の仕組みを知った後だとより満足してもらえる。 • プラネタリウム • その日に見るはずだった星座について解説。可能ならば次に来 るときにいつが良いか伝える(季節による違いや月齢、惑星の見 える時期について案内)
ただし • 完全に雨予報と言う場合以外は晴れることを想定し、どうにか実 際の天体が見れるように準備をしている。 • )。 • 逆も然りで、通常の観望→雨天時のプログラムと言う日もある。
まとめ • 悪天候の判断はとても難しい • 悪天候のことを想定しておく • 雨天時でも基本的には満足してもらうことはできる • 望遠鏡の話をする • プラネタリウムソフトを使用する • パワーポイント(話題)を用意しておく • 質問タイムにする など 皆さんはどうしていますか。ヒントをください。