Cloudflare R2導入によるコスト削減のリアルな道のり

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May 20, 25

スライド概要

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MOSH株式会社 LINE API Expert|Rust愛好家 & チームの生産性向上推進者|2015年 世界コンピュータ将棋選手権 9位|趣味:ヤクルトスワローズ、将棋、キャンプ、DQW、旅行、謎解き|日々の発見と成長を共有中

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

\ エグレス料金を約70%削減! / Cloudflare R2導入によるコスト削減の リアルな道のり 2025年5月20日 開発者が知っておきたい “コスト削減&効率化 両立の一手” ~ Cloudflare活用編 ~

2.

山本一将|焚き火を愛するエンジニア 所属 ユニークビジョン株式会社 テックリード 実績 2015年 世界コンピュータ将棋選手権 9位 2024年 LINE API Expert 認定 好きなもの kyamamoto9120 ヤクルトスワローズ 将棋 キャンプ DQW 謎解き 2

3.

今日お話すること 1 課題:見過ごせなくなったエグレス料金 2 解決策:Cloudflare R2 への期待と障壁 3 成果:リアルな導入プロセスとコスト削減効果 3

4.

CHAPTER 1 会社と事業の紹介

5.

会社概要 社員の50%以上がエンジニアの テクノロジー企業です。 早い開発スピード・高い開発力へ投資: エンジニア(フルタイム)中心の企業 社名 ユニークビジョン株式会社 SNSマーケティングツールの提供: 代表者 白圡 良之 SNSキャンペーン、SNSアカウントの統合管理 設立 2008年1月15日 所在地 東京都渋谷区千駄ケ谷5-34-7 NX新宿ビル2階 SNSプラットフォームベンダーとの密な連携: 従業員数 70名 認定パートナーとしてキャンペーンメニューの共同開発 (Twitter社, LINE社)、迅速な情報共有 事業内容 ソーシャルメディアを活用して企業のファンを 増やすマーケティング事業 5

6.

「フォローしてリポストするとその場で当たる!」を日本で最初に作った会社 6

7.

SNS マーケティングの全フェーズを技術の力でサポート 7

8.

Beluga シリーズを通してブランド体験の創出をお手伝いします 8

9.

プラットフォームからのパートナー認定も取得 9

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CHAPTER 2 エグレス料金高騰の背景

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キャンペーンシステムの特徴 寿命の短いWebサイトを大量に管理する Webサイトはキャンペーン期間中だけ稼働します。少ない工数で構築と削除を行う必要! 突発的なトラフィック増加が発生する SNS の特性上、スパイクのタイミングは掴みづらい。コストと負荷対策のバランスが重要! 動画配信も行う ブランド体験にはクリエイティブの力も重要!動画をストレスなく配信する必要がある。 11

12.

当初のシステム設計方針 効率よく安定してキャンペーンを実施できる状況を目指す 1 突発的なトラフィック増加に耐えられるスケーラビリティ 2 複数のキャンペーンサイトを効率よく運用できる仕組み 12

13.

当初のシステム構成 キャンペーン稼働中は CloudFront + S3 でスケーラブル AWS Cloud サイト構築 システム Amazon CloudFront Amazon S3 キャンペーン 管理システム 13

14.

ある月の請求額、コストの85%が...! AWSの請求書画面のスクショがある気持ちで見てください󰢙 CloudFront の総額 XXXX USD ?! えっ、こんなに!? CloudFront の請求画面の スクリーンショットがここにあります…! ← Bandwidth が xxxx USD !! 原因はここだ!! 請求額の約85%がデータ転送量! 14

15.

どのような状態を目指したか 低コストで 効率よく安定してキャンペーンを実施できる状況 1 突発的なトラフィック増加に耐えられるスケーラビリティ 2 複数のキャンペーンサイトを効率よく運用できる 3 エグレス料金を最小限に抑える! 15

16.

CHAPTER 3 導入プロセス

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思い描いた理想形はコレ メディアはすべてR2!運用そのまま、開発コストは最小限!! AWS Cloud Amazon CloudFront Amazon S3 サイト構築 システム Cloudflare R2 キャンペーン 管理システム 18

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API がない!! R2 バケットを公開するための カスタムドメインの設定がコンソールからしかできない ● キャンペーンページ構築のたびにエンジニアによる手作業が発生 ● 全案件を R2 にすると、運用負荷が現実的ではない 19

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方針転換と実現方法の検討 まずは「効果」と「実現性」を優先し、対象が限定的でも早く出す! 現実的な方針 当初の理想 ● 全キャンペーンR2へ移行 ● 運用は変わらず ● 開発コストも最小限 ● 効果が大きい動画配信・大規模案件のみ対象 ● 当面はR2は手動運用で対応 ● 通常案件は S3 + CloudFront を継続 ● 構築の運用は極力変更しない ● 開発コストは可能な限り最小限に抑える 20

21.

最終構成 ① メディアはS3 と R2 の両方にアップロード AWS Cloud Amazon CloudFront Amazon S3 サイト構築 システム Cloudflare R2 キャンペーン 管理システム 21

22.

最終構成 ② サイト構築時にカスタムドメインの設定状況を確認 AWS Cloud Amazon CloudFront サイト構築 システム Amazon S3 R2 へ HEAD リクエストを送信 ↓ Cloudflare R2 ● OK(2xx) → R2向きで生成 ● NG(4xx / Timeout等) キャンペーン 管理システム → S3向きで生成 22

23.

LAST CHAPTER 導入効果とまとめ

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この構成で得られた結果 エグレス料金は 70% ほど削減できた 削減できたコストと発生する手運用とのバランスは悪くなかったのではないかと思う。 開発コストは最小限で済んだ R2 が S3 に対する高い互換性を持っていたのは本当に良かった! コスト削減の機会を逃がしがち… カスタムドメインを設定しなくても S3 で動いてしまう。運用を変えない方針との加減… 24

25.

まとめ 1 エグレス料金は油断していると大変なことになる 2 S3 → R2 の移行は現実的な選択肢 3 Cloudflare はまだ若い!本当に大丈夫か要確認! 25

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最後に!採用もしているけど、まずはホームページ見て! ホームページ見て、びっくりしたらポストしてください! ホームページで興味を持ったら CASE STUDY とか RECRUIT も 見てもらえるとうれしいです! 26