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April 15, 25
スライド概要
弊社社員が、企画立案し社会貢献活動として携わっている「医療DX研究会」(主催:公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 近畿地区協議会)の発表資料「医療DX政策動向と医療DX研究会活動について」です。ご参考になれば幸いです。
主 催:日本医業経営コンサルタント協会 愛知県支部
日 時:2025.01.16.(木) 15:10 ~ 17:10
会 場:安保ホール(名古屋市中村区名駅3-15-9)
https://hathor.ne.jp/
近畿地区協議会 調査研究事業 「医療DX研究会」 医療DX政策動向と医療DX研究会活動について Ver.1.23 主 催:日本医業経営コンサルタント協会 愛知県支部 日 時:2025.01.16.(木) 15:10 ~ 17:10 会 場:安保ホール(名古屋市中村区名駅3-15-9) 近 畿 地 区 協 議 会 医 療 D X 研 究 会
はじめに (1)研修概要 近畿地区協議会 医療DX研究会活動として、 (1) まず、医療DX政策動向の調査研究について、お話をさせて頂き、 (2) 医療機関の内外環境の劇的な変化を押えた後、 (3) 先行する一般企業のDX状況調査報告書(情報処理推進機構)から導き出した医業経営上 の「医療DX」の重要成功要因について、解説すると共に、 (4) 先進的に医療DX取り組んでおられる医療機関の調査結果に基づいた医療DX推進のた めの重要なポイント(ベストプラクティス*)を紹介し、当該調査結果を反映した「医療 DX ・ 実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドライン」の策定状況など をお話しさせて頂きます。 拙い内容ですが、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 * ベストプラクティス=最も効率のよい技法、手法、プロセス、活動などのこと。最善の方法、最良の事例。 • ベストプラクティスがない状態では、自病院で最善のやり方を見つけ出す必要性があり、試行錯誤を繰り返して、さまざまな手法を試していく しかない。 • ゼロから模索するよりも、はるかに短期間で、優れたやり方を導入でき、時間と費用を大きく節約できる。 • 効果が実証されている手法(事例)なので、院内の合意も得やすい。 1
はじめに (2)目 次 1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5.2024年度実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 2
1.医療DX研究会 (1)2018年4月発足 2018年 04月 当研究会(前身:サイバーセキュリティ演習研究会)発足 医療機関サイバーセキュリティ机上演習シナリオ開発 2018年度 2019年 10月 第 23 回医業経営コンサルタント学会発表(名古屋) 2020年 2月 【サイバー攻撃被害】 ★2021年10月 つるぎ町立半田病院 2021年 11月 ★2022年10月 大阪急性期総合医療センター 2022年 12月 2023年 3月 島根県警・サイバーセキュリティ机上演習実施 戦略としてのリスクマネジメント広報セミナー 機関誌 JAHMC 2022 年 12 月号寄稿 大阪府・和歌山県連合支部主催 継続研修 3
1.医療DX研究会 (2)報道機関取材 ■ NHK 関西ローカルニュースで放映! 2019年2月16日、NHK大阪放送局が、「医療機関サイバーセキュリティ机上演習」を密着取材し、 当日の夕方のニュースで放映(1分30秒)。 出典元:NHK関西ローカルニュース(2019.2.16. 18:47:00~18:48:30)から抜粋。( NHK許諾済) 4
1.医療DX研究会 (3)外部評価 ■ つるぎ町立半田病院*1 病院事業管理者 須藤泰史 氏*2 「我々がサイバー攻撃を受ける2年も前に、このような グループワークに取り組まれていたことを素晴らしい。」(2022.9.27.) *1.2021.10.31.サイバー攻撃による被害発生 ① 電子カルテのデータが暗号化され使用不能。 ② 新規外来患者の受入れ停止、手書きで紙カルテに記録。 ③ 2ヶ月間にわたり病院機能が一部停止。 *2.現在、お忙しい合間を縫って、多数の講演や執筆などを通じて全国の医療機関のサイバー攻撃対応体制整備の普及啓 発活動をされています。 (ご本人許諾済) 5
1.医療DX研究会 (4)第26回東京大会(2022.10.14.) 出典元:当協会機関誌JAHMC 2022年12月号より抜粋 6
1.医療DX研究会 (5)「サイバーセキュリティ演習研究会」 ⇒ 「医療DX研究会」に拡張 ■ 国のトップダウンによる「医療DX」の強力な推進 ■ 加藤厚生労働大臣(当時)の私たちへのご期待 当研究会の目的を再定義 医療DXに関して、 私たち、認定登録 医業経営コンサルタントは、 医業経営者の高度化する要求や期待に応えられるよう、 「サイバーセキュリティ演習研究会」 を 「医療DX研究会」に拡張し、 新しい知識や経験を積むとともに、互いに切磋琢磨する「場」として、 近畿地区の個人会員及び法人正会員、賛助会員に提供する。 7
1.医療DX研究会 (6)理 念 1/2 ■ 使命(Mission) 医療とITを、医業経営レベルで橋渡しする人材の育成。 ■ 将来展望(Vision) 少子高齢化、人口減少下における日本の医療の種々の課題に対して、「医療 DX」と言う切り口で、真摯に向き合って取り組み、日本の医療の変革(X)を 促進し、健全で持続可能な日本の医療制度(国民皆保険制度)に貢献。 ■ 行動指針(Value) 楽しく、興味深く、真摯に向き合い、対話の姿勢で勇気をもって。 8
1.医療DX研究会 (6)理 念 2/2 ■ 行動指針(Value) 楽しく、興味深く、真摯に向き合い、対話の姿勢で勇気をもって。 現在の延長線上には解は無く、過去の成功体験を捨て、 未知な領域に踏み込む「勇気」が求められている。 (1) 「頑張る」、「努力」は禁句。「勇気」がキーワード。 (2) 研究員同士の「さん」付けの徹底、「先生」付けゼロの徹底。 (3) 「HRTの原則」を100%守り切る。 (Humility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)) (4) 短所ではなく長所を見る。短所は辛くても苦しくても全力で受け止める。 (5) 世の中を良くする、人・組織を成長させるなど、成果を出す研究会であることを最重視する。 9
