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August 24, 24
スライド概要
スクフェス仙台2024の登壇資料となります。
ニッセイ情報テクノロジー(株) 小泉 岳人
Insurtechラボで作成しているスライドです
ScrumFest仙台 JTCの大企業で中間管理職として生き生きと働くため に(Managing Upからエフェクチュエーションへ) 2024年8月23日
本日は、N=1の個人的な経験談になります。 ※組織の見解ではありません。 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 2
0.はじめに © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 3
スクフェス大阪のキーノートを聞いて https://speakerdeck.com/ykmc09/managing-up © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 4
スクフェス大阪のキーノートを聞いて https://speakerdeck.com/ykmc09/managing-up © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 5
スクフェス大阪のキーノートを聞いて お勧めのマネージングアップ 上司及び上司の上司との1on1を定期的に設定し、 コミュニケーション取っておく 上司の上司 上司 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 6
スクフェス大阪のキーノートを聞いて マネージングアップの気になる点・・・ © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 7
スクフェス大阪のキーノートを聞いて https://speakerdeck.com/ykmc09/managing-up © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 8
スクフェス大阪のキーノートを聞いて 社会構成主義 社会構成主義とは、関係が社会の基盤を構築するという考え 方。社会に存在するありとあらゆるものは人間が対話を通し て頭の中で作り上げたものであるという主義 現実はいつも対話から生まれる ケネス・J・ガーゲン,メアリー・ガーゲン 著、伊藤守 訳 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 9
スクフェス大阪のキーノートを聞いて 上司の@@さん に確認した? 仕事を進める時は上司に確 認取ってから始めるの か・・・? 聞いてた人達 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 10
スクフェス大阪のキーノートを聞いて 行きつく負の想定・・・ 会議の不規則発言?? 会議で発言できる人が暗黙的に決まってい て、それ以外の人の発言が不規則発言と揶 揄される © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 資料バージョン№が3桁 作成資料に関して、上司や役員への行脚を 繰り返し、修正Verが3桁になる 11
スクフェス大阪のキーノートを聞いて マネージングアップが大事なことは同意しつつも、 自分の環境においては、あまり強く言いたくない マネージングアップもマネージングダウンもない 全員が等しくマネージメントする世界感が好き とはいえ、大企業の階層構造の中でどうやったら しなやかに楽しく動けるのか? “マネジメントはマネー ジャーに任せておくにはあ まりにも重要すぎる マネジメントは皆の仕事な のだから” マネージング・フォー・ハピネス ヨーガンアペロ 著、寳田 雅文 訳 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 12
ScrumFest仙台 JTCの大企業で中間管理職として生き生きと働くため に(Managing Upからエフェクチュエーションへ) 2024年8月23日
目次 0.はじめに 1.自己紹介 2.エフェクチュエーションとは 3.エフェクチュエーション的な進め方 4.コーゼーション領域との軋轢 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 14
1.自己紹介 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 15
自己紹介 小泉 岳人 X(Twitter):@koitake_ note :https://note.com/rich_hyssop406/ ニッセイ情報テクノロジー(株) プロダクトサービス事業推進室 主席スペシャリスト 趣味:コントラバス :漫画 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 16
自己紹介 もうちょっと紹介 20年間ずっと、同じ会社(金融系SIer)で着実に仕事しています ★この辺からAgileやコミュニティに参加 2006年 2004年 COBOL プログラマー 保険会社で システム企画 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 2008年 基幹システ ムのPjM 2020年 組織管理者 (Webシステム) 2022年 組織管理者 (R&D組織新設) 17
自己紹介 もうちょっと紹介 20年間ずっと、同じ会社(金融系SIer)で着実に仕事しています 本日、話す範囲 ★この辺からAgileやコミュニティに参加 2006年 2004年 COBOL プログラマー 保険会社で システム企画 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 2008年 基幹システ ムのPjM 2020年 組織管理者 (Webシステム) 2022年 組織管理者 (R&D組織新設) 18
自己紹介 こっそりプロダクトを作って、日経に載りました!! 2024.509 電子版 ⇒2024.517朝刊 https://www.nikkei.com/article/DGXZ QOUB221UI0S4A420C2000000/ © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 19
自己紹介 こっそり「社内勉強会」や「社外登壇」が当たり前の世界へ 毎週、全社に向けて勉強会(動画視聴会)を 実施。3カ月に1回は毎日勉強会!! © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 社外に発信やイベント参加 ほぼ毎月、社外で登壇 スクフェス 仙台 8/238/24 JTCの大企業で中間管理職として 生き生きと働くために (Managing Upからエフェク チュエーションへ) スクフェス 三河 9/139/14 自己組織的なチームから空虚な チームへ変貌させた3カ月の組織 運営からの教訓 社外向けイベン ト(企画中) 9/27 会社で初めての、社外イベントを 企画中 XP祭り 9/28 エクストリームな「人」を真似て みることのススメと対策 20
