Bluefors 極低温冷却ポートフォリオ~Patent Analytica~

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July 16, 26

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Patent Analyticaで作成したレポート資料です。
https://note.com/tsunobuchi/n/neca808cbd62e

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Bluefors極低温冷却ポートフォリオ戦略分析 対象28件(特許22件・意匠6件)/2020-2026年/単一企業型・他社分析視点 Patent Analytica — APOLLO × patiroha 2026-07-15 Patent Analytica | 1

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概要 対象企業分析/2020-2026年/2026年7月15日時点 Patent Analytica | 2

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0. 本分析の前提 POINT 本レポートは、Blueforsが関与する28件の公開特許・意匠から、同社が「個別装置・要素技 術」から「大規模量子システムを支える拡張可能な極低温プラットフォーム」へ技術重心を移してき た過程を読み解き、他社の立場から機会・脅威と対抗方向を提示する。 0.1 分析目的 本分析の目的は、Blueforsの極低温冷却関連ポートフォリオについて、技術テーマの厚み、出願 時期の変化、発明者チーム、ファミリー展開、権利化状況を整理し、外部の市場・政策・標準化 ・学術・企業動向と突合することで、同社が現在どの課題を優先し、どの領域で差別化を図ろう としているかを把握することである。 意思決定の視点は、Blueforsを競合または注視対象とする企業側に置く。ただし、本母集団はBlu eforsが全件に関与する単一企業中心のデータであり、他社特許を同一条件で収録していない。こ のため、企業間の出願件数、シェア、順位、集中度を比較せず、Bluefors社内の技術構成とその 変化を主な分析対象とする。 0.2 母集団の輪郭 対象は、2020年5月1日から2026年1月13日までに出願された28件である。内訳は、発明内容を 伴う特許22件(78.6%)とEU意匠6件(21.4%)であり、28件すべてにBlueforsグループが関与 する。2020年の低温ウェハ試験2件はAFORE OYとの共同名義である。 本母集団では、出願人表記を `BLUEFORS OY`、`BLUEFORS CRYOGENICS OY`、日本語表記を 含むBlueforsグループとして統合した。意匠は製品化・外観・ユーザー接点の動きを見る資料と して全体集計に残す一方、発明内容に基づく技術テーマ、キーワード、共起関係の分析からは分 離した。 0.3 範囲と限界 ・ 本母集団は、ユーザーが利用した検索式とデータベース収録範囲の結果であり、Blueforsの 全出願・全保有権利を保証しない。したがって、「同社が出願していない」「他社より多い」 といった母集団外への断定は行わない。 ・ 公開番号ごとに28件を数えているため、同一発明の各国公報を完全にファミリー単位へ畳 み込んだ件数ではない。ただし、提供されたINPADOCファミリーを用いて国際展開の幅を別 途点検した。 ・ IPC列が収録されていない。このため、技術分類は名称、要約、請求項、技術的課題、解決 手段を全件読解し、意味の通る6テーマへ整理した。IPCを用いる通常の分類分析は実施してい ない。 ・ 件数が28件と小さいため、統計的クラスタリングは行わず、全件読解に基づくテーマ分類 へ切り替えた。したがって、テーマ境界は技術内容を説明するための分析上の区分であり、法 的な発明範囲の区分ではない。 Patent Analytica | 3

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・ 特許は出願から公開まで通常約18か月を要する。2025-2026年の11件(39.3%)は公開遅 延の影響を強く受けるため、直近年の件数を「減少」や最終的な構成比として読まない。 ・ リーガルステータスは提供データと公開情報の確認時点に依存する。「PCT国内移行せず( 期限内)」は移行期限前の記録であり、放棄や失効を意味しない。権利の有効性、侵害、抵触 、無効理由について法的判断は行わない。 ・ 外部環境は2026年7月15日までに確認できた公開情報に基づく。企業発表は発表主体の見 解を含み、市場予測は定義と推計方法が異なるため、単独では結論にせず、特許データとの方 向・時期の整合を確認して用いた。 まとめ 本レポートの結論は「Blueforsの全知財」や「極低温冷却分野全体」ではなく、提供された2 8件に外部情報を重ねた限定的な戦略読解である。特に直近案件、未公開案件、他社ポートフォリオ が母集団外である点を前提に、件数よりも技術の連鎖と事業化タイミングを重視する。 Patent Analytica | 4

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1. エグゼクティブサマリー POINT 本母集団で最も重要な変化は、Blueforsの技術重点が、低温ウェハ試験や単体部品から、モ ジュール化された大型クライオスタット、複数冷凍機、複数希釈ユニット、高流量ヘリウム循環を一 体で設計する「システム拡張基盤」へ移ったことである。対抗上は、同じ大型冷凍機を正面から模倣 するより、接続仕様、量子I/O、試験・検証、保守性、供給レジリエンスのいずれかで主導権を取る 方が合理的である。 母集団 対象期間 最大テーマ 2025年の技術特許 28件 2020-2026年 8件・28.6% 8件 特許22・意匠6 直近は公開遅延あり 大型化・モジュール設計 2テーマに全件集中 KPI: 技術テーマ 中核発明者 処分確定ベース権利化率 最大ファミリー Leif Roschier 12件 80.0% 22文献・14法域 特許22件中 登録4・取下げ1のみ JP2024538399A 1.1 問いへの回答 Blueforsは、本母集団の範囲では、単に「より低温へ冷やす装置」を増やしているのではない。 同社の出願は、冷却板・放射シールドのモジュール化、複数冷凍機の協調、複数希釈ユニット、 スティル・混合室、ヘリウム循環ポンプ、熱結合、配線を連続したシステムとして扱う方向へ進 んでいる。2025年に出願された技術特許8件は、大型化・モジュール設計4件と希釈冷凍・流体 循環4件だけで構成され、同社が「容量を増やせる冷却プラットフォーム」と「その容量を実際に 引き出す流体系」の両方を押さえようとしていることを示す。 この読みは、2026年3月にBlueforsが拡張可能なModular Cryogenic Platformを発表し、最初の 複数モジュール納入を2026年後半に予定していることによって補強される。すなわち、2021年 優先のモジュラ冷却板、2023-2025年の複数ユニット・熱負荷・流量関連出願が、製品発表より 先行している。 1.2 戦略要点 1. ポートフォリオの中心は「装置」から「拡張アーキテクチャ」へ移った。 大型化・モジュール設計は8件(28.6%)で最大テーマとなり、2020-2022年の構成比16.7%か ら2023-2026年には31.8%へ15.2ポイント上昇した。代表例のJP2024538399Aは、冷却板と放 射シールドを独立支持し、同一温度段の区画をモジュール化する構造を扱う。これに、WO2025 196368A1の共通インターフェース面、WO2026139671A1の横方向連結、US20260118020A 1の複数希釈ユニットが連なるため、単発の構造改善ではなく、拡張単位を再設計する一連の技術 蓄積と読むのが妥当である。 最有力の別解釈は、検索式が大型システム関連だけを多く拾った可能性である。しかし、出願時 期が2026年の製品発表より先行し、複数の異なる構成要素が同じ方向へ連鎖していることが決め 手となる。外部発表だけでなく、特許の時間順が製品戦略と一致するため、少なくとも本母集団 Patent Analytica | 5

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では意図的な重心移動と判断する。 2. 差別化の次段階は、筐体の大きさではなく「冷却能力を使い切る流量・熱管理」である。 希釈冷凍・流体循環は5件(17.9%)で、全件が2023年以降に出願された。US12535247B2は 、従来のターボポンプ、スクロールポンプ、コンプレッサの組合せを主ポンプユニットへ集約し 、高流量化と部品削減を狙う。US20260118020A1、WO2026104767A1、FI20255425A1、 WO2026139672A1は、複数希釈ユニット、スティルでの再凝縮、混合室内の流れ、低温部のマ イクロポンプへ対象を広げる。Google PatentsでもUS12535247B2の主ポンプ構成とBluefors名 義が確認でき、公開情報上は2026年1月に米国登録となっている。ただし、法的評価は行ってい ない。 別解釈として、これらは既存冷凍機の効率改善にすぎず、競争軸を変えるほどではない可能性が ある。これに対し、学術側でも4つの希釈ユニットを並列化し、約102.5 mKで2,000 Wを達成 した2025年の報告があり、大規模化に伴って流量と並列化が現実の設計課題になっている。特許 と研究の双方が同じボトルネックへ収束している点が、単なる保守改善との違いである。 3. ただし、モジュール化そのものはBlueforsだけの方向ではなく、差別化の耐久性は限定的であ る。 Quantum Design OxfordのProteox QXは、接続可能な矩形プラットフォーム、連続した真空空 間と冷却段、追加冷却スライスを特徴としており、ULVACも2025年に拡張を前提とするモジュ ール型希釈冷凍機を公表した。Maybellも大型量子向け冷却基盤を展開し、2024年に2,500万ド ルを調達して製造拡張を進めている。したがって、「モジュール型であること」だけを対抗差別 化に用いるのは難しい。 別解釈は、Blueforsが先行ファミリーと納入実績によってモジュール化を事実上支配できるとい う見方である。しかし、他社が独自構造で既に製品化・納入を進めているため、出願量や発表時 期だけで排他的優位を断定できない。決め手になるのは、互換インターフェース、冷却能力、配 線密度、稼働率、保守時間、導入実績を組み合わせた実装性能である。 4. I/O・制御・試験は本母集団で薄いが、同社は提携を通じて補完している。 配線・極低温RFは2件(7.1%)、低温ウェハ試験は3件(10.7%)にとどまり、2025年の技術特 許には含まれない。一方、Blueforsは2025年にDelft Circuitsとの量子I/O統合を発表し、2026年 にはQphoXと光制御の実証を発表した。これは、全機能を内製特許で囲うより、冷却プラットフ ォームを中心に外部技術を組み込む戦略と整合する。 「薄い領域=弱点」と断定するのは適切でない。提供データの未収録、営業秘密、共同開発、パ ートナー保有知財で補完されている可能性があるからである。それでも、競合側には二つの機会 が残る。第一は、特定冷凍機に依存しないオープンなI/O・試験モジュールを標準化すること、第 二は、冷却機本体と切り離して導入できる検証・校正・稼働監視サービスを先行させることであ る。 5. Blueforsの脅威は単一特許より、製品・供給・サービスを束ねる実行力にある。 Patent Analytica | 6

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同社は2025年売上高2億1,700万ユーロ、累計1,700超の測定システム、1万5,000超のクライオ クーラー、700人超の従業員を公表している。2025年にはAISTのG-QuATへKIDEを含む18シス テムを納入し、2028-2037年に年間最大1万リットルのヘリウム3を調達する契約も発表した。こ れらは、ポートフォリオの大型化・流体系強化が、製造能力、顧客導入、希少資源調達と結び付 いていることを示す。 別解釈として、企業発表は将来計画を含み、実際の納入量・資源供給・採算を保証しない。特に 月由来ヘリウム3は2028年以降の計画であり、供給実現性は未確定である。それでも、同社が冷 却装置だけでなく、据付、I/O、保守、研究拠点、原料までリスク管理の対象にしていること自体 は、競合が比較すべき範囲を「冷凍性能」から「顧客の稼働継続性」へ広げる理由になる。 1.3 意思決定への含意 対抗方針は、Blueforsの全領域を追随するのではなく、次の三層に分けるべきである。第一に、 モジュール接続、熱段、配線、試料交換、監視APIについて、複数メーカーで使えるインターフェ ースを設計する。第二に、高流量化そのものと競う場合でも、ヘリウム使用量、ポンプ保守、振 動、消費電力、復旧時間まで含む総運用性能で比較する。第三に、ウェハ・チップ試験、cryo-C MOS、RF・光I/Oなど、量子プロセッサ側の変化が速い領域で、冷凍機に依存しない測定・統合 レイヤーを押さえる。 Key Insight Blueforsの防御力は、個々の発明を孤立して見ると過大評価しやすい一方、モジュール 構造、希釈ループ、熱結合、供給、据付、I/O提携を一つの顧客運用系として見ると過小評価しやす い。競合側の評価単位も、単品性能ではなく「拡張時に停止せず、接続しやすく、冷却余力を確保で きるシステム」に変える必要がある。 まとめ 本母集団では、Blueforsの次の成長軸は大型筐体そのものではなく、拡張可能な構造と高流 量・多系統の希釈冷凍を統合する能力にある。ただしモジュール化は複数社が追う共通方向であり、 対抗余地は、開放的な接続仕様、量子I/O、低温試験、保守性、資源・部品供給の設計に残る。 Patent Analytica | 7

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2. データ概観 POINT 28件は規模こそ小さいが、全件に技術説明または意匠情報があり、2020年の低温ウェハ試 験から2025年のモジュール型・高流量希釈冷凍まで、Blueforsの技術重心の移動を時系列で追える 。一方、IPC欠損、単一企業への集中、直近年の公開遅延により、企業間比較や分野全体への一般化 には使えない。 2.1 件数・期間・年次分布 母集団は28件で、2020年3件、2021年2件、2022年1件、2023年5件、2024年6件、2025年1 0件、2026年1件である。2020-2022年は合計6件(21.4%)で、低温ウェハ試験、配線、熱交 換、初期のモジュール構造が中心であった。2023年には5件へ増え、希釈冷凍、熱結合、極低温 RF、ウェハチャック、クライオスタット熱負荷へ対象が分岐した。2024年は6件、2025年は10 件へ増えているが、意匠を除く特許では2024年4件、2025年8件である。 図: 出願年別の特許・意匠件数 図2-1では、2023年を境にレコード数が増え、2025年が10件で最大となる。もっとも、2025-2 026年は公開遅延によって未公開案件が残る時期であり、2026年の1件を急減と読むことはでき ない。むしろ重要なのは、2023年以降に件数だけでなく技術テーマの種類と関与発明者数が増え 、単一要素から複数サブシステムへ開発対象が広がったことである。 比較可能な終点を2024年に置くと、全レコードは3件から6件へ増え、CAGRは+18.9%/年(202 0→2024年、3件→6件)となる。特許だけでは+7.5%/年(2020→2024年、3件→4件)であり 、意匠を含めるかによって伸び率が変わる。2023→2025年の特許は+26.5%/年(5件→8件)だ が、小標本かつ直近期間であるため、持続的な成長率ではなく開発活動が集中した兆候として扱 う。 Patent Analytica | 8

