CDISC/SDTMデータを使ったSASプログラム公開

2.1K Views

April 03, 24

スライド概要

[第8回大阪sas勉強会]高原志津子

profile-image

SAS言語を中心として,解析業務担当者・プログラマなのコミュニティを活性化したいです

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

2019-2021 19mk0101153 アカデミアにおけるCDISC標準利用推進のための施設間連携に関する研究 2022-2024 22mk0101242 アカデミアにおけるCDISC標準利用促進に関する研究開発 CDISC/SDTMデータを使った SASプログラム公開 臨床試験学会での 口演を、今日はほ ぼそのままお話し ます。 2023/3/24 2023/2/10 国立大学法人金沢大学 附属病院 先端医療開発センター 高原 志津子 独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 臨床研究センター 山本 松雄、齋藤 俊樹 筆頭演者のCOI開示:開示すべきCOI関係にある企業などはありません

2.

Disclosure 本発表は発表者個人の意見、感想であり、 所属組織やAMED研究組織を代表するもの ではありません。 2

3.

本日の内容 ◼ AROのCDISC標準対応に関する現状 ◼ 共通プログラムについて ◼ AMED研究(齋藤班)とaCRF.jp ◼ 共通プログラムの公開とその使い方 ◼ 金沢大学での共通プログラム使用経験 ◼ まとめ 3

4.

AROのCDISC標準対応に関する現状 4

5.

AROのCDISC標準導入に関するアンケート調査 ◼ 2020年4~6月の結果(回答41施設) – CDASH, SDTM, AdaMのいずれも導入していな い:65.9% 2/3は未導入 – DM人数:中央値=3、最小値=0、最大値=28 – CDISC標準導入の障害となっているもの 人がいない • 人的・経済的エフォートがかかる、リソース不足:85.4% • CDISCに関する知識を有する人材がいない:61.0% この状態じゃ AROでCDISCは 無理か・・・ 出典:永井かおり, 池田裕弥, 大野道夫, 齋藤俊樹, 樋之津史郎(2022). 本邦アカデミアにおけるCDISC標準導入の現状と課題 薬理と治療, 50, s51-s59 5

6.

2022年12月に開始した、アカデミア有志チーム ◼ チーム概要 – 発起人:和歌山県立医科大学附属病院 北山 恵 先生 – CJUG(CDISC Japan User Group)のSDTMチーム内で、 アカデミア有志チームを発足させることになった • 募集メール内容:CDISC対応したいけどできないでいるアカデミア 有志メンバーを集い模擬試験を用いてSDTM作成からバリデー ションまでを実施する計画が立ち上がりました。 • 連絡メール:2022/12/2 わずか 1週間で ◼ 参加者 – 初回会合(2022/12/9):アカデミア約20施設から30名超の 参加あり(オンライン参加含む) 実際は… CDISC対応をしたいけど、できないでいるだけ 6

7.

なぜアカデミアでCDISC標準? ◼ 製薬企業 – 承認申請にはCDISC標準データ提出が必須 → やらざるを得ない ◼ アカデミアは? – 承認申請をしない→必要性がない? – アカデミアがCDSIC標準を導入するメリットは? • 標準化による業務の効率化 • 企業導出のしやすさ • 今後のため(研究資金提供者や論文投稿先がCDISC 標準データの提出を求めてくるかもしれない?) 7

8.

なぜアカデミアでCDISC標準? ◼ 製薬企業 – 承認申請にはCDISC標準データ提出が必須 → やらざるを得ない ◼ アカデミアは? – 承認申請をしない→必要性がない? – アカデミアがCDSIC標準を導入するメリットは? • 標準化による業務の効率化 • 企業導出のしやすさ • 今後のため(研究資金提供者や論文投稿先がCDISC 標準データの提出を求めてくるかもしれない?) 8

9.

標準化による業務の効率化のために ◼ 例えば・・・ – 組織内・・・その組織特有の環境に即したもの • 組織で採用しているシステムを使ったテンプレート • 自施設内のSOPや作業マニュアル など – 全世界共通・・・CDISCは世界共通!! English • CDISC.org ←豊富な資料あり。但し全て英語 – 日本語で全国共通のものがあれば・・・ • • • • 日本語での教育プログラム実施 日本語資料の公開 日本でのマッピング事例の公開 日本語の共通プログラムの公開 aCRF.jp 9

10.

