皆が自分の幸せのために働く時代を作りたい

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April 27, 22

スライド概要

Microsoftの社員の方々にお話する機会をもらえたので、そこでお話した時のスライドです。

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30代後半から発信活動を始めて人生が楽しくなりました。 主にC#/設計技法/マネジメント/チームビルディングの情報を発信します。 デブサミ2020関西ベストスピーカー賞1位。 Microsoft Build 2022 スピーカー。 ITエンジニア向けの月刊誌「Software Design」2022年4月号より連載記事を執筆中。 デンソークリエイト所属。発言は個人の見解。

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各ページのテキスト
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皆が自分の幸せのために 働く時代を作りたい 2022/4/27 Microsoft Developer Office Hour 小島 優介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. /65

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私が実現したい世界 近年、組織が成長するために、「サーバントリーダーシップ」、 「シェアドリーダーシップ」、「内発的動機づけ」など、 一人一人が主体性を発揮する理論が注目されてきました そして、これからの時代は、それをもう一歩進めて 皆が自分の幸せのために頑張る事が 組織への貢献になるような チームビルディングができれば皆が幸せになれると考えています 本発表は、その想いで実践している 「ハピネスチームビルディング」の考え方を紹介します Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 2 /65

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• • • • 幸せを大切にする経緯 主体性を発揮させる 様々な施策の試行 まとめ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 3 /65

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自己紹介(3年前) 名前:小島 優介 年齢:38歳 活動: 社外での発表経験なし 社外での勉強会の参加経験なし 技術記事の投稿経験なし Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 4 /65

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プライベートで勉強するのは嫌だった • けっこう残業していたので疲れていた • プライベートで勉強する事もあったが それは業務上、必要にせまられたから • 基本的にプライベートでは勉強したくなかった だから嫌々勉強していた • ちなみに社外での勉強会やイベントについては そもそも社外イベントの存在を知らなかった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 5 /65

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仕事は真面目に頑張っていた 数年前、プレイングマネージャーとして あるプロダクトの管理と技術の両方を頑張っていた そこそこ残業していたが 開発しているプロダクトが好きで ユーザーの要望をもとに企画する所から アーキ設計やテスト戦略など 自分が決められる裁量が広く 仕事にやりがいを持っていた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 6 /65

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何のために働くのかを考える出来事 人生の中で仕事が最も忙しい時期があった その時、娘が1歳の頃で育児が大変な時期だった (友人と会う機会もすべて断って1年以上友人と交流しなかった) 正直、娘とあまり遊べていなかった ある日、娘が雑に折られた折り紙で 一人で遊んでいるのを見かけた それは数ヶ月前に、私が雑に折った ペンギンの折り紙だった そんなものを娘がずっと大事にしているのを見て 自分は何をしているんだと思って泣いた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 7 /65

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自分にとって大切な事 働く理由を考え直した プロジェクトの成功や、社会的な地位や、 収入の維持より、大切な事 家族との時間を大切にして 家族と幸せになる事の方が何万倍も大切 だから、上司に相談してプロジェクトの計画を変更してもらい 自分の業務量も減らしてもらい 家族との時間が確保できるようになった(ホワイトな会社で良かった) この経験があるからこそ、現在は皆が幸せになるための 「ハピネスチームビルディング」を掲げている Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 8 /65

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• • • • 幸せを大切にする経緯 主体性を発揮させる 様々な施策の試行 まとめ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 9 /65

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その数年後、大きな転機 担当するプロジェクトが変更 別の自社製品の開発チームのリーダーとなり 自分と新人だけで開発開始 開発開始してから数ヶ月経過した時点でのチームの状態は・・・ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 10 /65

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当初(3年前)の開発チーム 全員、技術記事の投稿も社外イベント参加も無し 開発知識は、業務で教えてもらったことしか知らない 中堅の私以外は、自分のタスクの事しか考えない 中堅 3年目 2年目 配属予定の新人 プログラム未経験で入社 めちゃめちゃ成長しないとヤバイ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 11 /65

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めちゃめちゃ成長するために必須な事 全員がめちゃめちゃ主体性を発揮するようになれば 楽しく高速に成長できるのでは? 主体性を発揮しやすい環境を作る Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 12 /65

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主体性を発揮しやすい環境を作る方針 主体性が発揮できていない若手に対して 主体性を発揮しやすい環境を作るために2つの理論を実践 1. サーバントリーダーシップ 2. シェアドリーダーシップ 以降でそれぞれの詳細を説明 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 13 /65