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この増加は、量子システムの大型化に伴い、熱、流体、構造、配線、保守を並行設計する必要が 生じたためと考えられる。ただし、検索対象や公報収録時期が途中で変わった場合にも同様の増 加は起こり得るため、件数単独ではなく、代表特許と外部の製品発表を用いて後段で検証する。 2.2 レコード種別と情報充足率 項目 充足件数 充足率 分析への扱い 公開・公告番号 28件 100.0% 全件の識別軸 出願日 28件 100.0% 年次分析の主軸 名称 26件 92.9% 名称欠損2件はいずれも意 匠 標準化された権利者 28件 100.0% Blueforsグループへ手動 統合 要約 22件 78.6% 特許22件は全件利用可能 第一請求項 20件 71.4% 2件は請求項欠損 技術的課題・解決手段 20件 71.4% 欠損時は名称・要約・請 求項で補完 発明者 25件 89.3% 意匠の権利放棄表記等を 除外 リーガルステータス 25件 89.3% 未記載3件は不明扱い INPADOCファミリー 28件 100.0% 法域数・文献数の比較に 利用 IPC 0件 0.0% IPC分析は省略 特許22件には要約がすべて存在し、技術内容の読解には必要最低限の材料が揃っている。意匠6 件は請求項や要約を持たないため、技術語彙へ混ぜず、製品・UIの外観保護として別に扱った。 自動キーワード抽出では431語を得たが、日本語・英語が混在し、同義語が分散するため、最終 的な概念集計では「希釈冷凍機」「ヘリウム循環」「混合室」などの技術概念へ正規化した。 権利者列では自動処理上2つのBluefors表記が残ったため、目視で同一グループへ統合した。AFO RE OYは2020年のJP7557281B2およびJP7561517B2に共同権利者として現れ、低温ウェハ試 験がBluefors単独の内部開発だけでなく、Aforeとの協働を含んで立ち上がったことを示す。名称 統合を行わなければ、同一グループ内の表記差を別企業と誤認するため、後段では出願人の数値 比較を行わない。 2.3 母集団の偏り点検 点検項目 結果 判定 Bluefors関与比率 28件/28件(100.0%) 単一企業中心 上位IPC比率 算出不可 IPC欠損 直近2年比率 11件/28件(39.3%) 50%未満だが公開遅延に注意 出願人集中度 算出対象外 単一企業母集団では意味を持たない Patent Analytica | 9

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点検項目 結果 判定 単一国比率 判定不可 国列なし、公開番号は複数法域 意匠比率 6件/28件(21.4%) 技術分析から分離が必要 公開番号の発行当局は、US 7件(25.0%)、EU意匠6件(21.4%)、EP 5件(17.9%)、WO 5件(17.9%)、JP 3件(10.7%)、FI 2件(7.1%)である。この分布は選択された公報の発行 当局であり、発明の出願国シェアや事業地域を表すものではない。INPADOCファミリーを見ると 複数法域へ展開された案件があるため、公開番号の接頭辞だけで地域戦略を判断しない。 母集団タイプは、Bluefors関与が100.0%であることから単一企業型とした。このため、出願人ラ ンキング、出願人HHI、出願人シェア、「調査対象件数が多いから分野を支配している」といっ た読みは採用しない。代わりに、テーマ別構成、発明者チーム、時系列、ファミリーの広さ、処 分状況を用いて、同社内部の重点配分を評価する。 2.4 前処理と分類条件 全28件を名称、要約、請求項、技術的課題、解決手段の順で読み、次の6テーマへ整理した。 技術テーマ 件数 構成比 主な対象 大型化・モジュール設計 8件 28.6% 冷却板、放射シールド、 複数冷凍機、モジュール 連結 製品・UI意匠 6件 21.4% 冷凍機外観、高密度配線 モジュール、GUI 希釈冷凍・流体循環 5件 17.9% ガスハンドリング、複数 希釈ユニット、スティル 、混合室、ポンプ 熱交換・熱結合 4件 14.3% 積層造形熱交換器、能動 熱交換、可動熱結合 低温ウェハ試験 3件 10.7% ウェハ搬入、チャック、 放射シールド内試験 配線・極低温RF 2件 7.1% クライオスタット配線、 周波数可変RF部品 6テーマは互いに完全独立ではない。例えば、US20250334230A1は大型クライオスタットの放 射熱負荷を扱うため大型化・モジュール設計へ置いたが、熱交換・熱結合とも関係する。WO202 6003414A1は機械冷凍機と希釈冷凍機の一体化であり、構造と流体の境界にある。分類は代表 的な解決課題を一つ選んだもので、境界案件は後段の共起ネットワークと代表特許分析で補う。 情報品質が後段へ与える最大の影響は、IPC欠損よりも、母集団外の他社特許が見えないことであ る。Bluefors内の重心移動は比較できるが、同じテーマでOxford、ULVAC、Maybellなどがどこ まで権利化しているかは、本件データだけでは測れない。したがって、本レポートの「薄い領域 」はBlueforsの全ポートフォリオ上の空白ではなく、提供母集団で相対的に薄い領域として表現 する。 Patent Analytica | 10

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まとめ データは小規模・単一企業型である一方、特許22件の要約が全件揃い、技術の連鎖を読むに は十分な密度がある。解釈の軸は件数の競争比較ではなく、2023年以降のテーマ転換、発明者チー ムの広がり、ファミリー展開、外部事業との時間的一致である。 Patent Analytica | 11

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3. 定量分析 POINT 定量・全件読解の結果、Blueforsの開発は2023年以降に二つの軸へ収束している。第一は、 冷却板・放射シールド・真空槽をモジュール単位で増設できる構造、第二は、複数希釈ユニットと高 流量ヘリウム循環によって冷却能力を引き上げる流体系である。低温ウェハ試験、配線、熱結合は消 えたのではなく、前者二軸を支える基盤または外部提携領域へ位置付け直されたとみられる。 3.1 出願動向と技術ライフサイクル 特許だけを見ると、2020年3件、2021年1件、2022年1件、2023年5件、2024年4件、2025年 8件である。2020年の3件は、AFORE OYとの共同による低温ウェハ試験2件とクライオスタット 配線1件であり、用途が比較的明確な装置・サブシステムから始まった。2022年のJP20245383 99Aで大型モジュール構造が現れ、2023年には希釈ループ内の能動熱交換、極低温RF、ウェハチ ャック、大型クライオスタットの放射熱低減へ広がった。2025年には8件すべてが大型化・モジ ュール設計または希釈冷凍・流体循環となり、開発資源の集中が鮮明になった。 図: 年間特許件数と関与発明者数による活動軌跡 図3-1は、各年の特許件数と関与発明者数を同時に示す。2020年は3件・9人、2021年は1件・1 人、2022年は1件・5人、2023年は5件・11人、2024年は4件・6人、2025年は8件・12人であ り、2023年と2025年に件数と人員の双方が右上へ動いた。単一発明者による局所改善ではなく Patent Analytica | 12

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、構造、流体、熱、試験をまたぐ複数チーム型の開発へ移ったことが読み取れる。 2020→2024年の特許CAGRは+7.5%/年(3件→4件)にとどまる一方、2023→2025年は+26.5 %/年(5件→8件)となる。ただし、2025年は公開遅延の影響を受けるにもかかわらず8件が確 認されたという意味で活動の厚みを示すが、2026年以降も同率で増えるとはいえない。2026年 の件数は現時点で意匠1件だけであり、未公開案件が多い期間としてトレンド判定から除外する。 活動拡大の機構仮説は、顧客の量子システムが大規模化し、冷却能力だけでなく、冷却段の面積 、配線本数、試料搭載量、保守アクセス、複数冷凍機の制御を同時に解かなければならなくなっ たことである。対抗観察として、検索式が2023年以降の新しい公報を多く含むよう変更された場 合にも同じ軌跡は生じる。後段で製品発表と学術動向を照合し、見かけの増加かを判定する。 3.2 発明者チームと知識の結節点 図: 特許に関与した主要発明者 図3-2では、Leif Roschierが12件で最多となり、Matti ManninenとPieter Vorselmanが各7件、Amir Niknammoghadam、Rob Blaauwgeers、David Gunnarsson、Jarno J ärvinenが各4件で続く。上位者は同一テーマに固定されず、初期のウェハ試験、モジュール構造 、熱結合、希釈冷凍へまたがる。この構成は、個別部品ごとの専門分化だけでなく、システム設 計者が複数テーマを橋渡ししていることを示す。 Patent Analytica | 13

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図: 共同発明者ネットワーク 図3-3の共同発明者ネットワークでは、Roschierの媒介中心性が0.215で最も高く、Vorselmanが 0.164、Manninenが0.080で続く。Roschierは2020年のウェハ試験から、2022年のモジュール 構造、2023年の能動熱交換、2025年の複合冷却、スティル、混合室、モジュール連結、流体ポ ンプまでつなぐ。Vorselmanは熱結合、モジュール、放射熱負荷、複数希釈ユニットの結節点で あり、Manninenは配線・ウェハ試験と大型構造・複数機械冷凍機をつなぐ。 Leif Roschier — 流体・構造を横断する中核。 12件は特許22件の54.5%に相当する。初期のウェハ試験から、能動熱交換、モジュール型冷却、 複合冷却、スティル・混合室、低温マイクロポンプまで関与し、技術重心の移動を最も広く横断 する。近年の希釈冷凍・流体循環5件のうち4件に関与しており、高流量化の知識統合を担うとみ られる。対抗側からは、同氏個人への依存よりも、同氏を中心に形成された流体・構造の設計ル ールが組織へ定着しているかを注視すべきである。別の発明者が同テーマを継続するなら、知識 が属人から組織資産へ移った兆候となる。 Pieter Vorselman — 大型アーキテクチャと熱インターフェース。 7件(31.8%)に関与し、US20240288214A1の熱結合、JP2024538399Aのモジュラ冷却板、 WO2025196368A1の共通インターフェース、US20250334230A1の大型真空槽熱負荷、US20 260118020A1の複数希釈ユニット、WO2026139671A1の横連結を連続して担当する。個別冷 却部品より、装置を増設・接続・保守する境界設計に強く関与している。競合にとっては、接続 Patent Analytica | 14

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面、支持構造、熱結合を別々に開発すると、Blueforsの統合設計に対して局所最適になりやすい 。対抗には、機械・熱・真空・配線を束ねた共通インターフェース設計が必要である。 Matti Manninen — 初期試験系から機械冷凍・モジュールへ展開。 7件(31.8%)に関与し、EP4012305B1の配線、AFOREとの低温ウェハ試験2件、JP20245383 99Aのモジュール構造、US20240263849A1の複数機械冷凍機、WO2025196368A1の冷却モ ジュール、WO2026003414A1の機械冷凍機・希釈冷凍機一体化をつなぐ。試験装置の使い勝手 や配線から、大型冷却の前段構成へ対象を移している点が特徴である。これは、製品利用時の要 求を大型システム構造へ反映する役割と解釈できる。ただし、本データだけでは組織上の役割や 職位は確認できない。 Rob Blaauwgeers — 希釈ユニット内部と熱結合の深掘り。 4件(18.2%)に関与し、US20240288214A1の可動熱結合、US20260118020A1の複数希釈 ユニット、WO2026104767A1のスティル、FI20255425A1の混合室を担当する。対象が冷却プ ラットフォームの外形ではなく、mK段の熱・相分離・流れに集中している。大型化によって希釈 冷凍の内部設計が再び差別化要素になったことを示す組合せである。競合側では、外形のモジュ ール化だけでなく、流量増加時のスティル・混合室性能を同時に検証する必要がある。 Jarno Järvinen — 試料接触から低温流体の能動化へ。 4件(18.2%)に関与し、EP4506986A1のウェハチャック、US20260002704A1の制御可能な 熱結合、WO2026104767A1のスティル、WO2026139672A1の低温マイクロポンプへ展開する 。共通するのは、静的な冷却構造ではなく、対象を動かす、接触させる、流れを制御する機構で ある。保守性、試料交換、運転モード切替を含む動的制御が今後の差別化点になる可能性を示す 。反面、4件という件数は小さく、独立した恒常テーマか、特定開発案件の集中かは追加出願で見 直す必要がある。 RF関連のEP4485682A1には、Russell Lake、Volodymyr Monarkha、Nurul Huda、Slawomir Simbierowicz、Ville Nuutinenからなる別チームが関与し、主ネットワークから相対的に離れて いる。これは極低温RFが冷却機械系とは異なる専門知識を必要とすることを示す一方、社内統合 が弱いとまでは断定できない。共同発明関係は公開特許に現れた関係だけであり、社内プロジェ クトや未公開発明を含まないためである。 チーム構造の機構仮説は、大型システムでは温度段、真空、流体、配線、試料アクセスが相互依 存するため、媒介的なシステム設計者が必要になることである。対抗観察は、少数案件の共同発 明者数が多いだけでも中心性が上がる点である。今後、同じ中核者を含まない後続出願が同テー マで継続するかが、組織的能力か個別案件かを分ける観測点となる。 3.3 技術テーマの構成 Patent Analytica | 15

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図: 技術テーマ別の年次件数 図3-4では、2020年の低温ウェハ試験・配線から、2022年のモジュール構造、2023年以降の大 型化・希釈流体へ重心が移る。2024年には大型化2件、熱交換2件、意匠2件が並び、製品化を支 える構造と外観の両面が進んだ。2025年は技術特許8件が大型化4件と希釈流体4件に二分され、 設計資源をシステム容量と冷却能力へ集中させた年と位置付けられる。 大型化・モジュール設計 — 8件(28.6%)。 JP2024538399Aは、冷却板と放射シールドの支持を分離し、同一温度段の冷却板区画を独立支 持する。WO2025196368A1は、平面状の側面と共通インターフェース面を持つ冷却モジュール を扱い、WO2026139671A1はモジュールを横方向に並べて真空室を形成する。US202402638 49A1、US20260002704A1、WO2026003414A1、US20260118020A1は、複数冷凍機、冷 却段間の切替、機械冷凍機と希釈冷凍機の一体化、異なる能力の複数希釈ユニットへ広げる。規 模を一度に大きくするのではなく、追加・分離・制御可能な単位へ分解することが共通機構であ る。 製品・UI意匠 — 6件(21.4%)。 高密度配線モジュールの部分意匠1件、冷凍機外観3件、GUI1件、名称欠損の意匠1件で構成され る。2024-2026年に5件(83.3%)が集中し、技術発明の大型化と並行して、製品系列の外観・ 操作画面・モジュールの視覚的識別を保護している。意匠は技術的排他範囲を示さないが、研究 装置から反復販売される製品プラットフォームへ移る際、操作性とブランド一貫性が重視されて いる可能性がある。対抗観察として、EU意匠を多く含むデータ抽出条件による偏りでも同じ構成 になる。 希釈冷凍・流体循環 — 5件(17.9%)。 EP4435347A1は希釈循環へ入力エネルギーを与える能動熱交換器、US12535247B2は主ポンプ ユニットによるヘリウム循環、WO2026104767A1はスティル内部の冷却要素によるヘリウム4 再凝縮、FI20255425A1は混合室の上下空間と熱伝導体、WO2026139672A1は低温部の機械式 Patent Analytica | 16

