CSSによるODS RTFのスタイル設定

237 Views

October 21, 24

スライド概要

[第10回大阪sas勉強会]

profile-image

SAS言語を中心として,解析業務担当者・プログラマなのコミュニティを活性化したいです

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

CSSによるODS RTFのスタイル設定 第10回 大阪SAS勉強会 中松 建

2.

目次 はじめに 基本的な使用方法 応用編 スタイル設定の再現 動的な罫線の設定方法 検証メモ まとめ

3.

はじめに Q. SASで出力のスタイル設定はどこで行うのがよい? プロシージャ内 外部ファイル・設定 A. コーディングのベターなプラクティスは 外部ファイル・設定 → ロジック・構造とスタイルの分離 html5でtableのrules属性の廃止など コードや構造が短くシンプルになる 作業や責任の分担がしやすい 1

4.

SASでのスタイル設定 スタイルの外部設定は基本的に proc template スタイル設定できますか? 教えられますか? 設定する機会があまりない 設定方法に関する資料がそれほど多くない 他で役に立たないので、習得のモチベーションが低い CSSは外部化の選択肢のひとつだが、日本語でまとまった資料はない 英語でも ODS RTFを対象にしたものはない 2

5.

CSS(Cascading Style Sheet)とは スタイルを定義するためのルールベースの記法 Webページやアプリケーションの文字の色や大きさ、背景、配置の設定に使用される SAS9より前、実用的には9.4から使用可能 SASに加えてweb関連を分かる人が少なく、あまり使用されていない → スタイル設定の標準的な技術であり、生成AIで扱いやすい 学習コストを抑えつつ、スクレイピングやxml関連など知識を他にも活かせる 3

6.

基本的な使用方法 * Check DOM(Document Object Model) ; filename test temp ; ods rtf file = test dom ; proc report data = sashelp.class ; run ; ods rtf close ; * Apply to RTF; ods rtf file = "xxx.rtf" cssstyle = "style.css" ; proc report data = sashelp.class ; run ; ods rtf close ; ods trace dom でもOK セルの値も出力されるので、確認時には適宜データセットを空にする 4

7.

DOMサンプル <table class="table"> <colgroup> <col type="char"> <col type="char"> <col type="num"> <col type="num"> <col type="num"> </colgroup> <thead> <tr> <th class="header" index="1">Name</th> <th class="header" index="2">Sex</th> <th class="header" index="3">Age</th> <th class="header" index="4">Height</th> <th class="header" index="5">Weight</th> </tr> </thead> <tbody> <tr> <td class="data" type="char" unformatted-type="char" index="1" name="_c1_" data-name="_c1_">Alfred</td> <td class="data" type="char" unformatted-type="char" index="2" name="_c2_" data-name="_c2_">M</td> <td class="data" type="num" unformatted-type="num" index="3" name="_c3_" data-name="_c3_"> 14</td> <td class="data" type="num" unformatted-type="num" index="4" name="_c4_" data-name="_c4_"> 69</td> <td class="data" type="num" unformatted-type="num" index="5" name="_c5_" data-name="_c5_"> 112.5</td> </tr> </tbody> </table> 5

8.

生成AIへの指示例 DOMにスタイルを設定するためのCSSを作成します。 tableの上と下に線 ヘッダーのセルには下線 ヘッダーの文字は太字 を、以下のDOMに対して行うためのCSSを作成してください。 スタイルの設定対象はクラスが設定されているエレメントで、クラスを含めて指定し てください。 --{DOM} 6

9.

応用編 7

10.

スタイル設定の再現 ODS機能とREPORTプロシジャを用 いた解析帳票の作成(SAS ユーザー 総会2017) のデータ・コードを使用し、設定例を再 現 8

11.
[beta]
再現用SASコード
options nodate nonumber papersize = "A4" orientation = portrait topmargin = 3cm bottommargin = 3cm leftmargin = 2.5cm rightmargin= 2.5cm ;
ods escapechar = '~';
title1 'Table 9.9.9 Subgroup Analysis, MMRM for Percent Change from Baseline in VAS by Age Group' ;
title2 'Full Analysis Set' ;
footnote1 'Page ~{pageof}' ;
ods rtf file = out notoc_data cssstyle = css dom ;
proc report data = sample.out missing split = '|' spanrows ;
column ("" AGEGR1N AGEGR1X TRTPN TRT_VISITN TRT_VISIT LSMEAN SE)
("95% CI~{super[a]}" LOWER UPPER)
("Comparison to Placebo" C_LSMEAN C_SE("CI~{super[a]}" C_LOWER C_UPPER))
;
define AGEGR1N
/ order noprint ;
define AGEGR1X
/ order 'age' ;
define TRTPN
/ order noprint ;
define TRT_VISITN / order noprint ;
define TRT_VISIT / 'Treatment|Visit' ;
define LSMEAN
/ 'LS Mean' ;
define SE
/ 'SE' ;
define LOWER
/ 'Lower' ;
define UPPER
/ 'Upper' ;
define C_LSMEAN
/ 'LS Mean' ;
define C_SE
/ 'SE' ;
define C_LOWER
/ 'Lower' ;
define C_UPPER
/ 'Upper' ;
compute after _page_ ;
line '[a] 95% confidence interval' ;
endcomp ;
run ;
ods rtf close ;

