機械回路記号解析 その4

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June 07, 25

スライド概要

今回は非対角項が存在する運動系についてです。例として自動車の1/2モデルを取り上げ、質量と慣性モーメントが結合する運動系をどのように電気回路へ変換するかについて解説します。また、具体的な自動車(TOYOTA-corolla)を例にLTspiceによるシミュレーションを行います。
はじめに

1. 二連の質量-ばね-ダンパ系(復習)
1.1 機械系から電気回路への変換方法
1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く
1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る
1.4 電気回路方程式

2.回転と並進のCoupling
2.1 運動方程式の導出
2.2 非対角化項の出現
2.3 電気回路への変換
2.4 フェーザ表示の導入
2.5 アドミッタンス行列
2.6 等価電気回路

3. 自動車モデル
3.1 運動方程式の導出
3.2 電気回路変換

4.パラメータのスケーリング
4.1 LTspice実行での問題点
4.2 パラメータのスケーリングとはなにか
4.3 scaling factorを用いたLTspice実行
4.4 Pythonによる検証
1/4自動車モデル(重量項あり)
1/4自動車モデル(重量項なし)

5.自動車シミュレーション(1/2モデル )
5.1 トヨタ・カローラ:1/2モデルのパラメータ
5.2 パラメータのスケーリング
5.3 電気回路モデル
5.4 シミュレーション結果
正弦波応答
STEP応答

つづく
補足:中田孝氏について、私の卒論修論
参考文献

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これまでに主に,ロボティクス・メカトロニクス研究,特にロボットハンドと触覚センシングの研究を行ってきました。現在は、機械系の学部生向けのメカトロニクス講義資料、そしてロボティクス研究者向けの触覚技術のサーベイ資料の作成などをしております。最近自作センサの解説を動画で始めました。https://researchmap.jp/read0072509 電気通信大学 名誉教授 

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各ページのテキスト
1.

2025.6.7 機械回路の記号解析 その4 ---機械回路のCoupling --機械系のためのメカトロニクス 並進 回転 並進 並進と回転の Coupling 電気回路にはどう変換するか? 下 条 誠 電気通信大学名誉教授 トヨタ・カローラ:1/2モデル シミュレーション The University of Electro-Communications https://researchmap.jp/read0072509/ https://www.docswell.com/user/m_shimojo Department of Mechanical Engineering and Intelligent System

2.

内 はじめに 1. 二連の質量-ばね-ダンパ系(復習) 1.1 機械系から電気回路への変換方法 1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く 1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る 1.4 電気回路方程式 2.回転と並進のCoupling 2.1 運動方程式の導出 2.2 非対角化項の出現 2.3 電気回路への変換 2.4 フェーザ表示の導入 2.5 アドミッタンス行列 2.6 等価電気回路 3. 自動車モデル 3.1 運動方程式の導出 3.2 電気回路変換 4.パラメータのスケーリング 4.1 LTspice実行での問題点 4.2 パラメータのスケーリングとはなにか 4.3 scaling factorを用いたLTspice実行 容 4.4 2 Pythonによる検証 ① 1/4自動車モデル(重量項あり) ② 1/4自動車モデル(重量項なし) 5.自動車シミュレーション(1/2モデル ) 5.1 トヨタ・カローラ:1/2モデルのパラメータ 5.2 パラメータのスケーリング 5.3 電気回路モデル 5.4 シミュレーション結果 ① 正弦波応答 ② STEP応答 つづく 補足:中田孝氏について、私の卒論修論 参考文献

3.

はじめに 3 機械の振動系と電気回路が同じように取り扱えると、知ったのは中田孝氏の書籍「工学 解析」でした。同書は、Lagrange運動方程式、Fourie解析、変分法、テンソル解析な ど物理学者の数学的道具を機械工学を学ぶ学生に分かり易く解説したものです。その中 に機械回路の記号解析がありました。これがアナロジーというものに関心を持った始め でした。 機械系と電気系のアナロジーについて学ぶに従い、「物理量の捉え方」の一つとして流 通量と位差量があること、これにより機械と電気系の物理変数の対応関係ができること、 さらに流体系、熱回路、音響工学など広い分野の物理現象の解析にアナロジーの考え方 が使えることに興味を覚えたものです。また双対性の概念は、各種物理現象への新たな 視点を得るきっかけとなりました。 さて、機械系メカトロニクス講義の続きとして、新たに機械回路をはじめます。これは 機械振動系を電気回路理論で理解し、回路シミュレータにより解析を行います。これま で慣性行列が対角項のみの運動系を扱ってきましたが、今回は非対角項が存在する運動 系についてです。例として自動車の1/2モデルを取り上げ、質量と慣性モーメントが結 合する運動系をどのように電気回路へ変換するかについて解説します。また、具体的な 自動車(TOYOTA-corolla)を例にLTspiceによるシミュレーションを行います。 参考文献 中田孝:工学解析(技術者のための数学手法),オーム社,1972.

4.

復習 1. 二連の質量-ばね-ダンパ系(復習) まず、Couplingのない例として、次の振動系を取り上げます k1 x1 k2 d1 d2 m1 x2 𝑓(𝑡) m2 (慣性行列が対角項のみ) 機械系 力-電流アナロジ 電気系 4

5.

復習 1.1 機械系から電気回路への変換方法 機械系から電気回路への変換方法について復習します 方法論1:力-電流アナロジーで運動方程式から電気回路方程式を導く 機械 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 力ー電流analogy 電気 𝑪𝝓ሷ + 𝑮𝝓ሶ + 𝑩𝝓 = 𝑰 𝑡 1. 機械回路の運動方程式を 作ります 2. 力-電流analogyで電気 回路方程式に変換します 方法論2:変換した電気回路から回路方程式を作る 1. 機械回路から電気回路への 変換は簡単です 2. 変換した電気回路から回路 方程式を作ります (機械回路の記号解析 その1) 5

6.

復習 1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く 方法論1:力-電流アナロジーで運動方程式から電気回路方程式を導く 1. 機械回路の運動方程式を作ります 2. 力-電流analogyで電気回路方程式に変換します 機械系 運動量保存則 電荷保存則 電気系 以前の解説で説明済み 機械回路の記号解析 その1 6

7.

復習 7 1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く ⚫ 運動方程式の導出 k1 x1 k2 d1 d2 m1 x2 1 1 𝑚1 𝑥ሶ 12 + 𝑚2 𝑥ሶ 22 2 2 1 1 𝑈 = 𝑘1 𝑥12 + 𝑘2 𝑥2 − 𝑥1 2 2 2 1 1 𝐹𝑅 = 𝑑1 𝑥ሶ 12 + 𝑑2 𝑥ሶ 2 − 𝑥ሶ 1 2 2 2 𝑇= 𝑓(𝑡) m2 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑡 𝜕 𝒙ሶ 𝜕𝒙 𝜕𝒙ሶ 𝐿 =𝑇−𝑈 kinetic energy potential energy Rayleigh dissipation function : Lagrange equations 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑚1 𝑥ሷ 1 + 𝑘1 𝑥1 − 𝑘2 𝑥2 − 𝑥1 + 𝑑1 𝑥ሶ 1 − 𝑑2 𝑥ሶ 2 − 𝑥ሶ 1 𝑑𝑡 𝜕𝑥ሶ 1 𝜕𝑥1 𝜕 𝑥ሶ 1 = 𝑚1 𝑥ሷ 1 + 𝑑1 + 𝑑2 𝑥ሶ 1 − 𝑑2 𝑥ሶ 2 + 𝑘1 + 𝑘2 𝑥1 − 𝑘2 𝑥2 = 0 ・・・(1) 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑚2 𝑥ሷ 2 + 𝑘2 𝑥2 − 𝑥1 + 𝑑2 𝑥ሶ 2 − 𝑥ሶ 1 𝑑𝑡 𝜕 𝑥ሶ 2 𝜕𝑥2 𝜕 𝑥ሶ 2 = 𝑚2 𝑥ሷ 2 − 𝑑2 𝑥ሶ 1 + 𝑑2 𝑥ሶ 2 − 𝑘2 𝑥1 + 𝑘2 𝑥2 = −𝑓(𝑡) ・・・(2)

8.

復習 1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く ⚫ (1), (2) を行列式形にする 機械 𝑚1 0 0 𝑥ሷ 1 𝑑 + 𝑑2 + 1 𝑚2 𝑥ሷ 2 −𝑑2 𝒙ሷ 𝒎 𝒅 −𝑑2 𝑥ሶ 1 𝑘 + 𝑘2 + 1 𝑑2 𝑥ሶ 2 −𝑘2 𝒙ሶ 力ー電流 analogy 電気 0 𝜙ሷ 1 𝐺 + 𝐺2 + 1 𝐶2 𝜙ሷ 2 −𝐺2 𝐶1 0 𝑪 𝝓ሷ 𝑮 𝒌 𝒙 𝒎 容量 ばね k コイル: L-1 ダンパ d 抵抗 : R-1 変位 𝒙 磁束 𝝓 速度 𝒗 電圧 𝝓ሶ 𝑩 𝐺𝑖 = 1Τ𝑅𝑖 𝐵𝑖 = 1Τ𝐿𝑖 :𝑪 −𝐵2 𝜙1 0 = −𝑖2 (𝑡) 𝐵2 𝜙1 𝝓 ・・・(3) 𝑸𝒂 𝑡 質量 −𝐺2 𝜙ሶ 1 𝐵 + 𝐵2 + 1 −𝐵2 𝐺2 𝜙ሶ 2 𝝓ሶ −𝑘2 𝑥1 0 = −𝑓(𝑡) 𝑘2 𝑥1 𝑰 𝑡 ・・・(4) 8

9.

