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スライド概要
九州大学 人間情報システム研究グループ(荒川・峯・福嶋研究室)の紹介
研究室紹介 2026 人に寄り添う 情報システム 実世界で測り、理解し、行動を変える 九州大学 大学院システム情報科学研究院 人間情報システム研究グループ 荒川 豊
研究室を知る 人間情報システム研究グループ 7名 教員・スタッフ 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 68名 学生 19名 うち博士 荒川・峯・福嶋の3研究室の合計。2026年10月時点(研究室HP) 2 / 67
研究室を知る 自己紹介 荒川 豊 九州大学 大学院システム情報科学研究院 教授 専門 ユビキタスコンピューティング IoT(Internet of Things) 2001 人間行動認識 2003 行動変容支援 受賞 役職 経歴 2006 2006 電子情報通信学会 フェロー 2009 文部科学大臣表彰 科学技術賞 2011 情報処理学会 理事 2012 福岡未踏 代表理事 2013 2017 2019 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 福岡県出身 慶應義塾大学 学部卒業 慶應義塾大学 修士修了 慶應義塾大学 博士(工学) 慶應義塾大学 特別助教 九州大学 助教 フランス留学(ENSEEIHT) ドイツ留学(DFKI) 奈良先端大 准教授 アメリカ留学(UCLA) 九州大学 教授 3 / 67
研究室を知る NHK「魔改造の夜」に出演 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 4 / 67
研究室を知る 一緒に指導する教員 峯 恒憲 准教授 福嶋 政期 准教授 自然言語処理、情報推薦 VR、触覚、知能増強 九州大学 総合理工学研究科で学び、九州大学 教養部講師を経て現職。独 DFKI、米 CMU で 滞在研究。データの意味解釈の研究に取り組む。 ユーザが求める情報をさまざまなデータから 取り出し、推薦などに活用する仕組みを目指す 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 電気通信大学で博士(工学)。博士課程で米 MIT に留学。東京大学、JST さきがけを経て、 2022年に九州大学へ。VR で実世界や人の 知的活動を更新することを目指す。触覚・情動・ 実世界指向メディアの研究に取り組む 研究室HP「メンバー」 5 / 67
研究室を知る 荒川研が特殊なところ 人数が異様に多い 学生68名。おそらく日本一の規模 コンテストに出るのが当たり前 ハッカソン・アプリコンテストへの参加が日常 未踏の採択者がいる e-ZUKAスマートアプリコンテスト2023 (グランプリなど4件受賞) 福岡未踏はもちろん、IPA 未踏の採択者も 博士も多い 在籍19名。2025年度は8名が進学 DICOMO2024(5件受賞) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 6 / 67
研究室を知る 荒川自身も、コンテストをつくる側 情報処理学会 アプリコンテスト 立ち上げ、10年間運営 福岡市のアプリコンテスト 立ち上げ、運営 福岡未踏で発表した学生たち(2024年) 飯塚市 e-ZUKAスマートアプリコンテスト 審査員 福岡未踏(2023年〜) 統括PM・代表理事。3年間で延べ120名を育成 2025年度 日本工学教育協会 工学教育賞 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 VORN Challenge 2025 優秀賞 7 / 67
研究室を知る 博士課程への進学者 博⼠課程進学者数(⼈‧年度) 博士学生の多くが支援を受けている 20 万円/月 学振・SPRING・卓越 32 万円/月 現在の在籍は 19名 POINT BOOST 日本人の博士学生は、ほとんど全員が支援を受けている 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 人数:研究室HP(2026年10月) 8 / 67
研究室を知る 研究室の一年 4〜5月 6月 7〜9月 10〜11月 12〜3月 はじまり 合宿 投稿・インターン 発表シーズン 論文のまとめ PC と Slack の 準備 人情コンに 向けて作る 論文輪講が 始まる 九大・山の 家で合宿 人情コン DPSワークショップなど 1年目もポスターで発表 卒論・修論 3月の 研究会と 国際会議で 締めくくる POINT DICOMO で発表 国際会議に 投稿 M1は インターン 1年目から学会で発表し、2年目には国際会議を目指す 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「研究室生活」 9 / 67
