Claude Code を開発チームに迎え入れるためにやっておきたい環境整備

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August 22, 25

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Findy Job Lunch Talk「【AI特集】3社が語るClaude Code活用 開発組織の取り組みと課題とは?」の登壇資料です。
https://findy.connpass.com/event/364178/

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各ページのテキスト
1.

Claude Code を開発チームに 迎え入れるためにやっておきたい環境整備 Findy Job Lunch Talk 2025-08-22 Mao Matsumoto

2.

About me 名前 松本 真生(まつもと まお) 所属 株式会社カナリー 特徴 フロントエンド 関西エンジニア ネコ好き アカウント X: @matsu3m Zenn: matsu3m

3.

会社概要

4.

Claude Code の利用状況

5.

Claude Code の利用状況 チーム全員でがっつり利用中 (1週間の検証プロジェクトを実施して一気に導入・その後全員が継続利用) 新規プロダクト開発での利用 機能開発・リファクタ(実装計画 ~ コーディング ~ PR 発行) ADR 等のドキュメントの作成・管理 Issue の起票・調査

6.

Claude Code うまく使えてますか?

7.

Claude Code チーム開発で うまく使えてますか?

8.

チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 01 必要なコンテキストが多い & 散らばっている いろんなツール(ソースコード管理・タスク管理・ドキュメント管理・チャット...) Pain 02 他のメンバーとの兼ね合い レビューの待機・作業領域のコンフリクト・タスク間の依存関係… Pain 03 人間側のコンテキストスイッチの負荷が高い 日々の業務をこなしながら、並列稼働させた Claude Code のお守りをするのは結構キツい

9.

チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 01 必要なコンテキストが多い & 散らばっている いろんなツール(ソースコード管理・タスク管理・ドキュメント管理・チャット...) 必要なコンテキストは1箇所に集める

10.

必要なコンテキストは1箇所に集める ・FE リポジトリ ・BE リポジトリ ・Docs(ADR, 開発ルール等) 情報の読み取り・書き込みが遅い・不安定 ・タスクチケット ・スプリントボード MCP 設定や認証情報の管理が必要 情報のフォーマットが Claude Code フレンドリーではない ・営業, デザイナーからの意見 ・お客様のご要望 ・言語化されていない ワイの脳内 暗黙のルールたち

11.

必要なコンテキストは1箇所に集める ・FE リポジトリ ・BE リポジトリ ・Docs(ADR, 開発ルール等) ・タスクチケット ・Code ・スプリントボード ・Issues 単一リポジトリ ・営業, デザイナーからの意見 ・お客様のご要望 ・言語化されていない ワイの脳内 暗黙のルールたち ・Projects

12.

リポジトリコードの構成例 . ├── CLUADE.md ├── .claude/ │ ├── settings.local.json │ └── other-claude-files ├── docs │ ├── adr/ │ └── other-docs ├── other-common-files ├── frontend/ │ ├── CLUADE.md │ ├── .claude/ │ │ ├── settings.local.json@ │ │ └── other-cloud-files │ └── other-frontend-files └── backend/ └── same-as-frontend docs/ に ADR をはじめとするドキュメントを格納 ドキュメントの参照・作成・編集が容易に frontend/, backend/, root それぞれに CLAUDE.md を配置し、 コンテキストや各種 Claude 設定の混在を防止 FE と BE を跨いだ作業が容易に 起動するディレクトリに応じたコンテキスト切り替え settings.local.json はシンボリックリンクを貼っておくと便利

13.

GitHub Issues を介したタスク管理から実装まで

14.

GitHub Issues を介したタスク管理から実装まで 起票・調査・ディスカッションから 実装・レビューまでシームレスに完結する ・gh コマンドで大抵の操作が可能 ・マークダウンで書ける ・GitHub の認証情報だけで OK ・PRとの連携が容易

15.

チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 02 他のメンバーとの兼ね合い レビューの待機・作業領域のコンフリクト・タスク間の依存関係…

16.

チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 02 他のメンバーとの兼ね合い レビューの待機・作業領域のコンフリクト・タスク間の依存関係… いつ・誰が取り組んでも良い タスクをストックする習慣を作る

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並列稼働に向いているタスク 機能開発 機能改善・リファクタ・開発環境改善 複雑なドメイン知識や仕様が 複雑なドメイン知識や仕様が 絡む場合が多い 絡まない場合も多い 期限や担当者を事前に決める場合が多い 塩漬けにされがち 他メンバーとの兼ね合いが多い 他メンバーとの兼ね合いが (エンジニア・営業 含め) 少ない → 任せやすい → ふとした時に 着手しやすい より並列稼働に向いてそう?

