Robot HandGraspingの基礎その2

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September 12, 23

スライド概要

“Form closureとは何か?”
1. 予備知識:
① Twist & wrench
② Linea span
2. 接触の力学(2物体の接触について)
① Breaking, Sliding, Rolling
② 練習問題
③ 剛体の接触でのfirst-order analysis
3. 接触の力学(多数の接触点があるばあい)
① 接触点による拘束
② polyhedral convex cone
4. Planar Graphical Methods (CoR)
① 回転中心(CoR)
② Twistのマッピング
③ CoRが作るPositive span
④ 接触点の拘束性を CoR で可視化
⑤ Planar Graphical Methodsでの可視化例
⑥ First-order analysisでの限界
5. Form closure (数式での表現)
① form closureの条件
② form closureの計算論
③ form closureの例題
6. Quality of a Form-Closure Grasp

profile-image

これまでに主に,ロボティクス・メカトロニクス研究,特にロボットハンドと触覚センシングの研究を行ってきました。現在は、機械系の学部生向けのメカトロニクス講義資料、そしてロボティクス研究者向けの触覚技術のサーベイ資料の作成などをしております。最近自作センサの解説を動画で始めました。https://researchmap.jp/read0072509 電気通信大学 名誉教授 

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各ページのテキスト
1.

2023.09.12 Grasping その2 Robot Hand の基礎 “Form closureとは何か?” 下 条 誠 電気通信大学名誉教授 https://researchmap.jp/read0072509/ https://www.docswell.com/user/m_shimojo The University of Electro-Communications Department of Mechanical Engineering and Intelligent System

2.

内 1. 予備知識: 容 5. Form closure (数式での表現) ① Twist & wrench ① form closureの条件 ② Linea span ② form closureの計算論 2. 接触の力学(2物体の接触について) ① Breaking, Sliding, Rolling ② 練習問題 ③ 剛体の接触でのfirst-order analysis 3. 接触の力学(多数の接触点があるばあい) ① 接触点による拘束 ② polyhedral convex cone 4. Planar Graphical Methods (CoR) ① 回転中心(CoR) ② Twistのマッピング ③ CoRが作るPositive span ④ 接触点の拘束性を CoR で可視化 ⑤ Planar Graphical Methodsでの可視化例 ⑥ First-order analysisでの限界 ③ form closureの例題 6. Quality of a Form-Closure Grasp 2

3.

コメント この解説は以下の教科書とビデオ講義に基づいています。 Kevin M. Lynch , Frank C. Park, Modern Robotics: Mechanics, Planning, and Control, Cambridge University Press,2017 <PDF>http://hades.mech.northwestern.edu/images/2/25/MR-v2.pdf Northwestern Robotics: Educational and research videos from the Center for Robotics and Biosystems and the Master of Science in Robotics program at Northwestern University https://www.youtube.com/playlist?list=PLggLP4f-rq02vX0OQQ5vrCxbJrzamYDfx これからの内容には、誤記、誤解釈など私の至らぬところが多々あると思います。 ご容赦のほどお願いいたします。 3

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概 要 4 物体AのTwist可能領域(V)がZEROとなればForm closure (2次元での例) 1 1. 物体AのTwistは接触点によって拘束を 受けます A ℱ1 3 𝑣𝐴 ℱ2 2 2. この接触点によって狭まるTwistの可 能領域をVとします 3. このVをゼロとする。これがForm closureです。 𝑣𝐴 :物体AのTwist(回転と並進の速度) ℱi :接点iのwrench(モーメントと力) 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴 VAの可能な領域 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 物体Aの動 作可能範囲 V 𝑣𝐴𝑥 物体Aとの接触に 伴う力と動き (動けない=速度動作が可能な領域ゼロ)

5.

1. 予備知識 5 skipしてもよいです 1. Twist & wrench (Grasping基礎その1で解説) ① twist:回転速度と並進速度をまとめた表記方式 ② wrench:モーメントと力をまとめた表記方式 2. Linea span ① 一次結合(線形結合)によってできるベクトル空間について 物体の拘束とは接触支持して、 動けなくすること。 接触支持力をwrench 物体の動作速度をtwist で表現していきます (動けない=可能動作速度領域ゼロ)

6.

1.① twist & wrench 6 ⚫ twist:回転速度と並進速度をまとめた表記方式 𝜔𝑠 𝜈𝑠 = 𝜐 ∈ ℝ6 𝑠 角速度 速度 𝜔 ∈ ℝ3 , 𝜐 ∈ ℝ3 注)角速度と速度では単位が異なる Spatial velocity in the space frame または spatial twist ⚫ wrench:モーメントと力まとめた表記方式 𝑚𝑎 ℱ𝑎 = 𝑓 ∈ ℝ6 𝑎 モーメント 力 m ∈ ℝ3 , 𝑓 ∈ ℝ3 𝑚𝑎 = 𝑟𝑎 × 𝑓𝑎 注)モーメントと力では単位が異なる Robot Hand Graspingの基礎 その1を参照 Spatial force in the {a} frame または wrench in the {a} frame https://www.docswell.com/s/m_shimojo/KERVD5-2022-12-07-143219

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1.② spanの説明その1 7 把持は力&モーメントの釣合いで議論されます。このとき役に立つ、 力ベクトルなどの線形結合であるspanについて説明します Span A とは集合 A の一次結合(線形結合)によってできるベクトル空間です 例) (a) Linear span (b) Positive(conical) span (c) Convex span 円錐となる 多角形とその内部となる 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 ∈ ℝ2 平面全体となる 𝑗 𝑠𝑝𝑎𝑛 𝒜 = ෍ 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ∈ ℝ 𝑗 pos 𝒜 = σ𝑗𝑖=1 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑐𝑜𝑛𝑣 𝒜 = ෍ 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑎𝑛𝑑 ෍ 𝑘𝑖 = 1 𝑖=1 𝑖=1 𝑠𝑝𝑎𝑛 𝒜 ⊇ 𝑝𝑜𝑠 𝒜 ⊇ 𝑐𝑜𝑛𝑣 𝒜 𝑖

8.