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1. サーバントリーダーシップ さまざまな変化や変動が起きていく現代は 強力なリーダー1人だけが組織を引っ張るだけでは不十分 支配型リーダーシップの反対がサーバントリーダーシップであり 「リーダーである人は、まず相手に奉仕し その後 相手を導くものである」というリーダーシップ哲学 サーバントリーダーは、奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て 主体的に協力してもらえる状況を作り出す Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 14 /65

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2. シェアドリーダーシップ 組織やチームのメンバーひとり一人がリーダーシップを発揮し、 組織の目標達成につなげるリーダーシップ理論 全員がリーダーシップを発揮するために必要な事は以下2つ 「全体を見る力」 全体的な視点を意識することで、 リーダーになる前にリーダーシップを育むことができる 「リーダーシップに対する自分なりの持論を持つ」 持論を持つことで仮説と検証を繰り返して試行錯誤を重ねて 持論がブラッシュアップされ、リーダーシップが鍛えられていく Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 15 /65

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しかし、理論だけでは駄目だった もともと主体性が発揮できていない若手に対して 2つの理論を実践しようとしても、理論だけではうまくいかなかった 心からメンバーに成長して欲しいという想いがなく 小手先だけの取り組み 仕組みやルールだけを作って満足していた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 16 /65

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大事なのはフィードバックの繰り返し • 主体的な行動に対して毎回ポジティブフィードバック • 主体性を発揮する事が、自分の 将来のためになる事を何度も伝える • 主体性を発揮する機会を増やすために、日々の会話から コーチング形式の問いかけを徹底 これを全員に何度も繰り返すことは 想いがないと面倒なのでできない Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 17 /65

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最も大事な事は心からの想い 主体性を発揮するようになってもらうために最も大事な事は 心からメンバーの成長を願う事 私は以下の2つを考えた事で、心から成長を願うように変わった ① メンバーの人生に影響を与える責任 ② メンバーの成長が自分の幸せに繋がる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 18 /65

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心からメンバーの成長を願うように変わった理由① メンバーの人生に影響を与える責任 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 19 /65

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過去の私は、メンバーの人生を考えていなかった 数年前の私は、育成に対して自分本位な考え方だった 自分が経験してきたことと同じ手法で育成すれば十分という考え 育成対象メンバーの人生に大きな影響を与える責任 を考えていなかった (特に若手は、育成担当者の影響を大きく受ける) もし、仕事がつまらないと思わせてしまったら、その後の成長は鈍化し、 その人のエンジニア人生を狂わすかもしれない Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 20 /65

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人生に影響を与えるからこそ全力を尽くす 過去に1人、自分のチームの後輩が会社をやめたことがあった やめた理由は前向きな理由での別の職種への転職だったが 仕事が楽しいと感じなかった事も要因と思う もし自分がもっと仕事が楽しいと感じさせていれば その後輩は、違う人生だったかもしれない 育成というのは、その人の人生に大きな影響を与えてしまう だからこそ今は、仕事が楽しくやりがいがある と感じるように全力を尽くすようになった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 21 /65

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心からメンバーの成長を願うように変わった理由② メンバーの成長が自分の幸せに繋がる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 22 /65

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自分自身の自己実現を考える コーチングの技法(主に宮越大樹さんの理論)で 自分自身の心が本当に望んでいる自己実現が何か考えた 子供時代から振り返って人生で1番嬉しかった事を思い出した 私は子供の頃から漫画やゲームなどの創作活動が好きで、 そういう創作物で、誰かを幸せな気持ちにした時が、一番嬉しかった (ある疾患を抱えて「この数年はずっと悲しい気持ちのまま暮らしてきた」と言う人が、 私のゲームをやったことで、笑っている時は幸せな気持ちになれることを知り、 「これからは私も笑顔を心掛けて生きたい」というメッセージを送ってきたエピソード) つまり、私にとって自己実現で重要なことは 「自分の成果が人を幸せな気持ちにすること」 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 23 /65

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仕事の中での自己実現を考える そう考えた時、この自己実現を仕事の中でもできないかと考えた その方法が 「自分が考えた施策でメンバーを幸せにすること」 では、どうすればチームメンバーを幸せな気持ちにできるのか? 仕事で「楽しい・嬉しい」と感じるのは、どんな時か? 「主体的な行動で成果が出る」 その体験を繰り返す Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 24 /65

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「主体的な行動で成果が出る」を繰り返すには 重要なのは実際に「成果が出たという事実」よりも 「本人がそう感じる事」 たとえ成果が出ても、本人がそう感じなければ意味がない だから、ほんの些細な事でも(会議で自分から発言した、など) 主体的な行動をするたびにフィードバックが大事 さきほど紹介した以下の繰り返しは、想いがあればできる • 主体的な行動に対して毎回ポジティブフィードバック • 主体性を発揮する事が、自分の 将来のためになる事を何度も伝える • 主体性を発揮する機会を増やすために、日々の会話から コーチング形式の問いかけを徹底 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 25 /65