1.医療DX研究会 (7)体制及び進め方 ~ 外部有識者リスト(8名) ~ パーソナルデータ、病院、学術、情報システム、製薬、法律分野の多種多様な知見をお持ちの有識者が参画。 分 野 所 属 パ ーソ ナルデ ータ に関す る 人間中心 一般社団法人MyDataJapan 理事・事務局長 の ア プローチ 病 新 地域医療連携推進法人 湖南メディカル・コンソーシアム 理事/事業局 局長 新 社会医療法人大道会 本部 医療情報部 情報システム課 課長 新 院 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系・教授 厚労省健康・医療・介護情報利活用検討会構成員 学 術 大阪成蹊短期大学 経営会計学科 教授 一般財団法人関西情報センター プライバシーマーク審査委員会委員 一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会 情報システム 医療システム部会 セキュリティ委員会 委員長 医 備 考*4 薬 弁護士 再 新 再 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会・医療情報DB活用促進タスクフォース 新 弁護士法人 第一法律事務所 パートナー弁護士 システム監査技術者、公認システム監査人 再 *4.新=今回、新規にご協力依頼。 再=前身(サイバーセキュリティ演習研究会)の外部有識者で再度ご協力依頼。 (当研究会による図表) 10
1.医療DX研究会 (7)体制及び進め方 ~ 会議体等 ~ Ⅰ. 全体定例月次研究会(Zoom) 毎月第2土曜 10:00~12:00 毎月の定例全体会議(研究員、外部有識者、オブザーバー) クラウドコラボレーションツール ・オンライン・ミーティング(Zoom) ・ビジネスチャット(Slack) ご意見&アドバイス 【外部有識者】 8名*1 Ⅱ. 個別検討会(Zoom&リアル) 適宜 ・オンライン ミーティング (Zoom) 全体ミーティング テーマ単位の検討会(研究員) Ⅲ. 医療機関訪問調査、自治体訪問交渉 個別ミーティング 適宜 当該テーマの担当研究員が訪問 訪問 【研究員】 29名*1 ・山形 1名 ・京都府支部( 3名) ・奈良県支部( 2名) ・東京 2名 ・滋賀県支部( 1名) ・大阪府和歌山県連合( 7名)・兵庫県支部( 7名) ・福井県支部( 1名) ・茨城県支部 ・滋賀 1名 ( 1名) ・宮城県支部( 1名) ・東京都支部( 2名:) ・大阪 4名 ・賛助会員1社( 4名) *1 2024.12.06.現在 11
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5.2024年度実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 12
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (1)調査研究対象 医療DX政策関連の公表資料を調査研究対象とした。(下表は、主たる調査対象) 名 称 全世代型社会保障構築会議 内閣官房 * 1 デジタ ル行財政改革会議 医療DX推進本部 経済財政諮問会議 内 閣 府* 2 規制改革推進会議 健康・ 医療戦略推進会議 社会保障審議会 中央社会保険医療協議会 健康・ 医療・ 介護情報利活用検討会 * 3 厚生労働省 医療分野における仮名加工情報の保護と利活用に関する検討会 電子処方箋推進協議会 保健医療分野A I開発加速コ ンソーシアム 国民・患者に 対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に 関する検討会 「 医療DX令和ビジョン2030」 厚生労働省推進チーム デジタ ル庁 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会など * 1 .国の重要な 政策に つい て、「 基本的な 方針や企画立案」 * 2.内閣官房の方針を踏まえ 、「 より具体的な 企画立案や、各省庁との細か な 調整等をする」 * 3.当該構成員1 名⇒当研究会 外部有識者とし てご 参加。 ( 当研究会に よる図表) 13
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (2)経済財政運営と改革の基本方針2022 ■ 経済財政諮問会議(2022年5月31日) の審議を経て、閣議決定 (2022年6月7日) (1)全世代型社会保障の構築に向けて、世代間の対立に 経済財政運営と改革の基本方針2022 陥ることなく、全世代にわたって広く基本的な考えを共 新しい資本主義へ 有し、国民的な議論を進めていく。 ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~ 第1章 我が国を取り巻く環境変化と日本経済 第2章 新しい資本主義に向けた改革 第3章 内外の環境変化への対応 第4章 中長期の経済財政運営 (2)全世代型社会保障構築会議で、2040年頃を視野に、 (手段) 短期的及び中長期的課題を整理し、中長的な改革事 項を工程化した上で、政府全体で取組を進める。 (3)総理を本部長とする「医療DX推進本部(仮称)」の設置 1. 中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営 や保険証の原則廃止を目指した取組の推進、良質な医療を効 2. 持続可能な社会保障制度の構築 (目的) 率的に提供する体制を整備。 3. 生産性を高め経済社会を支える社会資本整備 出典元:内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2022」概要から抜粋 4. 国と地方の新たな役割分担 5. 経済社会の活力を支える教育・研究活動の推進 第5章 当面の経済財政運営と令和5年度予算編成に向けた考え方 ■ 内閣官房 「医療DX推進本部」設置 (閣議決定 2022年10月11日) 出典元:内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2022」から抜粋 14
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (3)内閣官房 医療DX推進本部(第1回 2022年10月12日) 医療分野でのDXを通じたサービスの効率化・質の向上を実現することにより、国民の保健医療の向 上を図るため、次の3つの重点項目の議論を開始した。 出典元:内閣官房・医療DX推進本部第1回(2022.10.12.)会議資料「医療DXの推進について」から抜粋 15
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (4)医療DXの推進に関する工程表 内閣官房 医療DX推進本部 公表(2023年6月2日) 医療DXの推進に関する工程表 Ⅰ はじめに Ⅱ 基本的な考え方 ① 国民の更なる健康増進 ② 切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供 ③ 医療機関等の業務効率化 ④ システム人材等の有効活用 ⑤ 医療情報の二次利用の環境整備 Ⅲ 具体的な施策及び到達点 (1) マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等 (2) 全国医療情報プラットフォームの構築 (3) 電子カルテ情報の標準化等 (4) 診療報酬改定 DX (5) 医療 DX の実施主体 当研究会の解釈 ■ 現状認識(As Is) ■ 目指す姿(To Be) ■ 差分(Gap)=「取り組むべき課題」 □ 医療DXの定義 ■ 2030年度の実現目標 ①~⑤ ■ 2026年度までの具体的な施策(1)~(5) □ 進捗状況の定期的確認及び随時見直し Ⅳ フォローアップ 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋 16