1.② (a) Linea span 8 集合 A の一次結合(線形結合)によってできるベクトル空間のこと。 例) 𝑎1 𝑎1 𝑎2 𝑎2 𝑎3 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 ∈ ℝ2 𝑎3 𝑠𝑝𝑎𝑛 𝒜 = 𝑘1 𝑎1 + 𝑘2 𝑎2 + 𝑘3 𝑎3 各ベクトルは2次元とする その線形結合は平面全体となる Linear span(線形スパン ) 𝑗 𝑠𝑝𝑎𝑛 𝒜 = ෍ 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ∈ ℝ 𝑖=1 𝒜 = 𝑎1 , ⋯ , 𝑎𝑗 ∈ ℝ𝑛 𝑘𝑖 :正負の値をとる

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1.② (b)positive(conical) span 一次結合のkiが正の場合によってできるベクトル空間のこと 例) 𝑎1 𝑎2 𝑎1 𝑎2 𝑎3 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 ∈ ℝ2 𝑎3 pos 𝒜 = 𝑘1 𝑎1 + 𝑘2 𝑎2 + 𝑘3 𝑎3 𝑘𝑖 ≥ 0 各ベクトルは2次元とする その線形結合は円錐となる Positive(conical) span(円錐スパン) pos 𝒜 = σ𝑗𝑖=1 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ≥ 0 𝒜 = 𝑎1 , ⋯ , 𝑎𝑗 ∈ ℝ𝑛 𝑘𝑖 :正の値をとる 9

10.

1.② (c)convex span 10 一次結合のkiが正の値をとり、かつその総和が1のときできるベクトル空間のこと 例) 𝑎1 𝑎2 𝑎1 𝑎2 𝑎3 𝑎3 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 ∈ ℝ2 conv 𝒜 = 𝑘1 𝑎1 + 𝑘2 𝑎2 + 𝑘3 𝑎3 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑎𝑛𝑑 𝑘1 + 𝑘2 + 𝑘3 = 1 各ベクトルは2次元とする その線形結合は多角形とその内部となる Convex span (凸スパン) 𝒜 = 𝑎1 , ⋯ , 𝑎𝑗 ∈ ℝ𝑛 𝑗 𝑐𝑜𝑛𝑣 𝒜 = ෍ 𝑘𝑖 𝑎𝑖 | 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑎𝑛𝑑 ෍ 𝑘𝑖 = 1 𝑖=1 𝑖 𝑘𝑖 :正の値をとり、かつ その総和が1である

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1.② (c)convex span(説明) ベクトル a1、a2 のConvex span (凸スパン)の例 例) 𝑎1 + 𝑡 𝑎2 − 𝑎1 𝑎1 P 𝑎1 , 𝑎2 ∈ ℝ2 conv 𝒜 = 𝑘1 𝑎1 + 𝑘2 𝑎2 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑎𝑛𝑑 𝑘1 + 𝑘2 = 1 𝑎2 <説明> P点はパラメータtを用いて次のように表せる( 0≤t≤1 ) 𝑎1 + 𝑡 𝑎2 − 𝑎1 = 1 − 𝑡 𝑎1 + 𝑡𝑎2 𝑘1 𝑘2 よって、ベクトルa1とa2 のConvex span (凸スパン)は、 ベクトルa1とa2の頂点を結ぶ線上にある 11

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1.② (c)convex span(説明) ベクトル a1、a2 、a3 のConvex span (凸スパン)の例 例) 𝑎3 𝑎1 conv 𝒜 = 𝑘1 𝑎1 + 𝑘2 𝑎2 + 𝑘3 𝑎3 𝑘𝑖 ≥ 0 𝑎𝑛𝑑 𝑘1 + 𝑘2 + 𝑘3 = 1 <説明> Q (1)P点(𝑎12)はパラメータtを用いて 次のように表せる( 0≤t≤1 ) P 𝑎12 𝑎12 = 𝑎1 + 𝑡 𝑎2 − 𝑎1 𝑎2 𝑎1 , 𝑎2 , 𝑎3 ∈ ℝ2 (2)Q点はパラメータsを用いて次 のように表せる( 0≤s≤1 ) 𝑎12 + 𝑠 𝑎3 − 𝑎12 = 𝑎1 + 𝑡 𝑎2 − 𝑎1 + 𝑠 𝑎3 − 𝑎1 − 𝑡 𝑎2 − 𝑎1 = 1 − 𝑡 − 𝑠 + 𝑡𝑠 𝑎1 + 𝑡 − 𝑡𝑠 𝑎2 + 𝑠𝑎3 𝑘1 𝑘2 𝑘3 𝑘1 + 𝑘2 + 𝑘3 = 1 よって、ベクトルa1, a2, a3 のConvex span (凸スパン)は、 ベクトルa1, a2, a3 の頂点を結ぶ面内にある。 12

13.

1.② spanの説明その2 n次元のベクトルの非負の組み合わせは、任意のn次元ベク トルを作ることができない 1. 空間ℝ𝒏 はn個のベクトルによってLinear spanすることができる。 しかし、それ以下では不可。 2. 空間ℝ𝒏 はn + 1個のベクトルによってPositive span(conical span) することができる。しかし、それ以下では不可。 最初のことは、n次元ユークリッド空間を表現するためにn個の座標を 使用することが暗黙の了解となっている。 次のことは、正ベクトルのみの場合はn+1個必要なことを示す。これは 通常、接触力は正のみとなることで関係してくる。 13

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2. 接触の力学(2物体の接触) 2つの物体の接触に関する力学についての解説です 接触を、Breaking, Sliding, Rollingに場合分けします。これを物体接触 点でのtwist(速度)の観点から行います。 14

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2. 接触について (1)物体A, Bが点で接触している (位置が同じ) 𝑥ො (2)ここで、物体A, Bの速度(twist)を 以下とする 角速度 𝜔𝐴 𝒱𝐴 = 𝜐 物体Aのtwist 𝐴 並進速度 物体Bのtwist 𝑧Ƹ 𝑝𝐴 , 𝑝𝐵 ∈ ℝ3 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 𝜔𝐵 𝒱𝐵 = 𝜐 𝐵 15 𝑠 A 𝑝ሶ𝐴 𝑦ො pA 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 PAでの速度 𝑝ሶ 𝐵 pB B これらのtwistsはspace frame{s}上で表されている (3)すると、pA, pB点での速度は、 𝑝ሶ𝐴 = 𝑣𝐴 + 𝜔𝐴 × 𝑝𝐴 𝑝ሶ 𝐵 = 𝑣𝐵 + 𝜔𝐵 × 𝑝𝐵 𝑝ሶ𝐴 = 𝑣𝐴 + 𝜔𝐴 × 𝑝𝐴 = 𝑣𝐴 + 𝜔𝐴 𝑝𝐴 外積 歪対称行列 (外積表現でも、歪対称行列を用いた行列表現でもどちらでもよい)