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それが私自身の幸せに繋がる メンバーが「主体的な行動で成果が出る」を繰り返すようになったら 「自分が考えた施策でメンバーを幸せにすること」 という自己実現となり、それは私の幸せに繋がる そして、育成したメンバーが入社して10年後に 「最初の育成担当者があなたで本当に良かった! おかげで今、こんなに幸せです」 って言ってもらう事が私の夢の1つ このような考えに辿り着いたからこそ 心からメンバーの成長を願うようになった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 26 /65

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心からメンバーの成長を願うように変わった まとめ 以下の2つを考えたことで変わることができた メンバーの人生に影響を与える責任 メンバーの成長が自分の幸せに繋がる Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 27 /65

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• • • • 幸せを大切にする経緯 主体性を発揮させる 様々な施策の試行 まとめ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 28 /65

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それ以前の私は・・・ 心からメンバーの成長を願うように変わった後で 過去の自分の行動を振り返った時、私はそれまで 主体性を失わせる行動を繰り返していた事に気付く ① ② ③ ④ 報連相が遅い原因をメンバーのせいにする 常に期限達成を強制する レビュー指摘が多い原因をレビューイのせいにする 問題に対して即座に答えを提示する これを「主体性を失わせる4つのアンチパターン」として 自分の行動を改善。詳細は以下のスライドを参照。 https://www.docswell.com/s/kojimadev/534M2Z-2022-04-27-002038 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 29 /65

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継続的にメンバーの主体性を発揮させる施策 「試行→アウトプット→いいね」の無限ループで成長できて楽しい この活動を「ハピネスチームビルディング」と名付ける これをデブサミ2020関西で発表し、ベストスピーカー賞1位を受賞。詳細は以下。 「1年以上かけて生産性倍増+成長し続けるチームになった施策を全部公開」 https://qiita.com/kojimadev/items/4b28f801863cf4e8f0da Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 30 /65

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(参考)ハピネスチームビルディングの施策一覧 1. 積極的に試行する価値観を共有 2. 提案しやすい視点を提供 3. とにかく試行して実績作り 4. 試行件数の見える化 5. ペアプロ/モブプロで楽しむ 6. コーチングプログラミング 7. ポジティブフィードバック 8. 毎朝15分のアウトプット勉強会 9. 毎月の技術記事投稿 10. 要求からテストまで全てやる 11. 主体的に学習できる環境を作る 12. 個人で企画したアプリ開発を勧める 13. 社外イベントでの発表を勧める 14. 各自の仕事の進め方を見える化 15. 日々の指導の観点を絞る Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 31 /65

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その後も様々な施策を実施 メンバーが主体性を発揮しやすい環境を作るために その後も様々な施策を試行、以下は施策の一例 1. メンバーの自己実現を理解する 2. マネージャーとメンバーの両方の取り組みを行う 3. 朝会で1人1回 質問する 4. 会議で主体的な発言ができたか振り返る 5. 毎日の会話で主体性を発揮させる 6. リーダーらしく行動できた回数を見える化 7. 振り返りのファシリテーターとやり方を毎回変更 8. 交代でリーダーを任せる 9. 朝会もくもく会 10.チーム内LT会 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 32 /65

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施策の中で最も難しいが最も意義のある施策 「メンバーの自己実現を理解する事」 現在のモチベーションを高めるだけでなく 今後の人生において、自分が幸せになるために どうすれば良いかの道標になるため意義がある しかし、若手であるほど自分の自己実現とは何かが 分からないため、それを一緒に見つけ出す難しさがある 次ページからメンバー(Aさん)の 自己実現を理解するための 具体例を紹介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 33 /65

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1 on 1 で一緒に見つけ出す 1 on 1 でのAさん自身の心が本当に望んでいる 自己実現が何かをコーチングを用いて見つけ出す ([「コーチング脳」の作り方]という書籍参照) 自分の自己実現は分からない事が多いため、まず 過去の出来事の棚卸しで、自分の価値観に気付いてもらう Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 34 /65

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過去の出来事の棚卸しとは 子供時代から振り返って人生の中で、とても嬉しかった事や 充実感を得た体験を思い出してもらう 「ボランティア活動で、人に喜んでもらい嬉しかった」という表現でなく その時の状況、相手がどんな表情だったか、 自分はどの瞬間に一番嬉しかったのか、 その瞬間をできるだけ具体的にイメージ できるように言葉にしてもらう それをもとに、自分にとって重要な価値観に気付いてもらう Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 35 /65