研究室を知る 合宿と人情コン 4〜5月 自分で作る 新メンバーは、春から自分のアイデアを 形にする。研究室のツールと開発環境にも ここで慣れる 6月 九大・山の家で合宿 人情コンの発表 春から取り組んだ成果を、合宿の 人情コンで持ち寄って発表する 合宿のあと 論文を読んで研究テーマを深掘りし、 仮説を立てて実験へ進む 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 ポスターとデモ 研究室HP「研究室生活」。写真は2026年6月の合宿 10 / 67
研究室を知る みんなで合宿 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 2026年6月の合宿 11 / 67
研究室を知る 合宿は、発表だけではない 夜は和室で 体育館でも 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 2026年6月の合宿 12 / 67
研究室を知る 合宿では、外にも出かける 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 2026年6月12〜14日の合宿 13 / 67
研究室を知る 国内外で発表する 160 件 85 本 286 件 国際会議 論文誌 国内の学会・研究会 IEEE PerCom ACM UbiComp / IMWUT ACM MobiSys 国際会議 ACM ICMI IEEE Access IEEE BigData IEEE IoT Journal Sensors 論文誌 情報処理学会論文誌 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 2019年以降。研究室HPの業績一覧(2026年10月) 14 / 67
研究室を知る 受賞の数々 2019年 10件 論文賞 2020年 8件 2021年 26件 IMWUT Distinguished Paper Award、 DICOMO 最優秀論文賞、HAI Best Paper Award 2022年 23件 2023年 33件 2024年 31件 DICOMO ヤングリサーチャー賞、DPSWS 最優秀プレゼンテーション賞 2025年 22件 学生表彰 2026年 10件 九州大学学生表彰、テレコム学際研究学生賞 発表賞 2026年は10月まで 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「受賞」 15 / 67
研究室を知る コンテストとハッカソンでも グランプリ(2022) 最優秀賞(2023) アプリ e-ZUKA ほか トヨタ自動車九州賞(2025) JPHACKS スポンサー賞 Engineer Guild Hackathon 準優勝 ハッカソン 技育展 優秀賞 VORN Challenge 優秀賞 福岡県ITスタートアップビジネス大賞 九州ICTビジネスプラン発表会 起業・ビジネス 異能ジェネレーションアワード 分野賞 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「受賞」 16 / 67
研究室を知る いろいろな大学から集まる 修士入学 九大から ほかの大学・高専から 2020年 2名 4名(九大の別学科、熊本大、熊本高専) 2021年 4名 4名(久留米高専、上智大、熊本大、台湾) 2022年 6名 4名(熊本大、九工大) 2023年 10名 8名(農工大、鳥取大、熊本大、愛媛大、中国、九大の他研究室・別学科) 2024年 6名 10名(熊本大、香川高専、台湾、中国、九大の他研究室・別学科) POINT 修士入学者の半分以上が、九大の外から来ている 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「研究室について」 17 / 67
研究室を知る 博士も多く、国も多様 日本 5名 2025年 7名 中国 2名 中国 4名 2022〜24年 6名 インドネシア 在籍する博士学生 9名 荒川研の博士修了者 エジプト 日本 19 名 中国 2019〜21年 5名 イギリス 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP(2026年10月) 18 / 67
