大企業をボトムからアジャイルにする3年間の挑戦アジャイル・ハウスとの対峙

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September 28, 24

スライド概要

下記イベントでの発表資料です。(小泉作成分)

https://nissay-it.connpass.com/event/329401/

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Insurtechラボで作成しているスライドです

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各ページのテキスト
1.

大企業をボトムからアジャイルにする3年間の挑戦 ~アジャイル・ハウスとの対峙~ 2024年9月27日

2.

目次 0.はじめに ~自己紹介 1.1F(チームで仕事するための「アジャイル」(見える化とカイゼン)) 2.2F(探索と適応のための「アジャイル」) 3.3F(組織運営のためのアジャイル) 4.基礎(アジャイルマインドの理解(「協働」のメンタリティ)) 2

3.

本日の内容について ■本日の内容 ・市谷聡啓さんが提唱している「アジャイルハウス」に対して、ニッセイ情報 テクノロジーでアジャイルの運営を進めてきた中で感じたことを小泉と市谷さんで 話していく対談 ・1F,2F,3FごとにQAの時間もとりながら進めていきます。オンサイトで気になった 点があればQA頂きながら緩やかに進められると嬉しいです。 MiroやZoomのチャットに感想や質問を書いていただければ拾っていきます ■企画の背景 ・社外の方とオープンに接点を持ちたく初めてconnpassで企画した 社外イベントとなります。運営等慣れない点が多いですが、 温かく見守って下さい 3

4.

0.はじめに~自己紹介 4

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自己紹介 小泉 岳人 X(Twitter):@koitake_ note :https://note.com/rich_hyssop406/ ニッセイ情報テクノロジー(株) プロダクトサービス事業推進室 主席スペシャリスト 趣味:コントラバス :漫画 5

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組織紹介 ニッセイ情報テクノロジー ◼「保険・共済」「年金」「ヘルスケア」といった社会 保障領域のマーケットに対して、質の高いITサービス やコンサルティングなどを提供しています。私たちの 使命は、ITで“いのちを支える”産業に貢献すること。 社会や生活の基盤となるプラットフォーマーを目指し、 新たな価値の創造に取り組んでいます。 設立 1999年7月 事業内容 保険・金融に関するシステムサービス 医療・介護に関するシステムサービス ネットワークサービス、アウトソーシング、収納代行 従業員数 等 2,535名 (2024年4月1日 現在) 6

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組織紹介 営 業 部 門 コ ンン グサ 部ル 門テ ィ 開 発 運 用 部 門 企 フ画 部ス 門タ ッ 特別プロジェクト対 策室 次期システム推進室 プロダクトサー ビス事業推進室 ○○事業部 ○○事業部 ○○事業部 ○○事業部 ○○事業部 ○○事業部 ○○事業部 共創イノベーション 推進B(東京) ・パートナーメンバー/兼務者 合わせて30名程度の組織 ・保険を中心としたWeb サービスのR&Dを中心に推進 共創イノベーション推 進B(大阪) ○○事業本部 ○○事業本部 7

8.

組織紹介 (2004.4) 2022.4 2022.9 2024.4 入社(以降、ウォーターフォールのプロマネを10数年実施) 黎 明 期 ケ イ パ 取 得 期 転 換 期 保険SIの事業部にR&Dラボ設立 運営/ツール整備 練習でのプロダクト作成 複数の会社&事業部と共同でPJTを試行 チームブログ&アドベントカレンダー 社外コミュニティに参加 社外登壇 全社組織に再編 日経新聞にプロダクトサービスが搭載 社内でアジャイルの取組が強まる 8

9.

組織紹介 (2004.4) 2022.4 入社(以降、ウォーターフォールのプロマネを10数年実施) 黎 明 期 アジャイルや仮説検証未経験 保険SIの事業部にR&Dラボ設立 パートナーや兼務者中心 運営/ツール整備 練習でのプロダクト作成 複数の会社&事業部と共同でPJTを試行 ケ イ チームブログ&アドベントカレンダー パ 社外コミュニティに参加 取 Webの環境やコミュニケーション 得 練習プロダクト ツールも初めての状態から構築 社外登壇 期 2022.9 2024.4 全社組織に再編 転 換 日経新聞にプロダクトサービスが搭載 期 社内でアジャイルの取組が強まる 9