復習 機械 1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く 𝑚1 0 𝒎 0 𝑥ሷ 1 𝑑 + 𝑑2 + 1 𝑚2 𝑥ሷ 2 −𝑑2 𝒙ሷ −𝑑2 𝑥ሶ 1 𝑘 + 𝑘2 + 1 𝑑2 𝑥ሶ 2 −𝑘2 𝒙ሶ 𝒅 𝑪𝝓ሷ + 𝑮𝝓ሶ + 𝑩𝝓 = 𝑰 𝑡 𝐺𝑖 = 1Τ𝑅𝑖 𝐵𝑖 = 1Τ𝐿𝑖 ・・・(3) 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑝 𝑑𝑡 𝑑𝑥 𝑣= 𝑑𝑡 𝑑𝑞 𝑑𝑡 𝑑𝜙 𝑢= 𝑑𝑡 変位 𝑥 = න 𝑣 𝑑𝑡 𝜙 = න 𝑒 𝑑𝑡 磁束 バネ 𝑘 = 1Τ𝐿 𝐿 = 1Τ𝑘 コイル 質量 𝑚 𝐶 容量 ダンパ 𝑑 = 1Τ𝑅 𝑅 = 1Τ𝑑 抵抗 𝑓= 速度 力ー電流 analogy 𝒙 𝒌 力 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 −𝑘2 𝑥1 0 = −𝑓(𝑡) 𝑘2 𝑥1 9 𝑖= 電流 電圧 機械回路の記号解析 その1 電気 0 𝜙ሷ 1 𝐺 + 𝐺2 + 1 𝐶2 𝜙ሷ 2 −𝐺2 𝐶1 0 𝑪 𝝓ሷ 𝑮 −𝐺2 𝜙ሶ 1 𝐵 + 𝐵2 + 1 −𝐵2 𝐺2 𝜙ሶ 2 𝝓ሶ 𝑩 −𝐵2 𝜙1 0 = −𝑖2 (𝑡) 𝐵2 𝜙1 𝝓 𝑰 𝑡 ・・・(4)

10.

1.2 アナロジーから電気回路方程式を導く 復習 𝑪𝝓ሷ + 𝑮𝝓ሶ + 𝑩𝝓 = 𝑰 𝑡 ⚫ (4)式から 0 𝜙ሷ 1 𝐺 + 𝐺2 + 1 𝐶2 𝜙ሷ 2 −𝐺2 𝐶1 0 𝑪 𝝓ሷ −𝐺2 𝜙ሶ 1 𝐵 + 𝐵2 + 1 −𝐵2 𝐺2 𝜙ሶ 2 𝝓ሶ 𝑮 ⚫ 電気回路解析で用いるフェーザ表示 𝐶1 0 𝐺𝑖 = 1Τ𝑅𝑖 𝐵𝑖 = 1Τ𝐿𝑖 0 𝑗𝜔𝑈1 𝐺 + 𝐺2 + 1 𝐶2 𝑗𝜔𝑈2 −𝐺2 −𝐵2 𝜙1 0 = −𝑖2 (𝑡) 𝐵2 𝜙1 𝐵𝐶1 + G1 +G2 +𝐵𝐿1 + 𝐵𝐿2 −G2 − 𝐵𝐿2 Y 𝑰 𝑡 𝜙ሶ 𝑖 = 𝑈𝑖 𝑒 𝑗𝑤𝑡 (磁束Φの微分を電圧uとする) −𝐺2 𝑈1 𝐵 + 𝐵2 + 1 −𝐵2 𝐺2 𝑈2 𝑗𝜔𝐶1 + 𝐺1 + 𝐺2 + 𝐵1 + 𝐵2 Τ𝑗𝜔 −𝐺2 − 𝐵2 Τ𝑗𝜔 𝝓 𝑩 ・・・(4) −𝐵2 𝑈1 Τ𝑗𝜔𝑡 0 = −𝐼2 𝐵2 𝑈2 Τ𝑗𝜔𝑡 −𝐺2 − 𝐵2 Τ𝑗𝜔 𝑈1 0 = 𝐼2 𝑗𝜔𝐶2 + 𝐺2 + 𝐵2 Τ𝑗𝜔 𝑈2 −G2 − 𝐵𝐿2 𝐵𝐶2 + G2 + 𝐵𝐿2 𝑈1 0 = 𝐼2 𝑈2 U I ・・・(9) ・・・(10) ・・・(11) 10

11.

復習 1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る 11 方法論2:変換した電気回路から回路方程式を作る 1. 機械回路から電気回路への変換は簡単です 2. 変換した電気回路から回路方程式を作ります 運動方程式を作らなくても良い と言ってもカップリングなどがあると…検討事項とします 例: 機械回路の記号解析 その1に説明あり 変換手順:(1)→(2)→(3) (1) (2) (3)

12.

復習 1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る 12 方法論1:変換した電気回路から回路方程式を作る 素 子 対応関係 インピーダンス バネ→コイル(インダクタンス) L = 1 Τ𝑘 𝑗𝜔L 質量→容量(キャパシタ) 𝐶=𝑚 1Τ𝑗𝜔𝐶 ダンパ→抵抗 𝑅 = 1Τ𝑑 𝑅 機械回路から電気回路への変換は簡単にできます (機械回路の記号解析 その1) 𝐿1 = 1Τ𝑘1 𝐿2 = 1Τ𝑘2 x1 𝑢2 𝑢1 1 𝑅1 = 1Τ𝑑1 𝐶1 = 𝑚1 2 変換 k1 k2 d1 d2 𝑓(𝑡) 𝑅2 = 1Τ𝑑2 𝐶2 = 𝑚2 𝑖2 (𝑡) m1 x2 m2

13.

復習 1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る 電気回路から回路方程式を作る 𝐿1 𝐿2 node 1,2の電圧をそれぞれu1,u2とする。 このnodeに電流則(KCL)を適用する ✓ nodeに入る電流をプラス ✓ nodeを出る電流をマイナス とする ⚫ node 1での電流則 𝑅1 𝑢1 𝑢2 1 2 𝑅2 𝐶1 𝐶2 𝑖2 (𝑡) − 1Τ𝑅1 + 1Τ𝑗𝜔𝐿1 + 𝑗𝜔𝐶1 𝑢1 + 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢2 − 𝑢1 = 0 1Τ𝑅1 + 1Τ𝑗𝜔𝐿1 + 𝑗𝜔𝐶1 + 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢1 − 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢2 = 0 ⚫ node 2での電流則 13 ・・・(5) − 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢2 − 𝑢1 − 𝑗𝜔𝐶2 𝑢2 + 𝑖2 𝑡 = 0 − 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢1 + 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 + 𝑗𝜔𝐶2 𝑢2 = 𝑖2 𝑡 ・・・(6)

14.

復習 1.3 変換した電気回路から回路方程式を作る 14 ⚫ (5)(6)式をまとめる 1Τ𝑅1 + 1Τ𝑗𝜔𝐿1 + 𝑗𝜔𝐶1 + 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 − 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 𝑢1 − 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 0 = 𝑖2 (𝑡) 1Τ𝑅2 + 1Τ𝑗𝜔𝐿2 + 𝑗𝜔𝐶2 𝑢2 G𝑗 = 1Τ𝑅𝑗 𝐵𝐿𝑗 = 1Τ𝑗𝜔𝐿𝑗 ここでアドミッタンス記号で 表記してみる 𝐵𝐶𝑗 = 𝑗𝜔𝐶𝑗 ・・・(7) (conductance) (susceptance) (susceptance) ⚫ アドミッタンス記号表現 G1 + 𝐵𝐿1 + 𝐵𝐶1 +G2 +𝐵𝐿2 −G2 − 𝐵𝐿2 Y 𝒀𝑼 = 𝑰 −G2 − 𝐵𝐿2 𝑢1 0 = 𝑖2 (𝑡) G2 + 𝐵𝐿2 + 𝐵𝐶2 𝑢2 U 𝑼 = 𝒀−1 𝑰 I ・・・(8)

15.

1.4 復習 電気回路方程式(まとめ) 方法論1と方法論2の結果は同じになる 𝐿1 = 1Τ𝑘1 当たり前だが 𝐿2 = 1Τ𝑘2 𝑢2 𝑢1 1 𝑅1 = 1Τ𝑑1 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 2 𝑅2 = 1Τ𝑑2 𝐶1 = 𝑚1 𝐶2 = 𝑚2 等価な電気回路から 電気回路方程式 G1 + 𝐵𝐿1 + 𝐵𝐶1 +G2 +𝐵𝐿2 −G2 − 𝐵𝐿2 Y 𝒀𝑼 = 𝑰 𝑖2 (𝑡) 𝑪𝝓ሷ + 𝑮𝝓ሶ + 𝑩𝝓 = 𝑰 𝑡 同一 運動方程式から 電気回路方程式 −G2 − 𝐵𝐿2 𝑢1 0 = 𝑖2 (𝑡) G2 + 𝐵𝐿2 + 𝐵𝐶2 𝑢2 U 𝑼 = 𝒀−1 𝑰 I 15

16.

復習 等価な質量-ばね-ダンパ系 k1 x1 k2 d1 d2 m1 x2 16 両者は同じ 𝑓(𝑡) k1 ≡ m2 x1 m1 d1 x2 k2 m2 f(t) d2 1. この両者が“等しい”ことに疑問を感じる方もいるかもしれません。そこで、 この質量、ばね、ダンパ系の速度が等しいことに注目して下さい 2. 質量は剛体で伸縮しないので質量の速度とバネ、ダンパの速度は同じとなり ます。このことを明示的に示したのが左図です 3. 外力fが並列に3つに分れ流れて行きます 4. このことに注目したのが“力ー電流アナロジー”と呼ばれる考え方です 5. また、力-電圧アナロジーの考え方もあります。これは双対性のところで話 しました 機械回路の記号解析 その1

17.