標準化による業務の効率化のために ◼ 例えば・・・ – 組織内・・・その組織特有の環境に即したもの • 組織で採用しているシステムを使ったテンプレート • 自施設内のSOPや作業マニュアル など – 全世界共通・・・CDISCは世界共通!! English • CDISC.org ←豊富な資料あり。但し全て英語 – 日本語で全国共通のものがあれば・・・ • • • • 日本語での教育プログラム実施 日本語資料の公開 日本でのマッピング事例の公開 日本語の共通プログラムの公開 aCRF.jp 10

11.

共通プログラムについて 11

12.

共通プログラムとは ◼ プログラムとは(理論上) プログラム アウトプット データベース データベースの形式が 同じであれば 抽出・加工 同じプログラムで データベースの値に即 した、同様のアウト プットが得られる データの値や件数が異 なっても 12

13.

共通プログラムとは ◼ 従来は・・・ プログラム アウトプット データベース データベースの形式が 同じであれば 抽出・加工 同じプログラムで 独自に、毎回プログラ ムを作っていた データベースの値に即 した、同様のアウト プットが得られる 非効率!! データの値や件数が異 なっても 13

14.

共通プログラムとは ◼ CDISC/SDTMなら プログラム アウトプット データベース 抽出・加工 SDTMであれば、デー タベースの形式が同じ 同じプログラムで データの値や件数が異 なっても ここを公開してみんな で使いまわせば データベースの値に即 した、同様のアウト プットが得られる 効率UP!! 14

15.

AMED研究(齋藤班)とaCRF.jp 15

16.

AMED研究(齋藤班)とaCRF.jp ◼ 研究代表者:名古屋医療センター 齋藤俊樹先生 ◼ 2019~2021年度<第1期> – 課題1:CDISCデータ作成におけるアカデミア連携体制提案 – 課題2:企業との連携円滑化のためのCDISC情報共有体制提案 – 課題3:アカデミア間CDISC情報共有ポータルサイトの構築 • aCRF.jp(臨床研究のデータ標準(CDISC)に関する情報提供のためのアカ デミア間情報共有ポータルサイト) • CDISC/SDTMマッピングの annotated CRF を広く公開する場として 構築 ◼ 2022~2024年度<第2期> 16

17.

aCRF.jp aCRF.jp 検索 17

18.

共通プログラムの公開とその使い方 18

19.

aCRF.jp aCRF.jp 19

20.

aCRF.jp→Tools 20

21.

aCRF.jp→Tools→GitHub:臨床検査値グラフ 21

22.

aCRF.jp→…中略…ボックスプロット作成.sas コピペ用 バッファへ 22

23.

自分で作ったプログラムをaCRF.jpに掲載できます ・ ・ ・ 23

24.

金沢大学での共通プログラム使用経験 24

25.

金沢大学での共通プログラム使用経験 ◼ プログラミング – 有害事象一覧、臨床検査値グラフについては、そのまま 使いまわせた – 症例一覧は、ある程度の修正が必要なものの、初めから 作成するよりは、はるかに短期間で作成可能であった – RECIST一覧は、その後の利用は無いが、15分程度の修 正で使いまわせると予想された ◼ その他、効率アップに貢献した点 – プログラミングの知識がなくてもプログラムを扱える →担当者を選ばない – 仕様書やマニュアル等を共通化することによる、文書作 成に関する作業の大幅削減 25

26.

こんな帳票やグラフが、プログラミングなしに 出力できたら、素敵だと思いませんか? ◼ 有害事象一覧 ◼ 臨検値グラフ これらの出力は全て、 aCRF.jpに掲載したプログラムと テストデータで作成されています。 26

27.

こんな帳票が、15分程度のプログラミングで 出力できたら、素敵だと思いませんか? ◼ RECIST一覧 この出力は、aCRF.jpに掲載したプログラムとテストデータで作成されています。27

28.

まとめ 28

29.

まとめ ◼ アカデミアは決してCDISC標準に無関心ではない ◼ CDISCによるデータ標準化で、プログラム作成業務 (マニュアル作成等を含む)を大幅に効率化できた ◼ 標準化の手助けの一環として、aCRF.jpがある ◼ aCRF.jpに、いくつかの標準化プログラムを掲載して いる →参照手順、掲載手順を紹介した プログラム公開が進み、みんなで 効率や質の向上ができるように なることを願っています。 29

30.

ご清聴ありがとうございました [email protected] 30