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2.① 接触状態(breaking,sliding,rolling) (4)物体A,Bは剛体とすると PAでの法線 𝑧Ƹ 接触点では以下の条件を満たす 𝑇 𝑛ො 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 ≥ 0 𝑛ො 重要 𝑥ො 𝑠 PAでの速度 A 𝑦ො ① ゼロ以上(>0) で離れていき、 ② ゼロ(=0)で接触維持 ③ ゼロ以下(<0)では剛体に侵入して不可 𝑝ሶ𝐴 pA 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 𝑝ሶ 𝐵 pB B PBでの速度 接触点での速度差ベクトルと、物体A接触点での法線 ベクトルとの内積が負であることは、物体Bが物体Aに 侵入することになり、剛体条件と矛盾する first-order analysis: 接触点での形状、曲率 など考慮しない 16 impenetrability: 𝑛ො 𝑇 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 ≥ 0 first-order roll-slide: 𝑛ො 𝑇 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 = 0 first-order rolling: 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 = 0

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剛体の接触 𝑛ො PAでの法線 𝑝ሶ𝑎 Case1 A 𝑝ሶ 𝑏 Case2 B 接線 (Case1)物体AはBから離れる 𝑛ො A 𝑝ሶ𝑠 𝑇 𝑛ො 𝑝ሶ S > 0 17 物体Aと物体Bの相対速度 𝑝ሶ𝑆 = 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 物体Bが静止とすると 𝑝ሶ 𝐵 = 0 となり、 𝑝ሶ𝑆 は物体Aの進む速度となる。 この様に考えると分かり易い。 (Case2)物体AはBに侵入する 𝑛ො A 𝑛ො 𝑇 𝑝ሶ S < 0 𝑝ሶ𝑠 B PAでの法線との内積は正となる B PAでの法線との内積は負となる

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2.① 接触状態(breaking,sliding,rolling) (5)接触点での接触力で考えてみる 𝑧Ƹ 𝑛ො ⚫ 単位力が加わった場合のwrench ℱ 𝑚 𝑝 × 𝑛ො ℱ= 𝑓 = 𝐴 𝑛ො ∈ ℝ6 𝑥ො 𝑠 PAで単位力fが加わったとする 18 A 𝑝ሶ𝐴 𝑦ො 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 pA 𝑝ሶ 𝐵 pB ① 大きさは1 B ② 方向はPAでの法線方向 ⚫ 物体A, B のtwist (速度) 物体Aのtwist 𝜔𝐴 𝒱𝐴 = 𝜐 ∈ ℝ6 𝐴 物体Bのtwist 𝜔𝐵 ∈ ℝ6 𝒱𝐵 = 𝜐 𝐵 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 :物体A,Bの速度差 接触状態の場合分け Contact label Braking (B): ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 > 0 Sliding (S): ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = 0 Rolling (R): 𝑝ሶ𝐴 − 𝑝ሶ 𝐵 = 0 接触力(wrench)と速度(twist)との内積計算

19.

2.② 練習問題 1/5 例題: 図に示す接触を考える。物体AとBは、 位置pA = pB = [1 2 0] Tで接触し、その接触 法線方向は [0 1 0] Tである。 接触位置 1 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 = 2 0 法線方向 0 𝑛ො = 1 0 19 𝑧Ƹ 𝑚𝑥 接触点での 𝑚𝑦 wrench 𝑚𝑧 ℱ= 𝑓 𝑥 𝑓𝑦 𝑓𝑧 𝑦ො 𝑥ො 𝑝𝐴 = 1 2 0 B A 𝑛ො = 0 1 0 接触点でのwrenchを求める。力は法線方向で大きさは”1”とする。 PAの歪対称行列 ℱ= 外積表現 𝑝𝐴 × 𝑛ො = 𝑛ො 𝑝𝐴 𝑛ො = 𝑛ො 歪対称行列表現 0 0 −2 0 2 0 0 −1 1 1 0 0 0 1 0 𝑇 0 0 = 1 0 1 0 (外積表現でも、歪対称行列を用いた行列表現でもどちらでもよい。 お好みでどうぞ) 𝑇

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2.② 練習問題 2/5 20 (1)接触点でのSliding条件を求める Sliding条件は次のようになっている 0 0 ℱ= 1 0 1 0 前頁の計算より、 wrenchは、 Sliding (S): またtwistの差は、 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = 0 𝜔𝐴𝑥 − 𝜔𝐵𝑥 𝜔𝐴𝑦 − 𝜔𝐵𝑦 𝜔𝐴𝑧 − 𝜔𝐵𝑧 = 𝑣 −𝑣 𝐴𝑥 𝐵𝑥 𝑣𝐴𝑦 − 𝑣𝐵𝑦 𝑣𝐴𝑧 − 𝑣𝐵𝑧 これらをSliding条件に代入して計算すると次のようになる ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = 0 0 1 0 1 0 𝜔𝐴𝑥 − 𝜔𝐵𝑥 𝜔𝐴𝑦 − 𝜔𝐵𝑦 𝜔𝐴𝑧 − 𝜔𝐵𝑧 𝑣𝐴𝑥 − 𝑣𝐵𝑥 = 0 𝑣𝐴𝑦 − 𝑣𝐵𝑦 𝑣𝐴𝑧 − 𝑣𝐵𝑧 Sliding条件 𝜔𝐴𝑧 − 𝜔𝐵𝑧 + 𝑣𝐴𝑦 − 𝑣𝐵𝑦 = 0

