cp-15. 疑似乱数とシミュレーション

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February 21, 22

スライド概要

C プログラミング入門 (スライド資料とプログラム例)(Visual Studio 2019 を使用)(全15回)
https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html

金子邦彦研究室ホームページ
https://www.kkaneko.jp/index.html

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金子邦彦(かねこくにひこ) 福山大学・工学部・教授 ホームページ: https://www.kkaneko.jp/index.html 金子邦彦 YouTube チャンネル: https://youtube.com/user/kunihikokaneko

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各ページのテキスト
1.

cp-15. 疑似乱数と シミュレーション (C プログラミング入門) URL: https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html 金子邦彦 1

2.

内容 例題1.疑似乱数 例題2.ランダムウオーク 例題3.じゃんけんゲーム 例題4.モンテカルロ法による数値積分 2

3.

目標 • 疑似乱数を使ったプログラムを理解する • 疑似乱数を使ったシミュレーションを理解する 3

4.

例題1.疑似乱数 • 疑似乱数を表示するプログラムを作る. • 疑似乱数の表示を,10回繰り返すこと • 疑似乱数を発生させるために,srand 関数と rand 関数を使うこと. 4

5.
[beta]
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
疑似乱数のシード
{
の設定
int i;
int x;
srand( (unsigned int) time(NULL) );
for ( i = 0; i < 10; i++ ) {
x = ( (double)rand() / (RAND_MAX+1) ) * 10;
printf( "x=%d\n", x );
}
疑似乱数の発生
return 0;
}
5

6.

実行結果例 x=3 x=1 x=8 x=8 x=4 x=3 x=4 x=1 x=6 x=1 6

7.

疑似乱数 srand( (unsigned int) time(NULL) ); i=0 i < 10 No Yes x = ( (double)rand() / (RAND_MAX+1) ) * 10; printf( "x=%d\n", x ); i++ 7

8.

プログラムとデータ メモリ ② ① x X = ( (double)rand() / (RAND_MAX+1) ) * 10; 疑似乱数の発生 printf( "x=%d\n", x ); 表示 8

9.

疑似乱数 • rand 関数は疑似乱数(pseudo-random number) を発生させるためのライブラリ関数. • 発生される数は,0からRAND_MAXの間の値をと る. • RAND_MAX は,rand 関数で発生する疑似乱数 (pseudo-random number)の最大値を表す 9

10.

疑似乱数のシード(seed) • srand 関数は,rand 関数で発生させる疑似乱数 (pseudo-random number)の系列を設定するた めのライブラリ関数. • 疑似乱数の系列は,srand 関数の引数 seed によっ て変化する. • rand 関数は,シードの設定を行わないと,同じ系 列の疑似乱数を返す. 10

11.

疑似乱数のまとめ • srand 関数,rand 関数の使用では, #include <stdlib.h> が必要 • rand 関数: 疑似乱数の発生 • 疑似乱数の範囲: 0からRAND_MAX • 疑似乱数の型: 整数データ • rand関数を実行するたびに,新しい疑似乱数が返される • srand 関数 • rand 関数は,ある決められた初期値(「シード」という)から, 疑似乱数を計算する • プログラムの実行のたびに,シードを変えて,違う疑似乱数 を発生させるために,srand 関数を用いる 11

12.

例題2.ランダムウオーク • ランダムウオークのプログラムを作る. • 「酔っ払い」が歩いている • 「酔っ払い」には記憶がない • 「酔っ払い」は確率0.5で右に,確率0.5で左に歩 く • 道の幅は11メートル,1歩は1メートルとし, 最初,酔っ払いは道の中央にいる.道幅を超えた ら終わり 12

13.
[beta]
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>
#pragma warning(disable:4996)
void print( int n )
{
int i;
for ( i = 0; i < n; i++ ) {
printf( " " );
}
printf( "*\n" );
}
int main()
{
int n = 5;
srand( (unsigned int) time(NULL) );
while ( ( n >= 0 ) && ( n <= 10 ) ) {
print( n );
if ( ( (double)rand() / (RAND_MAX+1) ) < 0.5 ) {
n++;
} else {
n--;
}
}
return 0;
}

疑似乱数のシード
の設定

疑似乱数の発生
13

14.

実行結果例 * * * * * * * * * * 14

15.

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 道幅11メートル 15

16.

課題1.ランダムウオーク結果集計 • 例題2の「ランダムウオーク」を1000回繰 り返して,「平均で何歩歩いたかを求めるプロ グラム」を作りなさい • 「小数付きのデータ」を扱うために、浮動小数 (double)を使うこと • 各繰り返しにおいて 「n = 5;」を実行すること 16

17.