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組織紹介 (2004.4) 入社(以降、ウォーターフォールのプロマネを10数年実施) 2022.4 保険SIの事業部にR&Dラボ設立 共同でのPoCや共同登壇 2022.9 2024.4 黎 明 期 ケ イ パ 取 得 期 転 換 期 運営/ツール整備 練習でのプロダクト作成 複数の会社&事業部と共同でPJTを試行 チームブログ&アドベントカレンダー 社外コミュニティに参加 社外登壇 発信や社外交流を勧奨 全社組織に再編 チームブログ 社外登壇 日経新聞にプロダクトサービスが搭載 チームのHPを作成し、 2023.4から実施 2年間で240記事 社内でアジャイルの取組が強まる して20回登壇 イベント参加 DevOpsDaysやRSGT をチーム全員で視聴 10

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組織紹介 (2004.4) 入社(以降、ウォーターフォールのプロマネを10数年実施) 2022.4 保険SIの事業部にR&Dラボ設立 日経にプロダクトサービスが搭載 黎 明 期 アジャイルの取組増加 運営/ツール整備 練習でのプロダクト作成 複数の会社&事業部と共同でPJTを試行 ケ イ チームブログ&アドベントカレンダー パ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB221UI0S 社外コミュニティに参加 取 4A420C2000000/ 得 社外登壇 期 2022.9 2024.4 転 換 期 お客様や事業部 からアジャイル の要望↑ 全社組織に再編 日経新聞にプロダクトサービスが搭載 社内でアジャイルの取組が強まる 11

12.

組織紹介 (2004.4) 入社(以降、ウォーターフォールのプロマネを10数年実施) 2022.4 保険SIの事業部にR&Dラボ設立 2022.9 2024.4 黎 明 期 ケ イ パ 取 得 期 転 換 期 運営/ツール整備 練習でのプロダクト作成 ★レッドジャーニーさんに 支援をお願いする 複数の会社&事業部と共同でPJTを試行 チームブログ&アドベントカレンダー 社外コミュニティに参加 社外登壇 全社組織に再編 日経新聞にプロダクトサービスが搭載 社内でアジャイルの取組が強まる 12

13.

基礎(アジャイルマインドの理解) 1F(チームで仕事するためのアジャイル) 13

14.

「カンバンでの仕事の見える化」「ふりかえり」を始めてみると・・・ カンバン ふりかえり 14

15.

「カンバンでの仕事の見える化」「ふりかえり」を始めてみると・・・ ・状況が見える!! ・ちょっとずつ改善できる!!! 15

16.

初めは良い感じだが、徐々に起こる停滞感(これじゃいない感) ・GOALに向かっている感じがしない ・特定メンバーのみタスクを動かしている ・ふりかえりやっても変化があまりない チームで仕事をしている感がない 16

17.

チームとグループの違い チーム 存在意義 主語 グループ 一人では不可能な成果をあげる 人の集合を外部から見分けやすくする ことができる(外側基準) わたしたち わたし、あなた、彼・彼女たち ミッション 存在意義に直結するミッション が共有されている コミュニ お互いの関係性、振る舞い、考 ケーション え方が与える影響に注意を払う ルール 自分たちで決める 個々の行動レベルにまで落としこめる ミッションにはなっていない 相互連絡に留まる 外部から決められる 「市谷 聡啓 チームジャーニーより抜粋 ※一部修正」 17

18.

チ ー ム の パ フ ォ ー マ ン ス チームとしてパフォー マンスが上げられる グループのまま 時間 18

19.

レジリエンス 危機的な「困難」に直面した際に、立ち直り、 回復するための能力やプロセス 19

20.

チームレジリエンスとは チームレジリエンス チームが「困難」から回復・成長 したりするための能力やプロセス 池田めぐみ,安斎勇樹 著 (2024.5) 20

21.

チームレジリエンスとは 個人、チーム、組織のそれぞれのレジリエンスがある それぞれのレジリエンスで重要なこと 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 向かう 割分担や連携の仕方も回復 に大きく影響する 21

22.

チームレジリエンスとは 個人、チーム、組織のそれぞれのレジリエンスがある それぞれのレジリエンスで重要なこと 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 レジリエンスの高い個人は、チームよりも自身 向かう 割分担や連携の仕方も回復 を守るような行動に出る可能性が高い レジリエンスが高い に大きく影響する 個人を集めてもチー ムのレジリエンスが 高まるわけではない 22

23.