2.回転と並進のCoupling 回転 並進 𝑥𝑏 並進 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑑𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 車の1/2モデル(簡略版) 𝑦𝑑 今回は図のように質量の並進だけでなく 回転が加わったとき、どのようなことに なるか解説します。 並進と回転の 𝑥𝑎 17 Coupling

18.

2.1 回転と並進のCoupling(運動方程式) 𝑥𝑏 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑎 ⚫ Lagrange 方程式 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑡 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 𝑦𝑑 ⚫ Lagrange の関数 T, U, FR 𝐼𝐺 𝑚𝑙2 2 𝑇 = 2 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑏 + 𝑥ሶ 𝑎 + 𝑥ሶ 𝑏 2 8𝑙 8 𝑈= 𝐿 =𝑇−𝑈 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑡 𝜕𝒙ሶ 𝜕𝒙 𝜕𝒙ሶ 𝑥ሷ 𝑎 𝑥ሷ 𝒙ሷ = 𝑏 𝑥ሷ 𝑑 𝑥ሷ 𝑡 𝑥ሶ 𝑎 𝑥ሶ 𝒙ሶ = 𝑏 𝑥ሶ 𝑑 𝑥ሶ 𝑡 𝑥𝑎 𝑥𝑏 𝒙= 𝑥 𝑑 𝑥𝑡 (簡単化のため、重心は中央にあるとした) kinetic energy 1 1 1 1 1 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 − 𝑥𝑑 2 + 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑏 − 𝑥𝑡 2 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 − 𝑦𝑑 2 + 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 − 𝑦𝑡 2 + 𝑚𝑔 𝑥𝑎 + 𝑥𝑏 2 2 2 2 2 𝐹𝑅 = 1 1 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑑 2 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 − 𝑥ሶ 𝑡 2 2 2 18 potential energy Rayleigh dissipation function

19.

2.1 回転と並進のCoupling(運動方程式) ⚫ 運動方程式の導出 19 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑡 𝜕 𝒙ሶ 𝜕𝒙 𝜕𝒙ሶ 𝐶 𝑥ሷ 𝑎 − 𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 − 𝑥𝑑 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑎 + 𝐶 𝑥ሷ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 − 𝑥ሶ 𝑡 + 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑏 − 𝑥𝑡 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 + 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 − 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 = 0 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙2 𝐶= 4𝑙2 𝐼𝐺 − 𝑚𝑙2 𝐶𝑀 = 4𝑙2 −𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑏 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 − 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 = 0 …(a) ⚫ (a) 式を行列形式として表記 𝐶 −𝐶𝑀 0 0 −𝐶𝑀 𝐶 0 0 𝒎 0 0 0 0 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሷ 𝑎 𝑥ሷ 𝑏 0 + 𝑥ሷ 𝑑 −𝑑𝑠𝑑 𝑥ሷ 𝑡 0 0 0 0 0 𝒙ሷ 非対角項の出現 0 𝑑𝑠𝑡 0 −𝑑𝑠𝑡 𝒅 −𝑑𝑠𝑑 0 𝑑𝑠𝑑 0 0 −𝑑𝑠𝑡 0 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 𝑥ሶ 𝑏 0 + 𝑥ሶ 𝑑 −𝑘𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑡 0 𝒙ሶ 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 0 𝑘𝑠𝑡 0 −𝑘𝑠𝑡 −𝑘𝑠𝑑 0 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 0 𝑥𝑎 −𝑚𝑔Τ2 0 𝑥𝑏 −𝑘𝑠𝑡 −𝑚𝑔Τ2 = 𝑥𝑑 0 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 𝒙 𝒌 𝑸𝒂 𝑡 …(b)

20.

2.2 回転と並進のCoupling(非対角項の出現) 20 並進&回転による質量と慣性モーメントのCoupling 𝑥𝑏 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑥𝑎 𝑘𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 k2 d1 d2 𝑓(𝑡) 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 m1 m2 𝑦𝑑 𝑦𝑡 𝐶 −𝐶𝑀 0 0 k1 −𝐶𝑀 𝐶 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 𝒎 非対角項あり 𝑥ሷ 𝑎 𝑥ሷ 𝑏 𝑥ሷ 𝑑 𝑥ሷ 𝑡 𝒙ሷ 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙 2 𝐶= 4𝑙 2 𝐼𝐺 − 𝑚𝑙 2 𝐶𝑀 = 4𝑙 2 𝑚1 0 0 𝑥ሷ 1 𝑚2 𝑥ሷ 2 𝒎 𝒙ሷ 対角項のみ これまで質量mが、回転が発生することでm以外に慣性モーメントIGが現れる この非対角項を電気回路の中でどのように表現?

21.

2.2 回転と並進のCoupling(非対角項の出現) 21 (a)式は、右側振動系と左側振動系に分解すると、下記のようになる 並進xa , xbの大小によって回転が発生する 干渉項 干渉項 −𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑎 + 𝐶 𝑥ሷ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 − 𝑥ሶ 𝑡 +𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑏 − 𝑥𝑡 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑡 −𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑏 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 − 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 = 0 xb, xt座標系 𝑥𝑏 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 𝑦𝑑 左側振動系 右側振動系 𝐶 𝑥ሷ 𝑎 − 𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑏 +𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑑 +𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 − 𝑥𝑑 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 + 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑑 −𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 −𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 = 0 慣性項に現れた非対角項が干渉項になっている coupling xa, xd座標系

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2.3 回転と並進のCoupling(電気回路への変換) 𝑥𝑏 運動方程式から分かるように 回転 並進 並進 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑥𝑎 質量mと慣性モーメントIG の 𝑑𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑠𝑑 車の1/2モデル(簡略版) Couplingが生じます 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 並進と回転によって 電気回路にはどう変換するか? 𝑦𝑑 22

23.

2.3 回転と並進のCoupling(電気回路への変換) 𝑥𝑏 機械回路を電気回路 へ変換するとき 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑘𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑡 として現れる 𝑦𝑑 b a 左側振動系 𝐺𝑠𝑑 𝐶 が現れる 𝐿𝑠𝑑 𝐺𝑠𝑡 𝑖𝑡 (𝑡) m & IG Coupling 𝐿𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 に係る 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 t 並進と回転 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑡 Capacitive Coupling 剛体に対して 𝑥𝑎 𝐶 d 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 右側振動系 23

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2.3 回転と並進のCoupling(電気回路への変換) 干渉項 干渉項 −𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑎 + 𝐶 𝑥ሷ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 − 𝑥ሶ 𝑡 +𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑏 − 𝑥𝑡 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 + 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑡 −𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑏 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 − 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 = 0 等価回路 𝑥𝑏 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑡 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑦𝑡 𝐶 𝑥ሷ 𝑎 − 𝐶𝑀 𝑥ሷ 𝑏 +𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑑 +𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 − 𝑥𝑑 + 1Τ2 𝑚𝑔 = 0 −𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 + 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑑 −𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 −𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 = 0 𝑥𝑗ሷ = 𝑗𝜔𝑈𝑖 b 𝑈𝑡 𝑥𝑎 𝑘𝑠𝑡 t 𝑖𝑡 (𝑡) 𝑙 𝐿𝑠𝑡 𝑈𝑏 𝐿𝑟𝑡 24 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 𝐶 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 d 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡)

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2.4 回転と並進のCoupling(フェーザ表示) 25 ⚫ フェーザ表示(Phasor Representation) フェーザ表示とは、交流(AC)回路で時間的に変化する正弦波を、複素数(ベクトル)で表 す方法です。これにより、微分や積分を行わずに、簡単に電圧や電流の関係を解析できます。 ① 力-電流analogy:速度は電圧に対応するため、x, y の微分を電圧に対応させて フェーザ表示します ② すると、それらの微分積分は次の様になります 𝑥𝑗ሶ = 𝑈𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑥𝑗ሷ = 𝑗𝜔𝑈𝑖 ( 省略: 𝑒 𝑗𝜔𝑡 ) 𝑥ሶ 𝑎 𝑈𝑎 𝑥ሶ 𝑏 𝑈 = 𝑏 𝑈𝑑 𝑥ሶ 𝑑 𝑈𝑡 𝑥ሶ 𝑡 𝑥𝑗 = 𝑈𝑖 Τ𝑗𝜔 𝑦𝑗 = 𝑉𝑖 Τ𝑗𝜔 ③ すなわち、各変数は電気回路に変化した場合の各点の電圧として 次の様に変換されることになります 𝑥ሷ 𝑎 𝑗𝜔𝑈𝑎 𝑗𝜔𝑈𝑏 𝑥ሷ 𝑏 = 𝑗𝜔𝑈𝑑 𝑥ሷ 𝑑 𝑗𝜔𝑈𝑡 𝑥ሷ 𝑡 𝑥𝑗ሶ = 𝑈𝑖 𝑦ሶ𝑗 = 𝑉𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑈𝑎 Τ𝑗𝜔 𝑥𝑎 𝑥𝑏 𝑈𝑏 Τ𝑗𝜔 = 𝑥𝑑 𝑈𝑑 Τ𝑗𝜔 𝑥𝑡 𝑈𝑡 Τ𝑗𝜔

26.