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2.② 練習問題 3/5 21 (2)接触点でのRolling条件を求める Rolling条件は次のようになっている まずPAでの速度を求める 0 𝑣𝐴𝑥 𝑝ሶ𝐴 = 𝑣𝐴𝑦 + 𝜔𝐴𝑧 𝑣𝐴𝑧 −𝜔𝐴𝑦 −𝜔𝐴𝑧 0 𝜔𝐴𝑥 Rolling (R): 𝑝ሶ𝐴 = 𝑝ሶ 𝐵 𝑝ሶ𝐴 = 𝑣𝐴 + 𝜔𝐴 × 𝑝𝐴 = 𝑣𝐴 + 𝜔𝐴 𝑝𝐴 𝜔𝐴𝑦 −𝜔𝐴𝑥 0 𝑝𝐴𝑥 𝑝𝐴𝑦 𝑝𝐴𝑧 代入 1 𝑝𝐴 = 𝑝𝐵 = 2 0 接触位置 PAを代入し、Rolling条件 𝑝ሶ 𝐴 = 𝑝ሶ 𝐵 を計算する 𝑣𝐴𝑥 𝑣𝐵𝑥 −2𝜔𝐴𝑧 −2𝜔𝐵𝑧 𝜔𝐴𝑧 𝜔𝐵𝑧 𝑝ሶ𝐴 = 𝑣𝐴𝑦 + = 𝑣𝐵𝑦 + = 𝑝ሶ 𝐵 𝑣𝐴𝑧 𝑣𝐵𝑧 −𝜔𝐴𝑦 + 2𝜔𝐴𝑥 −𝜔𝐵𝑦 + 2𝜔𝐵𝑥 Rolling条件 𝑣𝐴𝑥 − 2𝜔𝐴𝑧 = 𝑣𝐵𝑥 − 2𝜔𝐵𝑧 𝑣𝐴𝑦 + 𝜔𝐴𝑧 = 𝑣𝐵𝑦 + 𝜔𝐵𝑧 𝑣𝐴𝑧 +2𝜔𝐴𝑥 −𝜔𝐴𝑦 = 𝑣𝐵𝑧 + 2𝜔𝐵𝑥 − 𝜔𝐵𝑦

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2.② 練習問題 4/5 22 (3)低次元空間で視覚化する 設定: 物体Aはz = 0平面上にあり、 Bは静止とする 0 z = 0平面上 0 𝜔 𝒱A = 𝑣 𝐴𝑧 𝐴𝑥 𝑣𝐴𝑦 0 0 静止 0 𝒱𝐵 = 0 0 0 0 力は法線方向 大きさは”1” とする 𝑚𝑧 1 ℱ = 𝑓𝑥 = 0 𝑓𝑦 1 以上の値をこれまでの計算結果に代入する Sliding条件 𝜔𝐴𝑧 − 𝜔𝐵𝑧 + 𝑣𝐴𝑦 − 𝑣𝐵𝑦 = 0 Rolling条件 𝑣𝐴𝑥 − 2𝜔𝐴𝑧 = 𝑣𝐵𝑥 − 2𝜔𝐵𝑧 𝑣𝐴𝑦 + 𝜔𝐴𝑧 = 𝑣𝐵𝑦 + 𝜔𝐵𝑧 𝑣𝐴𝑧 +2𝜔𝐴𝑥 −𝜔𝐴𝑦 = 𝑣𝐵𝑧 + 2𝜔𝐵𝑥 − 𝜔𝐵𝑦 𝜔𝐴𝑧 + 𝑣𝐴𝑦 = 0 𝑣𝐴𝑥 − 2𝜔𝐴𝑧 = 0 𝑣𝐴𝑦 + 𝜔𝐴𝑧 = 0

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2.② 練習問題 5/5 23 視覚化 𝜔𝐴𝑧 breaking free 𝜔𝐴𝑧 breaking free ℱ 平面 ℱ 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴𝑥 penetrating sliding S rolling R penetrating 線 𝑣𝐴𝑦 + 𝜔𝐴𝑧 = 0 𝑣𝐴𝑥 − 2𝜔𝐴𝑧 = 0 1つのroll-slide拘束は、(ωAz; vAx; vAy)空間内の平面を生じ、2つのrolling拘束 は、その平面内の線を生じる。またVB=0なので、拘束曲面は原点VA=0を通る

24.

2.③ 剛体の接触でのfirst-order analysis 24 first-order analysisとは、接触点での形状、曲率など考慮せず、 回転角度も微少の範囲? ⚫ それぞれローカル座標列ベクトルq1とq2で与えられる2つの剛体を考える。この組合せ 構成をq = (q1, q2)とする ⚫ ここで、この剛体の距離d(q)を定義する。両者が離れているときは正、接触していると きはゼロ、貫通しているときは負となる さらに、dの微分を考慮すると、接触の状態が細分化される 𝑑 𝑑ሶ 𝑑ሷ >0 no contact <0 infeasible(penetration) =0 >0 in contact, but breaking free =0 <0 infeasible(penetration) =0 =0 >0 in contact, but breaking free =0 =0 <0 infeasible(penetration) etc etc 𝑞 = 𝑞1 , 𝑞2 𝑞1 d= 𝑞 𝑞2

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2.③ 剛体の接触でのfirst-order analysis 𝑑ሶ = 2𝑑 𝜕𝑑 𝜕 𝑑ሷ = 𝑞ሷ + 𝑞ሶ 𝑇 2 𝑞ሶ 𝜕𝑞 𝜕𝑞 𝜕𝑑 𝑞ሶ 𝜕𝑞 first-order contact geometory contact normal 𝑛ො second-order contact geometory curvature 𝑛ො contact normal は両者同じ first-order analysis では、両者の接触点の運動拘束は同じことになる 接触点での形状、曲率など考慮せず、回転角度も微少の範囲?(first-order analysis) 25

26.