チームレジリエンスとは 個人、チーム、組織のそれぞれのレジリエンスがある それぞれのレジリエンスで重要なこと 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 チームに降り注ぐ困難は、人によって解釈の仕 向かう 割分担や連携の仕方も回復 方が異なり、問題を難しくしている(他の人が 回復に向けて行う行 に大きく影響する 見ている景色も見ないと全体が見えない) 動は個人とチームで 異なる 23

24.

チームレジリエンスとは 個人レジリエンスと組織レジリエンスは急激に上げることが可能 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 向かう 割分担や連携の仕方も回復 に大きく影響する 個人レジリエンスが 高い人を連れて来る 強いリーダーを 連れて来る 24

25.

チームレジリエンスとは 一方、チームレジリエンスは. . . . 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 向かう 割分担や連携の仕方も回復 に大きく影響する メンバー同士の関係性や経験等、 すぐにどうこう出来る話では無さそう さらに個人や組織から受ける影響も大きい 25

26.

チームレジリエンスとは 個人レジリエンス チームレジリエンス 組織レジリエンス チームレジリエンス 個人の問題解決行動と、物 メンバー同士の目線合わせ リーダーの立てる戦略や資 事の考え方により、回復に が大切。メンバー間での役 源の配分などが重要 向かう 割分担や連携の仕方も回復 に大きく影響する 難しい メンバー同士の関係性や経験等、 すぐにどうこう出来る話では無さそう さらに個人や組織から受ける影響も大きい 26

27.

チームレジリエンスとは 最近もレジリエンスが発揮できず、沈んでいました (2024.1Qのふりかえり) 急かされている感じが する。無理やり決めて 進んでいる 目的が明確になってな いからか、色んな人の 意見に右往左往する 発言できる雰囲気に なっておらず、成長機 会を奪っている 同じところをずっと ループしてる感じ モブワーク疲れる 行き当たりバッタリ感 が強い、積上げ感が弱 く徒労感 重要なものが多すぎて 何を重視するのかわか らない ゴールが調整不可 我々のミッションって 何? 何のために始めたのか 分からなくなってきた 委譲の話したけど難し い リーダーのトラック №1問題 遊び心が少ない ワークの中で、柔軟 な”議論”ができなかっ た 学習があまり進んでい ないと感じる メンバーが忙しそ う・・・ 27

28.

チームレジリエンスとは チームレジリエンスを高める方法 ②困難から学ぶ ①課題を定めて対処 ③被害を最小化 0チームの土台 (1.チームの一体感,2.心理的安全性,3.適度な自信,4.状況に適応する力,5.ポジティブな風土) 28

29.

チームレジリエンスとは ビジョン,成果目標,プロ セス目標を分解 チームに対話癖をつける 困難を解決可能な課題に 落とし込む ダブルループ学習(前提を 疑う) 普段から情報収集/発信す る 適切な期限と目的を設定 チーム内のストレスケア 問題を根治課題と緩和課 題に分ける ふりかえりを習慣化する チーム内部の困難なサイ ンを察知する 目標そのものを定期的に 見直す マネジャー業務を15%減 らしておく 撤退条件を決めておく ②困難から学ぶ ①課題を定めて対処 ③被害を最小化 0チームの土台 (1.チームの一体感,2.心理的安全性,3.適度な自信,4.状況に適応する力,5.ポジティブな風土) 目標をストーリーとして 腹落ちする メンバーで個性や感情を 共有する リーダーが身近であろう とする メンバーにネガティブな 意見を求める 他のチームの成功例を見聞 きする メンバーが主体的に動ける 以前より進歩した部分に注 目する 遊び心やユーモア 29

30.

チームレジリエンスとは(本日ご紹介する内容) ビジョン,成果目標,プロ セス目標を分解 チームに対話癖をつける 困難を解決可能な課題に 落とし込む ダブルループ学習(前提を 疑う) 普段から情報収集/発信す る 適切な期限と目的を設定 チーム内のストレスケア 問題を根治課題と緩和課 題に分ける ふりかえりを習慣化する チーム内部の困難なサイ ンを察知する 目標そのものを定期的に 見直す Ⅰ.チーム/組織での目標設定 についての取組 マネジャー業務を15%減 らしておく ①課題を定めて対処 撤退条件を決めておく Ⅱ.対話についての取組 ②困難から学ぶ ③被害を最小化 0チームの土台 (1.チームの一体感,2.心理的安全性,3.適度な自信,4.状況に適応する力,5.ポジティブな風土) 目標をストーリーとして 腹落ちする メンバーで個性や感情を 共有する リーダーが身近であろう とする メンバーにネガティブな 意見を求める 他のチームの成功例を見聞 きする メンバーが主体的に動ける 以前より進歩した部分に注 目する 遊び心やユーモア 30

31.