2.4 回転と並進のCoupling(フェーザ表示) 26 この運動方程式をフェーザ表示を使用して、周波数領域に移します 𝐶 −𝐶𝑀 0 0 −𝐶𝑀 𝐶 0 0 0 0 0 0 𝑑𝑠𝑑 𝑗𝜔𝑈𝑎 𝑗𝜔𝑈𝑏 0 + 𝑗𝜔𝑈𝑑 −𝑑𝑠𝑑 𝑗𝜔𝑈𝑡 0 −𝑚𝑔Τ2 −𝑚𝑔Τ2 = 𝑘𝑟𝑑 𝑉𝑑 Τ𝑗𝜔 𝑘𝑟𝑡 𝑉𝑡 Τ𝑗𝜔 0 0 0 0 0 𝑑𝑠𝑡 0 −𝑑𝑠𝑡 −𝑑𝑠𝑑 0 𝑑𝑠𝑑 0 0 −𝑑𝑠𝑡 0 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑈𝑎 𝑈𝑏 0 + 𝑈𝑑 −𝑘𝑠𝑑 𝑈𝑡 0 0 𝑘𝑠𝑡 0 −𝑘𝑠𝑡 −𝑘𝑠𝑑 0 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 0 𝐼𝑑 = 𝑘𝑟𝑑 𝑉𝑑 Τ𝑗𝜔 𝐼𝑡 = 𝑘𝑟𝑡 𝑉𝑡 Τ𝑗𝜔 0 −𝑘𝑠𝑡 0 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝑈𝑎 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑏 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑑 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑡 Τ𝑗𝜔 重力項(mg/2)はオフセット となるため省略 (直流成分CUT) よって上式は次の様になります 𝑗𝜔𝐶 + 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑗𝜔𝐶 + 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 Τ𝑗𝜔 0 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡 …(c)

27.

2.5 回転と並進のCoupling(アドミッタンス行列) 27 電気回路への変換(アドミッタンス表記へ) アドミッタンス表記 (←インピーダンスの逆数) 𝑌11 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑌22 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌33 0 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 0 𝑌44 …(c) 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡 …(d) 𝑌11 = 𝑗𝜔𝐶 + 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑑 = 𝐺𝑠𝑑 𝑘𝑠𝑑 = 1Τ𝐿𝑠𝑑 𝐼𝑑 = 𝑉𝑑 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 𝑌22 = 𝑗𝜔𝐶 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑡 = 𝐺𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑡 = 1Τ𝐿𝑠𝑡 𝐼𝑡 = 𝑉𝑡 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑌33 = 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 (𝐺𝑖 = 1Τ𝑅𝑖 ) 𝑘𝑟𝑑 = 1Τ𝐿𝑟𝑑 𝑌44 = 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑡 = 1Τ𝐿𝑟𝑡

28.

2.5 回転と並進のCoupling(等価回路) 28 並進&回転による質量と慣性のCouplingの電気回路の中での表現 Coupling 𝐿𝑠𝑡 t b 𝐿𝑠𝑑 a d 𝑈𝑏 𝑈𝑎 𝑈𝑡 𝐿𝑟𝑡 𝑈𝑑 𝐺𝑠𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 :極性 𝐶 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑡 (𝑡) 𝑖𝑑 (𝑡) 等価回路 𝐿𝑠𝑡 t b 𝑈𝑡 𝑈𝑏 𝐿𝑟𝑡 𝑖𝑡 (𝑡) Ubからの coupling項 Uaからの coupling項 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 𝐶 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 この様な等価回路となる d 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 次頁で検証する

29.

回転と並進のCoupling(等価回路) 等価であることの検証 1/2 ✓ nodeに入る電流をプラス ✓ nodeを出る電流をマイナス 𝐿𝑠𝑑 a 𝐺𝑠𝑑 𝐶 :極性 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 d 29 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 1. 右側電気回路のKCL方程式 ⚫ a点でのKCL ⚫ d点でのKCL − 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 U𝑎 −U𝑑 − 𝑗𝜔𝐶 𝑈𝑎 + 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 = 0 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 − 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 + 𝑗𝜔𝐶 U𝑎 + 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 U𝑑 = 0 𝑌11 U𝑎 − 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑑 = 0 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 …(a) U𝑎 −U𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 U𝑡 + 𝑖𝑡 = 0 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 U𝑎 − 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 U𝑑 = 𝑖𝑑 − 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 U𝑎 + 𝑌33 U𝑑 = 𝑖𝑑 …(b)

30.

回転と並進のCoupling(等価回路) 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 b 等価であることの検証 2/2 :極性 ✓ nodeに入る電流をプラス ✓ nodeを出る電流をマイナス 𝑈𝑏 𝐿𝑟𝑡 𝐺𝑠𝑡 𝐶 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑖𝑡 (𝑡) ⚫ b点でのKCL ⚫ t点でのKCL 30 2. 左側電気回路のKCL方程式 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑡 −U𝑏 − 𝑗𝜔𝐶 𝑈𝑏 + 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 = 0 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 + 𝑗𝜔𝐶 U𝑏 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑡 = 0 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 − 𝑌22 U𝑏 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑡 = 0 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 …(c) U𝑡 −U𝑏 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑡 + 𝑖𝑡 = 0 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑏 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 U𝑡 = 𝑖𝑡 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑏 + 𝑌44 U𝑡 = 𝑖𝑡 …(d)

31.

回転と並進のCoupling(等価回路) 31 U𝑑 = 0 …(a) − 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 U𝑎 + 𝑌33 U𝑑 = 𝑖𝑑 …(b) 𝑌11 U𝑎 − 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑡 = 0 …(c) − 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 U𝑏 + 𝑌44 U𝑡 = 𝑖𝑡 …(d) 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 − 𝑌22 U𝑏 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 同じとなる 運動方程式から導いた電気回路 𝑌11 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑌22 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌33 0 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 0 𝑌44 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡

32.

2.5 回転と並進のCoupling(電気回路)(まとめ) 等価回路 Coupling 𝐿𝑠𝑡 t b 𝐿𝑠𝑑 a 𝐿𝑟𝑡 𝑈𝑑 𝐺𝑠𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 :極性 d 𝑈𝑏 𝑈𝑎 𝑈𝑡 32 𝐶 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑡 (𝑡) 𝑖𝑑 (𝑡) 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 b 𝑈𝑏 等価 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑑 𝐶 𝑖𝑡 (𝑡) 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 d 𝐶 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 アドミッタンス 𝑌11 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑌22 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 電圧 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌33 0 0 −𝐺𝑠𝑡 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 0 𝑌44 電流 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡

33.

回転と並進のCoupling(電気回路) 𝐿𝑠𝑡 t b 𝑈𝑡 𝐿𝑠𝑑 a 𝑈𝑏 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 𝑖𝑡 (𝑡) d 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 33 𝐿𝑟𝑑 𝐶 𝑖𝑑 (𝑡) 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 等価 Coupling部分を等価回路で変換 極性の議論 CM>0で進めている トランスを介しての磁気結合だと お馴染みですね 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 𝑈𝑏 𝐿𝑟𝑡 𝑖𝑡 (𝑡) b 𝐺𝑠𝑡 𝐶 − 𝐶𝑀 𝐿𝑠𝑑 a 𝐶𝑀 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑑 𝐶 − 𝐶𝑀 d 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡)

34.

2.5 回転と並進のCoupling(等価回路) 34 機械 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑙 𝑙 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑡 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙2 𝐶= 4𝑙2 𝑑𝑠𝑑 = 𝐺𝑠𝑑 𝑘𝑠𝑡 = 1Τ𝐿𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑡 = 𝐺𝑠𝑡 𝑥𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝐼𝐺 − 𝑚𝑙2 𝐶𝑀 = 4𝑙2 𝑘𝑠𝑑 = 1Τ𝐿𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑑 = 1Τ𝐿𝑟𝑑 外力 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑦𝑡 −𝑚𝑔Τ2 −𝑚𝑔Τ2 𝑸 𝑡 = 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 𝑘𝑟𝑡 = 1Τ𝐿𝑟𝑡 𝑦𝑗ሶ = V𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝐼𝑑 = 𝑉𝑑 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 𝐼𝑡 = 𝑉𝑡 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 重力項(mg)はオフセットとなるため省略(電気回路ではDC成分) 電気 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 𝑈𝑏 𝐿𝑟𝑡 𝑖𝑡 (𝑡) b 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐺𝑠𝑑 𝐶 𝐶 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 d 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) (注:力-電圧analogyならば、質量mはコイルに対応して、カップリングはトランスを介しての磁気結合になるはず)

35.

3. 自動車モデル 自動車のモデル化で、より実際に 近いものにしてみます ⚫ ばね下質量をモデルに追加しました ⚫ また重心の位置を可変にしました Model化 位置変化 𝑙𝑡 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 mst 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑑 msd 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 これが 増えた 𝑦𝑑 35

36.

3.1 𝑙𝑡 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 自動車モデル(運動方程式) 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 mst 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑑 msd 𝑘𝑟𝑡 ⚫ Lagrange 方程式 𝑥𝑎 𝐿 =𝑇−𝑈 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑡 𝜕𝒙ሶ 𝜕𝒙 𝜕𝒙ሶ 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 36 前モデルとの相違 𝑦𝑑 ① ばね下質量を追加 ② 重心位置が可変 ⚫ Lagrange の関数 T, U, FR 𝑚𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑑2 𝑚𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑡2 𝐼𝐺 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑏 2 𝑚 𝑙𝑑 𝑥ሶ 𝑏 + 𝑙𝑡 𝑥ሶ 𝑎 2 𝑇= + + + 2 2 2𝑙2 2𝑙2 kinetic energy 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 − 𝑥𝑑 2 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑏 − 𝑥𝑡 2 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 − 𝑦𝑑 2 𝑘𝑟𝑡 𝑥𝑡 − 𝑦𝑡 2 𝑈= + + + 2 2 2 2 𝑚𝑔 𝑙𝑑 𝑥𝑏 + 𝑙𝑡 𝑥𝑎 + + 𝑔𝑚𝑠𝑑 𝑥𝑑 + 𝑔𝑚𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑙 𝑑𝑠𝑑 𝑥ሶ 𝑎 − 𝑥ሶ 𝑑 2 𝑑𝑠𝑡 𝑥ሶ 𝑏 − 𝑥ሶ 𝑡 2 𝐹𝑅 = + Rayleigh dissipation function 2 2 potential energy 𝑙= 𝑙𝑑 + 𝑙𝑡

37.