研究室を知る 実験できる場所がある 学生居室(912号室) スマートハウス ドライビングシミュレータ 天井にセンサを付けたオフィス お風呂まである実験用住宅 運転の実験 Wi-Fiセンシング装置 LiDAR 3Dプリンタ 電波で人を測る 人の位置と動きを測る デバイスの外装を作る 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「研究環境」 19 / 67
研究室を知る 学生の声 活動的な人が多い コンテストや個人開発に取り組む人が多く、刺激になる 色々と大規模 コワーキングスペースのような部屋で、多様な人と話せる 研究室の様子 外部からも問題なく 東京の大学から九州へ。成績の不安も試験で乗り越えた 高専からの編入生 たくさんのメンバーと、充実した研究生活を送っている ミーティングスペース 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「学生の声」から要約。写真は研究室 20 / 67
研究室を知る よくある質問 研究室には毎日来る? プログラミング力は? 自主性に任せている。実験が必要な研究は、 研究室に来たほうがはかどる Python が分かれば大丈夫。それ以上に、生成 AIを使った開発ができるようになって おいてほしい パソコンは? 進学までに何をする? 必要に応じて研究室から貸与する。GPU は 研究室のサーバや外部の API を使う まずは GPA。英語力とプログラミング力を磨き、 生活の中で「不便だな」と思うネタを探しておく 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 研究室HP「研究室生活」。写真は伊都キャンパス 21 / 67
研究室を知る 企業・自治体との共同研究(2015年〜) トヨタ シャープ ホンダ NTTドコモ リコー 島津製作所 KDDI ソニー 富士通 三菱電機 三菱重工 カシオ アステラス製薬 キリン オカムラ パーク24 東京海上日動 糸島市 対象行動 連携先 しかけ 混雑回避 生協、ドコモ、昭和バス、JR 認知バイアスとポイントのハイブリッド介入 安全運転 トヨタ自動車、東京海上日動 など 社会規範ナッジ、音声介入 POINT 学生も共同研究に参加し、研究の経験と収入を得ている 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 22 / 67
研究の全体像 研究の地図 テーマ 計測 理解 介入 ① はたらく 椅子で頷きを数える 心拍・睡眠・Slack で推定 体調の記録、交流 ② 情報 閲覧の偏りを測る フィルタバブルの検出 白黒化・遅延で抑える ③ AI 人の検証行動 生成AIのクセと偏り 会議・学習を支える ④ 暮らし 運転・街の明るさ・混雑 歩数・観光・危険予測 ゲーミフィケーション、地図 基盤 指輪・名札・Wi-Fi・音 MLLM による行動認識 大規模実験の運用 POINT 1つのテーマで、測るところから変えるところまで通して取り組む 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 23 / 67
研究の全体像 研究の方針 データ分析だけの研究 荒川研が重視する研究 既存のデータを AI で分析する センサを作り、実世界で測る AI の進展で、世界中の大きな チームとの勝負になる 実世界で介入し、ユーザ実験で 効果を確かめる 現場のデータは、自分たちにしか 取れない POINT 実世界のセンシングとユーザ実験を、これからの研究の軸にする 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 24 / 67
SECTION 1 はたらく ワーク・エンゲイジメント、会議、組織(基盤S) 1
① はたらく 働く人と会議を測り、よくする 計測 椅子のセンサで頷きと体の動きを測る。会議の 映像から笑顔・頷き・発話を数える 理解 心拍・睡眠・チャットのログから、ワーク・ エンゲイジメントや抑うつ傾向を推定する 介入 体調の記録、照明、スクリーンセーバー、 チャットボットで、働き方と交流を変える POINT 企業のオフィスワーカーを対象に、実際の職場で実験する 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 26 / 67
① はたらく 椅子で頷きを数える 問い カメラを使わずに、会議中の頷きを数えられるか 方法 会議イスの背もたれに加速度センサを1つ付け、揺れから 頷きを認識する 新しさ 椅子を聞き手の反応のセンサにする。企業の実際の 会議で、心理的安全性との関係まで調べた 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 林田ほか, JIP 2026 / DICOMO 2024 27 / 67