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マイクロポンプを扱う。全件が2023年以降であり、冷却能力の源泉を、単純な装置追加だけでな く、循環量、相分離、局所ポンピング、熱交換の再設計へ求めている。高流量化すると熱交換器 、圧力損失、ポンプ、ヘリウム在庫が同時制約になるため、個別部品ではなくループ全体の最適 化が必要になる。 熱交換・熱結合 — 4件(14.3%)。 US20230349650A1は積層造形による高い表面積対体積比の熱交換材、US20240288214A1は ばね部と熱伝達部を分離した可動試料の熱結合、FI20246150Aはクライオスタット内で結合器を 移動させる構成、EP4484854A1は試料と作動流体の間に固体マイクロ冷凍機を置く。静的な銅 部品だけでなく、製造形状、接触圧、可動機構、能動デバイスを使って熱抵抗を下げる方向が共 通する。件数は近年増えているが、全体構成比はほぼ横ばいであり、独立した成長軸というより 大型化・試料アクセスを支える基盤技術とみられる。 低温ウェハ試験 — 3件(10.7%)。 JP7557281B2とJP7561517B2はAFORE OYとの共同で、ゲートバルブ・ハッチを用いたウェハ搬入、4 K以下の放射シールド内での可動 チャックを扱う。EP4506986A1は爪状部材でウェハを固定し熱接触を確保する。2020年2件、 2023年1件であり、後半期の構成比は低下したが、量産志向の量子デバイスではウェハスケール 評価の重要性が外部研究で高まっている。したがって、同社がこの用途を放棄したというより、 初期基盤を共同開発で確立し、最近の出願資源をプラットフォーム側へ移した可能性が高い。 配線・極低温RF — 2件(7.1%)。 EP4012305B1は超高真空環境で機器を収容する配線サブシステム、EP4485682A1はYIG球と制 御磁石を用いるMHz・GHz帯の周波数可変部品を扱う。件数は少ないが、大規模量子システムで は配線熱負荷と信号密度が冷却能力を直接消費するため、戦略的重要性は件数以上である。2025 年のDelft Circuitsとの提携が示すように、Blueforsはこの領域を社内発明だけでなく外部技術統 合で補う可能性がある。したがって、2件という少なさを技術的無関心とは読まない。 3.4 構成比シフトとテーマ動態 Patent Analytica | 17

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図: 前半期から後半期への技術構成比シフト 図3-5は、2020-2022年の6件と2023-2026年の22件を分け、各テーマの構成比変化を示す。希 釈冷凍・流体循環は0.0%から22.7%へ+22.7ポイント、大型化・モジュール設計は16.7%から31 .8%へ+15.2ポイント、製品・UI意匠は16.7%から22.7%へ+6.1ポイント上昇した。対して低温 ウェハ試験は33.3%から4.5%へ-28.8ポイント、配線・極低温RFは16.7%から4.5%へ-12.1ポイ ント、熱交換・熱結合は16.7%から13.6%へ-3.0ポイントとなった。 Patent Analytica | 18

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図: 技術テーマ動態の4象限 図3-6は、横軸を累積件数、縦軸を前半期から後半期への構成比変化とし、中央値で4象限に分け た。大型化・モジュール設計と製品・UI意匠は「拡大する中核」、希釈冷凍・流体循環は「新興 ・重点化」に位置する。熱交換・熱結合は累積件数を持つ一方で構成比が微減する「成熟・維持 」、低温ウェハ試験と配線・極低温RFは「縮小・ニッチ」に入る。ただし、縮小象限は技術価値 の低下ではなく、初期基盤化、提携への移行、母集団の収録偏りでも生じる。 重心移動の最も合理的な説明は、ウェハ試験や配線という個別用途を支える冷凍機から、複数用 途を収容できる共通プラットフォームへ経営資源を移したことである。2025年の8技術特許が二 つの成長テーマに全件集中することは、この説明と整合する。対抗観察は、2025年案件が若く、 他テーマの後続出願がまだ公開されていないことである。2026年後半から2027年に配線・試験 の出願が再増加すれば、「縮小」ではなく大型プラットフォーム開発に伴う一時的な順序差と見 直すべきである。 境界・萌芽案件として、EP4435347A1の能動熱交換、EP4484854A1の固体マイクロ冷凍機、E P4485682A1の周波数可変RF、WO2026139672A1の低温マイクロポンプが挙げられる。いず れも現在の主要テーマ件数は小さいが、冷却能力を受動構造だけでなく、能動デバイス、局所制 御、信号機能へ広げる。これらが後続出願や製品統合へ進むかは、次の技術重心を見極める先行 指標となる。 3.5 急上昇概念と共起ネットワーク 図: 前半期・後半期の技術概念構成比変化 図3-7は、意匠を除く特許22件について、2020-2022年の5件と2023-2025年の17件を比較した 。新出概念では、希釈冷凍機が0件から8件、熱結合が0件から8件へ増え、いずれも後半期文書の Patent Analytica | 19

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47.1%に現れる。混合室とスティルは各0件から3件、機械冷凍機は0件から2件、マイクロポンプ 、周波数可変RF、固体マイクロ冷凍機は各0件から1件である。加速概念では、ヘリウム循環が1 件から6件へ増え、後半期構成比で+15.3ポイントとなった。 一方、ウェハは2件から1件へ減り、構成比は-34.1ポイント、放射シールドは3件から3件で件数 は同じだが、母数増加により-42.4ポイントとなる。後者は技術の消失ではない。放射シールドは モジュール構造や大型真空槽の中へ組み込まれ、独立キーワードとしての相対比率が下がったと 読む方が妥当である。同様に「モジュール」は1件から3件へ増えているが、全体件数の伸びが大 きいため構成比はわずかに低下する。件数と構成比を併記しなければ、成長中の概念を退潮と誤 認する。 図: 技術概念の共起ネットワーク 図3-8の共起ネットワークでは、三つの技術サブドメインが形成された。第一は「希釈冷凍コア」 で、ヘリウム循環、希釈冷凍機、混合室、スティル、熱交換器が結び付く。第二は「構造・試験 基盤」で、真空室、放射シールド、モジュール、ウェハが結び付く。第三は「予冷・熱インター フェース」で、機械冷凍機と熱結合が中心となる。強い共起は、真空室-放射シールド6件、ヘリ ウム循環-希釈冷凍機5件、熱結合-真空室4件、真空室-モジュール4件である。 PageRankによるハブ概念は、真空室0.189、希釈冷凍機0.151、ヘリウム循環0.120、放射シー ルド0.107、熱結合0.101である。真空室が最大なのは、単なる筐体語だからではなく、モジュー ル連結、放射熱、試料アクセス、配線、冷却段の共通境界になるためである。希釈冷凍機とヘリ ウム循環は、冷却能力の源泉として独立した第二の中心を形成する。したがって、本母集団の技 Patent Analytica | 20

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術中核は「拡張可能な真空・熱段構造」と「高流量の希釈ループ」の二極構造と整理できる。 この共起構造が生じる機構は、大型化により、面積に比例して増える放射熱・配線熱負荷を、冷 却段と流量の増強で相殺する必要があることである。対抗観察は、特許文書の定型語がネットワ ーク中心になった可能性である。そのため、ハブ語だけで結論せず、代表特許の請求対象と外部 の製品仕様・研究課題を照合する。 3.6 権利化状況とファミリー展開 図: 特許・意匠のリーガルステータス 図3-9では、全28件の正規化区分は登録9件(32.1%)、審査係属中6件(21.4%)、公開4件(1 4.3%)、取下げ1件(3.6%)、その他・期限内PCT等8件(28.6%)となる。意匠は6件中5件が 登録であるため、全体の登録比率をそのまま技術特許の質と解釈できない。特許22件に限ると、 登録4件(18.2%)、審査係属中6件(27.3%)、公開4件(18.2%)、取下げ1件(4.5%)、期 限内PCT・不明等7件(31.8%)である。 処分確定ベースの権利化率は、登録4件÷(登録4件+取下げ1件)=80.0%である。ただし、分母 は5件しかなく、審査中・公開・PCT段階の17件を除外しているため、ポートフォリオ全体の成 功率としては不安定である。特に2023年以降の重点案件は未確定が多く、現時点の低い登録比率 を品質不足と読むことはできない。US12535247B2のように2025年出願・2026年登録の早い 案件もある一方、法域ごとの制度・手続差が大きい。 Patent Analytica | 21

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図: 主要案件のファミリー文献数と法域数 図3-10では、JP2024538399Aが22文献・14法域で最も広く、US20230349650A1が13文献・ 12法域、US20240288214A1が19文献・10法域、JP7561517B2が15文献・8法域、JP75572 81B2が13文献・7法域で続く。大型モジュール、積層造形熱交換、可動熱結合、低温ウェハ試験 という比較的早い基盤案件に広い国際展開が見られる。これに対し、2025年のスティル、混合室 、マイクロポンプはPCT・フィンランド段階が中心で、現時点の法域数が少ない。 広いファミリーは、同社が複数市場で保護を試みた事実を示すが、権利範囲の広さ、存続、事業 価値を直接示さない。新しい案件の法域数が少ないのも、優先度が低いのではなく、移行期限前 である可能性が高い。競合側では、古い基盤案件は法域・請求項・継続関係を早期に確認し、新 しい流体系案件は2026-2027年の国内移行先を継続監視する必要がある。 3.7 代表特許のミクロ分析 公開・公告番号 出願年 名称 出願人・権利者 技術的意義と戦略的 文脈 JP2024538399A 2022 モジュラ低温冷却シ ステム ブルーフォース オサケ ユキチュア 冷却板と放射シール ドの支持系を分け、 同一温度段を独立区 画化する。後続の大 型モジュール群の構 造的な起点とみられ 、22文献・14法域 の展開も重点度を示 す。 公開・公告番号 出願年 名称 出願人・権利者 技術的意義と戦略的 文脈 平面状側面と共通イ ンターフェース面を Patent Analytica | 22

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公開・公告番号 出願年 WO2025196368A 1 2025 WO2026139671A 1 US20260118020A 1 US12535247B2 WO2026104767A 1 2025 2024 2025 2025 名称 Cryogenic cooling module and cryogenic cooling system Modular cryogenic cooling system Cryogenic cooling system with multiple dilution units System and method for circulating gas for a dilution refrigerator Still chamber, dilution refrigerator, system and method 出願人・権利者 BLUEFORS OY 技術的意義と戦略的 文脈 持つ冷却モジュール を扱う。装置を一体 物として大型化する のでなく、接続可能 な製品単位へ変換す る。 BLUEFORS OY 複数モジュールを横 方向に配置し、共同 の真空室を形成する 。2026年発表の複 数モジュール型プラ ットフォームと時間 ・構造の両面で整合 する。 BLUEFORS OY 熱的に分離された二 つの希釈ユニットを 異なる冷却能力で配 置する。単一混合室 の大型化ではなく、 冷却能力を並列・非 対称に配分する設計 である。 BLUEFORS OY 主にRootsポンプを 用いる主ポンプユニ ットで、循環開始・ 維持・凝縮を集約す る。高流量化、部品 点数、保守、設置面 積を同時に改善しよ うとする。 BLUEFORS OY スティル内部の冷却 要素でヘリウム4を 再凝縮し、蒸気組成 ・流れを制御する。 高流量運転時の同位 体分離と循環効率へ 踏み込む。 FI20255425A1 2025 Mixing chamber and dilution refrigerator BLUEFORS OY 混合室を上下の部分 空間へ分け、熱伝導 体を配置する。大型 化した混合室での流 れと熱交換の偏りを 抑える狙いと読める 。 公開・公告番号 出願年 名称 出願人・権利者 技術的意義と戦略的 文脈 WO2026139672A 1 2025 Methods and arrangements for improving flow of Patent Analytica | 23 BLUEFORS OY 低温部に機械式マイ クロポンプを置き、 局所的に流体を駆動 する。室温側ポンプ 増強だけでなく、低

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公開・公告番号 出願年 名称 出願人・権利者 cryogenic fluids US20240263849A 1 US20250334230A 1 US20230349650A 1 US20240288214A 1 EP4435347A1 2024 Cryogenic cooling system with plural mechanical refrigerators 2023 Cryostat, and method for cooling a cryostat 2021 Heat exchanger material and heat exchanger for cryogenic cooling systems, and a system 2024 Device and method for providing a thermally conductive coupling 2023 Cryogenic cooling system with active heat exchanger 技術的意義と戦略的 文脈 温ループ内部を能動 化する萌芽案件であ る。 BLUEFORS OY 複数の機械冷凍機で 流体を予冷する。大 型負荷を単一冷凍機 へ集中させず、予冷 能力を並列化する構 成である。 BLUEFORS OY 大型真空槽内の放射 シールド周囲に熱伝 導層を設け、比較的 高温側で放射熱を下 げる。面積増大に伴 う熱負荷を、高価な 極低温冷凍機の追加 だけに頼らず処理す る。 BLUEFORS OY 積層造形により流路 と高表面積を一体形 成する。広いファミ リー展開を持つが、 提供データでは米国 案件が取下げ扱いで あり、法域別の状態 確認が必要である。 BLUEFORS OY ばね部と熱伝達部を 分離し、移動する試 料へ対称的な接触力 を与える。試料交換 速度と低熱抵抗の両 立を狙うインターフ ェース技術である。 BLUEFORS OY 希釈循環の途中に能 動熱交換器を置き、 入力エネルギーを使 って熱状態を操作す る。受動熱交換中心 のループを能動制御 へ広げる。 JP7561517B2 2020 テスト装置 AFORE OY|BLUEFORS CRYOGENICS OY 4 K以下の放射シー ルド内でウェハチャ ックを移動・冷却す る。Aforeとの共同 で低温ウェハ試験の 基盤を早期に確立し た案件である。 公開・公告番号 出願年 名称 出願人・権利者 技術的意義と戦略的 文脈 Patent Analytica | 24