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嬉しかった事や充実感を得た体験のエピソード (例1) 中学3年に学級委員、クラスをまとめるのが大変だった 卒業式の日、担任の先生からありがとうと言われた 「あなたが学級委員で良かったよ」と泣いて感謝してくれた それを見てやって良かった、まとめ役は向いているかもと思った (例2) 大学時にボランティアで、小学生になる前の外国の子どもたち対して 1週間程度で学校の授業を体験してもらった 最終日に、親を呼んで、子供たちが練習した歌と踊りを見せた 練習の成果を見た親は泣きながら感謝しくれた 自分にとっても、その瞬間が一番嬉しくて泣いた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 36 /65

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エピソードから自分の価値観に気付く それらのエピソードから、自分にとって重要な価値観が何か Aさん自身の言葉で話してもらう そこで出た言葉は 「自分がやったことで、自分の周囲が喜ぶ事」 これがAさんにとって、重要な価値観であり、自己実現 それが分かった上で 「あなたが心から望んでいる理想の状態」を問いかける 実現方法を考えてしまうと「理想の状態」にならないため 実現方法を考えずに、自分の能力などの前提をとっぱらって 自分の心が本当に望んでいる理想を考えてもらう Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 37 /65

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理想の状態を一緒に考える会話例 Aさん「理想は、自分で仕事が進められて、チームが回ってる事かな」 私「10年後を想像して、もっと理想を言ってみてください」 Aさん「自分が先頭に立って皆を引っ張っていく感じですかね」 私「いいですね、もう少し具体的に言うと?」 Aさん「自分が会社を引っ張って、会社に凄く貢献します」 私「喜んで欲しいのは、会社の人という事になります?」 Aさん「あ、違いますね、私は自分の周囲の人に喜んで欲しいです だからチームを引っ張ってチームの皆に喜んで欲しいです あ、でもそのレベルなら自分が先頭に立つ充実感が一番かも」 私「じゃあ、チームの皆でそこそこの成果を出すのと 自分1人で10倍の成果を出すのと、充実感はどっちがあります?」 Aさん「それは、チームの皆でやった方が良いです 私はチームの皆と一緒に充実した仕事がやりたいです」 38/65 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved.

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理想の状態が分かれば、実現方法を考えられる 私「つまり、理想の状態とは、どういう状態ですか?」 Aさん「『チームメンバーが自分の影響でうまく成長して 皆が充実感をもってガンガン進められている』です」 これがAさんの仕事の中での自己実現の形 あとは以下を確認すれば、これからの行動の指針が決まる 「理想と現状とのギャップは?」 「ギャップを埋めるための方法は?」 「具体的に何から始める?」 その後は、Aさんの自己実現を叶えるために成長をサポートする事で Aさんが幸せに近づく支援をする Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 39 /65

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• • • • 幸せを大切にする経緯 主体性を発揮させる 様々な施策の試行 まとめ Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 40 /65

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当初(3年前)の開発チーム 全員、技術記事の投稿も社外イベント参加も無し 開発知識は、業務で教えてもらったことしか知らない 中堅の私以外は、自分のタスクの事しか考えない 中堅 3年目 2年目 配属予定の新人 プログラム未経験で入社 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 41 /65

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現在(3年後)は、主体的に継続成長するチーム 毎年新人が入ってくるがその新人も含めて以下の状態 • 全員が技術記事を毎月投稿、全員が社外イベントで発表 • 毎月新しい技術・ツール・プラクティスを皆が提案 • 各自が自分のタスクの事だけでなく チームのための提案を積極的に行う 楽しく開発できており、開発生産性も高くなり、 2020年は社内のプロジェクトの中で1番という評価の賞をもらった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 42 /65

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自己紹介(現在) 名前:小島 優介 活動(3年前): 社外での発表経験なし 社外での勉強会の参加経験なし 技術記事の投稿経験なし 活動(現在): 「ハピネスチームビルディング」の発信活動で以下の実績 • Developers Summit 2020 KANSAI ベストスピーカー賞1位 • ITエンジニア向け月刊誌「Software Design」で連載執筆中 • Qiita/Zenn/NoteでのLGTM/スキの合計1万件 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 43 /65

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最後に 本発表で紹介している考え方が チームビルディングの参考になれば幸いです 私はこれからも皆が自分の幸せのために頑張る事が 組織への貢献になるような チームビルディングの知見を試行錯誤しながら広めていきます 本発表資料は @kojimadev のTwitterアカウントから 公開しています Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 44 /65