Cline と Roo Code の機能比較と方向性分析

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May 13, 25

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Cline と VS Roo Code 機能比較と方向性分析 更新動向から見る両者の違い 年月 日 2025 5 13

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基本機能比較 共通機能 Roo Code特有の機能  MCPマーケットプレイス  多様なモード ターミナル統合  思考予算機能  Boomerangオーケストレーション ファイル操作  タスクタイムライン  クリック可能なコード参照  ブラウザ制御 $ 詳細なコスト追跡  多様なAPI対応  複数AIモデル対応    AIコード生成・編集 Cline特有の機能 ナチュラル言語からコード生成、既存コードのリファク タリング コマンド実行と出力モニタリング ファイルの読み書き、作成、編集 ヘッドレスブラウザによるウェブ操作 モデルコンテキストプロトコル拡張のエコシステム Claude 3.7 Sonnetによる詳細な内部思考プロセス 作業過程の視覚的な追跡と管理 APIトークン使用量と費用の可視化 OpenAI, Claude, Gemini, Mistral等に対応 ※ GitHub公式リポジトリおよび公式ドキュメントに基づく情報(2025年5月13日時点) Code, Architect, Ask, Debug等の特化したペルソナ 複雑なワークフローの自動調整と実行 モデルの応答内コード参照からの直接ナビゲーション Groq, Chutes, LiteLLM等の最新プロバイダーに対応

3.

Clineの最近のアップデート概要 バージョン3.14.0~3.15.2  v3.15.2 最新リリースハイライト - 2025年5月 最新バージョンでは、テレメトリ機能のカテゴリー別制御強化、BrowserToolsのWebビュー設定統合、LiteLLMプロバイダーの詳細設定、およびパフォーマンス最適化など、多岐にわたる改善が行われました。特にグレー スクリーン問題の修正と大型テキスト処理の最適化により安定性が大幅に向上しています。 v3.15.2 テレメトリ機能のカテゴリー別制御  BrowserTools設定のWebビュー移行  LiteLLMプロバイダー詳細設定オプション  メモリ解放最適化(グレースクリーン修正)  大型テキストレンダリング最適化  コピー&ペースト問題の完全修正  IME日本語入力時の自動送信問題修正  reportbugコマンドの最適化  最新 v3.15.0 - v3.15.1 v3.14.0 - v3.14.1 タスクタイムライン可視化機能  タスクのお気に入り機能(クリア時も保持)  アクション実行中のメッセージ入力サポート  OpenAIプロバイダーUI用キャッシュ  履歴のバッチ選択・削除機能  コミットメッセージ自動生成機能  編集中ファイルのスクロール改善  自動承認UIの改善  AWS Bedrockカスタムモデル対応  出典: Cline GitHubリポジトリ リリースノート (https://github.com/cline/cline/releases)  Geminiプロバイダーのキャッシング強化  LaTeX描画のサポート  APIリクエストタイムアウト設定 コードブロックへのコピーボタン追加  スラッシュコマンドでのルールファイル作成  Gemini・Vertexの価格計算機能  チェックポイントの改善 

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Roo Codeの最近のアップデート概要 バージョン3.14~3.16.6  最注目機能: Boomerangオーケストレーション 複数のAIサブタスクを連携させ、複雑なワークフローを自動的に調整・実行する機能。サブタスクを作成・完了し、その結果を親タスクに返すことで、より複雑な処理を段階的に実行できます。v3.14.3から導入され、 v3.16ではシーケンスとエラーハンドリングが大幅に改善されました。 v3.16.x  LiteLLM対応(100+モデルに自動接続) クリック可能なコード参照機能  Groq・Chutes APIプロバイダー追加  ツールループ検出(安定性向上)  オランダ語・アクセシビリティ対応  MCPサーバーエラー表示機能  サブタスクシーケンシング強化  設定画面の垂直タブナビゲーション  最新 v3.15.x v3.14.x オーケストレーターモード最適化  Gemini 2.5 Pro (05-06)対応  コードブロック描画パフォーマンス向上  ターミナル作業ディレクトリ設定  メンションUI・ドラッグ機能改善  @google/genai 0.12アップデート  チャット履歴引用機能  環境変数の安全なMCP設定注入  Boomerangオーケストレーション実装  出典: Roo Code GitHubリポジトリ リリースノート (https://github.com/RooVetGit/Roo-Code/releases)  Gemini 2.5 Proキャッシング機能 ファイル操作ツールの機能強化  Windowsドラッグ&ドロップ対応  Gemini 2.5 Flash対応  セクション検索機能の強化  プロジェクトMCP設定サポート  ヒストリーストレージパスカスタマイズ 

5.

