意見が出ない振り返りからチームを自己組織化に近づけたふりかえり改善事例 #agilejapan

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February 05, 16

スライド概要

https://www.slideshare.net/kawagoi
http://www.agilejapan.org/event.html
アジャイルジャパン初心者向けセミナーでの登壇資料です。

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2023年10月からSpeaker Deckに移行しました。最新情報はこちらをご覧ください。 https://speakerdeck.com/lycorptech_jp

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各ページのテキスト
1.

意見が出ない振り返りから チームを自己組織化に近づけた ふりかえり改善事例 ヤフー株式会社 川鯉 光起 アジャイルジャパン 初心者向けセミナー

2.

自己紹介 ・ヤフー株式会社新卒3年目 ・スクラムマスター5ヶ月生 川鯉 光起 学生時代からプログラミングメイン 会社でLEGOスクラムに参加して興味を持ちました ずっとスクラムがやりたくて導入を半年くらい挑戦 スクラム、リーンスタートアップ、TOC 最近はプロセス改善をすることが好き

3.

プロジェクト状況 Join前 • 数年間一緒なメンバーの4名チーム • 2014年後半 – 社内の1日スクラム研修受講 – アジャイルコーチが3回位セレモニーを見学 – 2ヶ月程度スクラムを実践

4.

メンバ紹介 • PO – エンジニア歴15年以上のベテランのリーダー • SM – 月一交代制 PO以外のメンバで交代 • メンバ – 全員エンジニア歴5年以上 – BEチーム

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プロジェクト状況 Join後 • 2015年5月〜 – 他エンジニアと2人でJoinして6人に – 開発メンバとしてチームに参加 • 2015年7月〜 – スクラムマスターをやることに

6.

新メンバ紹介 • 先輩エンジニア – エンジニア歴10年 – エンジニアリング大好き • 自分 – スクラムをやってみたかった – スクラムの勉強をしていた

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問題発生 • 毎スプリント計画通り終わらない • 振り返りで活発な意見がでない

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振り返りカイゼン4回 1. 活発な意見が出ない振り返り改善 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

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アジェンダ 1. 活発な意見が出ない振り返り改善 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

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状況 • メンバとして参加していた時期

11.

振り返りが中止!? • 振り返りの場で発言が出ない • 課題や改善案が出なく改善ができない • 「誰も意見が出ないからやめよう」

12.

振り返りが中止!? • 振り返りの場で発言が出ない • 課題や改善案が出なく改善ができない • 「誰も意見が出ないからやめよう」 • 意見が出ないと振り返りも無くなる!!

13.

対策 大切なのは相手の環境や立場を理解すること 批評や提案は後回し 実は前の部署での行動 ・相手の環境を理解しない ・最初から批評や提案をする → 信頼が下がっていました。

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対策 大切なのは相手の環境や立場を理解すること 批評や提案は後回し • チームを観察する(チャット、会話) • スクラムのセレモニーが導入されてない所は理由を聞く (何かの制約でできていないはず) • どうしてそうなっているのか自分で考える • チームが困っているであろうことを探す

15.

困っているであろうこと • • • • 本番とテストのプロダクトの差異があった 1コンポーネント1人の担当 問題・改善意見がでないが出ない 見積もりの精度が上がらない

16.

チームが困っているであろうこと • • • • 本番とテストのプロダクトの差異があった 1コンポーネント1人の担当 意見が出ない 見積もりの精度が上がらない • • • • テスト環境に不具合があって障害発生 遅延の巻き返しのため担当に負荷が集中 見積もり以上に働く スケジュール遅延

17.

状況 • この辺りでSMを任せてもらえるように – 定期的にスクラムの勉強内容をシェア – 任せてもらいやすい空気に

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次に何をしたか • 例示して話すハードルを下げた – 振り返りの時間に集めた困っているであろう ことをシェア • チームにTry実施の責任を負わせなくした – 「スクラムマスターが何でも解決します」

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結果 • チームの発言 – 「Aさんが体調不良なのに負荷が集中している」 – 「Xサーバのバージョンが古くてできなかった」 – 「Yサーバの設定が間違えて放置されてた」 問題を提示してもらえるようになった

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アジェンダ 1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

21.