① はたらく 心拍だけでワーク・エンゲイジメントを推定する 問い 仕事への熱意の日々の変化を、 質問票なしで捉えられるか 方法 企業5社・60名が手首の心拍センサを2〜 3週間着け、前日より下がったかを機械学習で 判別する 新しさ 使うのは心拍だけ。質問票に頼らず、 毎日の変化を追う 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 原嶋ほか, ICMU 2021 28 / 67
① はたらく Slack の発話から組織を読む 問い 日々のチャットから、社員の働き方のタイプや チームの状態を読み取れるか 方法 株式会社Fusic の Slack の発話3.2万件を、生成 AIで「依頼」「感謝」などの行動に分類する 新しさ 発話の中身を人が読まず、行動のラベルに 置き換えて分析する。プライバシーに配慮した組織分析 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 林田ほか, DICOMO 2026 29 / 67
① はたらく 体調を記録するだけで自己評価が変わる 問い 体調を記録するだけで、働き方の 自己評価は変わるか 方法 経済産業研究所と共同で、 製造業企業の女性社員416名による 56日間のランダム化比較試験 新しさ 介入は記録するだけ。症状がある ときの生産性を、低く見積もっていた ことが分かった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 黒田ほか, RIETI DP 25-J-007(2025) 30 / 67
① はたらく ほかにも、こんな研究 オンライン会議を数える 睡眠と抑うつ傾向 録画から笑顔・頷き・発話を自動で検出。F1 は 笑顔 97.34%(Sensors and Materials 2022) 企業4社・60名の Fitbit の記録で、 抑うつ傾向の高い人は REM 睡眠が少ない (ICMU 2021) 座り方を見分ける椅子 照明で睡眠を変える 8個の加速度センサで18種類の座り方を最大 85.6% で認識(IEICE Trans. 2020) 体内時計に合わせた照明で、睡眠中の覚醒の 割合が 18.9% から 14.9% に(MBL研究会 2021) 体調をそっと共有する 対面の交流を促す 仲間内だけが読めるスクリーンセーバーで体調を 見せる(HealthIUI 2025) 在室センシングとチャットボットで、昼食や コーヒーに誘い合う(PERSUASIVE 2022) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 31 / 67
SECTION 2 情報とつきあう 2 デジタルウェルビーイング、フィルタバブル、YouTube(ERATO)
② 情報とつきあう ネットとのつきあい方を測り、整える 計測 ニュースの閲覧を意味のベクトルにして、読む記事の 多様さを数値にする 理解 推薦される記事の内容と感情から、 フィルタバブルに近づく人を見つける 介入 画面の白黒化やロードの遅延で、ゲームや動画の 使いすぎを穏やかに抑える POINT ERATO 鳥海プロジェクトで、情報の偏りと使いすぎに取り組む 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 33 / 67
② 情報とつきあう 8.4万人の実験でゲームの遊びすぎを抑える 問い 遊びすぎを、禁止せずに穏やかに 減らせるか 方法 配信中のゲームで84,325人を 7条件に割り付け、画面の白黒化と ロードの遅延を1か月試す 新しさ 「やめやすさ」をデザインする。 プレイ時間が最大30.8%減った POINT IMWUT の Distinguished Paper Award を受賞 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 Nakamura et al., IMWUT 2025 34 / 67
② 情報とつきあう YouTube の「見て後悔する動画」にブレーキをかける 問い 見たあとに「時間を無駄にした」と感じる 動画を、見る前に見分けられるか 方法 研究室で集めた200本を5名が全部見て 評価し、タイトルだけで判別するモデルを作る(正解率 0.94) 新しさ 動画は禁止しない。該当する動画の サムネイルだけを白黒にして、選ぶ瞬間にブレーキを かける 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 松田ほか, DICOMO 2026 35 / 67