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (5)我が国の成熟度レベル ■ 目指す姿(To Be) 国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとし、将来世代が 安心して暮らしていけるようにしていく。 我 が 国 の 成 熟 度 レ ベ ル ■ 差分(Gap)=「取り組むべき課題」 保健・医療・介護の情報について、その利活用を積極的に推進していくことが、 ① 個人の健康増進に寄与するとともに、 ② 医療現場等における業務効率化の促進、より効率的・効果的な医療等各種サービスの提供を行っ ていく上で、非常に重要となっている。 ■ 現状認識(As Is) 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋し、当研 究会で編集し構造化。 我が国においては、世界的にも類をみない早さで高齢化が進行しており、2021 年現在で 28.9%となっ ている高齢化率は、2050 年には 37.7%に達する見込みである。併せて、総人口についても、長期にわた る人口減少過程に入っているところである。 2023年度 2026年度 2030年度 ?年度 17
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (6)「医療DX」の定義 医療 DX とは、保健・医療・介護の各段階*8において発生する情報に関し、その全体が最適化された基 盤を構築し、活用することを通じて、 ① 保健・医療・介護の関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、 ② 国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、 ③ 社会や生活の形を変えていくこと と定義する。 *8.疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、申請手続き、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋し、当研究会で編集し構造化。 18
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (7)2030年度の実現目標 ①~⑤ 項 目 ① 国民の更なる健康増進 概 要 誕生から現在までの生涯にわたる保健・医療・介護の情報を PHR(Personal Health Record)として自分自身で一元的に把握可能となり、個人の健康増進 に寄与。 ② 切れ目なくより質の高い 医療等の効率的な提供 本人の同意を前提として、必要に応じて全国の医療機関等がセキュリティを確保 しながら診療情報を共有することにより、切れ目なくより質の高い医療等の効率 的な提供が可能となる。 ③ 医療機関等の業務効率化 医療機関等自身がデジタル化に伴う業務改革を行うことにより、 そこで働く医療従事者にとって魅力ある職場が実現。 ④ システム人材等の有効活 診療報酬改定に関する作業が効率化されることにより、医療情報システムに関与 用 する人材*の有効活用や費用の低減を実現。 *.ITベンダー側の人材(当研究会注記) ⑤ 医療情報の二次利用の環 民間事業者との連携も図りつつ、保健医療データの二次利用により、創薬、治験 境整備 等の医薬産業やヘルスケア産業の振興に資することが可能となり、結果として、 国民の健康寿命の延伸に貢献する。 * 厚労省 健康・医療・介護情報利活用検討会に、医療等情報の二次利用に関するワーキンググ ループを設置し検討開始予定(2023年11月~)。 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋し、当研究会で編集し構造化。 19
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (8) 2026年度までの具体的な施策 (1)~(5) 項 目 (1) マイナンバーカードと健康 保険証の一体化の加速等 1/2 概 要 ① マイナンバーカードの機能の搭載によるスマートフォンでの健康保険証利用の仕組 みの導入等の取組を進め、2024年秋の健康保険証の廃止を目指す。 ② 2023年度中に生活保護(医療扶助)でのオンライン資格確認の導入など。 (2) 全国医療情報プラット フォームの構築 ① 電子カルテ情報共有サービスを構築。2024年度中に、電子カルテ情報の標準化を 実現した医療機関から順次運用を開始。(既に電子カルテが導入されている医療機 関における、標準規格に対応した電子カルテへの改修や更新を推進。) ② 介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療や地方単独の医療費助成などに係 るマイナンバーカードを利用した情報連携。 ③ 2024年度中に、自治体の実施事業に係る手続きの際に必要な診断書等について、 電子による提出を実現。 ④ PHRとして、本人がマイナポータルを通じ情報を確認できる仕組みを整備するととも に、民間PHR事業者団体やアカデミアと連携したライフログデータの標準化や流通 基盤の構築等を通じ、ユースケースの創出支援。 ⑤ 全国医療情報プラットフォームにおいて、共有される医療情報の二次利用について、 2023年度中に検討体制を構築など。 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋し、当研究会で編集し構造化。 20
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (8) 2026年度までの具体的な施策 (1)~(5) 項 目 (3) 電子カルテ情報の標準化 等 2/2 概 要 ① 2023年度に、透析情報及びアレルギーの原因となる物質のコード情報について、 2024年度に蘇生処置等の関連情報や歯科・看護等の領域における関連情報につ いて、共有を目指し標準規格化。 ② 2024年度中に、特に救急時に有用な情報等の拡充を進めるとともに、救急時に医 療機関において患者の必要な医療情報が速やかに閲覧できる仕組みを整備。薬局と の情報共有のため、必要な標準規格への対応等を検討。 ③ ・標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)*10につい て、2024 年度中に開発に着手し、一部の医療機関での試行的実施。 ・電子カルテシステムを未導入の医療機関を含め、電子カルテ情報の共有のために 必要な支援策を検討しつつ、 ・遅くとも 2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共 有するための電子カルテの導入を目指す。 *10.小規模な医療機関向け(第1回医療DX推進本部 幹事会(令和4年11月24日)資料2)より ④ サイバーセキュリティの確保が非常に重要であり、診療報酬改定DXや標準型電子 カルテの提供等を通じた医療機関システムや薬局システム等のクラウド化を進めて いく。 (4) 診療報酬改定DX ① 2026年度に共通算定モジュールを本格的に提供。共通算定モジュール等を実装し た標準型レセコンや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本 的に改革し、医療機関等の間接コストを極小化など。 (5) 医療DXの実施主体 ① 社会保険診療報酬支払基金を、審査支払機能に加え、医療DXに関するシステム の開発・運用主体の母体とし、抜本的に改組など。 出典元:医療DX推進本部「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日)から抜粋し、当研究会で編集し構造化。 21