2.エフェクチュエーションとは © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 21
プロダクト計画で必要な調査 新規プロダクトを作る時、何しますか? © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 22
プロダクト計画で必要な調査 5Force SWOT分 析 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. アンゾフ のマトリ クス PPM分析 STPマー ケティン グ ビジネスモデ ルキャンバス 投資回収 計画 23
プロダクト計画で必要な調査 熟達した起業家へ のアンケートを実 施 前述の目的や計画重視のやり 方ではなく、手持ちの手段か ら進める違う特性が見られた エフェクチュエーション 実効性を高めるよう、 コントロールしていくやり方や方法 エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 加護野 忠男,高瀬 進,吉田 満梨 訳 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」 吉田 満梨、中村 龍太 著 24
エフェクチュエーションとは 優れた起業家に見られる、従来とは異なる思考プロセスや行動のパターンを体系化した意思決定理論 手中の鳥(Bird in Hand) の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」 で何か新しいものを作る 許容可能な損失 (Affordable Loss)の原則 期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス 面)が許容可能かに基づいてコミットする レモネード(Lemonade)の 原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶 然をてことして活用する クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則 コミットする意思を持つすべての関係者と交 渉し、パートナーシップを築く 飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則 コントロール可能な活動に集中し、予測では なくコントロールによって望ましい成果を帰 結させる エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 を元に記載 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 25
コーゼーションとエフェクチュエーション コーゼーション 概要 エフェクチュエーション 未来を予測し目標を立ててバック 実効性を高めるよう、手元からコ キャスティングで進める方法 ントロールしていくやり方や方法 どんな時に有 未来が予想可能で、明確な目標が 未来が予測不可能で、目標が不明 効か あり、わたしたちの活動から環境 瞭で、人間の活動によって環境が が独立している場合に有効 駆動される場合に有効 マーケティン グの進め方 ポジショニング からのリーチ ターゲティング セグメンテーション 市場の定義 関与者特定 関与者の定義 セグメントとパートナー の追加 1つの可能な市場の定義 エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 を元に記載 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 26
3.エフェクチュエーション的な進め方 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 27
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ①.Web申込案 件の失注 ②.関係者との協 業を広げる © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. ③.出来ることに 集中する ④.損しても問題 ない範囲でやっ てみる ⑤.出来ること自 体を広げていく 28
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ①.Web申込案件の失注 レモネード(Lemonade) の原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶 然をてことして活用する ・生命保険をダイレクトチャネルで販売する案件 ・スタートアップの会社にフロント領域を取られ失注 ・失注しながらも、スタートアップ社のやっている事を学び、返り咲き スタートアップと協業して本番リリース © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 29
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ②.関係者との協業を広げる クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則 コミットする意思を持つすべての関係者と交 渉し、パートナーシップを築く ・ スタートアップのデザイナーさんにアサインしてもらう ・Fintech企業とも共同のPoCを実施。適応範囲を拡大 ・アジャイルコーチの企業にも声をかける 色々な企業と協業する中で出来ることが増える © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 30
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ③.出来ることに集中する 飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則 コントロール可能な活動に集中し、予測では なくコントロールによって望ましい成果を帰 結させる ・2022,プロダクト創出に向けたR&Dを行うラボを設立。 ・ケイパビリティもない中で過去案件で実施した、 出来そうな「生命保険のダイレクト申込のシステム構築」に集中、 初めはクラウドとアジャイルのケイパビリティ習得のため、 練習で作ってみる 作れそうなものに集中して、作ってみた © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 31
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ④.損しても問題ない範囲でやってみる 許容可能な損失 (Affordable Loss)の原則 期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス 面)が許容可能かに基づいてコミットする ・Fintech企業と協業を検討 ・あるべきビジネスのディスカッションをするが、 まとまらず。。 ・最低限の金額で出来る「既存システム同士の連動」の PoCを実施 とりあえず痛くないレベルで、まずはやってみる © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 32
プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ⑤.出来ること自体を広げていく 手中の鳥(Bird in Hand) の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」 で何か新しいものを作る ・出来る手段からやっていく 「デザインや仮説検証アジャイルのケイパビリティ」 ↓ 「Web申込の経験から練習プロダクト」 ↓ 「Fintech企業との連動」 ↓ Fintech企業「これ日経,載せれるんじゃない? いったん声かけてみるか。。」 ↓ 日経新聞搭載、営業/事業部も徐々に巻き込み © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 33
何がおこったか・・・のまとめ 案件の失注 こっそり 学習 案件主担当 返り咲き R&D組織 設立 Web申込 リリース アジャイル コーチ協業 agileの勉強 会/ガイド 手中の鳥の拡大 (アジャイル/仮説検証) スタート アップ協業 手中の鳥の拡大 (マーケティング/デザイン) アジャイル の案件受注 Web申込 を練習 Fintech社 とのPoC Fintech社 協業 とりあえず、Web申込で 繋ぐPoCを実施 プレスリ リース 事業部、 営業との 協業を目 指す!! Finaさん広報のおかげで 日経新聞に搭載 手中の鳥の拡大 (保険ノウハウ/SaaS) © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 34
えっ、結局運が良かった だけっていうこと??? © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 35
はい。 そうです。 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 36
原作/金城宗幸 漫画/ノ村優介 講談社 <ブルーロックより> 37
偶然に対する心構えをして、 運を最大限、活かす考え方が エフェクチュエーションの考え方 原作/金城宗幸 漫画/ノ村優介 講談社 <ブルーロックより> 38
エフェクチュエーションとは 優れた起業家に見られる、従来とは異なる思考プロセスや行動のパターンを体系化した意思決定理論 手中の鳥(Bird in Hand) の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」 で何か新しいものを作る 許容可能な損失 (Affordable Loss)の原則 期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス 面)が許容可能かに基づいてコミットする レモネード(Lemonade)の 原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶 然をてことして活用する クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則 コミットする意思を持つすべての関係者と交 渉し、パートナーシップを築く 飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則 コントロール可能な活動に集中し、予測では なくコントロールによって望ましい成果を帰 結させる © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 39
4.コーゼーション領域との軋轢 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 40
コーゼーション領域との軋轢 コーゼーション領域でどうやるのか?? 投資申請の通し方が分からない (明確な効果について説明しづらい) 偉い人への行脚の調整 © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 41
コーゼーション領域との軋轢 コーゼーション領域でどうやるのか?? 投資申請の通し方が分からない (明確な効果について説明しづらい) 許容可能な損失の原則 ※計画に時間をかけるよりは 小さな実績作り 偉い人への行脚の調整 クレイジーキルトの原則 ※支援者や有識者とつながっておく 実績があると転がりだす (多分) © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 42
コーゼーション領域の軋轢 コーゼーション領域でどうやるのか?? 許可を求めるな謝罪せよ “It's easier to ask forgiveness than it is to get permission. ※許可を求めるよりも、 後で許してもらう方が簡単 COBOLを作ったグレース・ホッパーさんの言葉 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Grace_Hopper_a nd_UNIVAC.jpg#mw-jump-to-license © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 43
コーゼーション領域の軋轢 あとで許してもらえる状態にする (許可が無くても)やりたいと思う ・普段から上司と コミュニケーションが取れてる ・ワクワク感(内発的動機) ・実績/スキル (過去、現在) ・真面目に(?)仕事している ・うまくいくかもという予感 ・自分でコントロールできる ・人間関係 ・コーゼーションの考え方 (目的や計画が一定はある) © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 44
コーゼーション領域の軋轢 あとで許してもらえる状態にする (許可が無くても)やりたいと思う ・普段から上司と コミュニケーションが取れてる ・ワクワク感(内発的動機) ・実績/スキル (過去、現在) ・真面目に(?)仕事している ・人間関係 ・うまくいくかもという予感 ・自分でコントロールできる ‐Agileに出会って、高まった ‐エフェクチュエーションを知って勇気が出た ・コーゼーションの考え方 (目的や計画が一定はある) © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 45
コーゼーション領域の軋轢 Agile ・チームで ・インクリメンタルに(だんだんと) ・イテレーティブに(繰り返し) エフェクチュエーション ・手中の鳥の原則 許容可能な損失の原則 レモネードの原則 クレイジーキルトの原則 飛行機のパイロットの原則 チームで『チャレンジするスコープと期間を区切って』やってみて学ぶ。 運を楽しみながら、人との出会いや関係性に大きな可能性を求め、 日々ワクワクすることに集中する © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 46
結局、大企業の中間管理職の方に 一番伝えたいことは © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 47
(チームで)「この場に来ようぜ!!」 ということ Fin © 2024 Nissay Information Technology Co., Ltd. 48