Azure Local 新機能検証

Azure Local 新機能検証 2025/07/15 株式会社NTTデータ先端技術 経営企画部 Microsoft技術センター 原田 幸太郎 © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation

自己紹介 所属:株式会社NTTデータ先端技術 代表的なインダストリー＆プロジェクト経験 役割:コンサルタント ◼ 医薬系 Azure 基盤構築プロジェクト 医薬系企業の Azure によるアプリケーション基盤構築プロジェクトに参画。 グランドデザイン策定から入り、プロジェクトキックオフ後は Azure 基盤チームのマネジメント を実施し、カットオーバー後の保守運用に関わる技術支援を実施。 (技術要素：Azure 基盤 IaaS / 運用基盤) 氏名:原田 幸太郎 (ハラダ コウタロウ) 職務経験年数： ITスペシャリスト（プラットフォーム）：15年 ◼ 金融系 Azure 基盤構築プロジェクト 金融系企業の Azure によるマルチシスシステム基盤構築プロジェクトに参画。 グランドデザイン策定から提案支援から入り、プロジェクトキックオフ後は Azure 基盤チーム のマネジメントと並行してコンサルおよび技術支援を実施。 (技術要素：Azure 基盤 PaaS・IaaS / セキュリティ基盤 IDS・IPS / 運用基盤) ITスペシャリスト（クラウド）：10年 教育とコンピテンシー 業務経験 ◼ 全社横断組織でのコンサルティング・技術開発を担当 ◼ 専門分野はクラウド（Azure ・ Microsoft 365） ・ デバイス（PC ・ モバイル ・ VDI）、 他 Microsoft プロダクト全般 ◼ Azure 技術コンサルティング 医薬系：Azure 基盤の設計・構築および維持運用改善に関するコンサルティング（技術 要素：Azure Monitor / Log Analytics ） 保険系：Azure データ分析基盤のグランドデザイン策定～ PoC 実施に関するコンサル ティング（技術要素：Azure SQL MI / Power BI ） 化学系：Azure IoT 基盤のグランドデザイン策定～ PoC 実施に関するコンサルティング （技術要素：Azure IoT Hub / Raspberry Pi ） 情報・通信系：Azure 基盤構築自動化のグランドデザイン策定～ PoC 実施に関するコ ンサルティング（技術要素：Azure Resource Manager / Powershell ） 保有資格 ◼ 各種 情報処理技術者試験 ◼ Microsoft 認定資格 ✓ Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert ✓ Microsoft Certified: Azure DevOps Engineer Expert ✓ Microsoft Certified: Power Platform Solution Architect Expert ✓ Microsoft Certified: Cybersecurity Architect Expert ✓ Microsoft 365 Certified: Administrator Expert ✓ Microsoft Certified Trainer 2023-2024 ◼ マイクロソフトプロダクト関連 技術評価 Azure 検討ガイドライン：Azure の技術要素・ノウハウをまとめたガイドラインおよびデザイ ンパターン資料（技術要素：Azure IaaS / Azure PaaS ） 性能解析方式ガイドライン：Windows サーバー性能解析のガイドライン資料（技術要 素：SQL Server / IIS ） 特徴/業務知識 ◼ Microsoft プロダクト全般への知見 ◼ Microsoft プレミアサポートの特徴を理解した上でのインシデント対応 © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation ※一部、経歴を抜粋して記載しております 2

本日お伝えしたいこと Azure Stack HCI は 「AKS はまあ使えんことはないけど、それ以外は Hyper-V が Arc に繋がってる だけだよね」と言う感じでしたが、Azure Local のリリースによって印象が変わってきました。 その変化を今回検証した新機能の中から VM 管理機能の進化を取り上げてお伝えいたします。 © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation 3