例題3.じゃんけんゲーム • じゃんけんを行うプログラム 0: パー 1: グー 2: チョキ じゃんけんの勝負の判定のために,2次元配列を用 いる 17

18.
[beta]
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <time.h>
#pragma warning(disable:4996)
疑似乱数のシード
int main()
{
の設定
int x;
int y;
int hantei[3][3] = { {0, 1, -1}, {-1, 0, 1}, {1, -1, 0}};
char jk[3][20] ={ "パー", "グー", "チョキ" };
srand( (unsigned int) time(NULL) );
do {
疑似乱数の発生
y = ( (double) rand() / (RAND_MAX+1) ) * 3;
printf( "\n" );
printf( "じゃんけん (0:%s,1:%s,2:%s,3:やめる)\n", jk[0], jk[1], jk[2] );
scanf( "%d", &x );
switch ( hantei[x][y] ) {
case 1:
printf( "あなた: %s, 私: %s, あなたの勝ち!うう悔しい\n", jk[x], jk[y] );
break;
case 0:
printf( "あなた: %s, 私: %s, ひきわけ.もう1度勝負!\n", jk[x], jk[y] );
break;
case -1:
printf( "あなた: %s, 私: %s, 私の勝ち!やったあ\n", jk[x], jk[y] );
break;
}
} while ( x!= 3 );
return 0;
}

18

19.

課題2.じゃんけん結果集計 • 例題3の「じゃんけんプログラム」につい て,入力されたパー,グー,チョキの回数 に関する情報を表示するプログラムを作り なさい 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. パーの次にパー パーの次にグー パーの次にチョキ グーの次にパー グーの次にグー グーの次にチョキ チョキの次にパー チョキの次にグー チョキの次にチョキ 19

20.

例題4.モンテカルロ法による 数値積分 • モンテカルロ法による数値積分を行うプログラ ムを書く • 次の値を読み込むこと • 積分区間[a,b] • 疑似乱数の発生回数 • 数値積分を行うべき f(x) は,指数関数 exp(-x) とする (プログラム中に書く) 20

21.

モンテカルロ法とは • モンテカルロ法は,疑似乱数を用いて積分近似値を求める • 積分区間[a,b]で f(x) の値が0以上で,かつある値Ymax以下で あることが分かっているとき(下図), 1.ランダムな座標の発生(疑似乱数を利用) a≦x≦b,0≦y≦Ymaxの範囲内でランダムな座標(x,y)を発生 2.関数 f(x) 以下であるのかの判定 関数f(x)以下である座標が総数に占める割合を求める 以上で,矩形の面積(b-a)*Ymaxに乗じることで積分近似値を求める y Ymax f(x) 0 a b x 21

22.
[beta]
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <math.h>
#include <time.h>

double f(double x)
{
return exp(-x*x);
}

22

23.

main() { double Ymax = 1.0; double a, b, x, y, S; int i, N, seed, count; printf("積分区間(a~b) : "); printf("a= ? "); scanf("%lf", &a); 積分区間 a, b の読み込み printf("b= ? "); scanf("%lf", &b); printf("疑似乱数の発生回数 N : "); printf("N= ? "); scanf("%d", &N); 疑似乱数の発生回数 の読み込み 23

24.
[beta]
srand( (unsigned int) time(NULL) );

ランダムな座標値
(x, y) の発生

count = 0;
for(i = 0 ; i < N ; i++){
x = (double)rand() / (RAND_MAX+1) * (b - a) + a;
y = (double)rand() / (RAND_MAX+1) * Ymax;
if(y < f(x)) {
count++;
関数 f(x) 以下であるのかの判定
}
}
S = (b - a) * Ymax * count / N;
printf("面積 = %lf\n",S);
}

積分値の計算

24

25.

実行結果の例 f(x) = exp(-x2 ) 積分範囲(a~b) : 0 1 乱数の個数 : 1000 乱数の種 : 0 面積 = 0.761000 積分範囲(a~b) : 0 1 乱数の個数 : 1000000000 乱数の種 : 0 面積 = 0.746825 積分範囲(a~b) : 0 1 乱数の個数 : 1000000 乱数の種 : 0 面積 = 0.747537 25

26.

課題3.円周率の計算 モンテカルロ法を用いて,円周率を求めなさい 26

27.

課題3のヒント ① ランダムな座標値 (x, y) をこの正方形内 で発生させる 1 0 1 ② 発生させた座標値 がこの円内かどうかを 判定する (円内である確率は, π/4) 27