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公開・公告番号 EP4506986A1 EP4485682A1 出願年 2023 2023 名称 Wafer chuck, wafer prober and method for cooling a wafer Frequency-tunable components for cryogenically cooled megahertzand gigahertz-range applications 出願人・権利者 BLUEFORS OY BLUEFORS OY 技術的意義と戦略的 文脈 爪状部材でウェハを 押さえ、冷却面との 熱接触を確保する。 ウェハスケール試験 で反復性と冷却時間 を改善する接触機構 である。 極低温で周波数可変 なRF部品を扱い、 冷却機械から信号機 能へ領域を広げる。 件数は1件だが、量 子I/Oの将来選択肢 を示す境界案件であ る。 JP2024538399Aについて、Google Patents上でも2021年11月18日優先、Bluefors名義、モジ ュール冷却板と独立支持構造が確認できる。US20240288214A1では、熱伝達部と別のばね部に よって可動対象へ接触力を与える構成が確認できる。US20260118020A1では、熱的に分離され た二つの希釈冷凍機のうち一方をより大きな冷却能力にする構成が公開されている。これらの照 会はデータ内容を補強するが、Google Patents自身が法的状態を保証しない旨を表示しているため、権利判断には用いない。 代表案件を連続して読むと、2020-2021年は「ウェハを入れる・配線する・熱を渡す」、20222024年は「冷却段を区画化する・放射熱を抑える・複数冷凍機を組む」、2025年は「希釈ユニ ットとヘリウム流れを増やす」という順序になる。この順序は、システムの利用点から始まり、 筐体・熱段を拡張し、最後に冷却能力の内部源泉を再設計する技術ロードマップとして理解でき る。 3.8 定量分析から立てた検証仮説 1. 仮説H1: Blueforsの大型化・モジュール関連出願は、2026年の製品発表に先行する意図的なプ ラットフォーム戦略であり、単なる検索偏りではない。 2. 仮説H2: 大規模量子システムのボトルネックは、筐体容量から、複数希釈ユニット、高流量ヘ リウム循環、スティル・混合室の性能へ移っている。 3. 仮説H3: 低温ウェハ試験と量子I/Oは本母集団で相対的に薄いが、技術的重要性が低下したの ではなく、共同開発・提携・外部技術統合へ役割が移っている。 4. 仮説H4: モジュール化は複数社が収束する共通方向であり、Blueforsの持続的な優位は、構造 特許単独より、冷却能力、インターフェース、納入、保守、供給を束ねる実行系にある。 5. 仮説H5: 2024年以降の意匠増加は、研究装置の個別受注から、反復導入される製品プラットフ ォームへの移行を示すが、技術的な参入障壁とは分けて評価すべきである。 Patent Analytica | 25

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まとめ 本母集団では、技術の量的中心は大型化・モジュール設計、動的な伸びの中心は希釈冷凍・ 流体循環である。発明者ネットワーク、概念共起、ファミリー展開を重ねると、Blueforsの開発は「 拡張可能な真空・熱段構造」と「高流量・多系統の希釈ループ」を統合する方向へ進んでいる。次章 では、この読みを市場、政策、標準化、学術、企業・新興勢力の外部証拠で検証する。 Patent Analytica | 26

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4. 外部環境分析 POINT 外部情報は、本母集団で観測した「大型化・モジュール化」と「高流量・多系統の希釈冷凍 」という二軸を概ね支持する。ただし、モジュール化はQuantum Design Oxford、ULVAC、Maybel lなども選択する共通方向であり、Bluefors固有の優位を構造コンセプトだけに求めるのは危険であ る。政策・標準化・学術の流れを重ねると、今後の競争軸は、冷却能力の絶対値だけでなく、接続互 換性、測定再現性、配線熱負荷、稼働率、保守時間、供給レジリエンスへ広がる。 4.1 市場規模と需要の読み方 極低温機器の市場予測は、対象範囲によって数値が大きく異なる。MarketsandMarketsは、LNG 、産業ガス、エネルギー、航空宇宙などを含む広義の世界の極低温機器市場について、2024年1 35.5億米ドルから2030年229.6億米ドル、CAGR+9.3%/年と予測する(出所#1)。Fortune Business Insightsも広義市場を2025年253.5億米ドルから2032年505.9億米ドル、CAGR+10.3 7%/年とするが、両者とも量子計算向け希釈冷凍機だけの市場ではない。したがって、これらの 数値は極低温機器全般への設備投資環境を示す背景には使えるが、Blueforsの対象市場規模とし て直接代入できない。 希釈冷凍機に限定した調査でも幅がある。Business Research Insightsは2026年1.5億米ドルから 2035年2.7億米ドル、CAGR+6.8%/年とする一方、IndustryARCは無冷媒希釈冷凍機について20 30年2.146億米ドル、2024-2030年CAGR+7.9%/年とする。日本語で公表された別調査は、超 低温希釈冷凍機を2025年7,161万米ドルから2032年1.28億米ドル、2026-2032年CAGR+8.8% /年としている(出所#3-5)。起点値、ドライ/ウェットの範囲、用途、地域、調査時点が揃っ ていないため、単一の市場規模を採用するより、「複数調査が中一桁後半から一桁後半の成長を 予測するが、金額定義には大きな不確実性がある」と読むのが妥当である。 本母集団では、2023-2025年に特許件数と関与発明者数が増え、2025年の技術特許8件が大型化 ・モジュール設計4件、希釈冷凍・流体循環4件に集中した。この定量結果は市場予測の成長方向 とは整合するが、市場予測が出願増を引き起こしたとまではいえない。より強い説明は、量子プ ロセッサの大規模化によって、冷却面積、熱負荷、I/O本数、試料搭載量を同時に増やす必要が生 じ、Blueforsがその具体的な設計課題へ先回りしたことである。市場予測は需要の追い風を示す 補助証拠であり、技術重心の因果説明は後述の学術・製品情報で確認する。 4.2 政策・規制・標準化 欧州委員会は2025年7月にQuantum Europe Strategyを採択し、研究・イノベーション、量子イ ンフラ、産業エコシステム、宇宙・デュアルユース、技能の5領域を行動軸に置いた。特に、拡張 可能で連携されたインフラ拠点、スタートアップ・スケールアップへの投資、供給網と産業化を 明示している(出所#6)。Blueforsの大型冷却プラットフォーム、測定設備、サービス拠点は、 この政策が求める「研究設備を産業インフラへ変える」方向と整合する。ただし、政策採択は個 別企業への需要を保証せず、調達条件、域内供給、セキュリティ、相互運用性を通じて競争条件 を変えるものと考えるべきである。 Patent Analytica | 27

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フィンランドのQuantum Technology Strategy 2025-2035は、2025年4月に公表され、企業・ 研究者が複数方式の量子計算機へアクセスできる環境、量子デバイス・部品の試験・パイロット 環境、長期RDIプログラム、民間資金、国際標準化への関与など8施策を提示した(出所#7)。Bl ueforsがフィンランドを基盤に、冷却装置、試験設備、共同研究、ラボアクセスを組み合わせる ことには、国内エコシステムの強みを製品・サービスへ転換する合理性がある。他方、同戦略自 身がフィンランドは大規模な国家補助だけでは競えず、資源を集中すべきだと述べているため、 海外の研究拠点・顧客・供給網との接続が重要になる。 国際標準化では、IEC/ISO JTC 3に量子計算サプライチェーン、量子計算ベンチマーク、量子イネ ーブリング技術などの作業部会が置かれている(出所#8)。2025年10月には、日本の専門家が 量子計算ベンチマークを扱うWG12の主査に選出され、経済産業省は量子技術を国際標準化の重 点分野として位置付けた(出所#9)。現段階で希釈冷凍機のモジュール接続寸法や冷却能力の測 定法が一つの国際規格に統一されたとまでは確認できなかったが、量子ハードウェアの性能比較 、供給網、用語、評価の標準化は進行している。 この動きは、本母集団のJP2024538399A、WO2025196368A1、WO2026139671A1が扱う独 自モジュール構造を直ちに陳腐化させるものではない。しかし、公共研究設備や複数ベンダー環 境では、「何台つながるか」だけでなく、温度段別冷却能力の測定条件、振動、温度安定性、配 線1本当たりの熱流入、交換時間、稼働率、故障時の切離し性を比較可能にする要求が強まると考 えられる。対抗企業にとっては、規格が完成してから追随するより、評価指標とインターフェー ス案を共同試験へ持ち込み、標準化議論の前提を作る方が有利である。 4.3 学術動向 高冷却能力と並列希釈ユニット 2025年のReview of Scientific Instruments掲載論文は、2台のパルスチューブ冷凍機による予冷 、強化ポンプ系、真空槽内の4つの並列希釈ユニットを用い、最低温度6.6 mKで2,000 mK、102.48 Wの冷却能力を報告した(出所#10)。この結果は、複数ユニットとポンプ能力を 組み合わせる方向がBluefors固有の着想ではなく、大規模量子計算や大型科学設備の冷却要求に 対する一般的な工学解であることを示す。 本母集団では、US20260118020A1が熱的に分離された複数希釈ユニット、US12535247B2が 高流量ガス循環、WO2026104767A1がスティル、FI20255425A1が混合室、WO2026139672 A1が低温マイクロポンプを扱う。学術側の並列化と特許側の流体系分解が一致するため、仮説H2 は強く支持される。ただし、論文の2,000 Wは約102.5 mKでの値であり、量子ビットが置かれ る最低温段の冷却能力と同一視してはならない。温度段ごとの能力、流量、振動、安定性を分け て比較する必要がある。 ウェハスケール低温試験 2023年の研究は、300 mmスピン量子ビットウェハを約1.6 Kで自動測定し、数百のデバイスか ら高容量データを得て、歩留まりとばらつきの改善へ使うプロセスを示した(出所#11)。産総 研も300 mmウェハ極低温オートプローバを導入し、従来は測定サイクル当たりの素子数が限ら れていた課題に対し、高速・大量測定を進めている(出所#14)。FormFactorのIQ3000は、15 0 mm、200 mm、300 mm基板に対応し、4 K環境、最大56本のRF同軸、最大520本のDC線、2 Patent Analytica | 28

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5枚カセット、自動ローディングを掲げる(出所#24)。 2025年の200 mmウェハを用いた超伝導量子ビット研究は、1万超のジョセフソン接合で99.7% の製造歩留まりを示し、個別素子のエネルギー緩和時間が長期測定で200 sに近づく結果を報告 した(出所#12)。これは、量子デバイス開発が「良い単一チップを作る」段階から、ウェハ全 体の統計、選別、工程フィードバックへ移っていることを示す。 したがって、本母集団で低温ウェハ試験が前半期33.3%から後半期4.5%へ低下したことを、需要 縮小と解釈するのは不適切である。JP7557281B2、JP7561517B2、EP4506986A1で基盤を押 さえた後、出願資源を大型プラットフォームへ移した可能性、AFOREとの共同開発や製品ノウハ ウへ移った可能性、母集団外の後続案件がある可能性が残る。外部研究と製品競争は、低温ウェ ハ試験が引き続き重要な隣接領域であり、対抗企業が差別化できる余地も大きいことを示す。 配線熱負荷、cryo-CMOS、光I/O 2026年のcryoelectronicsレビューは、超伝導型の耐故障量子計算へ拡張する際、室温計測器と 多数の同軸ケーブルだけに依存する構成では、配線密度、熱負荷、消費電力、組立・試験複雑性 が主要制約になり、4 KやmK段に制御電子回路を配置する異種混載構成が有力になると整理する (出所#13)。Blueforsが紹介した別の研究では、70 mK未満で数百の量子デバイスへ電圧信号 を生成・分配するcryo-CMOS系が報告され、室温からmK段への専用配線を減らす方向が示され ている。 本母集団の配線・極低温RFは2件(7.1%)にすぎないが、外部研究はこの領域の重要性がむしろ 増していることを示す。Blueforsは2025年にDelft Circuitsの高密度フレキシブルI/Oを同社冷凍 機へ統合し、XLDslで最大1,536本の入力または制御線を提供すると発表した。2026年にはQpho Xと、光ファイバーで信号をクライオスタットへ送る超伝導量子ビット制御を実証した(出所#18 -19)。これは、特許件数が薄い領域を提携・実証で補い、冷却プラットフォームの価値を高める 戦略と整合する。 4.4 Blueforsの事業動向との突合 Blueforsは2026年3月3日、複数モジュールを接続して連続した真空・搭載空間を形成するModul ar Cryogenic Platformを発表し、最初の複数モジュール機を2026年後半に納入予定とした。個別 モジュールは追加可能で、冷却インサートと配線インサートを分離し、複数接続時に連続した搭 載空間を形成する。各モジュールは最大800 kgの搭載物と最大36の側面配線ポートを想定すると説明されている(出所#15)。 この発表は、JP2024538399Aの2021年優先・2022年出願、US20240263849A1の複数機械冷 凍機、WO2025196368A1の共通インターフェース面、WO2026139671A1の横方向連結という 時系列の後に位置する。特許が製品発表より複数年先行し、構造、予冷、接続、希釈ユニットが 連続しているため、仮説H1の「意図的なプラットフォーム戦略」は支持される。もっとも、202 6年後半の初号機納入は発表時点の計画であり、納入完了、顧客運用、稼働率は今後の確認事項で ある。 同社は2025年5月、AISTのG-QuATへKIDEを含む18台の完全配線済み冷却計測システムを6週間 で据付けたと発表した(出所#17)。同社公表の2025年売上高は2億1,700万ユーロ、累計冷却 Patent Analytica | 29

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計測システム1,700台超、クライオクーラー1万5,000台超、従業員700人超である(出所#16) 。これらは、特許に表れる設計能力だけでなく、複数装置を短期間に据付け、冷凍機、配線、計 測、サービスを運用可能な形で納める能力が競争要因であることを示す。ただし、いずれも企業 公表値であり、案件採算、装置別シェア、稼働率を外部監査した数値ではない。 2025年9月には、BlueforsがInterluneから2028-2037年に年間最大1万リットルのヘリウム3を 購入する契約を発表した(出所#20)。供給開始は将来であり、月面採取・輸送の技術的、規制 的、経済的実現性は未確定であるため、安定供給を事実として扱えない。それでも、同社がヘリ ウム3を製品のスケール制約として認識し、長期調達を競争戦略の対象にしたことは明確である。 US12535247B2などの循環効率・ポンプ系出願と組み合わせると、同社は「多く調達する」と「 効率よく循環させる」の両側を押さえようとしていると考えられる。 4.5 主要代替企業と新興プレイヤー Quantum Design OxfordのProteoxQXは、矩形の冷却プラットフォームを接続し、連続した真空 空間と低温段を形成し、必要に応じて追加冷却スライスを挿入する構成を掲げる。側面から交換 できる配線インサートを小型機から大型機へ移せる点も特徴で、1,000量子ビット超を想定する (出所#21)。これはBlueforsのモジュール型構想と目的が近い一方、二次インサートと製品系 列間の移植性という異なる実装経路を示す。 ULVACは2025年、約10 mKを維持する国産希釈冷凍機を公表し、将来拡張を想定したモジュー ル構造、パルスチューブ冷凍機・真空部品を含む内製供給、長期サポートを強調した。IBMの知 見を取り入れた次世代機を2026年に市場投入する計画も示している(出所#23)。同社の差別化 は、海外製装置に対する納期・保守課題へ、国内生産と真空・冷凍部品の垂直統合で応える点に ある。Blueforsの技術性能だけでなく、地域供給、保守速度、調達安全保障が競争軸になること を示す。 Maybell Quantumは2024年に2,500万米ドル、2025年に4,000万米ドルを調達し、冷却・RFシ ステムの製造拡大を進めた。2026年にはColdCloudとQuantWareのVIO-40Kを接続する提携を 発表し、独立して保守できるノード、短時間冷却、電力・冷却水・ヘリウム3効率を訴求している 。ただし、同社が示す効率・稼働率は企業発表であり、商用初号機は2027年予定とされるため、 実運用での検証が必要である(出所#22)。 FormFactorは、4 Kで150-300 mm基板を自動測定するIQ3000を展開し、ウェハ試験を「研究 室から工場へ」移すことを明示している(出所#24)。この企業群を重ねると、競争は一つの希 釈冷凍機カテゴリーに閉じない。Oxfordは接続・移植可能な冷却プラットフォーム、ULVACは地 域供給と垂直統合、Maybellはデータセンター運用効率、FormFactorは高スループット試験を取 りに行っている。Blueforsがモジュール構造を先行出願していても、顧客が解決したい仕事ごと に異なる代替経路が成立する。 4.6 技術・事業ボトルネックの統合 ボトルネック 外部証拠 本母集団との接点 競合側の評価指標 mK段の冷却能力 4並列希釈ユニットで高冷 却能力を実証 複数希釈ユニット、ステ ィル、混合室 温度段別W、流量、安定 性、回復時間 Patent Analytica | 30