3. 接触の力学(多数の接触点) 多数の接触点がある場合の力学についての解説です 接触点の拘束とは、物体のtwist可能領域の制限とします。物体のtwist 可能領域がゼロとなることがform closureとします。 26

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3.① 接触点による拘束 1/5 (静止点での拘束) (2次元での例) 並進のみ B 27 A 1. 物体Aは、並進のみで回転は無し 静止 2. B支持点は静止している 𝑛ො 3. 下図は物体Aの速度とその状態(sliding, rolling, breaking)を示す 平行 𝑣𝐴𝑦 ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = ℱ 𝑇 𝒱𝐴 = 0 S(Sliding) (位置ではありません速度です) Sliding 物体Aの速度 座標系 R(Rolliding) 物体Aが静止ならば Rollingのみ ℱ Rolling ⚫ 物体AはSlide線右半面では 自由に動ける。 𝑣𝐴𝑥 ⚫ すなわち接触点から離れる (Breaking) Breaking B(Breaking) 物体Aの速度がこの線上な らばスライドということ ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = ℱ 𝑇 𝒱𝐴 > 0

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3.① 接触点による拘束 2/5 (2点での拘束) 28 (2次元での例) 1 A 1 接触:1 𝑣𝐴𝑦 接触:2 2 𝑣𝐴𝑦 S(Sliding) 物体Aの速度 座標系 𝑣𝐴𝑦 R(Rolliding) S 𝑣𝐴𝑥 RR 𝑣𝐴𝑥 B(Breaking) 物体1による 制限領域 SB BB B R 接触:1+2 2 BS 𝑣𝐴𝑥 物体1:Breaking 物体2:sliding 物体2による 制限領域 Polyhedral convex cone この多面体凸円錐は、物体Aのtwist (動き)可能領域を表している (辺ではslidingまたはrollingが、内部ではBreakingが可能となる)

29.

3.① 接触点による拘束 3/5 (3点での拘束) (2次元での例) 接触点1,2,3はロボット指とイメージ 1 A 2 3 接触:3 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴𝑦 接触:1+2+3 2 Form closure 𝑣𝐴𝑦 S(Sliding) SB 物体A の速度 座標系 1 3 接触:1+2 29 BB RR R(Rolliding) BS 𝑣𝐴𝑥 𝑣𝐴𝑥 Polyhedral convex cone RRR 𝑣𝐴𝑥 B(Breaking) この領域(Polyhedral convex cone)内で 可能なtwist (動き) 物体Aのtwist (動き)ができない 状態(zero twist)

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3.① 接触点による拘束 4/5 (並進点での拘束) ロボット指(B)が移動するイメージ A B 𝑛ො 𝒱𝐵 (2次元での例) 1. 物体Aは、並進のみで回転は無し 2. B接触点は速度VBで移動 拘束点Bの 移動速度 3. 下図は物体Aの速度と状態を示す 𝑣𝐴𝑦 (位置ではありません速度です) 物体Aの速度 座標系 ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 = 0 𝑣𝐴𝑥 物A体のtwist空間で の原点。 原点とはAが静止状態 30 B(Breaking) ℱ ℱ 𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝐵 > 0 𝒱𝐵 拘束点Bの移動速度

31.

3.① 接触点による拘束 指1,2は静止で、指3が移動しているイメージ 3 A 1 31 5/5 (3点での拘束) 𝒱3 (2次元での例) 3 1 𝒱3 拘束点3の 移動速度 2 接触:1+2 (位置ではありません速度です) 接触:3(並進) 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴𝑦 SB RR S SBS SBB 𝑣𝐴𝑥 BS 𝑣𝐴𝑥 原点を通過 しない 𝑣𝐴𝑦 BB 物体Aの速度 座標系 2 接触:1+2+ 3(並進) B R 𝒱3 BBS BBB RRB BSS BSB Polyhedral convex set 𝑣𝐴𝑥

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Form closureとは(ちょっとまとめ) 物体Aの実現可能なtwist (動き)領域を定める式は次のようになる 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 物体Aの動作 可能範囲を示 す超多面体 物体A の動き 物体Aとの接触に伴う力と動きが 剛体条件を満足する。すなわち 物体Aに接触点が侵入しない 𝒱𝐴 :物体Aのtwist (動き) ℱ𝑖 :接触点iで発生するwrench (力) 但し、接触点はすべて静止接点とする V:実現可能な超多面体(polytope) ⚫ この超多面体Vがゼロとなれば、物体Aは動きができないことになる Form closureとは、実現可能なtwist多面体(polytope)Vが原点の点となる 注)接触点が動く場合 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 − 𝒱𝑗 𝑖 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 接触点の速度 32

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3.③ polyhedral convex cone 1/3 33 これまでの平面問題は、twistsの空間が3次元であるため、1つの物体の実現可能な動きを 視覚化することができた。次に平面ツイストコーンの例を示す。このような図は、3自由 度以上のシステムのため、描くのは非常に難しい A ℱ2 ℱ3 ℱ1 例) Aは、2次元物体で 運動は平面上とする 𝑣𝐴𝑥 = 𝜔𝐴𝑥 = 𝜔𝐴𝑦 = 0 Aへは、静止する3点の接触があり、 F1, F2, F3の wrenchが作用している −2 ℱ1 = 0 1 1 ℱ2 = −1 0 1 ℱ3 = 1 0 𝑚𝑧 ℱ = 𝑓𝑥 𝑓𝑦

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3.③ polyhedral convex cone 2/3 34 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 物体Aの実現可能なtwist (動き)領域 wrench(F1,F2,F3) での条件 1 ℱ1𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝜔𝐴𝑧 −2 0 1 𝑣𝐴𝑥 ≥ 0 𝑣𝐴𝑦 2 ℱ2𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝜔𝐴𝑧 1 −1 0 𝑣𝐴𝑥 ≥ 0 𝑣𝐴𝑦 3 ℱ3𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝜔𝐴𝑧 1 1 0 𝑣𝐴𝑥 ≥ 0 𝑣𝐴𝑦 𝜔𝐴𝑧 + 𝑣𝐴𝑥 ≥ 0 𝜔𝐴𝑧 − 𝑣𝐴𝑥 ≥ 0 -2 𝜔𝐴𝑧 + 𝑣𝐴𝑦 ≥ 0 𝜔𝐴𝑧 𝜔𝐴𝑧 2 1 3 𝜔𝐴𝑧 𝑣𝐴𝑥 𝑣𝐴𝑦 𝑣𝐴𝑥 𝑣𝐴𝑦

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3.③ polyhedral convex cone 3/3 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 A contact 2 𝜔𝐴𝑧 contact 1 𝑦ො contact 3 𝑥ො contact 1 裏面 contact 3 𝑣𝐴𝑥 𝑣𝐴𝑦 contact 2 polyhedral convex cone contact:3つの静止接点の接触法線に対応する力線。 接触法線を示す線に沿った接触はどこでも等価である 1. 円錐(polyhedral convex cone)は平面vAy = 2で切られている 2. 円錐の内側のTwistsは、すべての接点が離れている( Breaking ) 3. 円錐の面上のTwistsは、1つのアクティブな制約に対応する 4. 円錐の辺のTwistsは、2つのアクティブな制約に対応する 35

36.