3.1 自動車モデル(運動方程式) 𝑑 𝜕𝐿 𝜕𝐿 𝜕𝐹𝑅 − + = 𝑸𝒂 𝑡 𝑑𝑡 𝜕 𝒙ሶ 𝜕𝒙 𝜕𝒙ሶ ⚫ 運動方程式の導出 𝐶𝐴 −𝐶𝑀 𝒎= 0 0 −𝐶𝑀 𝐶𝐵 0 0 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑡 2 𝐶𝐴 = 𝑙2 𝑘𝑠𝑑 0 𝒌= −𝑘𝑠𝑑 0 0 𝑘𝑠𝑡 0 −𝑘𝑠𝑡 37 0 0 𝑚𝑠𝑑 0 0 0 0 𝑚𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑑 0 𝒅= −𝑑𝑠𝑑 0 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑑 2 𝐶𝐵 = 𝑙2 −𝑘𝑠𝑑 0 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 0 0 −𝑘𝑠𝑡 0 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 𝐶𝑀 = 0 𝑑𝑠𝑡 0 −𝑑𝑠𝑡 −𝑑𝑠𝑑 0 𝑑𝑠𝑑 0 0 −𝑑𝑠𝑡 0 𝑑𝑠𝑡 𝐼𝐺 − 𝑙𝑑 𝑙𝑡 𝑚 𝑙2 0 − 𝑚𝑔𝑙𝑡 Τ𝑙 0 − 𝑚𝑔𝑙𝑑 Τ𝑙 𝑸 𝑡 = + 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 −𝑔𝑚𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 −𝑔𝑚𝑠𝑡 𝑥ሷ 𝑎 𝑥ሷ 𝒙ሷ = 𝑏 𝑥ሷ 𝑑 𝑥ሷ 𝑡 𝑥ሶ 𝑎 𝑥ሶ 𝒙ሶ = 𝑏 𝑥ሶ 𝑑 𝑥ሶ 𝑡 𝑥𝑎 𝑥𝑏 𝒙= 𝑥 𝑑 𝑥𝑡 𝑙= 𝑙𝑑 + 𝑙𝑡

38.

3.2 自動車モデル(電気回路変換) 38 𝒎𝒙ሷ + 𝒅𝒙ሶ + 𝒌𝒙 = 𝑸𝒂 𝑡 この運動方程式は、電気回路に置換えるときに、フェーザ表示を使用する ことにより、周波数領域に移すことができる ⚫ フェーザ表示 𝑥𝑗ሶ = U𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑥ሷ 𝑎 𝑗𝜔𝑈𝑎 𝑗𝜔𝑈𝑏 𝑥ሷ 𝑏 = 𝑗𝜔𝑈𝑑 𝑥ሷ 𝑑 𝑗𝜔𝑈𝑡 𝑥ሷ 𝑡 𝑦ሶ𝑗 = V𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑥ሶ 𝑎 𝑈𝑎 𝑥ሶ 𝑏 𝑈 = 𝑏 𝑈𝑑 𝑥ሶ 𝑑 𝑈𝑡 𝑥ሶ 𝑡 𝑈𝑎 Τ𝑗𝜔 𝑥𝑎 𝑥𝑏 𝑈𝑏 Τ𝑗𝜔 = 𝑥𝑑 𝑈𝑑 Τ𝑗𝜔 𝑥𝑡 𝑈𝑡 Τ𝑗𝜔 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑗𝜔𝐶𝐵 + 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 Τ𝑗𝜔 0 直流成分CUT 重力項(mg)はオフセットとなるため省略 𝐼𝑑 = 𝑘𝑟𝑑 𝑉𝑑 Τ𝑗𝜔 𝐼𝑡 = 𝑘𝑟𝑡 𝑉𝑡 Τ𝑗𝜔 よって上式は次の様になる 𝑗𝜔𝐶𝐴 + 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡

39.

3.2 自動車モデル(電気回路変換) 39 電気回路への変換(アドミッタンス表記へ) 𝑗𝜔𝐶𝐴 + 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑗𝜔𝐶𝐵 + 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 −𝑑𝑠𝑑 − 𝑘𝑠𝑑 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑑 + 𝑘𝑠𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 Τ𝑗𝜔 0 0 −𝑑𝑠𝑡 − 𝑘𝑠𝑡 Τ𝑗𝜔 0 𝑑𝑠𝑡 + 𝑘𝑠𝑡 + 𝑘𝑟𝑡 Τ𝑗𝜔 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡 アドミッタンス表記 𝑌11 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑌22 0 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌33 0 0 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌44 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡 𝑌11 = 𝑗𝜔𝐶𝐴 + 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑑 = 𝐺𝑠𝑑 𝑘𝑠𝑑 = 1Τ𝐿𝑠𝑑 𝐼𝑑 = 𝑉𝑑 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 𝑌22 = 𝑗𝜔𝐶𝐵 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑡 = 𝐺𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑡 = 1Τ𝐿𝑠𝑡 𝐼𝑡 = 𝑉𝑡 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑌33 = 𝑗𝜔𝐶𝑚𝑠𝑑 + 𝐺𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 (𝐺𝑖 = 1Τ𝑅𝑖 ) 𝑘𝑟𝑑 = 1Τ𝐿𝑟𝑑 𝑌44 = 𝑗𝜔𝐶𝑚𝑠𝑡 + 𝐺𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑡 + 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑡 = 1Τ𝐿𝑟𝑡

40.

3.2 自動車モデル(電気回路変換) 等価回路 Coupling 𝐿𝑠𝑡 t b a 𝑈𝑏 𝑈𝑎 𝑈𝑡 𝐿𝑟𝑡 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 𝐶𝐵 𝑈𝑑 𝐶𝐴 等価 b 𝑈𝑏 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑡 (𝑡) 𝐶𝑚𝑠𝑡 𝐶𝑚𝑠𝑑 𝐿𝑠𝑑 a 𝑖𝑑 (𝑡) d 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 :極性 d 𝐺𝑠𝑑 𝐶𝑚𝑠𝑡 𝑖𝑡 (𝑡) 𝐿𝑠𝑑 𝐺𝑠𝑑 𝐶𝐵 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 𝐶A 𝐿𝑟𝑑 アドミッタンス 𝑌11 −𝑗𝜔𝐶𝑀 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 40 −𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑌22 0 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 𝐶𝑚𝑠𝑑 電圧 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌33 0 0 −𝐺𝑠𝑑 − 1Τ 𝑗𝜔𝐿𝑠𝑑 0 𝑌44 𝑖𝑑 (𝑡) 電流 𝑈𝑎 0 𝑈𝑏 0 = 𝐼𝑑 𝑈𝑑 𝐼𝑡 𝑈𝑡

41.

3.2 結果 自動車モデル(電気回路変換) 機械 𝑙𝑡 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 mst 𝑥𝑑 msd 𝑘𝑟𝑡 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑡 2 𝐶𝐴 = 𝑙2 𝑑𝑠𝑑 = 𝐺𝑠𝑑 41 𝐼𝐺 − 𝑙𝑑 𝑙𝑡 𝑚 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑑 2 𝐶 = 𝑀 𝐶𝐵 = 𝑙2 𝑙2 𝑘𝑠𝑑 = 1Τ𝐿𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑑 = 1Τ𝐿𝑟𝑑 𝑘𝑠𝑡 = 1Τ𝐿𝑠𝑡 𝑑𝑠𝑡 = 𝐺𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 = 1Τ𝐿𝑟𝑡 外力 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑦𝑡 − 𝑚𝑔𝑙𝑡 Τ𝑙 0 𝑦ሶ𝑗 = V𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 0 − 𝑚𝑔𝑙𝑑 Τ𝑙 𝑸 𝑡 = + 𝑘 𝑦 −𝑔𝑚𝑠𝑑 𝑟𝑑 𝑑 𝐼𝑡 = 𝑉𝑡 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 𝐼𝑑 = 𝑉𝑑 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 −𝑔𝑚𝑠𝑡 重力項 重力項はオフセットとなるため省略(電気回路ではDC成分) 電気 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 b 𝑈𝑏 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑖𝑡 (𝑡) 𝐶𝑚𝑠𝑡 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 d 𝐺𝑠𝑑 𝐶𝐵 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 𝐶A 𝐿𝑟𝑑 𝐶𝑚𝑠𝑑 𝑖𝑑 (𝑡)

42.

4. パラメータのスケーリング 42 ここまでの解析で、 1/2自動車モデルができたのでLTspiceでのシミュレーションを行ってみました。 ところが、LTspiceのシミュレーションでおかしな結果がでました! 例えば、STEP応答が時間的に発散していくのです。

43.

4.1 Ltspice実行での問題点(例示) 43 20V 変位が20m! 明らかにおかしい 変位X2 変位X1 (例は1/4モデル) 1V→1m ms = 270 kg mu = 45 kg ks = 30000 N/m ds = 2500 Ns/m kt = 150000 N/m 10kA 入力(I(B4)) TOYOTA Corolla (quarter_car-model) 1A→1N 変位がSTEP応答にならない。変位が増大し 3秒後に”20m”とは明らかにおかしい 3s

44.

4.1 Ltspice実行での問題点 問題点が発生したので次の様にして解決を図りました 1. 簡単な1/4モデルをつくり、確認を行っていくことにしました 2. このため、Pythonで運動方程式を作り、その結果とLTspiceの値を比べました 3. その結果、パラメータのスケーリングが必要との結論になりました STEP1: 1/4 Car_model STEP2: 1/2 Car_model Analog Computerではスケーリングが重要だと解説しました。しかし、 Digital計算であるLtspiceでスケーリングが必要だとは思いもよりませんでした。 44

45.