問題発生 • 問題が大量に出るようになり 振り返りの時間が非常に長くなった

22.

原因 • 大量の問題を出すのに時間がかかる • それぞれの改善案を考えるのに時間がか かる

23.

原因 • 大量の問題を出すのに時間がかかる • それぞれの改善案を考えるのに時間がか かる 対策 • 問題と改善案を同時に考えるのをやめた • みんなで問題に優先順位を付けた • 改善案を考えない問題は障害物リストへ

24.

結果 • チームの発言 – 「この問題はたいしたことないから、後で」 振り返りの時間の軽減 費用対効果の高い問題から解決する

25.

アジェンダ 1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

26.

問題発生 • 毎回改善をやっているはずなのに同じよ うな事態が発生する

27.

原因 • 根本的な問題を解決せずに表面的な問題 だけ解決している old  

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原因 • 根本的な問題を解決せずに表面的な問題 だけ解決している new   old  

29.

原因 • 根本的な問題を解決せずに表面的な問題 だけ解決している new   new   old  

30.

原因 • 根本的な問題を解決せずに表面的な問題 だけ解決している • 同じ対策を繰り返してしまう!! サーバが古くなる根本原因に対策できず、 同じ問題が発生する new   new   new   old  

31.

原因 • 根本的な問題を解決せずに表面的な問題 だけ解決している • 同じ対策を繰り返してしまう!! 対策 • 問題の深掘りをした(理由) – どうして問題が起きたのか? • 問題を整理した(カテゴライズ、抽象化) – この問題とこの問題って似てないか?

32.

結果 • チームの発言 – 「この問題も、この問題も同じ原因だね」 – 「これが影響しているよね」 問題の根本原因を見つけて対策する

33.

アジェンダ 1. 活発な意見が出ない 2. 費用対効果のいいものからやろう思考 3. 表面的な問題改善 4. 自分ではどうにもならない問題改善

34.

問題発生 • 根本原因を考えていくとチーム外の影響 – e.g. 上司が決めたことが影響している • 「決まっていることだから仕方ない」

35.

原因 • チーム外の人が決めたことは対策できな い認識 対策 • ボトルネックをスコープ内にする提案 • 無理だと思うことの対策を考える提案 – チーム外の理想と問題を洗い出す – チーム内とチーム外の両方にメリットのある 対策を考える

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TOCから俯瞰するリーンスタートアップ,h-p://www.slideshare.net/inuro/toc-­‐43579895

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原因 • チーム外の人が決めることには何もでき ないと思っている 対策 • ボトルネックをスコープ内にする提案 • 無理だと思うことの対策を考える提案 – チーム外の人が決めるときに使う情報は何か

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結果 • チームの発言 – 「決まっていることを良い方法に変えるように働き かけよう」 – 「双方が良い結果になるようにしよう」 問題の解決方法を考える前向きなマインド になった。

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これらの4つを経験して • • • • 活発な意見が出ない振り返り改善 費用対効果のいいものからやろう思考 表面的な問題改善 自分ではどうにもならない問題改善

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最終結果としてのマインドの変化 • チームの発言 – 「どんな問題があっても解決しよう」 – 「解決するため自分達ができることはなんだろう」 – 「重要な問題から取り組もう」 どんな問題でも自分達で解決していける 効率的に解決できる

41.

まとめ • 「相手の環境や立場を理解する」効果大 – 信頼がないと何も上手くいかない • 相手の立場でひたすら観察して良かった – うまく行かないコンテキスト探しが大変 – 周りの誰に聞いても課題が出ない理由不明 • 事前に仕入れて解決策をストックする – スクラム実施前に学んでいたことが使えた