4. Planar Graphical Methods (CoR) 36 CoR による接触点の拘束性可視化の解説です CoR: Center of Rotation 平面問題では、Twistsの空間が3次元であるため、グラフィカルな手法を使って、 1つ物体の実現可能な動きを視覚化することができます

37.

4.① 回転中心(CoR)とは 回転中心(xc, yc)に対してωzの角速度で回転させた場合の{s}原点のTwistは 次のようになる CoR 𝑥𝑐 , 𝑦𝑐 𝑦ො 𝜔𝑧 {s} 𝜔𝑧 𝜔𝑧 𝒱 = 𝑣𝑥 = 𝜔𝑧 𝑦𝑐 𝑣𝑦 −𝜔𝑧 𝑥𝑐 𝑥ො また、そのTwistからCoRは次のように求まる 𝑣𝑥 , 𝑣𝑦 CoR: Center of Rotation 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ𝜔𝑧 = 𝑦𝑐 𝑣𝑥 Τ𝜔𝑧 平面(Planar)Twistsは、CoRを用いて表現できる 37

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4.① 回転中心(CoR)とは 一つの物体がCoRで回転している様子を示す。 なお物体の回転は平面上の運動とする +CoR 𝒱𝐵 A 𝒱𝐴 𝜔𝑧 𝒱 = 𝑣𝑥 𝑣𝑦 B この物体の平面上の2点のTwistが 与えられたとき、その速度に垂直 な線はCoRで交わる この支持点は、物体を上記CoRで回転させ た場合、物体の回転を妨げる? 反時計回転(CCW):Yes 時計回転(CW):No この様な視点から、物体拘束に関する支持点の 働きについて考察していく 図中のCoRは、物体の正の角速度(反時計回り) に対応して「+」と表示されている 38

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4.② Twistのマッピング 39 Planar Twist 𝓥 をCoRにマッピングする 𝜔𝑧 𝒱 = 𝑣𝑥 𝑣𝑦 (xc、yc)へのmapping 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ1 = 𝑦𝑐 𝑣𝑥 Τ1 𝒱 𝑥ො ωz=1 何故単位Twist球: 回転の大きさは問題にせ ず、ただ回転方向にのみ 注目するため? 単位Twist球 CoR(ωz=1のとき) +1 𝑦ො 𝑥𝑐 , 𝑦𝑐 CCW rotations ωz=1 𝜔𝑧 𝑣𝑦 𝑣𝑥 translations ωz=0 𝑦ො ωz=±1面と交差しない -1 ωz=-1 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ−1 = 𝑦𝑐 𝑣𝑥 Τ−1 𝑥ො CW rotations ωz=-1

40.

4.② Twistのマッピング 40 Twist 𝓥 の単位Twist球との交点(a,b,c) とCoRの集合 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ1 = 𝑦𝑐 𝑣𝑥 Τ1 𝜔𝑧 a,bは+領域(上半球) b 𝑦ො c 𝐶𝑜𝑅 𝒱 + a b c 𝑥ො - a 𝑣𝑦 𝑣𝑥 cは-領域(下半球) positive span of three twists 𝑝𝑜𝑠 𝑎, 𝑏, 𝑐 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ−1 = 𝑦𝑐 𝑣𝑥 Τ−1 = 𝑘1 𝑎 + 𝑘2 𝑏 + 𝑘3 𝑐 | 𝑘𝑖 ≥ 0 例)3つのTwist(a,b,c)が作るPositive(conical) span集合 注) CoR領域のマッピングでは、回転の大きさは問題にせず、ただ回転方向に のみ注目するため単位球上での交点を利用する

41.

例) Twistのマッピング 41 上半球から下半球へ横切るとき無限遠へのマッピングとなる 例) ωzとvyで作る面にTwist 𝓥 の単位Twist球との交点がある場合の例 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ1 𝑦𝑐 = 𝑣𝑥 Τ1 ωzがゼロに近づくと無限に近づく mapping 𝜔𝑧 +1 p1 p2 𝐶𝑜𝑅 𝒱 p3 m3 𝑣𝑦 𝑥𝑐 −𝑣𝑦 Τ−1 𝑦𝑐 = 𝑣𝑥 Τ−1 m1 (ωz、vy平面) +∞遠点 -∞遠点 p3 m2 -1 𝑦ො 𝒱 p2 p1 m1 m2 𝑥ො m3

42.

4.③ CoRが作るPositive span + + + + (1)2つの+のCoR 42 + それが作るPositive span - + (2)2つの符号が異なるCoR + + それが作るPositive span

43.

4.③ CoRが作るPositive span 43 + + + + + + (3)3つの+のCoR + それが作るPositive span + + + + (4)3つの符号が異なるCoR + - - それが作るPositive span

44.

4.④ 接触点の拘束性を CoR で可視化 Twist可動領域を示す breaking +, B 44 (+)回転によって接触点 がBreaking領域 (-)回転によって接触点 がBreaking領域 +, B -, B -, B CoR - CoR(-)回転によって 接触点がBreaking 静止接触点 +, B 接触点での形状、曲率など考慮せず、回転角度も微少の範囲?(first-order近似の範囲) -, B

45.

4.④ 接触点の拘束性を CoR で可視化 Twist可動領域を示す sliding, rolling (+)回転によって接触点 がBreaking領域 (-)回転によって接触点 がBreaking領域 +, B -, B +, Sr - , Sl - CoR ±, R CoR(-)回転によって 物体が左にスライド Sl(slide left) 静止接触点 -, Sl 45 +, Sr 接触点での形状、曲率など考慮せず、回転角度も微少の範囲?(first-order近似の範囲)

46.

4.⑤ Planar Graphical Methodsでの可視化例 46 ここまでは、静止接触が一つある場合、 CoRの± とその領域(接点ラベル)に よって、物体と接触点との拘束状態(Breaking, Sliding, Rollimg)が示されました。 次からは、複数の接触がある場合についての解説です。 複数の接点がある場合、個々の接点から制約と接点ラベルの集合演算を行います。 この制約の結合は、領域が凸で超多面体twist coneになります。

47.