② 情報とつきあう フィルタバブルに近づく人を見つける 問い 推薦で読む情報が偏っていく人を、 早めに見つけられるか 方法 Microsoft News の25万人分の 閲覧で、推薦記事の内容と感情のばら つきの変化を追う 新しさ 内容に加えて感情の偏りを見る。 内容だけでは見逃す約2万人を見つけた 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 喜田ほか, NLPIR 2024 36 / 67
② 情報とつきあう AI の仮想読者で推薦の影響を比べる 問い 実ユーザのログがなくても、 推薦方式が閲覧の多様性に与える 長期的な影響を比べられるか 方法 性格を持たせた LLM の仮想読者 200人に、半年分の日本語ニュースを 読ませる 新しさ 読者を LLM で作る。仮想のログで 学習した推薦モデルが、実ログと同程度の 精度になった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 藤木ほか, JSAI 2026 37 / 67
② 情報とつきあう スマホの操作から、いい加減な回答を見抜く 問い 確認用の設問を入れずに、いい加減な アンケート回答を見抜けるか 方法 スマホで回答するときのスクロールや タップの記録を、機械学習で判別する(5,692人) 新しさ 回答の中身ではなく、答え方を見る。 検出率は85.9%(先行研究は55.6%) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 後上ほか, IEEE Access 2021 38 / 67
② 情報とつきあう ほかにも、こんな研究 閲覧の多様さを数値にする Sentence-BERT で記事を意味のベクトルにし、一人ひとりが読む記事の多様さを測る(IIAI AAI 2024) 検索の過程を記録する ブラウザ拡張で閲覧を記録し、本当に役立ったページを 86.4% の正答率で選び出す(UBI研究会 2018) 購買履歴から「その人らしさ」を学ぶ 分野をまたいで使えるユーザの特徴を、教師なしで学習する(IEEE Access 2022) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 39 / 67
SECTION 3 AIとつきあう 3 情報選好、生成AIのバイアス、生成AIとのインタラクション(基盤A)
③ AIとつきあう 生成AIのクセを知り、上手につきあう 計測 AI の答えを人がどれだけ確かめるかを、時間の 制約を変えた実験で測る 理解 政治的な立場、プライバシーの判断、顔画像の 公平性で、AI の偏りを調べる 介入 紙の教材での学習や会議の振り返りを、生成AIで 支える POINT AI そのものだけでなく、AI を使う人の側を研究する 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 41 / 67
③ AIとつきあう 時間に追われると AI の誤りを見抜けない 問い 時間に追われると、人は AI の 誤りを確かめなくなるのか 方法 43名が、AI の誤答を混ぜた 課題を、制限時間ありとなしで解く 新しさ 誤りを見抜く力(感度 d′)で 測る。制限時間があると、ほぼゼロに なった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 高森ほか, 研究報告 2026 42 / 67
③ AIとつきあう 生成AIは政治的な立場を演じ分けられるか 問い 生成AIは、指定した政治的な立場を 演じ分けられるか 方法 経済と社会の2軸で立場を指定し、 13モデルの回答を政治診断テストで測る 新しさ 立場を2次元で扱う。「経済は右・ 社会は左」のような組み合わせは再現しに くい 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 植田ほか, IEEE OJCS 2026 43 / 67
③ AIとつきあう AI にプライバシーの判断を任せられるか 問い 「この写真を誰まで 方法 人が判断した1,304枚の 見せてよいか」の判断を、画像 AI 写真で、端末内で動く画像 AI に任せられるか 3種の判断と比べる 新しさ AI を人の代わりの 審査員として評価する。AI は 人より保守的に判断した 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 平岡ほか, DICOMO 2026 44 / 67