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ボトルネック 外部証拠 本母集団との接点 競合側の評価指標 予冷・放射熱 大型化に伴い4 K段・真空空間が拡大 複数機械冷凍機、放射シ ールド、熱伝導層 4 K能力、面積当たり熱負 荷、消費電力 配線熱負荷 cryo-CMOS・光I/O・高 密度配線が進展 配線特許は2件、外部提携 で補完 1ポート当たり線数、熱流 入、帯域、故障点 試験スループット 300 mm自動プローバ、 ウェハ統計が進展 ウェハ試験3件、AFORE 共同 冷却・交換時間、自動化 率、測定再現性 振動・保守 量子・低温測定は機械振 動と長時間停止に弱い 可動熱結合、分離可能モ ジュール 振動スペクトル、MTTR 、切離し運転 ヘリウム3・供給 Blueforsが将来の長期調 達契約を発表 循環ポンプ、流量改善 在庫量、回収率、漏洩率 、代替調達 相互運用・評価 JTC 3でベンチマーク・供 給網を標準化 共通インターフェース面 、モジュール連結 接続仕様、校正可能性、 比較試験手順 最大の脅威は、Blueforsが個々の指標で常に最高であることではなく、冷却、配線、据付、保守 、試験、供給を一つの購買・運用単位へ束ねることである。最大の機会は、その束が完全な閉鎖 系になる前に、ベンダー中立のI/O、試料・配線インサート、評価方法、運用ソフトウェアを顧客 側の共通資産として定着させることである。 4.7 主要特許の公開照会 Google Patentsで、US12535247B2のBluefors名義、主ポンプユニットを用いるガス循環構成、 JP2024538399Aの独立支持されたモジュール冷却板、US20240288214A1のばね部と熱伝達部 を分けた熱結合、US20260118020A1の熱的に分離された複数希釈ユニットを確認した(出所# 25-28)。公開照会は、提供データの番号、名称、要約内容との整合を確認するために用いた。 ただし、Google Patentsは法的状態を保証するものではなく、各国の登録原簿、審査経過、権利 範囲を代替しない。本分析では、これらの照会から有効性、侵害、抵触、自由実施性を判断して いない。競合側で具体的な製品設計や上市判断を行う場合は、対象国の原簿と請求項を弁理士・ 弁護士等が確認する必要がある。 4.8 外部調査による仮説の一次判定 ・ H1は支持。 2021年優先のモジュール構造から2025年の接続・複数ユニット出願を経て、 2026年3月の製品発表へ至る時間順が一致した。 ・ H2は支持。 学術側でも複数希釈ユニット、強化ポンプ、高冷却能力が報告され、特許側で はスティル・混合室・低温ポンプへ課題が分解されている。 ・ H3は部分支持。 ウェハ試験とI/Oの外部重要性は高く、Blueforsの製品・提携も確認でき た。ただし、出願の薄さが提携方針によるものか、母集団欠落かは判別できない。 ・ H4は支持。 Oxford、ULVAC、Maybellが異なる実装でモジュール化・拡張性・運用効率を 追い、構造コンセプトだけでは差別化が持続しにくい。 ・ H5は部分支持。 意匠増加と製品系列・GUI・モジュールの展開時期は整合するが、意匠件 数が反復販売への移行を直接証明するものではない。 Patent Analytica | 31

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まとめ 市場予測は成長方向を示すが定義差が大きく、主要結論の決め手ではない。決め手は、Bluef orsの出願時系列が2026年のモジュール製品に先行したこと、学術側でも並列希釈ユニット・高流量 ・ウェハ試験・cryoelectronicsが同じ制約を指していること、複数企業がモジュール化と運用効率 へ収束していることである。 Patent Analytica | 32

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5. 統合考察 POINT 定量結果と外部情報を重ねると、Blueforsの戦略は「大きな冷凍機を一台作る」ことではな く、冷却段・真空空間・配線・希釈ループ・保守単位を分解し、必要量に応じて増設できるプラット フォームへ移行することにある。ただし、モジュール化という方向自体は複数社に共有されており、 同社の持続的な防御力は、特許の本数より、設計・納入・提携・サービス・供給を一つの稼働系へ束 ねる能力に依存する。 5.1 クロス検証 クロス検証1:出願時系列 × 製品発表 定量分析では、大型化・モジュール設計が8件(28.6%)で最大テーマとなり、前半期16.7%から 後半期31.8%へ+15.2ポイント上昇した。JP2024538399Aは2021年優先、WO2025196368A1 とWO2026139671A1は2025年出願であり、独立支持された冷却板、共通インターフェース面 、横方向のモジュール連結へ段階的に発展する。 外部では、Blueforsが2026年3月に追加可能なモジュール、冷却インサートと配線インサートの 分離、連続した搭載空間を特徴とするModular Cryogenic Platformを発表し、最初の複数モジュ ール機を2026年後半に納入予定とした。特許が製品発表より先行し、発明対象が製品構造の主要 要素と重なるため、単なる検索式の偏りより、製品ロードマップを先行保護した可能性が高い。 ただし、発表時点の納入予定は実績ではない。2027年までに複数モジュール機の顧客運用、増設 実績、稼働率が確認できなければ、特許と製品構想の整合は維持されても、事業上の成功まで含 む結論は見直す必要がある。 クロス検証2:流体関連出願 × 学術的な高冷却能力化 希釈冷凍・流体循環は5件(17.9%)で、全件が2023年以降に出願された。US12535247B2の 主ポンプユニット、US20260118020A1の複数希釈ユニット、WO2026104767A1のスティル 、FI20255425A1の混合室、WO2026139672A1の低温マイクロポンプは、流量を増やした際に 生じる循環、相分離、熱交換、圧力損失を別々の設計対象へ分解している。 2025年の学術報告は、2台のパルスチューブ冷凍機、強化ポンプ系、4つの並列希釈ユニットを 用い、6.6 mKの最低温度と102.48 mKで2,000 Wを報告した。特許と論文の双方が「単一ユニ ットの単純大型化」ではなく、並列化と流体系強化を採用するため、冷却能力の制約が希釈ルー プ内部へ移っているとの読みは支持される。 一方、論文の冷却能力は約102.5 mKでの値であり、mK最低温段の能力、長期安定性、振動、装 置コストを直接示さない。したがって、Blueforsの流体系出願が最適解であるとは結論できず、 「流量・並列化が一般的な競争軸になった」と限定して評価する。 クロス検証3:ウェハ試験の構成比低下 × 量産型評価需要 低温ウェハ試験は前半期33.3%から後半期4.5%へ-28.8ポイント低下した。件数だけなら、同社 がウェハ試験から撤退したようにも見える。しかし、外部では300 mmスピン量子ビットウェハの1.6 K自動測定、200 Patent Analytica | 33

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mm超伝導量子ビットのウェハスケール製造・統計評価、産総研の300 mm極低温オートプローバ、FormFactorの4 K自動プローバが確認され、量子デバイスの試験は 研究用の少数サンプルから工程フィードバックへ進んでいる。 Bluefors自身も、公開製品上で2 K未満のウェハレベル試験を掲げている。したがって、提供母集 団における構成比低下は、技術需要の低下より、2020年のAFORE共同案件と2023年のチャック 案件で基盤を形成した後、大型冷却プラットフォームへ出願資源を移した可能性が高い。 決め手は、外部需要が増していることと、同社の製品提供が継続していることである。ただし、 後続特許が母集団外にあるか、営業秘密・共同名義へ移ったかは確認できず、「提携・製品ノウ ハウへ完全移行した」とまではいえない。 クロス検証4:配線特許の薄さ × I/O提携・cryoelectronics 配線・極低温RFは2件(7.1%)で、2025年の技術特許には含まれない。ところが、学術側では 、量子ビット数の増加に伴い、同軸配線の密度、熱流入、消費電力、組立・試験複雑性が主要制 約となり、cryo-CMOSや低温デジタル回路を温度段へ分散する方向が検討されている。 事業側では、BlueforsがDelft Circuitsの高密度I/Oを同社システムへ統合し、XLDslで最大1,536 本の入力・制御線を提供すると発表した。またQphoXと光ファイバー経由の超伝導量子ビット制 御を実証した。これは、I/Oを無視しているのではなく、社外の専門技術をプラットフォームへ取 り込むことで、内製範囲を広げずに顧客価値を増やす行動と整合する。 競合側の機会は、Bluefors向け部品になることだけではない。複数メーカーの冷凍機に対応するI/ O・光リンク・低温制御を顧客側の共通資産として提供できれば、冷凍機本体のロックインを弱 められる。反対に、Blueforsが提携品を事実上の標準へ育てれば、本母集団で特許件数が少なく ても、商流上の優位は強まる。 クロス検証5:モジュール構造 × 他社の収束 Blueforsのモジュール関連案件は、冷却板区画、共通インターフェース、複数冷凍機、横連結を 覆う。一方、Quantum Design Oxfordは接続可能な矩形プラットフォーム、連続した真空空間・ 低温段、移植可能な配線インサートを掲げ、ULVACはモジュール構造と国内一貫供給、Maybell は独立保守可能なノードとデータセンター運用を訴求する。 この収束は、モジュール化が顧客要求に対する合理的な一般解であることを示す。したがって、B lueforsが関連特許を持つことは重要でも、「モジュール型である」だけでは持続的差別化になら ない。競合比較で決め手になるのは、異なる温度段の実測能力、増設時の停止時間、配線・試料 インサートの交換性、故障分離、保守網、導入期間である。 別の見方として、Blueforsの先行ファミリーが他社の設計自由度を狭める可能性は残る。しかし 、本レポートは請求項の法的範囲を判定しておらず、他社が異なる構造で製品を提供している事 実だけから非抵触も抵触も判断できない。ここで確定できるのは、顧客ニーズが一つの企業に固 有ではないことまでである。 クロス検証6:発明者ネットワーク × システム統合能力 Patent Analytica | 34

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Leif Roschierは特許22件中12件(54.5%)に関与し、共同発明者ネットワークの媒介中心性も0. 215で最大である。Pieter Vorselmanはモジュール・熱結合、Matti Manninenは配線・試験から機械冷凍、Rob Blaauwgeersは混合室・スティルへまたがる。これ は、流体、構造、試料アクセスを孤立させず、複数サブシステムを横断して設計する知識結節点 が存在することを示す。 外部では、同社がAISTのG-QuATへKIDEを含む18台を6週間で据付け、Delft Circuits、QphoX、 Qblox等との統合を進めている。発明者ネットワークの横断性と、事業上の統合・据付能力が同 じ方向を向くため、同社の強みは個別部品よりシステム統合にあるとの読みが補強される。 ただし、特許の共同発明関係は組織図や実際の権限を示さない。中核発明者が不在でも後続開発 と納入品質が維持されるかを観察し、属人的な結節点か組織的な設計能力かを区別する必要があ る。 クロス検証7:ファミリー展開・処分状況 × 商用化の段階 JP2024538399Aは22文献・14法域、US20240288214A1は19文献・10法域、US202303496 50A1は13文献・12法域であり、モジュール構造、可動熱結合、積層造形熱交換器など早期の基 盤案件に広い国際展開が見られる。一方、2025年のスティル、混合室、マイクロポンプはPCTま たは若い国内案件が中心で、法域展開と処分がまだ確定していない。 外部事業では、モジュール型製品の発表、KIDEの納入、高密度I/O統合、高冷却能力製品、ヘリ ウム3の将来調達が進んでいる。これは、早い基盤案件が製品プラットフォームへ接続し、新しい 流体系案件が次世代能力の保護段階にあるという二層構造と整合する。 もっとも、処分確定ベース権利化率80.0%は登録4件・取下げ1件の5件だけを分母とし、若い17 件を除外している。したがって、権利化の高さを技術優位や事業成功へ結び付けることはできな い。競合側が注視すべきなのは、2025年案件の国内移行先、請求項補正、分割・継続出願、登録 後の維持である。 5.2 主要結論と別解釈 結論1:大型・モジュール化は製品ロードマップに結び付いた重点戦略である 本母集団では、大型化・モジュール設計が8件(28.6%)で最大テーマとなり、2025年には4件 が集中した。2021年優先のJP2024538399Aから2025年のWO2025196368A1、WO2026139 671A1へ構造が連鎖し、2026年のModular Cryogenic Platform発表へつながる。 最強の別解釈は、提供データの検索式が大型装置関連を過剰に収録しただけというものである。 この可能性は完全には排除できないが、出願の時間順、発明対象の連続性、製品発表の構造説明 が三点で一致することが決め手となる。したがって、「Blueforsの全出願で最大」とは言わず、 「本母集団では、製品化へ連なる重点戦略」と結論する。 この結論が依存する前提は、対象公報の日付・ファミリー関係が正しく、2026年製品が当該技術 系列を実装していることである。複数モジュール機が2027年末までに運用実績を示さない場合、 または後続出願が別方式へ大きく転換した場合は、事業優先度を見直す。 結論2:持続的な脅威はモジュール特許単独ではなく、統合実行系にある Patent Analytica | 35