4.⑤ 可視化例(3接触点) 47 複数の接触点がある場合として、3接触点の例を示す A 𝑦ො ℱ3 𝑥ො table ℱ1 ℱ2 1 2 3 robot finger 物体Aはテーブル上の、接点1、接 点2で接触している。また接点3で はロボット指と接触している この領域 にCoRが あれば反 時計回転 可能 A 接触点 この領域に CoRがあれ ば時計回転 可能 1 (1)接触点1 接触点1に対するcontact label領域

48.

4.⑤ A 1 可視化例(3接触点) A 48 A 2 1 2 <1+>と<2ー>が相殺 →この領域で回転できない (1)接触点1 接触点1に対する contact label領域 (2)接触点2 接触点2に対する contact label領域 (3)接触点1+接触点2 接触点1,2に対する contact label領域の 集合加算結果

49.

4.⑤ 可視化例(3接触点) 49 <1+>と<2-> が相殺 A 1 3 A 2 <1+>と<2ー>が相殺 →この領域で回転できない (3)接触点1+2 接触点1,2に対する contact label領域の 集合加算結果 1 2 <2->と<3+> が相殺 <1->と<2+> が相殺 (4)接触点1+2+3 接触点1,2、3に対す るcontact label領域の 集合加算結果

50.

4.⑤ 可視化例(3接触点) 50 無限遠にCoR SlSlB 接触点1に対してSliding-left 接触点2に対してSliding-left 接触点3に対してBreaking SlSlB BSlB BBSr SrBSr 3 A BBB BSlSl BBSl BBB SrBB BBR BBSr BBB; 接触1に対してBreaking 接触点2に対してBreaking 接触点3に対してBreaking RBB 1 2 1 SlBB 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 (4)接触点1+2+3 接触点1,2、3に対す るcontact label領域の 集合加算結果 SlSlB BBSr; 接触点1に対してBreaking 接触点2に対してBreaking 接触点3に対してSliding-right 無限遠にCoR 接触点1,2、3に対する contact mode

51.

4.⑤ 可視化例(3接触点) 4 3 A 51 4 3 A 3 A 可動領域 が存在 1 2 (4)接触点1+2+3 接触点1~3に対する contact label領域の 集合加算結果 1 2 (5)接触点1+2+3+4 接触点1~4に対する contact label領域の 集合加算結果 1 2 Form closure 𝑉 = 𝒱𝐴 | ℱ𝑖𝑇 𝒱𝐴 ≥ 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 V=0

52.

4.⑥ First-order analysisでの限界 52 無限遠にCoR SlSlB SrBSr 接触点1に対してSliding-right 接触点2に対してBreaking 接触点3に対してSliding-right BBSr A SrBSr SrBSr 3 BSlB BBB BSlSl BBSl BBB BBR SrBB RBB 1 2 1 SlBB First-order analysisの限界 上図SrBSr(CoR)での+回転では 接触点3で食い込みが発生する 接触点での形状、曲率など考慮せず、回転角 度も微少の範囲?(first-order近似の範囲) SlSlB 無限遠にCoR 接触点1,2、3に対する contact mode BBSr

53.

5.Form closure (数式での表現) Form closureの数式的表現について解説します。 53

54.

5.① form closureの条件 54 (1)各接触点で物体への侵入がない(剛体条件) ℱ𝑖𝑇 𝒱 ≥ 0 𝑛ො ℱ1 ℱ2 (2)各接点による制約を満たすtwist Vの領域がゼロとなる n=3 :2次元物体(planar) n=6 :3次元物体(spatial) (プラスのwrenchの和でその空間を満たせる→力の釣合いを持たせる) 𝑝𝑜𝑠 ℱ1 , ℱ2 ⋯ ℱ𝑗 = ℝ𝑛 (3)Form closureを満たす必要な拘束数 (First-order条件) 2次元物体(planar)の場合 :3+1=4 3次元物体(spatial)の場合 :6+1=7 空間ℝ𝒏 はn + 1個のベクトルによってPositive span(conical span) することができる ℱ𝑗

55.

5.① form closureの条件 (2次元での例) First-Order analysisでの Form Closure 条件の限界 ± (a) (b) ± (c) higher-order form closure ± (d) 55 ± (e) ± (f) higher-order form closure (a)は、4本の指によるform-closure。 (b)と(c)は、一次解析では同じで、三角形はそれぞれの場合においてその中心を中 心に回転できるとなる。しかし、二次解析では、(b)ではこれが不可能であることを 示している。 (d)、(e)、(f) では、一次解析では垂直線上のどの中心に対しても回転が可能で同 一である。しかし、これは(d)では真であるが、(e)ではこれらの中心の一部につい てのみ回転が可能でり、(f)では運動は不可能である。

56.

5.② form closureの計算論 56 𝐹𝑖𝑟𝑠𝑡-order form closure iff: (1)Fを物体に働くj個のwrenchが作るマトリクスとする 𝐹 = ℱ1 , ℱ2 ⋯ ℱ𝑗 ∈ ℝ𝑛×𝑗 , 𝑛 = 3 𝑜𝑟 6 𝑛ො n=3 :2次元物体(planar) n=6 :3次元物体(spatial) ℱ1 ℱ𝑗 ℱ2 (2)positive spanで力の平衡条件を満足させるkを求める ∎ 𝑟𝑎𝑛𝑘 𝐹 = 𝑛 3 𝑜𝑟 6 ∎ 𝐹𝑘 = 0 𝑓𝑜𝑟 𝑠𝑜𝑚𝑒 𝑘 ∈ ℝ𝑗 , 𝑘𝑖 ≥ 𝜖 > 0 𝑓𝑜𝑟 𝑎𝑙𝑙 𝑖 例) 2次元物体(planar) 𝑘 ∈ ℝ 𝑗 , 𝑘𝑖 ≥ 0 ℱ𝑖 = 𝑚𝑧 , 𝑓𝑥 , 𝑓𝑦 ℱ𝑒𝑥𝑡 外力 𝑛ො 𝑇 𝐹𝑘 + ℱ𝑒𝑥𝑡 =0 力の平衡(外力が加わった場合) ℱ1 ℱ2 ℱ𝑗

57.