Ⅰ.チーム/組織での目標設定についての取組 ゴールデンサークル 1.WHY 2.How 3.What 物事を「Why(なぜ)」→「How(ど うやって)」→「What(何が)」の 順で語り、「何をするのか」よりも 「なぜするのか」を優先して伝えるこ とが聞き手の共感を生み、行動変容を 促すという理論 31

32.

Ⅰ.チーム/組織での目標設定についての取組 四半期に一度、個人のゴールデンサークルを共有し、ふりかえり や目標を共有する(ゴールデンサークルライトニングトーク) 自身の ゴールデンサークル 組織の6つの ビジョンから3つ選んで 自身の目標を表明 32

33.

Ⅱ.対話についての取組の紹介 対話について 議論 合意形成や意思決定のための納得解を決める話合い 対話 自由な雰囲気の中で相互理解を深め、共通認識を作る 話合い ※想定を持ち出さず、判断を保留状態にする ことが求められる ※議論も大事だよ 33

34.

Ⅱ.対話についての取組の紹介 ワークショップ「妖怪ウォッチ」 ※2on2 αチーム βチーム 10分 αで問題について対話。βは聞いている 10分 βでαの話を受けて、問題について対話、αは聞いている 10分 αでβの話を受けて、問題についてゆさぶり、反転 10分 βでαの話を受けて、問題についてゆさぶり、反転 20分 全員で問題に対して妖怪の名前を付け、妖怪の特徴を 考える 宇田川 元一 著 (2021.4) 34

35.

Ⅱ.対話についての取組の紹介 「妖怪ウォッチ」で認知された妖怪 ⇒ワークショップ後も、これらの妖怪を見たか、時々共有を続ける 35

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Ⅱ.対話についての取組の紹介 対話について上手くなるために、毎週1時間とって、 1on1の勉強会/練習を実施 ①.勉強会 ②.チームのメン バー同士で1on1 ③.全員に共有 ※くりかえし 36

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Ⅱ.対話についての取組の紹介 ①.勉強会 ポイントとする章を読んで、ディスカッ ション & 関連する記事や動画鑑賞 (運営側で)チェックシートを作成 聞き手 話し手 話したいことをそのまま話せる ネガティブなことでも、素直に言 ように促すことが出来たか? えたか? https://guide.1on1guide.org/ 尾澤 愛実,笹尾 納勇仁, @chachaki,@eroccowaruico 著 (運営側で)困ったときの 質問事例を作成 感情や思いつきを引き出す事例 チームで働いてみた感じを天気で言い表 すと、晴れ or 雨 or 曇 のどれですか? 37

38.

Ⅱ.対話についての取組の紹介 ②.チームのメンバー 同士で1on1 テーマ:自身が実施する(した)内容 /興味/不安について共有して、問題 があれば、方向性について話し合う 1on1 シート作成 ふりかえり 38

39.

Ⅱ.対話についての取組の紹介 ③.全員で共有 取組をやって出た意見 1on1がなかったら聞けな かった悩みがあったから、 とても良かった! ・どんなことを話したか ・1on1ガイドを意識できたか? ・やってみて何か変わったか etc フォーマットを決めてやる のも対話の練習になって良 い チームの中で1on1した人の 関係性が少し変わったとい う意見が複数出ていて、驚 いた 一週跨ぎだったからか、勉 強会の内容を活かせなかっ た気がする 39

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目標設定や対話を意識すると即改善 するようなものではないが、地道に活動 チームで仕事をするための 「見える化とカイゼン」は奥が深い・・・ 40

41.

2F 探索と適応のための「アジャイル」 41

42.

探索と適応のための「アジャイル」 アジャイルは早い開発手法ではない。試行錯誤できる開発手法 図:これまでの開発とアジャイル開発の違い 目的地 これまでの開発 例)アウトプットしてみると、 ユーザーインターフェースの イメージがついてきた アジャイル開発 例)フィードバックが反映され たアウトプットでさらに修正ポ イントが見えた 目的地 ? ⇒ポイントは仮説検証にある。 42

43.