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (9) 考 察 (1) 政策上の「医療DX」は、① 主として、国、地方自治体、社会保険診療報酬支払基金などの行政等の業務改革、効率 化で、② 従として、各ステークホルダーが当該「医療DX」の恩恵、影響を受ける構図になっている。 (2) また、国は、PHR*1の利活用による本人主体の予防・健康づくり、セルフケア・セルフメディケーションの推進(医療 保険外)により、医療保険制度を支える将来像を描いている。 (3) 当該PHR*11+生成AI(人工知能)の利活用により、将来的に本人と医療機関の関係が変わる可能性を秘めている。 (4) また、標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)の提供は、小規模の医療機関の電子カ ルテ普及率の低迷に対する対策の一つとして、期待される。 (5) 尚、医療機関は、政策上の「医療DX」に協力すると共に、少子高齢化&人口減少下における種々の経営課題に対 して、医業経営上の「医療DX」も避けられず、公定価格(保険診療)や人員配置基準がある中で、初期投資・運用費 を業務改革、効率化で賄う必要がある。 医業経営上の 「医療DX」 政策上の 「医療DX」 (当研究会による図表) *11. PHR(personal health record)=生涯型電子カルテのことで、個人の健康に関する情報を1ヵ所に集め、本人が自由にアクセスでき、それらの情報を用いて健康増進や生活改善に つなげる。 22
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~マイナンバーカードと健康保険証の一体化の加速等~ 出典元:第190回社会保障審議会医療保険部会(令和6年12月19日 )資料から抜粋。 23
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~全国医療情報プラットフォームの構築~ ■ 電子カルテ情報共有サービス 1/3 出典元:第189回社会保障審議会医療保険部会(令和6年12月12日)資料から抜粋。 24
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~全国医療情報プラットフォームの構築~ ■ 電子カルテ情報共有サービス 2/3 出典元:第189回社会保障審議会医療保険部会(令和6年12月12日)資料から抜粋。 25
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~全国医療情報プラットフォームの構築~ ■ 電子カルテ情報共有サービス 3/4 スケジュール⇒次スライド参照。 出典元: 第111回社会保障審議会医療部会 (令和6年10月30日)資料から抜粋。 26
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~全国医療情報プラットフォームの構築~ ■ 電子カルテ情報共有サービス 4/4 出典元: 第111回社会保障審議会医療部会 (令和6年10月30日)資料から抜粋。 27
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~全国医療情報プラットフォームの構築~ ■ 介護情報基盤 ⚫ 介護情報を利用者本人や介護 事業所、居宅介護支援事業所、 市町村、医療機関が共有•活用 できる「介護情報基盤」を2026 年4月1日に施行する方針案を 示した。(社会保障審議会介護保険部会 (第113回)(令和6年7月8日)) 出典元:社会保障審議会介護保険部会(第113回)(令和6年7月8日)資料から抜粋。 28
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 救急時医療情報閲覧の開始 1/2 出典元:第189回社会保障審議会医療保険部会(令和6年12月12日)資料から抜粋。 29
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 救急時医療情報閲覧の開始 2/2 出典元:第189回社会保障審議会医療保険部会(令和6年12月12日)資料から抜粋。 30
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 1/8 標準型電子カルテの ターゲット ⚫ 電子カルテ普及状況 病床規模別 一般診療所 一般病院 400床以上 200-399床 200床未満 2008年 14.20% 38.80% 22.70% 8.90% 14.70% 2011年 21.90% 57.30% 33.40% 14.40% 21.20% 2014年 34.20% 77.50% 50.90% 24.40% 35.00% 2017年 46.70% 85.40% 64.90% 37.00% 41.60% 2020年 57.20% 91.20% 74.80% 48.80% 49.90% 2023年 65.60% 93.70% 79.20% 59.00% 55.00% 厚生労働省「医療施設調査」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html )より算出 31
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 2/8 32 出典元:厚労省 「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム 標準型電子カルテ検討技術作業班 第1回(2023年11月27日)資料より抜粋
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 3/8 API • 「アプリケーション・プロ グラミング・インター フェース(Application Programming Interface)」の略称。 • ソフトウェアやプログラム、 Webサービスの間をつ なぐインターフェースの こと。 33 出典元:厚労省 「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム 標準型電子カルテ検討技術作業班 第1回(2023年11月27日)資料より抜粋
