Hakoniwa-drone-control-engineering-environment

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November 19, 24

スライド概要

本資料では、箱庭ドローンを利用した制御工学教育に関する教材を検討しています。教育プログラムではドローン制御に興味のある参加者を対象にし、必要な前提知識として微分積分やPID制御などを挙げています。学習のステップとしては、物理モデルや制御モデルの理解、線形化、制御設計などが含まれ、シミュレーションを通して理論と実践を結びつけることを目指しています。最終的には2025年7月頃の完成を目指しており、残タスクとして各種ドキュメント作成や評価ツールの開発があります。

おすすめタグ:制御工学,箱庭ドローン,教育プログラム,シミュレーション,PID制御

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TOPPERS/箱庭WG活動でUnityやらAthrillやらmROSやら触ってます。 最近は仕事の関係でWeb系の技術に注力しつつ、箱庭への転用を模索しています。 2023年8月1日:合同会社箱庭ラボに移動しました

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各ページのテキスト
1.

箱庭・制御工学 勉強環境 合同会社箱庭ラボ 森崇

2.

本資料の目的 • 本資料では、箱庭ドローンを利用した制御工学教育を勉強するための教材 について検討しています • 箱庭ドローンとは • https://github.com/toppers/hakoniwa-px4sim • 箱庭ドローン制御工学教育を目的としたリポジトリ • https://github.com/toppers/hakoniwa-drone-education • アジェンダ • 箱庭ドローン制御工学セミナーやるとしたら • 学習のステップ • プラン 2

3.

箱庭ドローン制御工学セミナーやるとしたら • 対象 • ドローン制御に興味のある人・学生さん • 前提知識 • 微分積分/ラプラス変換 • ボード線図 • PID制御 • 学習できること • 古典制御ベースで理論面の学習と箱庭シミュレーション体験ができる • 1回目は、高度制御(まずは速度制御)にフォーカスする 3

4.

学習のステップ ドローン アーキテクチャ 理解 物理モデル (非線形) 制御モデル (非線形) 制御設計 仕様定義 釣り合い状態 での線形モデル化 制御設計 仕様 ボード線図 物理モデル (線形近似) 線形モデルの シミュレーション 評価 制御モデル (線形近似) (理論/シミュレーション) ステップ応答 (理論/シミュレーション) 周波数領域 解析評価 周波数領域の 評価 ボード線図 (開ループ) PIDパラメータ 低周波数 PID制御の シミュレーション 評価 時間領域 ラプラス領域 ステップ応答 極配置 (閉ループ) (閉ループ) 中周波数 高周波数 安定性 定常特性 速応性 減衰性 雑音除去 4

5.

ドローンのアーキテクチャ理解 • 物理モデル • 制御モデル 5

6.

物理モデル 制御側 ドローンの物理式 位置、角度、速度、角速度 デューティ1 デューティ2 デューティ3 T ローター Ω1 Km VBAT ----------Tm s + 1 Ω2 Tx Ω3 Ty Ω4 Tz デューティ4 スラスタ (1次遅れ) 理想的なバッテリーと して、常に同じ電圧 を供給 VBAT i(電流) バッテリー 電圧:14.8V 容量:4Ah 6

7.

制御モデル 一回目 目標速度 目標高度 高度制御 目標水平位置 目標姿勢角度(ψ) 水平位置 制御 ヨー角度制 御 推力 高度速度 制御 推力 デューティ1 デューティ2 モータ プロペラ系モ デル ミキサー 物理 モデル デューティ3 目標姿勢 角速度(r) 目標水平 速度 水平速度 制御 目標姿勢 角度 (φ, θ) 水平姿勢 角度制御 目標姿勢 角速度 (p, q) 姿勢角速 度制御 トルク デューティ4 トルク 補足:赤字部分は評価ツールから直接入力可能 7

8.

釣り合い状態での線形モデル化 C(s) T(s) / E(s) R E PID制御 (Vz制御) ω(s) / D(s) D(s) / T(s) T P(s) T(s) / ω(s) D Mixer Rotor (VBAT) ω Thruster Vz(s) / T(s) T Vz Vz運動 線形化 C(s) ΔT(s) / E(s) R E PID制御 (Vz制御) Δω(s) / ΔD(s) ΔD(s) / ΔT(s) ΔT Mixer P(s) ΔT(s) / Δω(s) ΔD Rotor (VBAT) Δω Thruster Vz(s) / ΔT(s) ΔT Vz Vz運動 各線形モデルの導出結果:https://github.com/toppers/hakoniwa-drone-education/blob/main/docs/README.md 8

9.

線形モデルのシミュレーション評価 理論 シミュレーション 対象 伝達関数 物理 (Vz運動) 状況 理論一致有無 状況 ゲイン線図 × ー × 位相線図 × ー × ステップ応答 × ー × ゲイン線図 × ー × 位相線図 × ー × ステップ応答 × ー × 開ループ 閉ループ 制御 (Vz制御) 内容 閉ループ 9

10.

制御設計仕様定義(Vz速度制御) 分類1 安定性 分類2 ー 定常特性 目標追従性 速応性 ロバスト性 減衰性 外乱抑制性 雑音除去 指標 古典制御の道具 目標値 極が左半平面 閉ループ 極配置図 全ての極が左半平面にあること ゲイン余裕 開ループ ゲイン線図 TODO ゲインの傾き(ωc) 開ループ ゲイン線図 -10〜-20 dB/dec 伝達関数 0 ステップ応答 5秒以下 ステップ応答 1秒以下 ステップ応答 1秒以下 定常位置偏差 整定時間 Ts(5%) 立ち上がり時間 Tr 遅れ時間 Td 開ループ 閉ループ オーバーシュート量 Os 閉ループ ステップ応答 目標値の1%以下 位相余裕 開ループ 位相線図 30 dB以上 ゲインの傾き(高周波領域) 開ループ ゲイン線図 -40〜-60 dB/dec 10

11.

理想的な極配置 ζ=0.707 Im 速応性 減衰性 45° 45° 減衰性 Re 2次遅れの特徴量: 固有周波数:ωn 整定時間 ≒ 3 / ζωn -ζωn 11

12.

解析評価(ラプラス領域) • 理想的な極配置 • 全ての極が左半平面にあること • 定常位置偏差 • 速応性、減衰性、整定時間が良い領域の極配置 12

13.

解析評価(時間領域) • TODO項目 • 以下の項目をモデルから定量化 • 整定時間 • 立ち上がり時間 • 遅れ時間 • オーバーシュート量 13

14.

周波数領域の評価 • TODO項目 • 以下の項目をモデルから定量化 • ゲイン余裕 • ゲインの傾き(ωc) • 位相余裕 • ゲインの傾き(高周波領域) 低周波領域 中周波領域 ゲインの傾き (ωc) 高周波領域 ゲインの傾き (高周波領域) 位相余裕 14

15.

PID制御のシミュレーション評価 • TODO項目 • 理論に合わせて制御側の再実装が必要 • シミュレーションの実施と評価 • 理論値と一致しているかどうか 15

16.

プラン • 2025年7月頃の完成を目指しています。 • 以下、残タスクです。 • 線形モデルのシミュレーション評価 • 設計仕様で決めた指標の定量化ツール • PID制御のシミュレーション評価 • 各種ドキュメント作成 16