探索と適応のための「アジャイル」 仮説検証というキーワードの理解が合いづらい ・・・ カセツ ケンショウ??? リーンスタートアップ の進め方の事? 仮説を立てて、進めてくやり方ね。 いつも普通にやってるよ!! 43

44.

探索と適応のための「アジャイル」 仮説検証をイメージアップする事例として、実際にプロダクトを作る時に感じた 『エフェクチュエーション』と『コーゼーション』についての話をします。 エフェクチュエーション??? コーゼーション??? 44

45.

プロダクトを作る上での進め方 (仮説設定) 5Force SWOT分 析 アンゾフ のマトリ クス PPM分析 STPマー ケティン グ S T P segmentation targeting segmentation 市場を細分化 する 担うべき市場 を決める 自社の立ち位 置を見極める ビジネスモデ ルキャンバス 投資回収 計画 45

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プロダクト計画で必要な調査 熟達した起業家へ のアンケートを実 施 前述の目的や計画重視のやり 方ではなく、手持ちの手段か ら進める違う特性が見られた エフェクチュエーション 実効性を高めるよう、 コントロールしていくやり方や方法 エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 加護野 忠男,高瀬 進,吉田 満梨 訳 エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」 吉田 満梨、中村 龍太 著 46

47.

エフェクチュエーションとは 優れた起業家に見られる、従来とは異なる思考プロセスや行動のパターンを体系化した意思決定理論 手中の鳥(Bird in Hand) の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」 で何か新しいものを作る 許容可能な損失 (Affordable Loss)の原則 期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス 面)が許容可能かに基づいてコミットする レモネード(Lemonade)の 原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶 然をてことして活用する クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則 コミットする意思を持つすべての関係者と交 渉し、パートナーシップを築く 飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則 コントロール可能な活動に集中し、予測では なくコントロールによって望ましい成果を帰 結させる エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 を元に記載 47

48.

コーゼーションとエフェクチュエーション コーゼーション 概要 エフェクチュエーション 未来を予測し目標を立ててバック 実効性を高めるよう、手元からコ キャスティングで進める方法 ントロールしていくやり方や方法 どんな時に有 未来が予想可能で、明確な目標が 未来が予測不可能で、目標が不明 効か あり、わたしたちの活動から環境 瞭で、人間の活動によって環境が が独立している場合に有効 駆動される場合に有効 マーケティン グの進め方 ポジショニング からのリーチ ターゲティング セグメンテーション 市場の定義 関与者特定 関与者の定義 セグメントとパートナー の追加 1つの可能な市場の定義 エフェクチュエーション サラス・サラスバシー 著 を元に記載 48

49.

エフェクチュエーション的な進め方 49

50.

ラボで日経新聞に載るプロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ①.Web申込案 件の失注 ②.関係者との協 業を広げる ③.出来ることに 集中する ④.損しても問題 ない範囲でやっ てみる ⑤.出来ること自 体を広げていく 50

51.

プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ①.Web申込案件の失注 レモネード(Lemonade) の原則 予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶 然をてことして活用する ・生命保険をダイレクトチャネルで販売する案件 ・スタートアップの会社にフロント領域を取られ失注 ・失注しながらも、スタートアップ社のやっている事を学び、返り咲き スタートアップと協業して本番リリース 51

52.

プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ②.関係者との協業を広げる クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則 コミットする意思を持つすべての関係者と交 渉し、パートナーシップを築く ・ スタートアップのデザイナーさんにアサインしてもらう ・Fintech企業とも共同のPoCを実施。適応範囲を拡大 ・アジャイルコーチの企業にも声をかける 色々な企業と協業する中で出来ることが増える 52

53.

プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ③.出来ることに集中する 飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則 コントロール可能な活動に集中し、予測では なくコントロールによって望ましい成果を帰 結させる ・2022,プロダクト創出に向けたR&Dを行うラボを設立。 ・ケイパビリティもない中で過去案件で実施した、 出来そうな「生命保険のダイレクト申込のシステム構築」に集中、 初めはクラウドとアジャイルのケイパビリティ習得のため、 練習で作ってみる 作れそうなものに集中して、作ってみた 53

54.

プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ④.損しても問題ない範囲でやってみる 許容可能な損失 (Affordable Loss)の原則 期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス 面)が許容可能かに基づいてコミットする ・Fintech企業と協業を検討 ・あるべきビジネスのディスカッションをするが、 まとまらず。。 ・最低限の金額で出来る「既存システム同士の連動」の PoCを実施 とりあえず痛くないレベルで、まずはやってみる 54

55.