5.③ form closureの例題 (計算機テスト) ⚫ 力の平衡と最適化条件 57 ℱ4 𝑘1 ℱ1 + 𝑘2 ℱ2 + 𝑘3 ℱ3 + 𝑘4 ℱ4 = 0 𝑚𝑖𝑛𝑖𝑚𝑖𝑧𝑖𝑛𝑔: 𝑘1 + 𝑘2 + 𝑘3 + 𝑘4 𝑘𝑖 ≥ 1 ⚫ 物体に働く4つのwrenchが作る マトリクス F 𝐹 = ℱ1 , ℱ2 , ℱ3 , ℱ4 0 0 −1 2 𝐹 = −1 0 1 0 0 −1 0 1 𝑦ො ℱ1 指 指 ℱ3 𝑥ො ℱ2 2指で物体の2隅を把持する これを線型計画法(Linear Programing)を用いて解く 回答) ans: 𝑘1 = 2, 𝑘2 = 1, 𝑘3 = 2, 𝑘4 = 1 0 0 −2 𝐹 = −2 0 2 0 −1 0 2 0 1 各行の和がゼロ 力の平衡条件

58.

5.③ form closureの例題 (計算機テスト) ⚫ Linear Programing ⚫ MATLABを用いて解く 前ページ回答と同じ 58

59.

5.③ form closureの例題 (計算機テスト) 補足です。たぶん?このようなことですね ℱ4 ✓ 物体内部の長さは図のよう に横2、縦1の長さ ✓ 指がくわえる力の大きさは 各軸方向に1 ✓ 左下隅を原点とした 0 ℱ1 = −1 1 moment: 2×1=2 ℱ3 F4のモーメント 1,0 𝑦ො 1 2 ℱ1 𝑚𝑧 ℱ = 𝑓𝑥 𝑓𝑦 0,1 moment: -1×1=-1 F3のモーメント 𝑥ො −1,0 0, −1 0 ℱ2 = 0 −1 0 0 −1 2 𝐹 = −1 0 1 0 0 −1 0 1 59 ℱ2 𝑓 = 𝑓𝑥 , 𝑓𝑦 −1 ℱ3 = 1 0 問題の初期 条件となる 解法結果が 2 ℱ4 = 0 1 0 0 𝐹 = −2 0 0 −1 −2 2 2 0 0 1

60.

5.③ form closureの例題 (計算機テスト) そして、右指の接触点 を右下隅にかえる と・・・ 𝑦ො F3のモーメント 2 Linear Programingの 解がない ℱ1 moment: 0×1=0 𝑥ො 1,0 −1,0 𝑚𝑧 ℱ = 𝑓𝑥 𝑓𝑦 0 ℱ1 = −1 1 1 0, −1 0 ℱ2 = 0 −1 0 0 0 𝐹 = −1 0 1 0 −1 0 −2 0 −1 ℱ3 ℱ2 0 ℱ3 = 1 0 モーメントの平衡 が取れない y軸方向力の平衡 が取れない 60 ℱ4 −2 ℱ4 = 0 −1 0, −1 moment: -2×1=-2 F4のモーメント 𝑘1 ℱ1 + 𝑘2 ℱ2 + 𝑘3 ℱ3 + 𝑘4 ℱ4 = 0 𝑘𝑖 ≥ 1 で解がないのは明らか

61.

6.Quality of a Form-Closure Grasp 両方ともform closureです。どちらが良いでしょう? 把持の良さ(Quality)を評価する方法(grasp metric) には、多くの考え方があります。 grasp metricは、接点の {Fi}集合から、単一の値 Qual({Fi}) を返します。ここで、 Qual({Fi}) < 0 は、把持がformclosureを生成していないことを示し、正の値が大きいほど、よ り良い把持であることを示します。 一例として、物体の損傷を避けるために、接触iにおける力の大きさ がfi,max > 0以下であることを要求するとします。すると、j個の接点 が加えることのできる接点レンチの総セットは、この左式で与えら れます。 𝑗 𝐶𝐹 = ෍ 𝑓𝑖 ℱ𝑖 |𝑓𝑖 ∈ 0, 𝑓𝑖,𝑚𝑎𝑥 𝑖=1 これまで、把持については超多面体を扱ってきました。そこでの考えを用いて把持の質を表す一つの 数値に変えることです。例えば、物体が受けることが予想される外乱の大きさを利用します。例えば、 grasp metricを、レンチ空間の原点を中心とし、凸多面体内にある最大のレンチの球の半径とする、 があります。次にその例を示します。 61

62.

6. Quality of a Form-Closure Grasp 62 Wrenchの配置による外力への抵抗性能 把持の質を表す一つの数値として、物体が受けることが予想される外乱の大きさを利用します。例えば、 grasp metricを、レンチ空間の原点を中心とし、凸多面体内にある最大のレンチの球の半径とする例 を示します。 ( Case1 ) ( Case2 ) ℱ2 ℱ2 ℱ1 ℱ1 𝑑 𝑑 ℱ3 ℱ3 F1とF2での集合 F3によるその移動 F1とF2での集合 F3によるその移動 1. 2次元レンチ空間における3つの接触レンチの集合と、レンチ多角形の内 側に収まる原点を中心としたレンチの最大球の半径dを比較する 2. より大きな内接球をもたらす3つのレンチ配置セットの方が良い • モーメントmと力fの次元は異なるため、物体の代表的な長さrで変換(m/r) • 原点を何処にするか?→幾何中心か、質量中心

63.

6. Quality of a Form-Closure Grasp 始めの問い: 両方ともform closureです。どちらが良いでしょう? この例では、各指に同じ力を加えることができるのであれば、 左の把持の方が、物体の中心に対してより大きなモーメントに 抵抗できるため、より優れていると考えられます 63

64.

つづく 次回は、force closureについて解説します。 ただし、著者の力量不足により、その更新の ペースは遅いものになります。 引き続き解説は以下の教科書とビデオ講義に基づいていきます。 Kevin M. Lynch , Frank C. Park, Modern Robotics: Mechanics, Planning, and Control, Cambridge University Press,2017 <PDF>http://hades.mech.northwestern.edu/images/2/25/MR-v2.pdf Northwestern Robotics: Educational and research videos from the Center for Robotics and Biosystems and the Master of Science in Robotics program at Northwestern University https://www.youtube.com/playlist?list=PLggLP4f-rq02vX0OQQ5vrCxbJrzamYDfx 64