③ AIとつきあう 顔画像 AI の偏りを、画像が劣化しても抑える 問い 顔画像 AI の、属性による精度の 差を、画像が劣化しても広げずにすむか 方法 元のモデルは固定し、ノイズの 強さを見積もる小さな部品だけを 学習する 新しさ 公平性と劣化への強さを同時に 扱う。男女の精度の差を29%縮めた POINT DICOMO 2026 最優秀論文賞(278件中2件) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 末本ほか, ACM ICMI 2026 ほか 45 / 67
③ AIとつきあう 紙の教材を指で囲むと、AI が解説する 問い 紙の教材を使ったまま、生成AIに質問できないか 方法 分からない所を指で囲むと、カメラがその範囲を 読み取り、生成AIが文脈をふまえて解説する 新しさ 画面ではなく紙に向かったまま使える。 使いやすさはスマホの ChatGPT と同程度だった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 原田ほか, DICOMO 2026 46 / 67
③ AIとつきあう ほかにも、こんな研究 人と同じ認知バイアスを持つか 手描きの図を読めるか 人の選択を学習した言語モデルが、 認知バイアスの下でどう選ぶかを分析する (DICOMO 2026) グラフィックレコーディングの矢印や配置の 意味を、生成AIがどこまで読めるかを評価する (DEIM 2026) 会議の振り返り 中身を解釈しない司会 会議の合間に、AI が作ったマインドマップを 見せて振り返りを助ける(ICMU 2025) 発話量と語彙の変化だけを見て、会議に中立な 問いかけを出す(DPSWS 2026) 首掛けカメラで「これ何」 写真で一言の大喜利 首に掛けたカメラの映像を端末内の VLM で 解釈し、音声で答える(DPSWS 2025) 画像 AI に、画像に合った大喜利の回答タイプを 選ばせる(DPSWS 2025) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 47 / 67
SECTION 4 暮らしとまち 4 運転と移動、参加型センシング、歩いて健康、地図、健康と学び
④ 暮らしとまち 暮らしとまちの行動を変える 運転と移動 街を測る トヨタ自動車と 共同研究 参加型センシング 歩いて健康 地図 歩数アプリの分析 デフォルメ地図の 自動生成 POINT 企業や自治体と組み、まちの中で実証する 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 49 / 67
④ 暮らしとまち 金魚の水槽で運転を穏やかにする 問い 目に見えない排ガス 方法 トヨタ自動車と 新しさ 数値ではなく (NOx)を見せると、運転は 共同研究。推定した NOx に 生き物の様子で返す。 穏やかになるか 応じて濁る金魚の 平均速度が下がり、排出の 水槽アプリで、19名が 多い人ほど減った 実道路を走る 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 厚地ほか, ITS研究会ほか 2026 50 / 67
④ 暮らしとまち 車の見た目は運転を変えるか 問い 車の見た目は、運転の仕方を 変えるか 方法 九大のトヨタシェアカーで、 ラッピングの違う車両と541名の 利用記録を比べる 新しさ 車体のデザインを介入の手段と して見る。スポーツ調の車両は速度が 少し高かった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 斉藤ほか, ITS研究会 2024 51 / 67
④ 暮らしとまち みんなで街を測る活動を、ゲームで続ける 問い みんなで街を測る活動を、お金に 頼らずに長続きさせられるか 方法 レベル・ランキング・バッジを 組み込んだアプリで、街の写真や街灯の 明るさを集める 新しさ 仕組みをヨットに例えて整理した。 参加確率は53%から73%に上がった 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 荒川・松田, JIP 2016 / 上山ほか, 2014 52 / 67
④ 暮らしとまち 仲間と歩くと、歩かない人ほど歩く 問い 歩数アプリで仲間のグループに 入ると、歩く量は増えるか 方法 アステラス製薬と共同研究。アプリ 「ムーミンムーブ」の24,274人のデータを 分析する 新しさ ゲームの仲間づくりの効果を 実データで確かめた。もともと歩かない 人ほど増えた 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 喜田ほか, DICOMO 2024 53 / 67