プロダクトが出来るまで(エフェクチュエーション物語) ⑤.出来ること自体を広げていく 手中の鳥(Bird in Hand) の原則 「目的主導」ではなく、既存の「手段主導」 で何か新しいものを作る ・出来る手段からやっていく 「デザインや仮説検証アジャイルのケイパビリティ」 ↓ 「Web申込の経験から練習プロダクト」 ↓ 「Fintech企業との連動」 ↓ Fintech企業「これ日経,載せれるんじゃない? いったん声かけてみるか。。」 ↓ 日経新聞搭載、営業/事業部も徐々に巻き込み 55

56.

何がおこったか・・・のまとめ 案件の失注 こっそり 学習 案件主担当 返り咲き R&D組織 設立 Web申込 リリース アジャイル コーチ協業 手中の鳥の拡大 (アジャイル/仮説検証) agileの勉強 会/ガイド スタート アップ協業 手中の鳥の拡大 (マーケティング/デザイン) アジャイル の案件受注 Web申込 を練習 Fintech社 とのPoC Fintech社 協業 とりあえず、Web 申込で繋ぐPoCを 実施 プレスリ リース 事業部、 営業との 協業を目 指す!! Finaさん広報のお かげで日経新聞に 搭載 手中の鳥の拡大 (保険ノウハウ/SaaS) 56

57.

え、、結局、運が良かっただけってこと?? 57

58.

エフェクチュエーションとコーゼーション エフェクチュエーション 偶然に対する心構えをして、 運を最大限、活かす考え方 58

59.

エフェクチュエーションとコーゼーション コーゼーション 偶然に身を任せるのでなく 計画によって確実性を 上げる考え方 59

60.

エフェクチュエーションとコーゼーション コーゼーション エフェクチュエーション 学びを最大化/回転数を あげられるようバランス 仮説検証 60

61.

エフェクチュエーションとコーゼーション コーゼーション プロダクト作成では、 エフェクチュエーショ エフェクチュエーション ン側が重めなイメージ 学びを最大化/回転数を あげられるようバランス 仮説検証 61

62.

仮説検証については、下記本がお勧め。 プロダクト作りをすると、 仮説検証に関して多くを 学ぶことができる (プロダクト以外にも役に立つ) 62

63.

3F(組織運営のためのアジャイル) 63

64.

組織運営のためのアジャイル 開発についての アジャイル適応 アジャイル開発をできるようにする 課 題 ビジネスへの アジャイル適応 開発だけアジャイルを適用してもビジネスの変化(仮説検証やデザ イン思考)が無ければビジネス成果(OUTCOME)は出せない ビジネス部門と協業して仮説検証やデザイン思考 を学ぶ 課 スキルや人員を入れても、組織的な枠組みが無ければグロースで 題 きない(不整合となる) 組織への アジャイル適応 組織のアジャイル化とは何か? 64

65.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 65

66.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 1.共同化 言葉ではなく、共通の 体験を通して、暗黙知 を暗黙知として経験/ 暗黙知を移転する 66

67.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 1.共同化 言葉ではなく、共通の 体験を通して、暗黙知 を暗黙知として経験/ 暗黙知を移転する 「合宿」 67

68.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 2.表出化 個人の持つ暗黙知を、 言葉や図解などに表し て他人と共有する 68

69.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 2.表出化 個人の持つ暗黙知を、 言葉や図解などに表し て他人と共有する 「登壇」 「チームのブログ」 69

70.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 3.連結化 表出された知識を他の 知識と組み合わせ、新 たな知を創出する 70

71.

SECIモデル 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 3.連結化 表出された知識を他の 知識と組み合わせ、新 たな知を創出する 「社内勉強会」 動画視聴会etc 71

72.

SECIモデル 4.内面化 新たに創出された形式 知を、習得するために 反復練習等で自分のも のとし、形式知から個 人の暗黙知へ変化する 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) 72

73.

SECIモデル 4.内面化 新たに創出された形式 知を、習得するために 反復練習等で自分のも のとし、形式知から個 人の暗黙知へ変化する 組織のアジャイル化=SECIモデル (個人が蓄積した知識や経験を組織で形式知化し、新たな発見を得るための知識創造プロセス) アジャイル開発 73

74.