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 4/8 出典元:第109回社会保障審議会医療部会(令和6年7月12日)資料から抜粋。 34
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 5/8 標準型電子カルテα版 (医科の無床診療所向け) 出典元:第109回社会保障審議会医療部会(令和6年7月12日)資料から抜粋。 35
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 6/8 概ねすべての医療 機関に電子カルテ 普及を目指す! 36 出典元:第109回社会保障審議会医療部会(令和6年7月12日)資料から抜粋。
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 7/8 出典元:第109回社会保障審議会医療部会(令和6年7月12日)資料から抜粋。 37
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 8/8-1/2 ⚫ クラウドネイティブ技術*1 ⚫ マネージドサービス技術*2 ⚫ API技術など 出典元:第23回 健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ(令和6年12月2日)資料から抜粋。 *1.クラウド環境に特化したアプリケーションの設計・開発・運用技術で、クラウドの特性を最大限に活用可能。 一方、 クラウドリフト(オンプレミス環境(院内サーバールーム)で実行されているアプリケーションをそのままクラウド上に移行したシステム)は、クラウド の特性や機能を最大限に活用することはできず、オンプレミスと同様の制約が残ると共に、クラウドの柔軟性によるコスト削減効果は限定的。 *2.クラウドサービス提供事業者が当該クラウドのシステム管理・保守(情報セキュリティ含む)業務をサービスとして提供する技術。 38
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~電子カルテ情報の標準化等~ ■ 標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ) 8/8-2/2 39 出典元:第23回 健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ(令和6年12月2日)資料から抜粋。
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~診療報酬改定DX~ ■ 診療報酬改定DX 1/2 出典元:第181回社会保障審議会医療保険部会(令和6年8月30日)資料から抜粋。 40
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~診療報酬改定DX~ ■ 診療報酬改定DX 2/2 41 出典元:第181回社会保障審議会医療保険部会(令和6年8月30日)資料から抜粋。
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~医療DXの実施主体~ ■ 社会保険診療報酬支払基金の抜本改組 ⇒ 医療DX推進機構(仮称) 出典元:第113回社会保障審議会医療部会(令和6年11月28日)資料から抜粋。 42
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~サイバーセキュリティ~ ◼ 「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」を2024年度版に改訂(2024年5月13日) • 医療法第25条第1項に基づく立入検査時に使用することについて、チェックリスト自体に明記。 1. 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月) 2. 医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト ① (医療機関確認用)医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト(令和6年5月) ② (事業者確認用)医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト(令和6年5月) ③ 医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~医療機関・事業者向け~(令和6年5月) 3. サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)策定の確認表等 ① 【医療機関用】サイバー攻撃を想定したBCP策定の確認表(令和6年6月発出) ② 医療情報システム部門等におけるBCPのひな形(令和6年6月発出) ③ 【医療機関用】サイバー攻撃を想定したBCP策定の確認表のための手引き(令和6年6月発出) 4. その他 ① 医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン(総務省・経済産業省) ② 医療情報システムの契約における当事者間の役割分担に関する確認表(経済産業省) 43
2.医療DX政策動向(調査研究 その1) (10) 「具体的な施策」の進捗状況 ~医療 DX 関連の主な 2024 年度診療報酬改定~ ◼ ニュースレター「医療DX通信」Medical DX Times04号(2024年3月9日) 別紙添付参照 44
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 45
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (1)医療費の増大 □ 2030年度の実現目標 ①~⑤ 出典元:厚労省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省 平成30年5月21日) 46
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (2)病院の医業利益率の推移 ① 前年度から大幅に低下し、過去最低の水準となった。 ② いずれの病院類型においても、入院単価・外来単価 は上昇したが、病床利用率は低下。 ③ 物価高騰の影響等により、医療材料費率と経費率が 大幅に上昇。 ④ コロナ関連補助金を除外した実質的な医業利益率 は△4.7%、経常赤字病院割合は 61.3%。 出典元:独立行政法人福祉医療機構「2022年度 病院の経営状況(速報値)について」(2023年10月30日) 47
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (3)2023年度 病院経営定期調査 概要版 -中間報告(集計結果) 出典元:一般社団法人日本病院会、公益社団法人 全日本病院協会、一般社団法人 日本医療法人協会「2024年度病院経営定期調査 概要版 -最終報告(集計結果)-」(2024年11月16日) 48