④ 暮らしとまち 迷わず寄り道したくなる地図を自動で作る 問い 迷いにくく、寄り道もしたくなる イラスト地図を、自動で作れるか 方法 主要道路と、観光スポットへの 最短経路を組み合わせて、描く道を選ぶ 新しさ 地図のデフォルメで人の動きを 変える。Stroly と組んだ嵐山の 実験では、強調した場所に足が向いた 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 宮田ほか, MBL研究会 2025 ほか 54 / 67
④ 暮らしとまち ほかにも、こんな研究(暮らしとまち) 声で安全運転を促す 危険の理由を助言する 急ブレーキを検知すると「ドライブレコーダーに 記録」と告げる(MBL研究会 2023) 前方映像から危険を予測し、理由と対処を伝える (IEEE BigData 2025) 自動運転の経路計画 混雑度を測る カーブ道路で、衝突しない候補経路の割合を 99.61〜100% に(IEEE Access 2024) スマホの電波を数え、食堂の実人数との相関は 最大 0.948(ICMU 2021) 避難所を割り振る 伝え方で歩数が変わる 混雑を考えて行き先を決め、避難時間を 35.9% 短縮(情処論文誌 2019) 遠回しで詳しい伝え方で、歩数の増加率が 32.79% と最も高い(IEEE Access 2021) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 55 / 67
④ 暮らしとまち ほかにも、こんな研究(健康と学び) 剣道の打突を見分ける 競技かるた・筋トレ 手首や竹刀のセンサで面・突き・胴・小手を F値 94.0% で認識(Sensors and Materials 2020) 圧力センサマットで札を取る動きを、懸垂マシンの センサで筋トレの種目を測る 映像を見ながら語学 英単語を隙間時間に 大事な単語だけを画面中央に一瞬出す字幕。 表示時間は通常の約1割(MTI 2024) 辞書で調べた単語を自動で集めて出題し、 1週間で平均約56語を定着(UBI研究会 2019) ドライアイを防ぐ眼鏡 呼吸で笑いを誘う まばたきを見守り、空気を当てて反射的なまば たきを促す(HCII 2025) 笑うときの呼吸を分析し、呼吸の誘導で笑いや すくする(HCII 2025) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 剣道の数値は UBI研究会 2019 版による 56 / 67
SECTION 5 基盤 実世界センシング、AI による行動認識、プライバシー 5
基盤 身の回りのモノをセンサにする SenStick ZEL VPU リング 8センサとBLEを約3gの 基板に収め、モノを センサ化する(Journal of Sensors 2017) 太陽電池と圧電素子を 電源兼センサに。電池なしでの 稼働率 99.57%(PerCom 2022) 指が触れた振動を拾い、 皮膚上のジェスチャを 92.7% で認識(ICDCN 2026) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 ZEL の後継 ZEL+ は Pervasive and Mobile Computing 2026 58 / 67
基盤 電波と音で測る Wi-Fi で意思を伝える Wi-Fi 機器の置き方 四肢麻痺の人の頭の動きを Wi-Fi で読み、 26文字を 94% で認識(IEEE Access 2023) 住宅で18通りの配置を比べ、部屋の推定は 4リンクで 90.2%(ICMU 2023) 正解ラベルを自動で作る スマホで屋内測位 体に付けたバックスキャッタタグで、Wi-Fi の 行動認識のラベル付けを省く(AINA 2025) UWB の測距の乱れを予測して補正し、誤差 0.329m(IEEE JISPIN 2026) 音で車を見分ける スマートスピーカで測る 道路脇のマイクで、車とスクーターを 80% で 識別(IEEE Access 2021) ソナーの反響で周りの人を検知し、生活音から 部屋の種類を推定する 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 59 / 67
基盤 AI で行動を認識する 窓で区切らない行動認識 行動の切り替わりを物体のように検出し、精度 0.93 以上。計算量は従来の約1/4(IEEE Access 2025) マルチモーダル LLM で認識する センサにノイズが重なっても、MLLM の認識がどこまで耐えるかを調べる(UbiComp Companion 2026) LLM による行動認識のサーベイ ウェアラブルと LLM による日常生活動作の認識研究をまとめる(IEEE Access 2025) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 Li ほか / Zheng ほか 60 / 67