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Blueforsは、構造、流体、熱結合、配線、意匠を出願し、外部ではAISTへの18台納入、Delft Circ uits・QphoXとの統合、将来のヘリウム3調達を進めている。同社公表の累計1,700超の冷却計測 システムと1万5,000超のクライオクーラーは、設計を反復納入へ変換する生産・サービス基盤を 示す。 別解釈は、同社の強さを関連特許の広いファミリーに求める見方である。しかし、Oxford、ULV AC、Maybellが異なる構造・供給・運用価値で参入しているため、特許ファミリーの広さだけで は顧客選択を説明できない。決め手は、複数の補完資産が同じ顧客運用へ束ねられていることで ある。 この結論が依存する前提は、同社が大型案件でも納期、保守、品質を維持できることである。納 入後の長期停止、保守遅延、部材不足が顕在化するか、競合が相互運用可能な共通基盤で同等の 稼働率を実証した場合、統合実行系の優位は縮小する。 結論3:I/Oと低温試験は薄い領域ではなく、提携を巡る争点である 本母集団では、配線・極低温RF2件(7.1%)、低温ウェハ試験3件(10.7%)にとどまる。一方 、学術・製品側では、300 mm自動低温試験、cryo-CMOS、高密度フレキシブル配線、光I/Oが 進み、量子システム拡張時の制約として存在感を増している。 別解釈は、Blueforsがこれらの技術で弱く、出願できていないという見方である。決め手は、同 社がウェハプローバ製品を継続し、Delft CircuitsとQphoXを冷却プラットフォームへ統合してい ることである。したがって、少なくとも「無関心」ではなく、内製・出願に限定しない補完戦略 と読む方が整合的である。 この結論が依存する前提は、提携技術が長期供給され、複数世代の冷凍機へ統合されることであ る。提携解消、互換性不足、顧客のオープンI/O採用が進めば、プラットフォームの補完力は低下 する。逆に、提携仕様が広く採用されれば、Bluefors自身の特許件数が少なくても競争障壁は高 まる。 5.3 相手側から見た合理性 競合側からは、Blueforsが冷却機本体の特許に集中し、I/O・制御を外部へ依存しているように見 える。しかし同社の立場では、希釈冷凍、真空、熱段、予冷、据付、保守という失敗時の影響が 大きい中核を自ら設計し、技術更新が速く専門性の異なる配線、光制御、制御スタックを提携で 取り込む方が合理的である。全領域を内製すれば開発速度と選択肢が下がる一方、標準化された 側面ポートやインサートを握れば、補完企業を入れ替えながら顧客接点を維持できる。 同様に、ヘリウム3の将来調達契約は実現性の不確実性が大きいが、同社側から見れば、供給が制 約になった場合の上振れ需要を早期に確保する選択肢である。競合がこの行動を過剰投資と見る だけでは、同社が供給不安を営業上の安心へ変える狙いを見落とす。対抗には、同じ調達量を競 うより、回収率、在庫量、漏洩率、必要ヘリウム量を下げる設計で、顧客の総リスクを減らすこ とが有効である。 5.4 仮説検証サマリー 仮説 判定 検証結果 Patent Analytica | 36 残る不確実性

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仮説 H1 モジュール出願は意図 的なプラットフォーム戦 略 H2 ボトルネックは高流量 ・多系統の希釈ループへ 移る H3 ウェハ試験・I/Oは提 携・外部統合へ役割移行 H4 モジュール化は共通方 向で、優位は実行系にあ る H5 意匠増加は反復製品化 への移行を示す 判定 検証結果 残る不確実性 支持 出願が2026年製品発表に 先行し、構造要素が連続 複数モジュール機の実運 用・採算 支持 5件の流体関連出願と4並 列ユニットの学術報告が 一致 最低温段の実効能力、振 動、長期安定性 製品継続とDelft Circuits ・QphoX統合を確認 出願減の原因が提携か母 集団欠落か未判別 Oxford、ULVAC、Maybe llが別実装で収束 各社の実導入・稼働率を 同条件比較できない 2024-2026年にGUI・外 観・モジュール意匠が集 中 抽出偏りがあり、販売量 との直接対応は未確認 部分支持 支持 部分支持 5.5 統合判断の確からしさ 最も確からしいのは、Blueforsが大型・モジュール構造と高流量・多系統の希釈冷凍を同時に強 化しているという方向判断である。特許件数、発明者ネットワーク、概念共起、製品発表、学術 報告が異なる証拠系列から同じ方向を示すためである。 次に確からしいのは、モジュール化だけでは差別化が持続しないという判断である。複数企業の 公式製品情報が同じ顧客課題へ異なる経路を提示している。ただし、各社の価格、実測性能、納 期、稼働率を同一条件で比較できていないため、どの企業が優位かは判定していない。 不確実性が最も大きいのは、意匠増加の意味と、ウェハ試験・I/Oの特許構成比低下の原因である 。これらは製品化・提携と整合するが、検索式、未公開案件、営業秘密でも同じ観察が生じる。 今後の出願、提携更新、納入実績を用いて継続検証する必要がある。 まとめ 主要仮説5件のうち3件を支持、2件を部分支持とした。最も重要な統合結論は、Blueforsの技 術重心が拡張可能な構造と高流量希釈ループへ移ったこと、同社の防御力が個別特許より統合実行系 にあること、I/O・試験が対抗企業にとってロックインを弱める主要な介入点になることである。 Patent Analytica | 37

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6. 戦略的提言 POINT 対抗企業が取るべき方針は、Blueforsと同じ大型冷凍機を全面的に追随することではない。 モジュール接続の開放性、高流量運転の総効率、量子I/O、低温試験、稼働率、供給レジリエンスの うち、自社が顧客の共通基盤を握れる領域を選び、冷凍機本体から独立して価値を提供できる構造を 作るべきである。 6.1 総括 1. Blueforsの重点方向は、拡張可能な真空・熱段構造と高流量・多系統の希釈ループである。 本母集団では、大型化・モジュール設計8件(28.6%)と希釈冷凍・流体循環5件(17.9%)が中 心で、2025年の技術特許8件はこの二領域だけで構成された。したがって、対抗企業は個別製品 の外形ではなく、増設時の冷却能力、配線、保守、流体制御を一体で比較する必要がある。 2. モジュール化は競争優位そのものではなく、比較の前提条件になりつつある。 Quantum Design Oxford、ULVAC、Maybellも、接続可能な冷却空間、増設、独立保守、地域供 給など別の実装で同じ顧客課題へ対応している。 したがって、対抗側は「モジュール型」を標榜 するだけでなく、増設停止時間、温度段別性能、故障分離、互換部品、総運用費の実測値で差を 作るべきである。 3. 冷却性能の競争は、最低到達温度から運用可能な冷却余力へ移る。 複数希釈ユニット、高流量ポンプ、スティル、混合室、低温ポンプの連鎖は、量子I/Oや試料搭載 量が増えた際に、何 Wをどの温度段で安定して供給できるかが争点になることを示す。学術側 でも並列希釈ユニットと強化ポンプによる高冷却能力が報告されている。 4. I/Oと低温試験は、Blueforsのポートフォリオを迂回して顧客接点を取れる有力領域である。 本母集団では配線・極低温RF2件(7.1%)、低温ウェハ試験3件(10.7%)と相対的に薄いが、 外部ではcryo-CMOS、光I/O、300 mm自動低温試験が進展している。Bluefors自身もDelft Circ uits、QphoXとの統合で補完しているため、この領域は空白ではなく、提携網と仕様主導権を巡 る競争領域である。 5. 同社への対抗軸は、単品性能より顧客の稼働継続性に置くべきである。 AISTへの18システム据付、製造・サービス規模、将来のヘリウム3調達は、同社が装置性能だけ でなく納入、保守、供給を購買理由へ変えようとしていることを示す。 対抗企業は、平均修復時 間、交換手順、遠隔診断、部品在庫、ヘリウム回収率まで含む運用保証で比較する必要がある。 6. 特許対応は、案件ごとの回避検討より先に、技術系列を継続監視する。 JP2024538399Aを起点とするモジュール構造、US20260118020A1を含む複数希釈ユニット、 US12535247B2を含む循環系は、個別公報でなく連続する設計系列として読む必要がある。ただ し、本分析は請求項解釈や自由実施性を判断していない。具体的な設計・上市時には、対象国の 原簿、審査経過、請求項を専門家が確認する。 Patent Analytica | 38

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6.2 戦略的インプリケーション 観察された動き 対抗企業にとっての脅威 機会 推奨する競争軸 冷却モジュールの接続・ 増設 Bluefors仕様が周辺部品 の事実上の接続条件にな る ベンダー中立のインサー ト・接続・評価仕様 互換性、増設停止時間、 故障分離 複数希釈ユニットと高流 量化 冷却余力を理由に大型案 件を一括受注される 低ヘリウム在庫、低振動 、高効率の別解 温度段別W、回復時間、 電力、振動 I/O提携の拡大 提携品を含む閉じたエコ システムが形成される 複数冷凍機対応のI/O・光 ・cryo-CMOS基盤 1本当たり熱流入、帯域、 交換性 低温ウェハ試験の製品化 デバイス評価から冷却装 置まで顧客接点を囲われ る 300 mm、自動化、統計 解析、工程連携 スループット、再現性、 データ互換 据付・サービス能力 装置性能が近くても運用 リスクで選定される 稼働率保証、遠隔監視、 地域保守 MTTR、予防保全、部品 供給時間 ヘリウム3の長期調達 将来の供給不安を営業上 の安心へ変えられる 使用量削減、回収、代替 調達、在庫最適化 回収率、漏洩率、装置当 たり在庫 標準化・ベンチマーク 既存大手の測定条件が標 準へ反映される 評価方法を先に共同実証 し議論を主導 校正可能性、第三者比較 、API公開 対抗企業が最も避けるべきなのは、Blueforsの公開製品仕様を基準に、後発で同じ能力値を満た すだけの開発である。この方法では、相手が次世代仕様へ移るたびに追随が必要となり、顧客接 点、評価方法、周辺部品、サービス収益を相手側へ残す。代わりに、複数冷凍機に共通する接続 ・測定・運用レイヤーを握るか、流体系や試験系で明確に異なる性能曲線を作る必要がある。 一方、全領域を自社内へ抱えることも合理的ではない。Bluefors自身がI/Oや光制御を提携で補完 しているように、技術更新が速い領域では専門企業との連合が有効である。対抗側は、冷凍機、I /O、制御、試験、サービスのどこを中核として保持し、どこを交換可能なパートナー層とするか を明示しなければならない。 6.3 推奨アクション # 推奨アクション 根拠 優先度 時間軸 主な担い手 1 ベンダー中立の 低温モジュール 接続・評価仕様 を策定する モジュール化が 複数社へ収束し 、仕様主導権が 差別化点になる 高 短期 0-1年 システム設計、 標準化、事業開 発 2 高流量希釈ルー プの代替アーキ テクチャを実測 比較する Blueforsの2025 年出願がポンプ 、スティル、混 合室、低温流体 へ集中 高 中期 1-3年 極低温R&D、流 体設計、試験 3 冷凍機非依存の 量子I/O・cryoCMOS・光リン ク連合を形成す る 配線熱負荷が増 え、Blueforsも 提携で補完して いる 高 短中期 0-2年 事業開発、電子 回路R&D、知財 Patent Analytica | 39

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# 推奨アクション 根拠 優先度 時間軸 主な担い手 4 低温ウェハ試験 を装置ではなく 工程データ基盤 として強化する 300 mm自動測 定とウェハ統計 が量産型開発の 基盤になる 中-高 中期 1-3年 計測R&D、ソフ トウェア、顧客 技術 5 稼働率・保守性 を製品KPIとし て契約前に提示 する Blueforsの脅威 が納入・据付・ サービスを含む 統合実行系にあ る 高 短期 0-1年 サービス、品質 、ソフトウェア 、営業 6 ヘリウム3・主 要冷凍部品の供 給レジリエンス 計画を作る 将来調達と高流 量化が供給制約 を経営課題へ引 き上げる 高 短中期 0-2年 調達、R&D、事 業継続 7 Blueforsの重点 ファミリーを四 半期ごとに更新 監視する 若いPCT案件が 多く、国内移行 ・補正・継続出 願が今後判明す る 中 継続・四半期 知財、R&D、事 業企画 アクション1:ベンダー中立の接続・評価仕様 短期に、温度段ごとの機械接続、真空境界、熱接触、配線フィードスルー、制御API、校正手順を 一枚のインターフェース仕様へまとめる。目標は、Blueforsの寸法を模倣することではなく、複 数メーカーの冷却機に交換可能な試料・配線インサートを定義し、顧客が周辺資産を持ち運べる ようにすることである。 最初の12か月では、少なくとも二種類の冷却機で同一インサートを使用し、交換時間、再冷却時 間、温度再現性、配線熱流入を第三者または顧客と共同測定する。IEC/ISO JTC 3等の議論に対し ては、製品寸法の標準化を急ぐより、測定条件、校正、データ形式、故障モードの共通化を提案 する方が実装自由度を保ちやすい。 アクション2:高流量希釈ループの代替設計 Blueforsの構成をそのまま追うのではなく、室温側ポンプ構成、低温側ポンプ、スティル形状、 混合室、熱交換器を組み合わせた複数案を、同じ評価表で比較する。最低到達温度だけでなく、1 00 mK、20 mK、最低温段での連続冷却能力、流量、温度変動、振動、消費電力、必要ヘリウム 3量、保守間隔を測る。 1-3年で、競争対象を「最大能力」から「負荷変動に対する効率曲線」へ変えることを推奨する。 顧客が常時最大負荷で運転するとは限らないため、部分負荷効率、起動・回復時間、ポンプ交換 時の停止時間で優位を作れれば、大型一括システムと異なる価値を提示できる。 アクション3:量子I/O連合と知財配置 0-2年で、低温フレキシブル配線、光I/O、cryo-CMOS、極低温増幅、制御ソフトウェアの専門企 業から2-3社を選び、特定冷凍機に閉じない共同参照設計を作る。契約では、インターフェース、 校正データ、障害解析、改良発明の帰属を明確にし、中核仕様を単一パートナーだけが変更でき ない構造にする。 Patent Analytica | 40

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知財は、個々のケーブルやチップだけでなく、温度段間の配置、熱負荷予測、交換可能な接続、 自己診断、故障時の迂回制御へ置く。Blueforsが提携品を冷却プラットフォームへ統合するのに 対し、対抗側は「どの冷凍機でも使える統合層」を押さえることで、顧客の切替費用を下げなが ら自社の接点を残せる。 アクション4:低温ウェハ試験の工程データ化 ウェハプローバの差別化を、最低温度や端子数だけに置かず、ローディング、位置合わせ、接触 確認、温度安定化、測定レシピ、異常検知、ウェハマップ、製造条件へのフィードバックまで一 つのデータフローにする。外部研究が示すように、量子デバイスの製造改善には多数素子の統計 が必要であり、冷却装置はデータ生成工程の一部になる。 1-3年の目標として、200-300 mm対応、無人連続運転、温度・接触・RF校正の自動記録、上位 工程とのAPI連携を設定する。AFORE、FormFactor、研究機関等との協業余地を評価し、冷凍機 販売に従属しない独立した試験サービスまたは装置事業として成立させる。 アクション5:稼働率・保守性の可視化 短期に、平均故障間隔、平均修復時間、予防保全率、遠隔復旧率、主要部品の供給時間、冷却再 立上げ時間を標準KPI化する。顧客提案では、最低温度の仕様表と同じ位置に、年間停止時間と保 守手順を示す。大型量子設備では、数日の停止が実験計画全体へ影響するため、保守性は冷却能 力と同等の意思決定要素になり得る。 装置ログから温度、圧力、振動、ポンプ電流、冷却時間を収集し、異常兆候を顧客と共有する。 ソフトウェアは冷凍機本体と別契約にせず、保守保証と結び付けることで、既設装置から継続収 益と改善データを得る。 アクション6:供給レジリエンスと使用量削減 ヘリウム3について、調達先の多様化、回収、精製、漏洩検知、装置内在庫削減を一つの設計目標 にする。競合側は将来の大量調達を競うだけでなく、同じ冷却仕事をより少ない在庫で行う設計 と、顧客サイトでの回収サービスを提示する。 パルスチューブ冷凍機、真空部品、ポンプ、RF部品についても、代替部品の認定と地域在庫を行 い、単一供給障害時の復旧時間を定量化する。ULVACが国内一貫供給と長期サポートを訴求して いることは、供給経路自体が顧客価値になることを示す。 アクション7:重点特許系列の継続監視 四半期ごとに、①モジュール構造、②複数機械冷凍機、③複数希釈ユニット、④ガス循環ポンプ 、⑤スティル・混合室・低温ポンプ、⑥熱結合、⑦ウェハ試験・I/Oの系列を更新する。公開番号 だけでなく、優先権、PCT国内移行、継続・分割、請求項補正、登録後の維持状況を系統図にす る。 監視結果は法的結論ではなく、R&Dの設計レビューへ早期に渡す。具体製品と請求項の関係、自 由実施性、無効理由、侵害可能性を判断する場合は、対象国の弁理士・弁護士等による個別確認 を行う。 6.4 時間軸別の実行順序 Patent Analytica | 41