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (4)確実な未来(人口動態変化) ■ 現役世代(生産年齢人口)の減少が続く中、高齢者が増加。 ⇒ 就業者数が大きく減少する中で、医療・福祉職種の人材は現在より多く必要となる。 万人 8000 □ 2030年度の実現目標 ①~⑤ 6000 4000 15歳以上65歳未満 65歳以上 2000 75歳以上(再掲) 15歳未満 0 年 出典元:厚労省令和4年度 第1回医療政策研修会及び地域医療構想アドバイザー会議資料「第8次医療計画及び地域医療構想に関する状況」から抜粋 49
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (5)経済の長期低迷、国際競争力の低下 ■ 経済の長期低迷、国際競争力の低下 海外からの労働力の流入はあまり期待できず、逆に、日本の人材が海外へ流出。 日本は、 危機感なき茹でガエルなのか? 日本 出典元:世界の経済・統計 情報サイト「世界経済のネタ帳」 https://ecodb.net/ 50
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (6)他産業への人材の流出が進み、人材確保が困難 1/2 ■ 医療機関が賃上げに対応し切れないために、他産業への人材の流出が進み、人材確保がより困難になっ ているとして、「地域医療の存続に関わる」と強い危機感を表明した。(中央社会保険医療協議会 日本医師会 長島公之委 員) 出典元:医療介護CBニュース「医療従事者の処遇改善の議論始まる、中医協で」(2023年10月27日)より抜粋 出典元:社会保障審議会(医療保険部会) 第169回(2023年10月27日)資料より抜粋 51
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (6)他産業への人材の流出が進み、人材確保が困難 2/2 ■介護職員数212.6万人、初の減少。(厚労省医療施設調査 2023年10⽉1⽇現在) 厚⽣労働省は2024年12月25日、介護サービス事業所や介護保険施設の業務に従事する職員数が 2023年10月1日現在、約212.6万⼈だったとする集計結果を公表した。 ⚫ 前年比2.9万⼈の減。「介護職員数」が前の年から減少するのは、介護保険制度が始まった2000年度 以降初めて。 ⚫ 一⽅、「要介護や要支援の認定を受けた⼈」は23年度に8万人増え、700万人を超えた。 出典元:医療介護CBニュース「介護職員数212.6万人、初の減少昨年10月現在」(2024年12月26日)より抜粋 52
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (7)未来予測2040 「労働供給制約社会」が訪れる ! ➢ 私達の生活を維持するための必要な労働力が、足りなくなる! ➢ 医師・看護師・薬剤師 などの医療従事者について、 2030年に18.6万人、2040 年に81.6万人の供給 不足。2040年の労働需要(467.6万人)に対する不 足率は17.5%である。 ➢ 今後 さらに高齢化が進むなか、否応なく人の力が必 要な職種であるが、労働力供給不足が慢性化する。 ➢ 私たちの生活に 大きな悪影響を及ぼす恐れがある。 ① 診察を受けること自体が難しくなる。(数週間待ち?) ② 救急車を呼んでも 受け入れてくれる病院がない。 出典元:リクルートワークス研究所Works Report2023「未来予測2040」(2023年3月28日発行)) 53
3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) (8)種々の課題 ◼ 医療機関が医療DXを推進する上で、種々の課題が、「医療機関」、「医療DX政策」、 「法・制度」、「労働供給制約社会」にある。 「少子高齢化」&「人口減少」による 「労働供給制約社会」 (当研究会による図表) ◼ そのような種々の課題において、私たち、「医業経営コンサルタントの存在意義」が問われ ているのでは? 54
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 55
4.研究会提言(調査研究 その3) ■ 当協会機関誌JAHMC 2024年3月号 当研究会寄稿 【 目 次 】 1. 医療DX政策動向 2. 医療機関の内外環境 3. 研究会提言 ⚫ 用語・造語・フレーズの定義と構造化 ① 国民への提言 ② 国地方自治体への提言 ➢ 瀬戸 僚馬 氏 東京医療保健大学 教授、医業経営実務講座(当協会主催)講師 ③ 私たち、医業経営コンサルタントへの提言 「研究会寄稿が大変よく出来ているので、参考資料として本講座や 青字のみ抜粋 他の講義でも配布したい。」(当協会広報経由、御申出有り。) 本講義用に編集。次頁へ 出典元:当協会機関誌JAHMC 2024年3月号「医療DX政策動向と研究会提言」 56
4.研究会提言(調査研究 その3) ◼ 当該「研究会提言(調査研究 その3)」は、次のストーリーで解説。 (1)用語・造語・フレーズの定義と構造化 (2)先行する一般企業のDX状況調査 (3)医業経営上の「医療DX」の重要成功要因(仮説設定) (4)目指す、医療経営コンサルタント 57
4.研究会提言(調査研究 その3) (1)用語・造語・フレーズの定義と構造化 1/3 いかにも専門性・説得力のある言葉に聞こえていても、曖昧な定義のまま広く世間で使 われてしまう用語・造語・フレーズを、医業経営の観点から、定義すると共に、構造化した。 ◼ 医業経営上の「医療DX」 医業経営上の 「医療DX」 政策上の 「医療DX」* (当研究会による図表) * スライドNo.23「(9) 考 察」参照 58
4.研究会提言(調査研究 その3) (1)用語・造語・フレーズの定義と構造化 2/3 ◼ 医業経営上の「医療DX」の位置付け 組織の目的は外に在り、課題は内に在る。 医業経営変革マトリックス (当研究会による図表) 59
4.研究会提言(調査研究 その3) (1)用語・造語・フレーズの定義と構造化 3/3 ◼ 医業経営上の「医療DX」 ① 医業経営マネジメントプロセスの整合性を確保した 組織変革「X」 を揺るがずブレない背骨とし、 ② 地域住民の要求や期待に耳を傾け、地域住民起点で、院内プロセスや院外との連携プロセスを見直し、 ③ 医業サプライチェーンプロセスの標準化と効率化を図った ICT * により、 ④ * 情報セキュリティ確保が前提とする。 地域住民が認識していない問題や諦 めている問題を発見し、 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ⑤ それらの問題を解決する新たな地域 住民価値を創造(イノベーション)する。 (当研究会による図表) 60
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 1/7 ~ 米国対比、日本企業において、全社的なDXの取り組みが進んでいない。 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 61