SECIモデル SECIモデルの回転数をあげる(実施の回数を増やす)ことを目指す =発信の機会及び内部フィードバックの機会を多く持つように意識 発信の機会及び内部 フィードバックの機 会を多く持つように 意識 (すぐにはうまく出来 ないから練習する) 74

75.

発信活動に関して 発信活動はどれも等しく価値がある。自分に合ったところから発信数を増やす よう意識。また一定仕組み化する 1.チャットでの反応、X等のいいね 2.勉強会等への参加、コミュニティ参加 難 易 度 3.勉強会で感想を言う、コミュニティで発言する 4.分報、X等でのリポストやコメント 5.チームブログで発信、個人でのブログ記載 6.社内登壇、社外登壇 社内運営、社外運営 75

76.

発信活動に関して 発信活動はどれも等しく価値がある。自分に合ったところから発信数を増やす よう意識。また一定仕組み化する 1.チャットでの反応、X等のいいね チームで反応するようにルール化 2.勉強会等への参加、コミュニティ参加感想を共有する勉強会を繰り返す 難 易 度 3.勉強会で感想を言う、コミュニティで発言する 4.分報、X等でのリポストやコメント 分報の運営を作って盛り上げる 5.チームブログで発信、個人でのブログ記載 チーム内リレーブログ 6.社内登壇、社外登壇 発信しているコミュニティに参加 76

77.

発信活動に関して 発信という行為は、他の人のアウトプットと比べてしまい、恥ずかしくなることも 多い 77

78.

発信活動に関して 見た目の花(活動のOUTPUT)だけを意識するのではなく、活動により、メンバー の好奇心の根が伸びている事を楽しめる文化を目指す 「興味のタネ」から「探究の根」が伸びそ の結果が「表現の花」として表に出てくる。 普段見ている「表現の花」よりむしろ地下 深くに様々な方向に延びた探究の根が本質 である 「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 末永 幸歩 (著) 78

79.

終わりに .基礎(アジャイルマインドの理解 (「協働」のメンタリティ)に戻って) 79

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SECIモデルでの学習サイクル エフェクチュエーションと仮説検証 カイゼンするためのチームレジリエンス 協働のメンタリティ???? 80

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SECIモデル 協働(きょうどう)って 先ほど聞いた気がする 81

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SECIモデル SECIモデルは共同化から始まる!! 1.共同化 言葉ではなく、共通の 体験を通して、暗黙知 を暗黙知として経験/ 暗黙知を移転する 82

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SECIモデル 暗黙知を暗黙知として共有する『創発場』が重要 1958年、荒川のテストコー ス。見つめる開発スタッフと、 手前で地面に這いつくばってマ シンの挙動を点検するのは、本 田宗一郎 ホンダコレクションホールより https://blog.goo.ne.jp/kotoyorimasagoo/e/fa7fb6fa1879e74026b06939f64dec95 83

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今この場所で、オンラインで、私の会社のメンバー とコミュニティのメンバーがいる 市谷さんと対談していて、 誰かがMiroに書き込んだり、うなづいたりしている この空気は今ココにしか存在していない 84

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今ココにいる社内コミュニティの例 ラボメンバー 勉強会 コミュニティ 他多数 ラボでAgileや仮説検証の 取組を日々実施している 人材組織と一緒に社内の 学習取組を推進 85

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お世話になっている社外のコミュニティの例 地方スクラム フェスコミュニティ シンアジャイル コミュニティ ゆるふわ スクラム輪読 他多数 日本全国でAgile,スクラムの 文脈で地方カンファレンスを 開いている、レジェンド的な 方から初めての方まで幅広い 意見交換がされている JTC等でアジャイルに関して 悩んでいる方が多く集まって いて組織を良くする文脈で 日々悩んでいる 近年、アジャイルを始めたて のメンバーで集まって出来た コミュニティ。周りの方の急 激な成長/変容に刺激されて いる 86

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それぞれの創発が 繋がっていく 87

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アジャイルとは 88

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アジャイルソフトウェア開発宣言の内容以上に 様々なメンバーがノリでスノーバードに集まって スキーしたりご飯食べたりしながら、 つながりや創発が起こってた事がワクワクする 90

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協働のメンタリティとは「創発を産む繋がり」 ラボ・NITのメンバー・社外の方が集まった 本日の場が「創発を産む繋がり」になれば幸いです 本日はありがとうございました Fin 91