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August 21, 24
スライド概要
国内外の様々なホテル・旅館を運営する星野リゾートでは、独自の戦略を活かすために、システムの内製化を進めてきました。
非IT企業であるがゆえに、デジタルの活用には苦労もありましたが、エンジニアを採用し、現場出身者の活用やノーコードツールの活用することで成果を上げることができました。
本資料では、そのような星野リゾートがどのような取り組みを行い、成果を上げているのかお話します。
また、デジタル化や生成AIの発展により、DXに対してどのような変化が生まれてきたのかを説明いたします。
星野リゾートでエンジニアリングマネージャをやっています。 入社後、エンジニアが全くいない状態からエンジニア組織を立ち上げました。 SIer出身で、Javaを中心にシステム開発していますが、転職後は、AWSを触ったり、フロントエンドも触ったりと幅広く開発しています。 エンジニア組織で登壇する機会が増えてきていますが、アジャイル開発が好きで、アジャイル関連での登壇もよくしています。
全員で取り組む内製化 ~非IT企業におけるDXへの挑戦 株式会社星野リゾート 情報システムグループ 藤井 崇介
藤井 崇介 星野リゾート 情報システムグループ シニア・アーキテクト @ZooBonta ・Webシステム開発関連の開発を10年間経験後、2018年に星野リゾートに入社 ・開発体制の内製化を主導し、エンジニア組織の立ち上げを行った。 ・現在は、社内の技術標準化チームを作り、複数プロジェクトの支援を行う Hoshino Resorts Inc. 2
会社紹介 Hoshino Resorts Inc. 3
会社紹介 • 全国約80施設のリゾート・温泉旅館・ホテルのオペレーションを 担う総合リゾート運営会社 • 星のや・界・リゾナーレ・OMO・BEBの複数のサブブランドで運営 • 1914年創業、長野県軽井沢に最初の旅館を開業し、今年で110年 • 世界に通用する運営会社を目指している Hoshino Resorts Inc. 4
情報システムグループの構成 クロスファンクションで機能的に変化する組織 プロダクト オーナー ノーコード ツール 活用開発 エンジニア インフラ 権限管理 予約システム サービスチーム (現場) 出身者 31名 ソフトウェアエンジニア ITインフラ専任者 IT運用専任者 ビジネスコンサルタント 25名 企画 プロジェクト オーナー Team 投資判断 12名 オペレーション インフラ 21名 リスク管理 導入支援 環境構築 開発 運営 サポート 4名 改善 エンジニア Team 19名 Hoshino Resorts Inc. Hoshino Resorts Inc. 保守運用 ノーコード 開発 施設サイト 5
内製化の歴史 Hoshino Resorts Inc. 6
星野リゾートのミッション・ビジョン・戦略 Vision Globally Competitive Hotel Management Company Mission 旅は魔法 Hoshino Resorts Inc. 7
業務の多くは自社開発システム 自社HP用 宿泊サイトエンジン 顧客満足度調査 可視化 オプション予約 レストラン予約 手配品管理 販売システム 外部予約連携システム 予約担当向け Webマニュアル リピーターカルテ 滞在顧客情報管理 労働タスク記録 勤怠・人事 支払申請システム 法人/部門配賦 労働生産性 サービスチーム指標 可視化 Hoshino Resorts Inc. 8
入社 外注メイン Hoshino Resorts Inc. 内製化 9
システム開発がうまくいかなくなってきた原因 提案 依頼 Hoshino Resorts Inc. 10
構想していたデジタル戦略と現実 デジタル戦略 現実 大きく2つのテーマでデジタル戦略を描いていた 内製化には消極的 システムの 堅牢化 ビジネス 変化への 素早い対応 内製化への挑戦 ❏ リゾート運営の会社でIT企業ではないという考え ❏ 経営陣のなかで、エンジニアが社内にいるイメージが 出来なかった ❏ システムは外部ベンダーに発注した方が良いという考え が根付いていた エンジニアを 1人増やして成果を出す 11
体制の見直し コミュニケーション体制 開発体制 コミュニケーションパスを整理し、 明確な意思決定ができる体制を構築 機能横断のチームを作り、 密に連携が取れるアジャイルな体制を構築 Hoshino Resorts Inc. 12
内製化・アジャイル導入の効果 プロダクト開発の改修期間の短縮化 Before 1ヶ月 約 After 1週間 意思決定タイミングや質疑応答が システム会社との打ち合わせに依存し 進捗が遅い状況が続いていた 意思決定のスピードが格段に向上し ビジネス変化への対応が可能に ちょっとした改修でも1ヶ月を要した 多数のシステムを早期リリース&改修 エンジニア組織の内製化と組織拡大によって 従来の1/3のスピードでプロダクトリリースが可能に 1月あたりの問い合わせ 180件→60件まで減少
現場出身者の活用 Hoshino Resorts Inc. 14