Azure Local とは (Generated by Copilot) Azure Local は、Microsoft Azure のクラウド機能を お客様のオンプレミス環境に拡張するためのハイブリッドクラ ウドソリューションです。これは、従来の Azure Stack HCI をベースに進化したもので、クラウドとエッジの境界を なくし、分散環境でも一貫した Azure の体験を提供するこ とを目的としています。 ローカル環境でのクラウド利用 Azure Local により、クラウドサービスを自社のローカル環境 やデータセンターで活用できます。 セキュリティと法的要件対応 セキュリティおよび法的要件を満たしながら、クラウドのメリットを 享受可能です。 ハイブリッド運用の実現 クラウドとオンプレミスのハイブリッド運用が実現し、柔軟なITイ ンフラの構築が可能です。 © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation 4

Azure Local 22H2 から 23H2 での大きな変更点 (Generated by Copilot) Azure Local VM 管理 Azure Local では、仮想マシン（VM）の管理が Azure Arc を通じて統合されました。これにより、ローカル環境でも Azure Portal を使って VM の作成、監視、セキュリティ設定などが可能になります。23H2 では、VM のライフサイクル管理がよりクラウド ライクに進化し、Infrastructure as Code（IaC）による自動化もサポートされるようになりました。 Azure Virtual Desktop Azure Virtual Desktop が Azure Local 上で正式に利用可能になり、クラウドに接続できない環境でも仮想デスクトップを 提供できるようになりました。これにより、セキュリティやレイテンシの制約がある業界（医療、金融、製造など）でも、柔軟なデスク トップ環境を構築可能です。 WSUS の非サポート化 Azure Local 23H2 では、Windows Server Update Services（WSUS）はサポートされなくなりました。Azure Update Management や Microsoft Update などのクラウドベースへの移行を検討する必要があります。 ストレッチクラスターの非サポート化 23H2 では、ストレッチクラスター（地理的に分散したノードによる高可用性構成）はサポート対象外となりました。高可用性を 確保するには、ローカルクラスター内での冗長構成や Azure Site Recovery などの代替手段を検討する必要があります。 © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation 5

Azure VM vs Azure Local VM vs Arc 対応サーバー比較 Azure ポータルからできる操作の代表例 Azure VM VM 操作 • • • • • • • Arc 対応サーバー Azure Local VM 接続 開始 再起動 停止 休止状態 キャプチャ 削除 • • • 開始 再起動 停止 • 削除 • 削除 (Arc リソースの削除) IaC による展開 ARM / Bicep / Terraform ARM / Bicep / Terraform プラットフォーム提供のイメージ Azure Marketplace Azure Local Marketplace ※ 現状 Windows のみ提供 - カスタムイメージの保存 Azure Compute Gallery Azure Local Gallery ※ Linux はこちらで対応可能 - リモート接続 Bastion SSH トンネル スケールアップ/ダウン VM サイズの変更 CPU コア数 / メモリサイズ ストレージ拡張 • • © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation データディスク追加 / 削除 ディスク拡張 • 6 データディスク追加 / 削除 ARM (拡張機能の展開) SSH トンネル -

Azure Local VM の展開 Azure ポータルから Azure Local VM を 展開するデモ © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation 7

まとめ Azure Local 23H2の登場により、Azure Localの管理性は従来のAzure VMに非常に近づいてきま した。これにより、Azureポータル上で完結する真のハイブリッドクラウド環境が、いよいよ現実味を帯びてき た印象です。 さらに、Azure Virtual Desktopのローカル展開、GPUサポート、そして Disconnected Operations （エアギャップ環境）など、注目すべき新機能が次々と追加されており、適用可能なユースケースは急速 に拡大しています。 「これってAzureなの？」と問われると従来のクラウドの枠組みでは語りきれない部分もありますが、まさにク ラウドとオンプレミスの境界が曖昧になりつつある過渡期にあると言えるでしょう。 今後、Igniteなどのイベントで新たな発表があれば、新機能の検証レポートとしてお届けできればと考えて います。 GPU 搭載の機器が欲しい、AKS on Azure Local で Azure ポータルから AI モデル を展開してみたい。 あとリソースブリッジの高可用性対応、これがないと商用提案はなかなかに怖い… © 2025 NTT DATA INTELLILINK Corporation 8