方向性の比較 最近3ヶ月のアップデートから見る両者の戦略と注力分野  Clineの方向性  MCPマーケットプレイス - 外部ツール連携・エコシステム構築  思考プロセスの可視化 - Claude 3.7 Sonnetの思考機能活用 プロジェクト管理強化 - タスクタイムライン・お気に入り機能 $ コスト管理の透明化 - トークン使用量と費用の可視化   Roo Codeの方向性  特化型モードの拡充 - 様々なユースケース向けカスタマイズ  マルチエージェント連携 - Boomerangオーケストレーション 新モデルへの迅速対応 - OpenRouterでの最新モデル採用  多言語・アクセシビリティ - 国際化とUI使いやすさ向上   両者の開発傾向の比較 Clineはエコシステム構築と透明性のある開発支援環境に注力し、高度なAI思考プロセスの活用を重視。 一方、Roo Codeは専門化された多様なモードとマルチエージェント連携に注力し、多様なAPIプロバイダー対応を推 進。 両者ともにAIコーディング支援ツールとして発展していますが、それぞれ異なる強みとアプローチで市場に対応しています。 ※ 直近3ヶ月のGitHubリリースノートとX(Twitter)公式アカウントの投稿に基づく分析

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コミュニティとエコシステムの違い 両製品のコミュニティ活動とMCPへの取り組み コミュニティとエコシステムの比較 項目 Cline Roo Code コミュニティ特徴 企業主導型。拡張性とエンタープライズ機能重視。MCPマーケットプレイスを中心 とした開発者エコシステム。 コミュニティ主導型。多様なモードと迅速な機能追加を重視する開発者中心コミュ ニティ。 貢献者の特徴 企業パートナー、MCPプラグイン開発者。特定分野の専門家による貢献が多い。 個人開発者の貢献が活発。幅広い分野からの機能提案と実装が特徴的。100名以上の 貢献者参加。 MCP戦略 マーケットプレイス中心。体系的なプラグイン認証とエコシステム構築。企業向け MCPサーバー充実。 プロジェクトレベルMCP設定重視。個人開発者向けのカスタマイズ性を高めたアプ ローチ。 更新頻度 少数の大型リリース。品質管理と安定性重視。 頻繁な小規模アップデート。迅速な機能追加と改善を重視。  Cline MCP戦略の特徴 組織的なMCPマーケットプレイス構築に注力。公式認証されたプラグインで拡張性の高いエコシステム 形成。GitLab、Neon Database、Shopify、Stripeなど多数の企業パートナー連携プラグイン提供。  Roo Code MCP戦略の特徴 カスタマイズ性の高いMCP実装を重視。プロジェクトレベルのMCP設定で個別ニーズに対応。SSE対応 やリモートブラウザ接続など、柔軟な拡張機能を開発者が自由に実装できる環境提供。 マーケットプレイス中心 プロジェクト単位設定 企業連携 標準化 公式ドキュメント 柔軟性 迅速な適応 ※ GitHubリポジトリ、公式ドキュメント、X(Twitter)投稿に基づく分析(2025年5月13日時点) コミュニティ主導

7.

結論と方向性 Cline と Roo Code - 2025年の競合と協調  Clineの目指す方向性 Clineは企業向け高信頼AIコーディング環境として発展を目指しています。   MCPマーケットプレイス中心の標準化エコシステム構築 AI思考プロセスの可視化による複雑問題解決の透明性向上 企業レベルのセキュリティと信頼性重視の漸進的進化 $ コスト透明性と作業追跡機能によるプロジェクト管理   今後の動向予測 両者の差別化が進行 - Clineはエンタープライズ市場、Roo Codeは個人・小規模チーム向け 市場  互換性の向上 - MCPプロトコル標準化による両者間ツール・設定の互換性向上  マルチモーダル対応強化 - 画像認識、音声入力など多様な入出力形式サポート  ローカルモデル対応 - プライバシー要求の高まりに応じたローカルLLM環境強化   Roo Codeの目指す方向性 Roo Codeは多様で柔軟なAIエージェント環境としての進化を目指しています。  Boomerangオーケストレーションによるマルチエージェント連携 多様な専門モードと豊富なカスタマイズによる適応性  迅速な実験と開発を可能にする柔軟なツール設計  国際化対応とアクセシビリティの継続的な強化  選択の指針 - どのような場合にどちらを選ぶべきか  Cline を選ぶべき場合 大規模な企業開発環境での利用 長期的な開発プロジェクトでの安定性重視 チーム間での標準化されたAIツール導入 コスト管理や作業履歴の透明性重視 企業向けMCPプラグインの活用 を選ぶべき場合  Roo Code 個人開発者やスタートアップでの利用 短期的・実験的なプロジェクトでの活用 多様なモードと高度なカスタマイズ重視 Boomerangによるマルチエージェント連携 最新モデルや実験的機能への早期アクセス