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 2/7 ~ DXに取り組んでいる日本企業において、「成果が出ていない」、「わからない」の割合が非常に高い。 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 62
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 3/7 ~ 米国対比、 IT分野に見識がある役員の割合がかなり低い。⇒ 経営層のDX理解不足 ITに見識がある役員の割合 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 63
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 4/7 ~ 米国対比、経営者・IT部門・業務部門が協調がかなり低く、また、部門間などの組織の壁を越えた協 力・協業についても同様の傾向を示しており、DXを全社的に推進していく上での課題である。 経営者・IT部門・業務部門の協調 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 64
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 5/7 ~ 事業戦略上の変革を担う人材の「量」の確保について、DXを推進する人材の「量」の不足が顕著。 事業戦略上、変革を担う人材の「量」の確保 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 65
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 6/7 ~ 米国対比、 DXの推進のための企業文化・風土の変革性が低い。 DX推進のための企業文化・風土の状況 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) 66
4.研究会提言(調査研究 その3) (2)先行する一般企業のDX状況調査 ~ 「DX白書2023」 7/7 ~ ■ 「DXの成果が出ていない、わからない」企業の割合が、非常に高い。 課題 ⇒ 取り組みを推進できる経営層の理解、企業文化・風土に課題があり、また、DX推進人財が不足。 ■ 全社的な取り組みにより成果を上げていくためには、企業の目指すビジョンや方向性を明確にして、 社員が共有し、リスクを取りチャレンジすることが尊重されるような企業文化・風土づくりを行うこ とが重要である。 重要 ■ ボトムアップだけで会社全体を変革できるものではないため、経営層が強い意志を持って関与し、 推進体制づくりや取り組み内容にコミットしていくことが不可欠であり、経営層とIT部門・業務部門 との協調が求めらる。 出典元:「DX白書2023」(情報処理推進機構(IPA)) ★ 医療DX政策の推進により、医業経営の変革「X」が求められている医療機関にも同様に言える ことではないか! 67
4.研究会提言(調査研究 その3) (3)医業経営上の「医療DX」の重要成功要因(仮説設定 ) 医療機関の組織変革「X」 ■ 人口ボーナス期に構築された仕事の仕組み、働き方は、現在の人口オーナス期には通用 せず、現在の延長線上には解はない。 ■ 到来する「労働供給制約社会」で、DXなどにより、どのように医療機関が生き残るかが、 重要な医業経営課題である。 (仮説) ■ 経営資源が限られる地域密着中小病院は、自院の強みに特化し弱みは外部経営資源の 活用・連携により、地域住民の要求や期待に応えなければならい。 CSF1 自院の目指すビジョンや方向性を再定義し、全職員のみならず地域住民と共有。 CSF2 トップが強い意志を持って関与し、推進体制づくりや取り組み内容にコミット。 CSF3 リスクを取りチャレンジすることが尊重されるような組織文化・風土への変革。 CSF4 医業経営層と業務部門・ IT部門との協調。 * CSF: Critical Success Factor (当研究会による図表) 68
4.研究会提言(調査研究 その3) (4)目指す、医療経営コンサルタント ~ 医業経営コンサルティング・レベル ~ ◼ 「医業」を再定義し、「医業」の事業ポートフォリオを見直し、社会保障費抑制による医業経営リス クを分散し、医業経営の安定化を支援。 医業経営コンサルティング・レベル 医業経営変革マトリックス 5 5 1 2 1 4 3 3 4 2 1 + さらに、地域住民が認識していない問題や諦めている問題を発 見し、それらの問題を解決する新たな地域住民価値の創造(イノ ベーション)を支援 + 「組織改革」をセットで、医療DX推進(生き残りのための先行投資)を 支援 + 医業サプライチェーンプロセスの標準化&効率化を支援 + 「D」(デジタル化)のリスクマネジメントを支援 地域住民の要求や期待に耳を傾け地域住民起点で、院内プロセスや院外との連 携プロセスの見直しを支援 (当研究会による図表) 69
4.研究会提言(調査研究 その3) (4)目指す、医療経営コンサルタント ~ アクションプラン(2024年度から3ヵ年) ~ ■ 医療とITを、医業経営レベルで、橋渡しする人材の育成 ⇒ 医療機関の内部環境変革支援 ① 医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドラインの策定(形式知の共有) 2024年度~ ② 医療DXコンサルティングの実践力養成OJT(形式知の内面化) 2025年度~ ③ 新入会員(3年以内)のインターン制度の試行(新規入会促進と維持) 2026年度~ ■ 国民及び国、地方自治体の触媒として、医業経営コンサルタントの活動を領域拡張 ⇒ 医療機関の外部環境変革促進 ① 医療機関の外部環境変革促進に向けて挑戦 2024年度~ 70
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5.2024年度実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 71
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (1) 国民及び国、地方自治体の触媒として、医業経営コンサルタントの活動を領域拡張 1/2 ■医療機関の外部環境変革促進G ➢ 医療DXを円滑に進めるためには、政府、自治体、地域住民のステークホルダー間の真摯な対話が避けて通れず、互いの信頼関 係の構築が必須である。 ➢ 私たちの研究会活動にご賛同頂き、変革「X」を目指す自治体が、例えば、 「市民向け医療DXタウンミーティング」を開催など、ス テークホルダーの相互理解を促進させる場の開催企画立案及び開催支援を行う。 大阪府健康医療部に、「市民向け医療DXタウンミーティング」をご提案し、具体的な内容を摺合せ・交渉を継続。 当該講演者の一人として、厚労省医政局に打診。 72
