HTML解体新書ができるまで

1.4K Views

May 19, 22

スライド概要

HTML解体新書出版記念イベント
https://connpass.com/event/242592/

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

HTML解体新書が できるまで HTML解体新書出版記念イベント 2022-04-07 中村 直樹(@momdo_)

2.

自己紹介 所属とか経歴とか

3.

自己紹介/所属  ミツエーリンクス アクセシビリティ部 所属 アクセシビリティ エンジニア(2019年中途入社)  ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC) 翻訳作業部会 委員  ウェブ仕様翻訳者(野良)

4.

HTML Standard日本語訳 (2つある)HTML Standard日本語訳のうちの1つ(部分訳)を メンテナンス

5.

W3C HTML 5.0日本語訳 2014年にW3C勧告になったHTML5(HTML 5.0)勧告の日本語訳を公表 少なくとも8年は"HTML5"の日本語訳をメンテナンス

6.

ほかW3C仕様の日本語訳 他にもいくつかW3C仕様の翻訳を公開 CSS 2.1、WAI-ARIA 1.2、ARIA in HTMLなど… https://github.com/momdo/ momdo.github.io/wiki

7.

企画立ち上げのきっかけ いかにしてHTML書籍の企画が立ち上がったのか

8.

問題意識 2016年10月にこんなことを明示的につぶやいていた

9.

企画誕生の直接のきっかけ? 2016年12月にスライドにまとめて公開したツイートでの 伊原さんとのやりとり。

10.

コンセプトメモ(2016年末の抜粋)  いわゆる「リファレンス本」や「HTML5+CSS3」といった書籍はよく見かけるが、 HTMLだけを扱った書籍は珍しい  HTML 5.1(2016年当時)という観点から本格的にHTMLを扱った書籍はおそらく 存在しない  過去にHTML 4.01、XHTML 1.0/1.1を扱った良質な書籍は刊行されている  しかし、技術の進歩にともなって、そのような書籍も時代遅れになりつつある  HTMLの「基礎」を取り上げる書籍が必要

11.

企画誕生の直接のきっかけ?(2) 2016年12月の伊原さんのツイート。

12.

Slackの初投稿 当初は伊原さん(@nagi1125)が声をかけて、伊原さん、太田さん(@bakera)、私、 レビュワーの佐藤さん(@ahomu)、小林さん(@sukoyakarizumu)、ほか1名の 6名による共著の予定だった… 現実には太田さんと私の2名による共著に (4名は応用編について書いてもらう予定だったが、 企画当初の基礎編[今の書籍の内容]に注力することになった)

13.

執筆開始から発刊までの データによる振り返り 5年経った理由も振り返ってみる…

14.

GitHub Insightsによるデータ コミット数が活発でなかった中断期間が比較的長い… 2021年5月ごろからエンジンがかかりだし、 2021年10月にレビュワーからレビューコメントを大量にもらい、 このあたりから本気を出して、3月の入稿ぎりぎりまで作業をしていた

15.

GitHub Insightsによるデータ(2) 12月後半から1月あたりのコミットの様子 年末年始なにそれおいしいの(帰省はしていた)

16.

レビューコメント(のごく一部) 本日座談会にお越しいただいた3名を含む、7名から有益なコメントをいただく 特に伊原さんからはたくさんコメントをいただいた(企画の発起人の面目躍如)

17.

本書のみどころ(1) 目次からざっくりと

18.

目次からみる見どころ(CHAPTER 1&2) 基本概念(という名の)HTML仕様の背景や周辺知識の話 • ウェブを構成するHTTPやURLもここで • RFCやW3Cのステータスの話や、仕様の調べ方といっ た話もこのチャプターで扱っている • 著者陣はウェブアクセシビリティに明るいので、 アクセシビリティの話も紙面を割いている (むしろ隙あれば触れている) 主にtext/htmlの構文ルールの話 • タグ以下、主に字句的なルールの話がひととおり記載 • 「HTMLの細かい構文ルール」は本当に細かい話が載っ ている ブラウザーの細かい挙動についてもその一端を触れて いる

19.

目次からみる見どころ(CHAPTER 3) 本書の中核をなすチャプター • このチャプターの並びは仕様のセクションに沿った並 びになっている • フォームその1とその2は、相当長くなってしまったの で分割している(しかし長い) • 通読というよりかは辞書的に使ってもらうのがよろし い…と思われる

20.

目次からみる見どころ(CHAPTER 4) (WAI-ARIAを含む)グローバル属性をひたすら考える チャプター • WAI-ARIAを仕様と実践の観点から手厚く解説 • 書籍でそのような解説は珍しいはず • WAI-ARIAを大きくピックアップしていることからも、 アクセシビリティに力を注いでいる様子が 見て取れるかなと

21.

本書のみどころ(2) ウェブアクセシリビリティに注目しつつ中身を見てみましょう…

22.

本書の一部を抜粋してみる(P295 1/3) 「WAI-ARIAとその周辺仕様」 と題して本文で仕様に言及。 P295 CHAPTER 4-02 WAI-ARIAより

23.

本書の一部を抜粋してみる(P295 2/3) 豊富な側柱のMEMO。 本文を補足する情報を記載。 (この箇所に限れば余白がない 程度に。もちろん場所による) 関連するURLも記載。 仕様、MDN、その他… P295 CHAPTER 4-02 WAI-ARIAより

24.

本書の一部を抜粋してみる(P295 3/3) 「WAI-ARIA 1.2からは、…」 W3C勧告に到達したARIA 1.1は当 然として、勧告候補としてほぼ仕 様の固まっている1.2、Editor's draftの1.3にも言及。 P295 CHAPTER 4-02 WAI-ARIAより

25.

本書の一部を抜粋してみる(P140) 「アクセシビリティ上の注意点」 として、スクリーンリーダーの挙 動にも言及。 スクリーンリーダーの挙動からも、どのようにマークアップ すればよいのかの理解が促される P140 CHAPTER 3-05 テキストレベルセマンティクスより

26.

みどころ・全体のまとめ  内容を基礎的なものから応用的なものまでぎっしり詰め込みました  小噺的なものもいろいろちりばめてます  複数人で通しで読むのも、辞書的に読むのもお好みで 是非お手にとっていただければと思います🙏🙏 このセッションのスライドはおしまいです。 👉👉続いて太田さんのセッションをご覧ください