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時間軸 優先して着手する事項 到達点 0-6か月 接続・評価仕様の素案、重点特許系 列図、運用KPI、供給リスク表 比較条件と監視単位を統一 6-12か月 二機種でのインサート実証、遠隔監 視、I/O連合の基本合意 顧客に示せる相互運用・稼働データ 1-2年 高流量ループ試作、光・cryo-CMO S参照設計、回収系実証 Blueforsと異なる性能曲線を確立 2-3年 200-300 mm低温試験、第三者ベ ンチマーク、地域保守網 装置本体に依存しない顧客接点 3年超 共通仕様の標準化提案、複数顧客で の反復導入 エコシステムとしての切替障壁を形 成 実行順序では、最初に比較方法と接続仕様を固め、その後に高流量ループやウェハ試験の大型投 資へ進む。評価軸が曖昧なまま試作すると、競合製品の仕様追随になりやすい。逆に、顧客と測 定条件を共有してから技術投資を行えば、絶対性能で一部劣っても、交換性、保守性、総運用費 で採用理由を作れる。 6.5 提言を見直すべきサイン 観測すべきサイン 現在の提言への影響 見直し方向 Blueforsの複数モジュール機が202 7年末までに反復納入・増設実績を 示さない モジュール型への対抗投資を過大評 価している可能性 接続基盤より既存装置の運用改善へ 配分 2026-2027年の後続出願で配線・ ウェハ試験が再増加する 「外部提携中心」との読みが弱まる I/O・試験を直接的な特許競争領域 として再評価 複数希釈ユニットが最低温段で振動 ・安定性・保守上の不利を示す 高流量・並列化が唯一の拡張解では ない 単一ループ高効率化、局所冷却、分 散冷凍へ転換 IEC/ISO等で接続・性能評価の共通 規格が具体化する 独自仕様の価値と相互運用戦略が変 わる 規格案への適合・主導活動を最優先 Delft Circuits、QPhoX等との提携 が解消または限定化する Blueforsの補完エコシステムが弱ま る 代替I/O連合の市場投入を前倒し Blueforsのヘリウム3調達計画が遅 延・縮小する 供給優位の確度が下がる 回収・低在庫設計の訴求を強化 Oxford、ULVAC、Maybell等が第 三者比較で優位な稼働率を示す Blueforsを唯一の基準にする妥当性 が低下 複数競合を含むベンチマークへ更新 重点PCT案件が主要国へ移行しない 、または請求項が大幅縮小する 特許系列の牽制力を過大評価してい る可能性 技術・商流上の競争へ資源を再配分 顧客が冷却機を一括購入せず、I/O ・試験・保守を分離調達し始める ベンダー中立レイヤーの価値が上昇 接続・ソフトウェア・サービス投資 を加速 Key Insight 対抗戦略の目標は、Blueforsより多くの特許を出すことではない。顧客が冷却機を選び 替えても残る接続仕様、測定データ、I/O、試験工程、保守基盤を握り、冷凍機本体の選定と顧客関 係を切り離すことである。 Patent Analytica | 42

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まとめ 優先度の高い初動は、ベンダー中立の接続・評価仕様、高流量ループの実測比較、I/O連合、 稼働率KPI、供給レジリエンスの五つである。これらを0-2年で並行させ、3年以降に標準化と反復導 入へつなげる。大型冷凍機の全面追随ではなく、相互運用性と運用データを競争基盤にすることが、 最も再現性の高い対抗方向である。 Patent Analytica | 43

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7. 付録 POINT 本付録は、分析条件、実施できなかった分析、外部出所、検索ログ、用語、免責を明示し、 結論がどのデータと前提に依存するかを検証可能にする。特許の法的状態や外部情報は更新されるた め、重要な意思決定前には原資料を再確認する必要がある。 7.A 分析条件 A-1. 対象データと視点 項目 条件 対象件数 28件 レコード内訳 特許22件(78.6%)、EU意匠6件(21.4%) 出願日範囲 2020年5月1日-2026年1月13日 分析対象企業 Blueforsグループ 共同権利者 AFORE OY:2件(7.1%) 母集団の性質 Blueforsが全件に関与する単一企業中心の母集団 分析視点 Blueforsを競合・注視対象とする他社側 時系列基準 出願日を主軸 公開遅延の扱い 2025-2026年は過小期間として減少判定から除外 外部情報の基準日 2026年7月15日 Blueforsの表記は、`BLUEFORS OY`、`BLUEFORS OY`、日本語表記を同一グループとして統合した。AFORE CRYOGENICS OYは共同権利者として残した。単一 企業型であるため、出願人ランキング、出願人シェア、出願人HHI、業界順位を算出していない 。 A-2. 列マッピングとデータ充足 論理項目 使用列・代替 充足率 公開・公告番号 公開・公告番号 100.0% 出願日 出願日 100.0% 名称 名称 92.9% 出願人・権利者 標準化された権利者 100.0% 要約 応用分野/要約相当の記述 78.6% 請求項 第一請求項 71.4% 発明者 発明者 89.3% リーガルステータス リーガルステータス 89.3% ファミリー INPADOCファミリー 100.0% Patent Analytica | 44

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論理項目 使用列・代替 充足率 IPC 該当列なし 0.0% 特許22件は要約を全件利用できた。意匠6件は請求項・要約を持たないため、技術テキスト分析 から分離し、製品・UI意匠として別テーマへ配置した。名称欠損2件はいずれも意匠であり、技術 テーマの読解には使っていない。 A-3. 技術分類と定量手法 件数が28件と小さいため、統計的な自動クラスタリングは実施せず、名称、要約、第一請求項、 技術的課題、解決手段を全件読解し、主たる解決課題に基づいて6テーマへ分類した。分類は、大 型化・モジュール設計、製品・UI意匠、希釈冷凍・流体循環、熱交換・熱結合、低温ウェハ試験 、配線・極低温RFである。 キーワード抽出では形態素解析を用い、431語の語彙を得た。日本語・英語、単数・複数、表記 差を目視で確認し、最終的な概念分析では「希釈冷凍機」「ヘリウム循環」「混合室」「スティ ル」「真空室」「放射シールド」「熱結合」「モジュール」などへ正規化した。急上昇概念は、2 020-2022年の特許5件と2023-2025年の特許17件を比較し、前半期0件の概念を「新出」、前 半期にも存在して後半期に増えた概念を「加速」として区別した。 共起ネットワークは、同一特許内に現れる正規化概念を接続し、2件以上で共起する組合せを表示 した。ハブ概念はPageRankで評価した。共同発明者ネットワークは、同一特許の発明者ペアを接 続し、媒介中心性によってテーマ間を橋渡しする人物を抽出した。これらのネットワークは公開 特許上の共起関係であり、社内組織図や実際の指揮関係を示さない。 技術構成比シフトは、2020-2022年の6件と2023-2026年の22件を比較した。テーマ動態の4象 限は、横軸を累積件数、縦軸を前半期から後半期への構成比変化とし、それぞれの中央値で区切 った。小標本のため、象限名は絶対的な成長判定ではなく、提供母集団内の相対的な位置として 解釈した。 A-4. 権利化率とファミリー指標 リーガルステータスは、登録、審査係属中、公開、取下げ、期限内PCT・その他・不明へ正規化 した。処分確定ベース権利化率は、次式で算出した。 権利化率 = 登録件数 ÷(登録件数 + 取下げ件数) 特許22件では登録4件、取下げ1件であり、処分確定ベース権利化率は80.0%である。ただし、分 母は5件にすぎず、審査中・公開・PCT段階の17件を除外しているため、全体の品質指標として は不安定である。意匠登録5件はこの特許権利化率へ含めていない。 ファミリーの広さは、提供されたINPADOCファミリー文字列から、文献数と発行当局数を数えた 。ファミリーが広いことは複数法域で保護を試みた事実を示すが、請求項の広さ、有効性、存続 、事業価値を直接示さない。 A-5. 縮退・省略した分析 省略・変更した分析 理由 代替方法 Patent Analytica | 45

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省略・変更した分析 理由 代替方法 統計的技術クラスタリング 28件と小規模で、意匠6件を含む 特許全文相当情報の全件読解による 6テーマ分類 IPC分布・IPC時系列 IPC列が存在しない 名称・要約・請求項・課題・解決手 段で分類 出願人ランキング・HHI・Entropy ・Gini Bluefors関与100.0%の単一企業型 で意味を持たない テーマ、発明者、時系列、ファミリ ーを分析 出願人モメンタム4象限 比較可能な複数企業を含まない テーマ動態と年間関与発明者数を分 析 企業別の量×質4象限 比較可能な複数企業を含まない 特許全体の処分状況と代表案件を分 析 自動IPC名によるクラスタ命名 IPC欠損・小標本 代表特許を読んで意味の通る日本語 名を付与 法的な権利範囲・侵害・自由実施性 判断 本分析の目的外であり、法的助言に 該当し得る 公報・ファミリー・状態の事実確認 に限定 7.B WEB調査の出所一覧 以下の出所は、発行主体、資料名またはページ主題、取得日を記載した。チャット上の引用マー カーは参照リンクを兼ねる。PDF版では、同じ出所番号に対応する完全URLを付録末尾の「B-2 完全URL一覧」に表示する。取得日はすべて2026年7月15日である。 出所# 発行主体・サイト 資料名・主題 1 MarketsandMarkets Cryogenic Equipment M arketの2024-2030年予 測 2 Fortune Business Insights Cryogenic Equipment M arketの2025-2032年予 測 3 Business Research Insights Dilution Refrigerators Ma rketの2026-2035年予測 4 IndustryARC Cryogen-free Dilution Refrigerators Marketの2030年予測 5 株式会社マーケットリサ ーチセンター/@Press 超低温希釈冷凍機市場の2 025-2032年予測 6 European Commission Quantum Europe Strategy 7 Finland Ministry of Economic Affairs and Employment Quantum Technology Strategy 2025-2035 8 ISO/IEC IEC/ISO JTC 3 Quantum technologiesの作業部会 9 経済産業省 量子計算ベンチマークWG 12の国際標準化活動 Patent Analytica | 46 参照

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出所# 発行主体・サイト 資料名・主題 10 AIP Publishing, Review of Scientific Instruments 4並列希釈ユニットを用い る高冷却能力システム 11 arXiv 300 mmスピン量子ビッ トウェハの1.6 K自動測定 12 arXiv 200 mm超伝導量子ビッ トウェハの製造・統計評 価 13 arXiv Cryoelectronics for scaling quantum computing 14 産業技術総合研究所 300 mmウェハ極低温オ ートプローバ設備 15 Bluefors Modular Cryogenic Platformの発表 16 Bluefors 2025年売上高、累計シス テム・クライオクーラー 等の企業情報 17 Bluefors AIST G-QuATへの18シス テム納入 18 Bluefors/Delft Circuits 高密度量子I/O統合 19 Bluefors/QphoX 光制御による超伝導量子 ビット実証 20 Bluefors/Interlune 2028-2037年のヘリウム 3調達計画 21 Quantum Design Oxford ProteoxQXモジュール型 希釈冷凍機 22 Maybell Quantum 資金調達、ColdCloud、 独立保守可能な量子冷却 基盤 23 ULVAC 国産・モジュール型希釈 冷凍機と長期サポート 24 FormFactor IQ3000 4 K自動ウェハプローバ 25 Google Patents US12535247B2:ガス循 環ポンプ系 26 Google Patents JP2024538399A:モジ ュラ低温冷却システム 27 Google Patents US20240288214A1:可 動対象への熱結合 28 Google Patents US20260118020A1:複 数希釈ユニット B-1. WEB調査ログ Patent Analytica | 47 参照

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# 主な出所 定量データと の突合 結論への扱い 日本語 #5 2023年以降 の出願増と成 長方向を比較 背景。市場定 義が広いため 単独結論に不 使用 市場規模 cryogenic equipment market size forecast 英語 #1、#2 全母集団の活 動増加と方向 のみ照合 背景。量子向 け市場へ直接 換算せず 市場規模 希釈冷凍機 市場規模 CAGR 日本語 #5 希釈冷凍・流 体循環5件の 増加と比較 複数予測の幅 として採用 市場規模 dilution refrigerator market forecast CAGR 英語 #3、#4 2025年の流 体関連4件と 比較 中一桁後半一桁後半の成 長方向を補助 政策 EU quantum strategy infra structure supply chain #6 大型モジュー ル・供給・サ ービスとの整 合 インフラ産業 化の背景とし て採用 政策 Finland quantum technology strategy 2025 2035 #7 Blueforsのフ ィンランド基 盤と試験環境 を照合 エコシステム の合理性を補 強 標準化 quantum computing b enchmarking IEC ISO JTC 3 英語 #8 モジュール接 続・性能評価 の必要性と照 合 ベンチマーク ・供給網標準 化を採用 標準化 量子コンピュ ーティング 国際標準化 ベンチマーク 日本語 #9 接続・評価仕 様の提言と照 合 日本側の標準 化関与を採用 学術 high cooling power dilution refrigerator parallel units #10 複数希釈ユニ ット、ポンプ 、スティル案 件と直接突合 H2支持の主 要証拠 学術 dilution refrigerator still mixing chamber flow review 英語 #10 WO2026104 767A1、FI2 0255425A1 の課題と比較 流体系が共通 ボトルネック との背景 学術 300 mm cryogenic wafer probing quantum 英語 #11 低温ウェハ試 験3件の構成 比低下と反証 H3部分支持 の主要証拠 カテゴリ 検索テーマ 市場規模 極低温機器 市場規模 予測 2 3 1 4 5 6 7 8 9 10 11 言語 英語 英語 英語 Patent Analytica | 48