9

12.
[beta]
CSS例
:root{
font-size:8pt;
font-family: 'Courier';
}

.header{
vertical-align:bottom;
text-align: resolve('%head_align') ;
}
.header:not(:empty){border-bottom-width: 1pt;}
td.data:not(:empty){padding-left: resolve('%col_margin') ;}

.systemtitle, .systemtitle2,.systemtitle3,
.linecontent{text-align:left;}
.systemfooter{text-align:right;}
.linecontent:first-child{border-top-width:1pt;}
.table{
border-color:black;
border-style:solid;
border-top-width:1pt;
width: 100% ;
}

.data:empty, th.data{border-top-width: 1pt;}
td.data:not(:empty){border-top-width:resolve('%group_line');}
/*
macro sample for dynamic property
%macro col_margin ;
%if "%scan(&_val_, 1)" = "Active" or "%scan(&_val_, 1)" = "Placebo"
%then 0 ;
%else 0.4cm ;
%mend ;
*/

.table.header, .table.data{
padding: 0 ;
margin: 0 ;
}
.data{vertical-align:top;}

10

13.

動的な罫線の設定方法 モダンCSS :has()など 後続兄弟結合子 th.data ~ td.data 動的プロパティで_row_の参照 セルのルール + 動的プロパティで_val_の参照: style.css マクロでCSSの:nth-child()を生成: css_macro.sas 従来どおり call define 11

14.

検証メモ cssclassによるクラス追加はrtfでは使用できない(htmlでもログのdomには出て こないことに注意) CSSは独自の規格のようで、いわゆるモダンCSSと呼ばれる機能や非表示化や優先 設定なども使用できない 擬似クラス(Pseudo-Class)は有用だが、rtfでは後続兄弟結合子「~」など一部うま く機能しないものもある → おそらくrtfで存在する要素にはクラスが指定されている、その要素にしかスタイ ルの指定は効かない SASのバージョンによりDOMが変わる場合があるので注意 12

15.

noprintの列は擬似クラスでの参照はできない noprintの代わりにCSS側での非表示化も不可 :before によるフォント情報などの埋め込みもおそらく不可 first-xxはあるがlast-xxは使用できない、nth-childは下層すべてが対象になる が、first-xxでは前方の一部しか対象にならない 表全体の下線はフットノートの形式にもよるが、例のような形式で罫線にnth-child を使わずフットノートなしの場合、空のlineでの対応が簡単 プロパティでのマクロ変数やマクロの使用で、セレクタが不自由な点はいくらかカバ ー可能 動的プロパティでは _col_ や _row_ はうまく動作せず、確認できたのは _val_ の み proc reportで特定の複数列にタイトルをつけるような場合、cssで _val_ の値を 扱う場合 ("" col1 col2) のように、空でもタイトルの指定が必要 13

16.

まとめ テーブル全体の設定であれば、十分対応可能 列・行への設定は番号を指定する形で可能 罫線など動的な設定は、CSSの生成や動的プロパティが必要 リファレンス:ODS and Cascading Style Sheets 使用可能なCSSの機能は限定的ではあるものの 生成AIにより学習コストが低い(高精度な回答が得られる) プロシージャ内指定からの次のステップ proc templateに関して詳しい人がいない 既存の資産や参照プログラムがない というような場合には有用では? 14

17.

配布先 https://github.com/k-nkmt/sas_study_group/tree/main/Osaka_10th ├─prg │ │ css_macro.sas : CSS関連マクロ │ │ css_report.sas : レポート用コード │ │ style.css : サンプルCSS │ │ │ ├─data : テスト用データ │ └─report: サンプル出力 ├─.vscode : marp用設定 └─slide theme.css : スライドのカスタムテーマ slide.md : スライドのソース 15

18.

その他資料など スライドはMarpとカスタムテーマにより作成、CSSのサンプルとして同梱 SAS単体でUUID(バージョン3,5)を生成する処理 バイナリ関連関数によりUUIDバージョン3, 5を生成 Intro to SAS Notes 日本語訳 University of Florida College of Public Health and Health Professionsが公開しているSASのテキストの日本語訳 Githubアカウント: https://github.com/k-nkmt e-mail: [email protected] 16