18.

いつ・誰が取り組んでも良いタスクをストックする習慣を作る 見つけたら即 Claude Code に依頼して Issue を切ってもらう(前述の通り) いつ誰が取り組んでも良いですよ〜 ラベルを貼る

19.

チャットツールから Issue を起票して調査まで(experimental) チャットを 投稿・会話 まるっと Claude Code Action で Issue 上で Issue 化 調査・方針提案 議論 実装 いつもの会話の流れでそのまま起票できる エンジニア以外でも起票できる 調査や方針提案まで自動化できるため、見積もりや議論がしやすい はず!

20.

チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 03 人間側のコンテキストスイッチの負荷が高い 日々の業務をこなしながら、並列稼働させた Claude Code のお守りをするのは結構キツい

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チーム開発で Claude Code をブン回すのは難しい… Pain 03 人間側のコンテキストスイッチの負荷が高い 日々の業務をこなしながら、並列稼働させた Claude Code のお守りをするのは結構キツい Plan モードで根本的な方針違いを減らす フィードバックループを回せる仕組みを整備する コンテキストを綺麗に保つ

22.

Plan mode で根本的な方針違いを減らす 👤 Plan mode: 調査・分析・計画を専門とし、 編集作業を実施しないモード Plan mode で計画の擦り合わせ 🤖 計画の承認 Plan mode で実行計画を擦り合わせてから 実際の作業に移ってもらうことで方針違いを軽減 常に Plan mode から始める // settings.local.json { "permissions": { "defaultMode": "plan" } } Plan mode で常に高性能なモデルを使う 完了 実作業

23.

フィードバックループを回せる仕組みを整備する 成果物の検証 > 修正 > 再検証 を高速に回してもらう 指示された作業が 一旦終わり 検証 修正 作業終了

24.

フィードバックループを回せる仕組みを整備する 成果物の検証 > 修正 > 再検証 を高速に回してもらう 望ましい結果を得るための 指示された作業が 一旦終わり 検証 検証手段を充実させる 確実に 検証 & 修正 の ループに入ってもらう 修正 作業終了

25.
[beta]
フィードバックループを回せる仕組みを整備する
pre-commit の Hook や Claude Code Hook で CI 実行
対象ファイルは最小限に
人間がループに関与しない前提で、多少重い
確認も含めてしまって OK
参考: Claude Code環境でのみGit hooksを実行するlefthook設定

先にテストを書いて受け入れ条件を定義
✅ 振る舞いに対するテスト
❌ 内部実装に踏み込んだテスト
関連: AI時代におけるユニットテストの現在地

# Lefthook の設定例
pre-commit:
commands:
frontend-format:
root: "frontend/"
glob: "*.{js,ts,jsx,tsx,json}"
run: pnpm exec biome check --write {staged_files}
stage_fixed: true
frontend-test:
root: "frontend/"
glob: "*.{js,ts,jsx,tsx}"
run: pnpm exec vitest run --changed
skip:
- run: test "$CLAUDECODE" != 1

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コンテキストをクリーンに保つ - Subagents の利用 - サブエージェントとは? サブエージェントは、Claude Codeがタスクを委任できる事前設定されたAIパーソナリティです。各サブエージェントは: ● 特定の目的と専門分野を持つ ● メインの会話とは独立した独自のコンテキストウィンドウを使用する ● 使用を許可された特定のツールで設定できる ● その動作を導くカスタムシステムプロンプトを含む https://docs.anthropic.com/ja/docs/claude-code/sub-agents メインコンテキストを汚染しない & 長持ちさせるのにも有用

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コンテキストをクリーンに保つ - Subagents の利用 メインコンテキストが不要なタスクは積極的に Subagents に切り出そう (例)テスト作成・実行・修正、CI 実行・修正、UI のスタイリング スクショぺた 🌾 Plan 段階で必要な情報は引き続き CLAUDE.md に置くのが良さそう (例)テスト計画 → CLAUDE.md テストコードの書き方 → subagents

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まとめ Claude Code が利用するコンテキストを1箇所に集めてあげよう Claude Code が並列で取り組みやすいタスクをストックしておこう Claude Code が自律的に作業を完遂できる仕組みを用意してあげよう Claude Code のための環境整備は人間も嬉しい!