基盤 プライバシーを守って測る カメラ画像を文章に変える 手首カメラの画像を端末内の VLM で文章にする。 認識精度 77.2%、装着者の懸念は 3.16 から 1.40 に(IEEE Access 2026) 連合学習を軽くする 端末の余力に応じて圧縮し、通信コストを 89% 削減(IEEE IoT Journal 2024) 誰のデータかを隠す 匿名化して圧縮し、行動は分かるが人は分からない データにする(ACM Trans. Computing for Healthcare 2026) 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 平岡ほか / Hidayat ほか / 藤本ほか 61 / 67
基盤 大規模・長期の実験を回す 3,000 人超 1,600 人超 900 人近く 6つの実証実験の 延べ参加者 NTTドコモとの 混雑回避実験 学内の被験者登録の 仕組み 最長で3年弱 学生が参加 インテージと構築、約3か月 シェアカーの実験では、514人が計1,464回利用した(2023年3〜9月) POINT 被験者を集め、長く続ける運用の仕組みも、研究室の財産 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 荒川, 情報処理学会 DPS・MBL・ITS 合同研究発表会 2024 62 / 67
代表的な論文 代表的な論文(①・②) テーマ 内容 掲載先 ① 椅子による頷き認識 J. Information Processing 2026 ① 椅子による座位姿勢の認識 IEICE Trans. Inf. & Syst. 2020 ① 職場のウェルネスのセンシングと行動変容 J. Information Processing 2019 ① オンライン会議の微細行動の定量化 Sensors and Materials 2022 ② モバイルゲームの Ethical Disengagement Proc. ACM IMWUT 2025 ② スマホ操作による不注意回答の検出 IEEE Access 2021 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 63 / 67
代表的な論文 代表的な論文(②〜④) テーマ 内容 掲載先 ② ドメインに依存しないユーザ属性の学習 IEEE Access 2022 ③ LLM の2次元の政治スタンスの操作性 IEEE Open J. Comput. Soc. 2026 ④ 参加型センシングのゲーミフィケーション J. Information Processing 2016 ④ 伝え方が歩数に与える影響 IEEE Access 2021 ④ 剣道の打突動作の認識 Sensors and Materials 2020 ④ カーブ道路の自動運転の経路計画 IEEE Access 2024 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 64 / 67
代表的な論文 代表的な論文(基盤) テーマ 内容 掲載先 基盤 極小センサ基板 SenStick J. Sensors 2017 基盤 電池を使わない名札型ライフログ ZEL+ Pervasive and Mobile Comput. 2026 基盤 Wi-Fi による四肢麻痺者の意思伝達 IEEE Access 2023 基盤 端末の資源に応じた連合学習 IEEE IoT Journal 2024 基盤 エッジ VLM によるプライバシーフィルタ IEEE Access 2026 基盤 匿名化と圧縮による行動認識 C-AAE ACM Trans. Comput. Healthcare 2026 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 65 / 67
募集 こんな学生を待っています ① はたらく ② 情報とつきあう 企業の人と一緒に、職場の実データで 研究したい人。センサづくりから統計分析まで スマホやSNSとのつきあい方に疑問を 持つ人。数万人規模の実験に挑みたい人 ③ AIとつきあう ④ 暮らしとまち・基盤 生成AIを毎日使い、そのクセが気になる人。 人を対象にした実験を設計したい人 手を動かしてモノを作り、まちや車の中で 試したい人 POINT 特に①〜③のテーマに取り組む学生を求めている 研究室紹介 2026 九州大学 荒川研究室 66 / 67
人に寄り添う情報システムを、一緒に センサ IoT 行動認識 見学はいつでも app.ait.kyushu-u.ac.jp staff (at) arakawa-lab.com 行動変容