4.2 パラメータのスケーリングとはなにか まずはじめに パラメータのスケーリング の話しをします 問題点 LTspiceでのシミュレーション 結果がおかしい!? 原因の追究 45

46.

4.2 パラメータのスケーリング 仮説:LTspiceでは、 C,L,Rの数値が”大きすぎる/小さすぎる” と計算誤差が発生する! Ltspiceでは、電気回路のシミュレーションを行うために開発されたtoolです。この ため、実行プロセスでは、ステップ刻み、収束条件など、電子回路の素子パラメータ に合わせて設定されているはずです。 そのため、今回のような機械系のパラメータを使う場合には注意が必要と思います。 その影響を少なくするため scaling factorを用います 46

47.

4.2 パラメータのスケーリング パラメータ (m,d,k) のスケーリングを行っても方程式の本質は変わらない 例:1/4 Car_model の運動方程式に ”sf” を乗ずる 1/4 Car model 𝑚𝑠 𝑥ሷ 1 + 𝑑𝑠 𝑥ሶ 1 − 𝑥ሶ 2 + 𝑘𝑠 𝑥1 − 𝑥2 + 𝑚𝑠 𝑔 ∗ 𝑠𝑓 = 0 𝑚𝑢 𝑥ሷ 2 − 𝑑𝑠 𝑥ሶ 1 + 𝑑𝑠 𝑥ሶ 2 − 𝑘𝑠 𝑥1 + 𝑘𝑠 + 𝑘𝑡 𝑥2 + 𝑚𝑢 𝑔 − 𝑘𝑡 𝑦 ∗ 𝑠𝑓 = 0 𝑠𝑓: 𝑠𝑐𝑎𝑙𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑎𝑐𝑡𝑜𝑟 ⚫ パラメータのスケーリング 𝑚𝑠 ⇒ 𝑚𝑠 ∗ 𝑠𝑓 𝑚𝑢 ⇒ 𝑚𝑢 ∗ 𝑠𝑓 𝑘𝑠 ⇒ 𝑘𝑠 ∗ 𝑠𝑓 𝑘𝑡 ⇒ 𝑘𝑡 ∗ 𝑠𝑓 𝑑𝑠 ⇒ 𝑑𝑠 ∗ 𝑠𝑓 1. 変数 「x(t), y(t)」に関係する、変位、速度、加速度な どには影響なし 2. ただし、”kx”などスケーリング項目(この場合は力) を使うときには、1/sfを乗じて変換する必要がある 47

48.

1/4モデル(運動方程式) 48 1/4モデルの運動方程式を示します 𝑚𝑠 𝑥ሷ 1 + 𝑑𝑠 𝑥ሶ 1 − 𝑥ሶ 2 + 𝑘𝑠 𝑥1 − 𝑥2 = −𝑚𝑠 𝑔 𝑚𝑢 𝑥ሷ 2 − 𝑑𝑠 𝑥ሶ 1 + 𝑑𝑠 𝑥ሶ 2 − 𝑘𝑠 𝑥1 + 𝑘𝑠 + 𝑘𝑡 𝑥2 = −𝑚𝑢 𝑔 + 𝑘𝑡 𝑦 𝑚𝑠 0 𝒎 ⚫ フェーザ表示 0 𝑥ሷ 1 𝑑𝑠 + 𝑚𝑢 𝑥ሷ 2 −𝑑𝑠 𝒙ሷ 𝒅 𝑥𝑗ሶ = U𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 𝑗𝜔𝑚𝑠 + 𝑑𝑠 + 𝑘𝑠 Τ𝑗𝜔 𝑑𝑠 + 𝑘𝑠 Τ𝑗𝜔 −𝑑𝑠 𝑥ሶ 1 𝑘𝑠 + 𝑑𝑠 𝑥ሶ 2 −𝑘𝑠 𝒙ሶ −𝑚𝑠 𝑔 𝑥1 −𝑘𝑠 = −𝑚 𝑔 +𝑘 𝑦 𝑘𝑠 + 𝑘𝑡 𝑥2 𝑢 𝑡 𝒌 𝒙 𝑸𝒂 𝑡 𝑦𝑗ሶ = V𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 −𝑑𝑠 − 𝑘𝑠 Τ𝑗𝜔 𝑗𝜔𝑚𝑢 + 𝑑𝑠 + 𝑘𝑠 + 𝑘𝑡 Τ𝑗𝜔 −𝑚𝑠 𝑔 𝑈1 = −𝑚 𝑔 +𝑘 𝑦 𝑈2 𝑢 𝑡

49.

1/4モデル(モデルパラメータ) 𝑥1 𝑚𝑠 𝐿𝑠 model 𝑈1 1 𝑈2 𝑑𝑠 𝑘𝑠 𝑥2 𝐶𝑠 𝑘𝑡 𝑦 𝑘𝑡 = 150000 𝑁Τ𝑚 𝑚𝑢 = 45 [𝑘𝑔] (chatGPT推定値) STEP応答 0.05m 𝐶𝑢 𝐿𝑡 𝜆 TOYOTA corolla quarter-model 𝑑𝑠 = 2500 𝑁𝑠Τ𝑚 𝑚𝑠 = 270 [𝑘𝑔] 2 𝑅𝑠 mu 𝑘𝑠 = 30000 𝑁Τ𝑚 49 L𝑠 = 1Τ𝑘𝑠 L𝑡 = 1Τ𝑘𝑡 𝑅𝑠 = 1Τ𝑑𝑠 𝐶𝑠 = 𝑚𝑠 𝐶𝑢 = 𝑚𝑢 正弦波凹凸の場合 𝑦 = 𝑉𝑑 sin 2𝜋𝑣 Τ𝜆 [𝑚] 𝑣 :速度 [m/s] 𝑉𝑑 = 0.05 𝑚 𝜆=2 𝑚 𝑖𝑑 (𝑡)

50.

4.3 scaling factorを用いたLTspice実行 50 Ltspiceを用いてのシミュレーション(STEP応答結果) 8mA 2V TOYOTA corolla quarter-model 入力(I(B4)) 速度(U1) 1V→1m/s 速度(U2) 1mA→1kN 80mV 変位X1 50mV 変位X2 idt:積分 50mV→0.05m Pythonでの計算結果と一致 3s 変位Xjは積分のため電圧でも速度ではない。 今回50mVは変位0.05mに対応している。 𝑠𝑐𝑎𝑙𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑎𝑐𝑡𝑜𝑟 = 10−6

51.

sf=10-3 sf=1 x1,x2の値が 増加する x1,x2の値が 異常 sf値とSTEP応答の結果 sf=10-4 x1,x2の値が 増加する sf=10-6 x1,x2の値が 一定となる 51

52.

4.3 scaling factorを用いたLTspice実行 STEP入力 𝑠𝑓: 𝑠𝑐𝑎𝑙𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑎𝑐𝑡𝑜𝑟 52

53.

4.4 𝑥1 𝑥2 53 pythonを用いてSTEP応答を求めてみました。 𝑚𝑠 1. 1/4車両モデルによるSTEP応答 重力項なしモデル 𝑑𝑠 𝑘𝑠 Pythonによる検証 mu 𝑘𝑡 𝑦 𝜆 2. 1/4車両モデルによるSTEP応答 重力項を入れたモデル TOYOTA Corolla (quarter_car-model )のパラメータ をそのまま利用してpythonを実行しました

54.

4.4 𝑥1 Pythonによる検証 (重力項無し) パラメータ設定(トヨタ・カローラ1/4想定) 𝑚𝑠 # 路面入力(ステップ入力:5cmの段差) 𝑥2 𝑑𝑠 𝑘𝑠 mu 𝑘𝑡 𝑦 𝜆 m_s = 270 # kg m_u = 45 # kg k_s = 30000 # N/m c_s = 2500 # Ns/m k_t = 150000 # N/m (chatGPT推定値) Python 54

55.
[beta]
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.font_manager as fm
import matplotlib
from scipy.integrate import solve_ivp

# フォントパスを明示(Windows)
jp_font = fm.FontProperties(fname="C:/Windows/Fonts/msgothic.ttc")

# matplotlib 全体のデフォルトフォントに設定
matplotlib.rcParams['font.family'] = jp_font.get_name()
# パラメータ設定(トヨタ・カローラ1/4想定)
m_s = 270
# kg スプリング上質量
m_u = 45
# kg スプリング下質量
k_s = 30000
# N/m サスペンションバネ定数
c_s = 2500
# Ns/m サスペンション減衰係数
k_t = 150000 # N/m タイヤバネ定数(剛性)
#z_s(t):車体の上下位置
#z_u(t):タイヤ・サスペンション質量の上下位置
#z_r(t):路面高さ(外部入力)

# 路面入力(ステップ入力)
def z_r(t):
return 0.05 if t > 1 else 0

return [dz_s, dz_u, ddz_s, ddz_u]
# 初期条件 [z_s, z_u, dz_s, dz_u]
y0 = [0, 0, 0, 0]
# 時間範囲
t_span = (0, 5)
t_eval = np.linspace(*t_span, 1000)
# 数値解法
sol = solve_ivp(quarter_car, t_span, y0, t_eval=t_eval)
# プロット
plt.plot(sol.t, sol.y[0], label='車体 z_s')
plt.plot(sol.t, sol.y[1], label='タイヤ z_u')
plt.plot(sol.t, [z_r(t) for t in sol.t], label='路面 z_r',
linestyle='--')
plt.xlabel('時間 [s]')
plt.ylabel('変位 [m]')
plt.legend()
plt.title('1/4車両モデルによる上下振動シミュレーション')
plt.grid(True)
plt.show()

# 5cmの段差

# 状態方程式
def quarter_car(t, y):
z_s, z_u, dz_s, dz_u = y
dz_r = 0 # z_r(t)は定数 or 不連続入力とする
zr = z_r(t)
ddz_s = (-k_s * (z_s - z_u) - c_s * (dz_s - dz_u)) / m_s
ddz_u = (k_s * (z_s - z_u) + c_s * (dz_s - dz_u) - k_t *
(z_u - zr)) / m_u

Python Program
copy&paste可能

55

56.