何故現場出身者を活用するのか? 自分達で理想を描き、プロダクトを揃えるため ブランドサイト Hoshino Resorts Inc. 15
スキルアップの取り組み POスキルマップ整備と勉強 テスト デザイン勉強会 情報収集・シェア Hoshino Resorts Inc. 16
ノーコードの取り組み 開発パートナーでのインターン経験 社内講習会 ポータル Hoshino Resorts Inc. kintone エバンジェリスト 17
社内伴走型サービスのリリース スタッフ主導のアプリ改善 Hoshino Resorts Inc. 18
現場出身者活用のための3つポイント Point 1 Point 2 Point 3 ヤタガラス人材 を発見する (※) 外部人材を うまく 活用する 小さな 成功体験を 作る ビジネスと開発の距離を近づけて ビジネス課題の 解決スピードを向上させる 経験・知見がない分野は 外部をうまく巻き込み ノウハウを蓄積する 企業文化とフィッティングした 小さな成功体験により ビジネスタッチを拡大する (※)https://dx.ipa.go.jp/dx-case-jinzai Hoshino Resorts Inc. 19
コロナ禍を支えた攻めのシステム開発 GoToキャンペーン対応 大浴場混雑可視化 1ヶ月でリリース 6週間でリリース ふるさと納税 結婚式新サービス 2ヶ月でリリース Hoshino Resorts Inc. 3ヶ月でリリース 20
ノーコードツールの活用例 ワークフロー 全社で利用する経費や出張の申請 ワークフローをノーコードツールで構築 約100のワークフロー、3500件/月の 申請を支えている 銀行振込管理 宿泊の予約やギフト券精算時の銀 行振込の請求処理やステータス連 動処理を行う 社内公募 社内で新規開業施設に合わせた採用 フローを管理する 今まではメールで個別に連絡を取り 合っていたものを、システムで一括管理 レストラン連携 施設周辺地域のレストラン予約ができる 外部システムと連携することで、予約シス テム上でも管理ができる CSアプリ 立候補プレゼン 日帰り施設やスキー場でのCSを管 理し、集計する 各施設のマネージャーを決めるプレゼ ン大会の運営システム プレゼン大会のスケジュール作成、動 画の配信、アンケート集計を行う Hoshino Resorts Inc. 21
DX推進のポイント Hoshino Resorts Inc. 22
星野リゾートにとってのDXとは 星野リゾートの独自の運営力 宿泊体験そのもの 経済産業省の DXの定義 マルチタスク/魅力創造/自社チャネル強化/RIET 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会 のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、 プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること フラットな組織文化 DXは目的ではなく手段である あらゆる企業活動がIT抜きでは成立しない現在、急激な変化前提のビジネス環境において、 企業が激しい変化に対応するために自ら変革(トランスフォーム)するには、変化前提のデジタル化能力を備えることは必然。 「デジタルで変革を起こす」ではなく、競争上の優位性を勝ち取るためには高いデジタル化能力が必要という認識。 Hoshino Resorts Inc. 23
全社員IT人材化 星野リゾートでは、熱い想いとこだわりをもつスタッフひとり一人が、自由に発想し、 チームで議論を重ね、自らの頭で考え、正しい経営視点を持ちながら、地域の魅力を届けてきた。 すべての業務を分断することないマルチタスクという働きかたで、構想から実行のすべてを担当。 こうして得た幅広い業務理解と、多くの顧客接点をもとに、 お客様の真のニーズに応える新たな魅力を創出したり、業務設計・改善を行う。 IT 構想 実行 全社員がITを利活用できる組織/人材開発=「全社員IT人材化」 Hoshino Resorts Inc. 24
生成AI活用 ※販売チームの活用結果 Hoshino Resorts Inc. 25
生成AI活用例 アイディア出し CSの分析 トレンド調査 Hoshino Resorts Inc. プレスリリース 作成 26
まとめ 内製化の歴史 ➢コミュニケーション体制の見直し ➢機能横断チームの導入 現場出身者の活用 ➢スキルアップの取り組み ➢ノーコード開発ツール導入 DX推進のポイント ➢全社員IT人材化育成 ➢生成AI活用 生産性の向上 活用した成果 全社員IT人材化 社内問合せが減少 リリーススピードの向上 スケジュールの改善 コロナ禍での短期間でのシステム開 発 多くの仕組みにノーコードツールを取 り入れた 星野リゾートが大事にしていた戦略と ITとの融合 開発スピードと質の向上 現場を理解した社内エンジニアが 開発可能なため開発スピードだけ でなく品質も向上 生成AI活用 業務時間の効率化 新たなコンテンツ生成 Hoshino Resorts Inc. 27
ありがとうございました https://hoshinoresorts.com/jp/ Hoshino Resorts Inc. 28