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カテゴリ 検索テーマ 言語 主な出所 定量データと の突合 結論への扱い 学術 200 mm sup erconductin g qubit wafer yield 英語 #12 ウェハ試験の 量産・統計需 要を照合 試験工程デー タ化の提言へ 採用 学術 cryo-CMOS cryoelectron ics review quantum scaling 英語 #13 配線・極低温 RF2件の薄さ と反証 I/Oを重要隣 接領域として 採用 学術・設備 300 mm ウェハ 極低温 オー トプローバ 産総研 日本語 #14 AFORE共同 のウェハ試験 案件と比較 国内試験基盤 の背景として 採用 企業動向 Bluefors modular cryogenic platform #15 JP20245383 99A等の出願 時系列と直接 突合 H1支持の決 め手 16 企業動向 Bluefors revenue systems installed 2025 英語 #16、#17 発明者・テー マの横断性と 納入能力を比 較 統合実行系の 証拠として採 用 17 企業動向 Bluefors Delft Circuits quantum I/O 英語 #18 配線特許2件 の薄さと突合 提携による補 完を支持 企業動向 Bluefors optical qubit control QPhoX 英語 #19 RF・I/O境界 案件と突合 外部統合の追 加証拠 供給 Bluefors helium-3 supply Interlune 英語 #20 ガス循環・高 流量関連出願 と突合 供給を経営課 題化する動き として採用 新興・代替 modular dilution refrigerator competitors 英語 #21、#22 大型化・モジ ュール8件と 比較 H4支持。モ ジュール化は 共通方向 21 新興・代替 国産 希釈冷凍機 モジュール ULVAC 日本語 #23 Blueforsの製 造・サービス と比較 地域供給・保 守を競争軸へ 追加 22 新興・代替 300 mm 4 K automated wafer prober 英語 #24 低温ウェハ試 験3件と比較 試験スループ ットの競争を 確認 23 特許照会 US1253524 7B2 Google Patents 英語 #25 提供データの 番号・名称・ 要約と照合 ガス循環構成 の事実確認 # 12 13 14 15 18 19 20 英語 Patent Analytica | 49

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# カテゴリ 検索テーマ 言語 主な出所 定量データと の突合 結論への扱い 24 特許照会 JP20245383 99A Google Patents 日本語・英語 #26 モジュールテ ーマ8件の起 点を照合 優先日・構造 ・名義を確認 特許照会 US2024028 8214A1 Google Patents 英語 #27 熱交換・熱結 合テーマと照 合 可動熱結合の 構成を確認 特許照会 US2026011 8020A1 Google Patents 英語 #28 複数希釈ユニ ットテーマと 照合 複数能力・熱 的分離を確認 25 26 検索は、日本語・英語の双方で、市場、政策、標準化、学術、対象企業、代替企業、新興勢力、 業界課題、主要特許を調べた。希釈冷凍機のモジュール接続寸法や冷却能力測定法を直接統一す る完成済み国際規格は、今回確認した範囲では見つからなかった。「確認できなかった」ことは 規格が存在しないことを意味せず、ISO、IEC、各国標準化機関、業界コンソーシアムの継続確認 が必要である。 市場予測は数値幅が大きく、調査会社ごとの定義も揃わないため、主要結論の決め手にはしてい ない。政策・学術・企業発表についても、特許データと技術方向または時期を突合できた項目だ けを主要結論へ昇格し、突合できない情報は背景にとどめた。 7.C 用語解説 用語 本レポートでの意味 希釈冷凍機 ヘリウム3とヘリウム4の混合・相分離を利用し、mK領 域を得る冷凍機 混合室 ヘリウム3が濃厚相から希薄相へ移る際の冷却を利用す る最低温段付近の室 スティル 希釈冷凍機で主にヘリウム3を蒸発・回収し、循環を駆 動する温度段 パルスチューブ冷凍機 可動部を低温側に置かず、ガス圧力振動で予冷する機 械冷凍機 クライオスタット 低温環境を維持する真空槽、放射シールド、冷却段等 の集合体 冷却段 50 K、4 K、mKなど、異なる温度レベルで熱を受ける 構造・接続点 熱負荷 放射、伝導、配線、信号、試料等から冷却段へ流入す る熱 量子I/O 量子プロセッサと室温機器の間で制御・読出し信号を 運ぶ配線・光・電子系 cryo-CMOS 低温環境で動作するCMOS制御・読出し回路 モジュール 本レポートでは、追加・分離・接続可能な冷却板、真 空空間、配線または冷凍ユニット Patent Analytica | 50

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用語 本レポートでの意味 INPADOCファミリー 共通または関連する優先権を持つ公報をまとめる国際 的な特許ファミリー情報 PCT 特許協力条約に基づく国際出願制度。国際公開だけで 各国特許が成立するものではない 処分確定ベース権利化率 登録と拒絶・取下げ等の確定案件だけを分母にする比 率。本件では登録と取下げのみ確認 公開遅延 特許出願が通常、出願から約18か月後に公開されるた め、直近年の件数が過小になる現象 PageRank ネットワーク内で、重要な接続先との関係を考慮して 中心性を評価する指標 媒介中心性 あるノードが、他のノード間の最短経路をどれだけ仲 介するかを示す指標 7.D 免責事項 本レポートは、ユーザー提供データと2026年7月15日までに確認できた公開WEB情報に基づく情 報提供・戦略検討用資料であり、法的助言、投資助言、技術性能の保証ではない。 特許・意匠について、本レポートは権利の有効性、存続、請求項の法的範囲、侵害、非侵害、抵 触、無効理由、自由実施性、出願可否を判断していない。リーガルステータス、出願人、ファミ リー、請求項は更新・補正される可能性がある。具体的な製品設計、上市、提携、ライセンス、 異議・無効対応等の重要な意思決定では、対象国の公的原簿と審査経過を確認し、弁理士・弁護 士等の専門家へ相談することを推奨する。 本母集団は、ユーザーの検索式と利用データベースの収録範囲から得られた28件であり、Bluefor sの全出願・全保有権利、他社の全出願、極低温冷却分野全体を表さない。未公開出願、収録外法 域、名寄せ差、重複ファミリー、営業秘密、共同開発先保有の知財を含まない可能性がある。 2025-2026年の件数は公開遅延によって過小である。直近の件数変化は、出願活動の減少として 読んでいない。小標本かつIPC欠損のため、自動クラスタリングではなく全件読解による分類を用 いた。テーマ区分、概念正規化、代表案件の意義は分析上の解釈を含み、法的分類ではない。 WEB情報は検索時点の公開範囲に依存し、網羅性、正確性、将来計画の実現を保証しない。市場 調査の数値は対象定義・推計方法が異なり、企業発表は発表主体の見解を含む。本レポートでは 、特許データと突合できないWEB情報を主要結論に用いていないが、検索で確認できなかった情 報が存在しないことを意味しない。 7.E 納品前点検 点検項目 結果 特許番号・名称・出願人・件数を提供データ内の実在 値に限定 確認済み 単一企業型で出願人HHI・ランキング・業界シェアを不 使用 確認済み Patent Analytica | 51

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点検項目 結果 件数と割合、CAGRの期間・始終値、権利化率の定義を 併記 確認済み 直近1.5-2年の公開遅延を各時系列解釈へ反映 確認済み WEB調査10回以上、6カテゴリ以上、日本語・英語、 学術動向を実施 26テーマ・7カテゴリで確認済み 外部情報を特許データと突合し、矛盾・別解釈を記載 確認済み クロス検証5パターン以上、全仮説を支持・棄却・部分 支持・未検証で回収 7パターン、5仮説を回収 推奨アクション5件以上、優先度・時間軸・担い手を明 記 7件を記載 相手企業側から見た合理性と提言の見直しサインを記 載 確認済み 法的判断を行わず、専門家相談を明記 確認済み まとめ 本分析は、28件の限定母集団を全件読解し、26のWEB調査テーマと突合した結果である。結 論の再現性を保つには、2026-2027年に公開される後続出願、重点PCT案件の国内移行、モジュー ル型製品の実運用、I/O提携、標準化、ヘリウム3調達の進展を継続監視する必要がある。 Patent Analytica | 52

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B-2 完全URL一覧 本一覧は、本文の出所#1-#28に対応する完全URLと取得日を示す。同一出所番号で複数ページを参照した場合は、採用したすべて のURLを列挙した。取得日はすべて2026年7月15日である。URLはクリック可能である。 市場規模・予測 出所#1 MarketsandMarkets / PR Newswire Cryogenic Equipment Market worth $22.96 billion by 2030 https://www.prnewswire.com/news-releases/cryogenic-equipment-market-worth-22-96-billion-by-2030--marketsandmarkets-302672265.html 取得日:2026年7月15日 出所#2 Fortune Business Insights Cryogenic Equipment Market is Expected to Reach USD 50.59 Billion by 2032 https://www.fortunebusinessinsights.com/press-release/cryogenic-equipment-market-9617 取得日:2026年7月15日 出所#3 Business Research Insights Dilution Refrigerators Market Size, Share, 2035 https://www.businessresearchinsights.com/market-reports/dilution-refrigerators-market-100834 取得日:2026年7月15日 出所#4 IndustryARC Cryogen Free Dilution Refrigerators Market Report, 2024-2030 https://www.industryarc.com/report/18092/cryogen-free-dilution-refrigerators-market.html 取得日:2026年7月15日 出所#5 株式会社マーケットリサーチセンター / @Press 超低温希釈冷凍機の世界市場(2026年-2032年) https://www.atpress.ne.jp/news/1767786 取得日:2026年7月15日 政策・標準化 出所#6 European Commission Quantum Europe Strategy https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/policies/quantum 取得日:2026年7月15日 出所#7 Finland Ministry of Economic Affairs and Employment Quantum Technology Strategy 2025-2035 https://tem.fi/en/-/strategy-quantum-technology-is-finland-s-new-driver-of-growth-and-builder-of-a-sustainable-future 取得日:2026年7月15日 出所#8 ISO / IEC IEC/ISO JTC 3 - Quantum technologies https://www.iso.org/committee/10138914.html 取得日:2026年7月15日 出所#9 Ministry of Economy, Trade and Industry, Japan Convener from Japan Elected to Lead the Working Group for the International Standardization of Quantum Technologies https://www.meti.go.jp/english/press/2025/1024_002.html 取得日:2026年7月15日 学術・研究設備 出所#10 AIP Publishing / Review of Scientific Instruments Development of a cryogen-free dilution refrigerator with four parallel dilution units https://pubs.aip.org/aip/rsi/article/96/12/123901/3373711/Development-of-a-cryogen-free-dilution 取得日:2026年7月15日 出所#11 arXiv Probing single electrons across 300 mm spin qubit wafers https://arxiv.org/abs/2307.04812 取得日:2026年7月15日 Patent Analytica — APOLLO × patiroha 53

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出所#12 arXiv CMOS-Compatible, Wafer-Scale Processed Superconducting Qubits Exceeding Energy Relaxation Times of 200 us https://arxiv.org/abs/2505.08424 取得日:2026年7月15日 出所#13 arXiv Integration and Resource Estimation of Cryoelectronics for Superconducting Fault-Tolerant Quantum Computers https://arxiv.org/abs/2601.03922 取得日:2026年7月15日 出所#14 産業技術総合研究所 先端半導体研究センター 新原理シリコンデバイス研究チーム - 実験設備 https://unit.aist.go.jp/sfrc/esdr-2023/facility.html 取得日:2026年7月15日 Blueforsの事業動向 出所#15 Bluefors Introducing the Modular Cryogenic Platform https://bluefors.com/news/introducing-the-modular-cryogenic-platform/ 取得日:2026年7月15日 出所#16 Bluefors Company - Key Figures https://bluefors.com/company/ 取得日:2026年7月15日 出所#17 Bluefors Bluefors Delivers 18 State-of-the-Art Quantum Cooling Systems to Power AIST's G-QuAT Center https://bluefors.com/news/bluefors-delivers-18-state-of-the-art-quantum-cooling-systems-to-power-aists-g-quat-center/ 取得日:2026年7月15日 出所#18 Bluefors / Delft Circuits Scalable Quantum I/O for Next-Generation Quantum Computers https://bluefors.com/news/bluefors-and-delft-circuits-join-forces-on-scalable-quantum-i-o-for-next-generation-quantum-computers/ 取得日:2026年7月15日 出所#19 Bluefors / QphoX Optical Control of Superconducting Qubits https://bluefors.com/news/qphox-and-bluefors-team-up-to-enable-optical-control-of-superconducting-qubits/ 取得日:2026年7月15日 出所#20 Bluefors / Interlune Bluefors to Source Helium-3 from the Moon with Interlune https://bluefors.com/news/bluefors-to-source-helium-3-from-the-moon-with-interlune-to-power-next-phase-of-quantum-industry-growth/ 取得日:2026年7月15日 代替企業・新興プレイヤー 出所#21 Quantum Design Oxford Proteox QX and connected dilution refrigerators https://qd-oxford.com/products/proteoxQX.html https://qd-oxford.com/blog/2025_06_13_blog_item.html 取得日:2026年7月15日 出所#22 Maybell Quantum Funding, ColdCloud and QuantWare partnership announcements https://www.maybellquantum.com/news/maybell-quantum-announces-25m-series-a-funding-led-by-cerberus https://www.maybellquantum.com/news/maybell-quantum-secures-40-million-series-b https://www.maybellquantum.com/news/quantware-and-maybell-partner-to-maximize-compute-per-watt-performance-of-vio-40k-systems https://www.maybellquantum.com/news 取得日:2026年7月15日 Patent Analytica — APOLLO × patiroha 54

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出所#23 ULVAC Dilution refrigerator development, modular design and domestic supply https://www.ulvac.co.jp/en/news/20250424a/ https://www.ulvac.co.jp/en/news/20250321a/ https://www.ulvac.co.jp/news/20250321a/ 取得日:2026年7月15日 出所#24 FormFactor HPD IQ3000 - Fully automated cryogenic wafer probing at 4 K https://www.formfactor.com/product/quantum-cryo/quantum-wafer-multi-chip-cryogenic/iq3000/ 取得日:2026年7月15日 主要特許照会 出所#25 Google Patents US12535247B2 - System and method for circulating gas for a dilution refrigerator https://patents.google.com/patent/US12535247B2/en 取得日:2026年7月15日 出所#26 Google Patents JP2024538399A - Modular Cryogenic Cooling System https://patents.google.com/patent/JP2024538399A/en 取得日:2026年7月15日 出所#27 Google Patents US20240288214A1 - Device and method for providing a thermally conductive coupling https://patents.google.com/patent/US20240288214A1/en 取得日:2026年7月15日 出所#28 Google Patents US20260118020A1 - Cryogenic cooling system with multiple dilution units https://patents.google.com/patent/US20260118020A1/en 取得日:2026年7月15日 Patent Analytica — APOLLO × patiroha 55