4.4 𝑥1 Pythonによる検証 (重力項あり) パラメータ設定(トヨタ・カローラ1/4想定) 𝑚𝑠 # 路面入力(ステップ入力:5cmの段差) 𝑥2 𝑑𝑠 𝑘𝑠 mu 𝑘𝑡 𝑦 𝜆 m_s = 270 # kg m_u = 45 # kg k_s = 30000 # N/m c_s = 2500 # Ns/m k_t = 150000 # N/m (chatGPT推定値) Python 重力g: 0→9.81へ変化する ときの振動 (Ltspiceではg=9.81から開始) 56

57.
[beta]
import numpy as np

dz_s0 = 0

import matplotlib.pyplot as plt

dz_u0 = 0

from scipy.integrate import solve_ivp

y0 = [z_s0, z_u0, dz_s0, dz_u0]

import matplotlib.font_manager as fm
import matplotlib

# --- 時間設定 --t_span = (0, 10)

# --- フォント設定(Windows用) ---

t_eval = np.linspace(*t_span, 1000)

jp_font = fm.FontProperties(fname="C:/Windows/Fonts/msgothic.ttc")
matplotlib.rcParams['font.family'] = jp_font.get_name()

# --- 数値解 --sol = solve_ivp(quarter_car_with_gravity, t_span, y0, t_eval=t_eval)

# --- パラメータ設定 --m_s = 270

# スプリング上質量 [kg]

# --- プロット ---

m_u = 45

# スプリング下質量 [kg]

plt.plot(sol.t, sol.y[0], label='車体 z_s')

k_s = 30000 # サスバネ定数 [N/m]

plt.plot(sol.t, sol.y[1], label='タイヤ z_u')

c_s = 2500 # 減衰係数 [Ns/m]

plt.plot(sol.t, [z_r(t) for t in sol.t], label='路面 z_r', linestyle='--')

k_t = 150000 # タイヤ剛性 [N/m]

plt.xlabel('時間 [s]')

g = 9.81

plt.ylabel('絶対変位 [m]')

# 重力加速度 [m/s^2]

plt.title('重力込みの1/4車両モデルによる絶対変位応答')
# --- 路面変位(5cm段差) ---

plt.legend()

def z_r(t):

plt.grid(True)

return 0.05 if t > 3 else 0.0

plt.show()

# --- 運動方程式(絶対変位系 + 重力含む) --def quarter_car_with_gravity(t, y):
z_s, z_u, dz_s, dz_u = y
zr = z_r(t)
ddz_s = (-k_s * (z_s - z_u) - c_s * (dz_s - dz_u) - m_s * g) / m_s

Python Program

ddz_u = (k_s * (z_s - z_u) + c_s * (dz_s - dz_u) - k_t * (z_u - zr) - m_u * g) / m_u
return [dz_s, dz_u, ddz_s, ddz_u]

copy&paste可能

# --- 初期条件(静的変位を使う) ---

z_s0 = m_s * g / k_s

# 車体の静的沈み込み

z_u0 = (m_s * g + m_u * g) / k_t # タイヤの静的沈み込み(ざっくり)

57

58.

5. 自動車シミュレーション(1/2モデル ) 𝑙𝑡 𝑥𝑏 FRONT 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 mst 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑑 msd 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑑 前輪 𝑦𝑡 REAR 後輪 𝑦𝑑 REAR FRONT トヨタ・カローラ:1/2モデルの パラメータ(推定値)を用いて シミュレーションしてみます 58

59.

5.1 トヨタ・カローラ1/2モデルのパラメータ 𝑙𝑡 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 前 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 mst 名称 記号 値 単位 車体質量 m 1300 [kg] ピッチ慣性モーメント 𝑑𝑠𝑑 Ig 2000 [kg·m²] 重心から前軸までの距離 lt 1.2 [m] 𝑥𝑑 重心から後軸までの距離 ld 1.44 [m] ホイールベース長 l 2.64 [m] ばね下質量(フロント) mst 50 [kg] ばね下質量(リア) msd 56 [kg] フロントバネ kst 30000 [N/m] フロントダンパー dst 2500 [Ns/m] リアバネ ksd 25000 [N/m] リアダンパー dsd 2000 [Ns/m] タイヤ剛性 krt,krd 150000 [Ns/m] CA 555.6 [kg] CB 673.7 [kg] CM -35.35 [kg] 𝑥𝑎 msd 𝑘𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑡 v: velocity 道路の凹凸:Y 2𝜋𝑣𝑡 𝑦𝑑 = 𝑌𝑠𝑖𝑛( ) 𝜆 2𝜋𝑣𝑡 𝑦𝑡 = 𝑌𝑠𝑖𝑛( − 𝜙𝑡 ) 𝜆 2𝜋𝑙 𝜙𝑡 = 𝑙= 𝑙𝑑 + 𝑙𝑡 𝜆 59 後 𝑦𝑑 トヨタ・カローラ:1/2モデルのパラメータ(chatGPT推定値)

60.

5.1 機械モデルと電気モデルのパラメータの対応 機械 60 機械モデルと電気モデルのパラメータの対応 𝑙𝑡 𝑥𝑏 𝑘𝑠𝑡 𝑥𝑡 𝑙𝑑 𝑚 𝐼𝐺 𝑑𝑠𝑡 𝑘𝑠𝑑 mst 𝑥𝑎 𝑑𝑠𝑑 𝑥𝑑 msd 𝑘𝑟𝑡 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑡 2 𝐶𝐴 = 𝑙2 𝑑𝑠𝑑 = 𝐺𝑠𝑑 𝑑𝑠𝑡 = 𝐺𝑠𝑡 𝐼𝐺 − 𝑙𝑑 𝑙𝑡 𝑚 𝐼𝐺 + 𝑚𝑙𝑑 2 𝐶 = 𝑀 𝐶𝐵 = 𝑙2 𝑙2 𝑘𝑠𝑑 = 1Τ𝐿𝑠𝑑 𝑘𝑟𝑑 = 1Τ𝐿𝑟𝑑 𝑘𝑠𝑡 = 1Τ𝐿𝑠𝑡 𝑘𝑟𝑡 = 1Τ𝐿𝑟𝑡 外力 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑦𝑡 − 𝑚𝑔𝑙𝑡 Τ𝑙 0 𝑦ሶ𝑗 = V𝑖 𝑒 𝑗𝜔𝑡 0 − 𝑚𝑔𝑙𝑑 Τ𝑙 𝑸 𝑡 = + 𝑘 𝑦 −𝑔𝑚𝑠𝑑 𝑟𝑑 𝑑 𝐼𝑡 = 𝑉𝑡 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑡 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 𝐼𝑑 = 𝑉𝑑 Τ 𝑗𝜔𝐿𝑟𝑑 −𝑔𝑚𝑠𝑡 重力項 重力項はオフセットとなるため省略(電気回路ではDC成分) 電気 𝐿𝑠𝑡 t 𝑈𝑡 b 𝑈𝑏 𝐿𝑠𝑑 a 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑎 𝑖𝑡 (𝑡) 𝐶𝑚𝑠𝑡 𝑈𝑑 𝑈𝑎 𝐺𝑠𝑡 𝐿𝑟𝑡 d 𝐺𝑠𝑑 𝐶𝐵 𝑗𝜔𝐶𝑀 𝑈𝑏 𝐶A 𝐿𝑟𝑑 𝐶𝑚𝑠𝑑 𝑖𝑑 (𝑡)

61.

5.2 パラメータのスケーリング 61 1. Ltspiceではキャパシタやインダクタンスの大きさが開きすぎると計算誤差が発生する 2. このため、パラメータのスケーリングを行う必要がある 𝑠𝑓: 𝑠𝑐𝑎𝑙𝑖𝑛𝑔 𝑓𝑎𝑐𝑡𝑜𝑟 3. そして、パラメータのスケーリングを行っても方程式の本質は変わらない ⚫ すなわち、x(t), y(t) に係る、変位、速度、加速度には影響なし ⚫ ただし、kxなどスケーリング項目(この場合は力)を使うときには、1/sf を乗 じて変換する必要がある sf:scale factor(10-6) 50km/h (走行速度) 0.05m 道路の凹凸 道路の凹凸周期 2.0m ω(角周波数) 0.1s(任意)2.64m(車軸間距離)

62.

62 STEP 道路状況 REAR 正弦波 電気回路モデル FRONT 5.3

63.

5.3 電気回路モデル 63 half-carモデル 前輪側 後輪側 電流源 (2) behavioral current sources (1) 微分演算 I=ddt(V(Ua))*{cM} 𝑗𝜔C𝑀 Ua 外力 0 0 𝑸 𝑡 = 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 𝑘𝑟𝑡 𝑦𝑡 微分演算→jω 重力項はCUT (2) (1)

64.

5.3 0.05m 電気回路モデル 0.05m 正弦波状凹凸 ⚫ 単に前輪と後輪に働く道路凹凸のタイミングを決めているだけです ⚫ 自動車は進んでいません! ⚫ 道路が動いてるイメージです 64

65.

5.4 シミュレーション結果 65 正弦波応答 TOYOTA corollaのhalf-carモデル応答 ピッチ 速度 速度(Ub) 速度(Ua) :1V→1m/s ピッチ:1V→1degree 変位Xb 50mV→0.05m 変位Xa idt:積分 • 変位Xjは積分のため電圧でも 速度ではない。 • 今回50mVは変位0.05mに対応 している。 時速:50km/h(.param vkm=50) .param Ft=360*(2.64/2.0) 道路凹凸:0.05m(.param ydd=0.05/{lrd}) 位相(deg) 車軸距離 凹凸周期長さ2m

66.

5.4 シミュレーション結果 66 STEP応答 TOYOTA corollaのhalf-carモデル応答 速度 ピッチ :1V→1m/s ピッチ:1V→1degree 速度(Ub) 速度(Ua) 変位Xb 変位Xa 50mV→0.05m idt:積分 • 変位Xjは積分のため電圧でも 速度ではない。 • 今回50mVは変位0.05mに対応 している。 時速:50km/h(.param vkm=50) 道路凹凸:0.05m(.param ydd=0.05/{lrd})

67.

5.4 シミュレーション結果 電圧 67 電流 前輪 力CB 力dst STEP応答 変位:1V→1m 変位Xb 力 :1mA→1kN 前輪 後輪 力kst 力CA 変位Xa 後輪 力dsd 力ksd 電流プルーブは方向が あるので注意 1.3s

68.

地面から受ける反力と電流源 68 はじめ、機械系の私には電流源 ( Id )に違和感がありました ① 駆動力はタイヤが地面から受ける反力では? ② 電流源ではタイヤ変形などに無関係になる? 𝑓𝑠 機械系から見た駆動力 msd 𝑓𝑟 𝑚𝑠𝑑 𝑥ሷ 𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 − 𝑦𝑑 = −𝑓𝑠 𝑓𝑠 = 𝑘𝑟𝑑 𝑦𝑑 − 𝑚𝑠𝑑 𝑥ሷ 𝑑 + 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 電流源 𝐼Ԧ𝑓𝑠 𝑘𝑟𝑑 タイヤが地面から受ける反力 𝑓𝑟 = 𝑘𝑟𝑑 𝑥𝑑 − 𝑦𝑑 𝑥𝑑 𝑦𝑑 結論 見方 の違い ですね d 𝐼Ԧ𝑐𝑚𝑠𝑑 𝐼Ԧ𝐿𝑟𝑑 𝐼Ԧ𝑑 𝐶𝑚𝑠𝑑 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 𝐼Ԧ𝑓𝑠 = 𝐼Ԧ𝑑 − 𝐼Ԧ𝑐𝑚𝑠𝑑 − 𝐼Ԧ𝐿𝑟𝑑 電気回路 での表現

69.

地面から受ける反力と電流源 69 𝐼Ԧ𝑑 𝐼Ԧ𝐿𝑟𝑑 力:1mA→1kN タイヤを通る力 𝐼Ԧ𝑓𝑠 𝐼Ԧ𝑐𝑚𝑠𝑑 𝐿𝑠𝑑 a d 𝑈𝑎 𝐼Ԧ𝑐𝑚𝑠𝑑 𝐼Ԧ𝐿𝑟𝑑 𝐼Ԧ𝑑 𝐿𝑟𝑑 𝑖𝑑 (𝑡) 𝐺𝑠𝑑 タイヤ 𝐶A 𝐶𝑚𝑠𝑑

70.

つづく ⚫ これまでは慣性行列が対角項のみの運動系を扱ってきましたが、今回は非対角項が存 在する運動系について述べました。その結果、電気回路系では質量に対応するキャパ シタ間のカップリングとして現れることとなりました。 ⚫ これは力ー電圧アナロジーでは、磁気結合回路となるはずで、電気回路ではお馴染み のトランス回路というイメージしやすい形で現れますね。一度話題として取り上げる のも面白そうです。たぶん、ロボティクスでのジャイロ項などもこのような形式で現 れるかと思います。 ⚫ 今回、非常に手間がかかったのはLTspiceでのシミュレーションでした。電気回路の結 果が全く合わない。どこか間違えたのかと思い、何回も運動方程式や変換方式を見直 したり、DC成分として無視した重力項の影響かと回路を変更したりとしましたが、一 向に改善しません。結果として、LTspiceで素子パラメータの変換が必要だと分かった のはだいぶ後のことでした。 ⚫ アナログコンピュータではスケーリングが必然と解説していましたが、LTspiceでも必 要とは考えてもいませんでした。スケーリングの結果が正しい事を検証するため、運 藤方程式をpythonで書いて答え合わせしているのでたぶん大丈夫でしょう。 ⚫ アナロジーは形式的なもので、物理的意味はない、という意見もあります。どうなの でしょうか、私も知りたいところです。 70

71.

参考文献 71 中田孝:工学解析(技術者のための数学手法),オーム社,1972、総頁572.

72.

参考文献 ⚫ J. López-Martínez, J. C. Martínez, D. García-Vallejo, A. Alcayde and F. G. Montoya, "A New Electromechanical Analogy Approach Based on Electrostatic Coupling for Vertical Dynamic Analysis of Planar Vehicle Models," in IEEE Access, vol. 9, pp. 119492-119502, 2021 72

73.

補足:中田孝氏について 中田 孝(1908- 2000):日本の機械工学者。東京工業大学名誉教授。 元日本機械学会会長。元計測自動制御学会会長。元日本学士院会員。日本 学士院賞受賞。 https://ja.wikipedia.org/wiki/中田孝 中田孝先生は、大学院時代に私が所属した研究室の前教授でした。著書「転位歯車」は 修論では大変お世話になりました。しかし、いろいろな逸話などは聞くことはありまし たが、中田先生にはお会いしたことは残念ながらありませんでした。先日、同期で研究 室を引き継いだ北條さん(東工大名誉教授)に会った時、その話をしたところ、中田先 生の講義ビデオを送って頂き、初めてその肉声に触れることができました。感謝します。 そのビデオを見ながら、中田先生は、歯車の研究で日本学士院賞を45歳で受賞したのを はじめ、自動制御、NC工作機などの分野も手掛けた非常にエンジニアリングセンスの高 い方であり、また数学や電気電子工学に対する造詣も大変深い方だと認識を新たにしま した。またビデオの中で“歯型理論にはあまり手を付けたくなかったが電気回路理論の 応用に興味を持っていたので研究を進めた”とのあたりは、非常に親近感を感じました。 中田孝先生の紹介記事です【日本の工作機械を築いた人々】 大河出版「応用機械工学」1988年4~5月号掲載、 https://www.sme-japan.org/library5.pdf 中田先生のNC工作機械を開発したのときの開発談が語られています。大変面白い内容ですのでお勧めです。 73

74.

補足(私の卒論・修論) 74 【卒研】私は卒業研究では電通大の梶谷誠先生の研究室で歯車を加工するホブ盤の制御回路を作成しました。但し、装置は東 工大石川研にありました。開発する制御回路は、ホブ盤主軸の回転角度を計測して、切削工具を駆動する電気油圧パルスモー タを制御するものです。この電気油圧パルスモータは、電気パルスモータの出力をプランジャー形油圧モータでトルク増幅す るという仕組みでした。初めてホブ盤を見たときの印象は巨大な鉄の塊で、制御ミスでパワフルな油圧モータなどを暴走させ たらどうなるかと、恐れを抱いたものです。 試作した回路は、単純な論理素子(TTL)を組合わせた回路です。当時は論理素子の黎明期で、詳しい書籍など無い時に初 歩の初歩から学び始め、TI社の分厚いハンドブックで論理素子の細かな仕様をチェックしながら、連日連夜、回路を試作して はオシロスコープなどを使い動作を確認して、回路を設計していました。本当に充実した楽しい時間でした。ご指導頂いた梶 谷先生には心から感謝しています。 しかし、実機実験では散々で、必死で改良を重ね何とか動作させました。やっと加工できた歯車を見たときの感激は今も忘 れません。しかし、歯すじ誤差に問題がありました。その原因は切削加工力の増加に伴うモータ回転遅れです。これは電気油 圧パルスモータの最大の長所でもある、開ループ制御の限界だったのでしょう。(後に中田先生が電気油圧パルスモータの開 発にも深く関与していたと知りました。奇妙な縁を感じます) 【就職】卒業後はX社に就職しました。理由はX社の子会社であるF社でのロボット開発に関心があったためです。当時F社へ はX社に就職する必要がありました。そして、入社時実習は希望先のF社でした。ところが、本配属では全く違うX社部署だっ たため、すぐに退職して東工大院の石川研(中田研の後継研究室)へ進学することにしました。人生にifはつきものですが、F 社に入っていたら全く違う人生を送ったようにも思います。 【修論】修論では習得した論理回路の設計技術を用いて、自動歯車精度測定機の開発に係り、歯形計算回路と測定機の制御回 路の開発を行いました。また修士2年の中頃、当時の先進機器であるミニコン(HP-21MX)が納入されたので、データ処理 (Fourier解析など)に利用することにしました。それからは、ミニコンと歯車測定機とのinterface回路設計から始めて、各 種プログラム作りと正月もない日々でした。またなんと、ミニコンは紙テープベースの開発システムで、コンパイラもライブ ラリもリンカも、全て毎回毎回、そのsoftwareを紙テープから読込ませる必要があり、コンパイル結果なども紙テープで TTY(110 baud rates)出力という、本当に気が狂うようなシステムでした(これと比べるとDOSは凄い)。実は、修論にはミ ニコンを利用する必要は全くなかったのですが、好奇心から無理にお願いして利用したのが真実です。これらの成果は機械学 会誌に論文として掲載できました。そして修了後は、国の研究機関に就職することに致しました。 大学時代に、昼夜を忘れて一心不乱に学んだ論理回路設計、計算機の経験は私の一つの財産になったように思います。 (DOS: Disk Operating System)