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (1) 国民及び国、地方自治体の触媒として、医業経営コンサルタントの活動を領域拡張 2/2 ■医療機関の外部環境変革促進G ◼ 個人情報保護委員会「「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」に関する 意見募集」 • 意見募集対象 個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理 • 意見提出期限 2024年7月29日(月)まで(郵送の場合は同日消印有効) ✓ 近畿地区協議会 代表名で、意見書を提出。(2024年7月19日(金)) • 意見概要「「3(1)本人同意を要しないデータ利活用等の在り方」に賛同するが、一般法を前提とした解釈対応ではなく、医 療・介護・福祉の現場の判断が躊躇しないように、既存の関係法令の改正や特別法の制定が期待される。」旨 ✓ 個人情報保護委員会で意見を取りまとめ、公表。 (2024年9月4日(水)) ⇒ 研究会意見が掲載。 73
5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) (2) 医療とITを、医業経営レベルで、橋渡しする人材の育成 ■医療機関の内部環境変革支援G ① 「医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドライン」 の策定(形式知の共有) 2024年度~ Step1 先進的に医療DX取り組んでおられる医療機関の調査分析 • 個別訪問によるヒアリング及び見学 (近畿地区4病院1診療所) • 自病院の取り組み事例紹介のセミナー受講、文献調査(全国4病院) Step2 それらの調査分析結果を反映した「医療 DX ・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイド ライン」を策定。 Step3 当該形式知の継続研修で、当協会会員での共有。 Step4 全国の医療機関の医療DX推進を支援。 74
5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) (3)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドライン Who 当該プロセスガイドラインの 「座学」及び「ケーススタディ」 を必修継続研修とし、当該研 修を終了した会員 How 医業経営成熟度診断を行い、 当該成熟度に応じた手段、方 法。(例えば、院内に組織横 断プロジェクトチームを作っ て頂き、参画するなど。) When 医業経営者の課題認識や思 いなどをヒアリングして、組織 変革の覚悟の有無を確認し た上で、支援計画の合意後 Whom 私たちの研究会活動にご賛 同いただき、且つ、変革を目 指す医業経営者 医療DX・ 実践医療経営コンサ ルティング・ プロセスガイドライン Where 医療機関などに訪問して。 1/3 What 院内の組織横断プロジェクト チームが主体的に組織変革 活動して頂くための支援及び 医業経営者へのフィードバッ ク、アドバイスなど。 Why 自院の医療DX推進が十分に 図れない、又は、何から手を 付けていけばいいのか、戸 惑っている医療機関が多い。 How Much 当協会が受託する場合は、対 応体制も含めて別途検討要。 曼荼羅チャート(6W2H) (当研究会による図表) 75
5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) (3)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドライン 2/3 ■ コンサルティング基本方針(コンサルティング・プロセスガイドラインの前提条件) ➢ 医業経営エクセレンスモデル(医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク)に基づく医業経営成 熟度診断(問診票)を行い、当該成熟度に応じたコンサルティングを心がけることとする。 ➢ 医業経営者の課題認識や思いなどをヒアリングして、組織変革の覚悟の有無を確認した上で、 支援計画書に合意の上、医業経営者がプロジェクトオーナーとする組織横断のプロジェクト チーム(次スライドの事例参照)を作って頂くこととする。 ➢ 当該プロジェクトチームが、主体的に組織変革活動して頂くための支援及び医業経営者への フィードバック、アドバイスなどが、私たち、医業経営コンサルタントの主たる役割とする。 76
5. 2024年度実行状況(調査研究 その4) (3)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドライン ■ プロジェクト体制図(医療機関と合意した 支援計画書 (合意版) 医業経営コンサルタ ント・チーム 支援計画書 (合意版) に基づく一例) 医療機関 名 称 プロジェクトオーナー 理事長 ○ ○ ○ ○ リーダー ○ ○ ○ ○ プロジェクトマネージャー 院 長 ○○○○ 医療DX・ 実践医療経営 コンサルティン グ・プロセスガ イドライン 3/3 プロジェクトリーダー プロジェクト オーナー プロジェクトの統括責任者。 各局面で経宮判断を行う。 プロジェクト マネージャー プロジェクト活動におけるトップ。 業務判断やシステム仕様に責任を持ち、 各局面での指示・判断を行い、プロジェク 卜全体を管理する。 プロジェクト 事務局 プロジェクトの事務局。 全体の進捗・課題・リスク・アサイン・コス ト・品質など管理の実務を行う。社内調整 やベンダー調整なども担う。 プロジェクト リーダー プロジェクトマネージャーの指揮下で、業 務実務に詳しく、仕様調整や業務メンバ との調整をリードする。(職員からの人望 がある管理職者が望ましい。) 業務A、B、C、・ チーム 全病院の組織横断的な各業務単位の チーム プロジェクト事務局 リーダー ○ ○ ○ ○ 部 長 ○○○○ 業務Aチーム 業務Bチーム 業務Cチーム リーダー ○ ○ ○ ○ リーダー ○ ○ ○ ○ リーダー ○ ○ ○ ○ 委託先α 委託先β 委託先γ 担当者 ○ ○ ○ ○ 担当者 ○ ○ ○ ○ 担当者 ○ ○ ○ ○ 役 割 (当研究会による図表) 77
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (4)先進的に医療DXに取り組んでおられる医療機関の調査 1/2 ■ 個別訪問によるヒアリング及び見学 (ご協力頂いた近畿地区4病院1診療所) お忙しい中、貴重なお時間を割いて頂き、有難うございました。 社会医療法人 大道会 森之宮病院(大阪市城東区) 訪問日=2024.9.30.(月) 洛和会ヘルスケアシステム 洛和会 音羽病院(京都市) 訪問日=2024.6.8.(土) ひとひとケアクリニック (大阪市生野区) 訪問日=2024.8.10.(土) 社会医療法人 生長会 ベルランド総合病院(大阪府堺市) 訪問日=2024.9.12.(木) 地域医療連携推進法人 湖南メディカル・コンソーシアム 淡海医療センター(滋賀県草津市) 訪問日=2024.7.13.(土) 78
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (4)先進的に医療DXに取り組んでおられる医療機関の調査 2/2 ■ 自病院の取り組み事例紹介のセミナー受講、文献調査(4病院) 医療機関名 国家公務員 共済組合連合会 横須賀共済病院 医療法人社団 厚済会 横浜じんせい病院 国立研究開発法人 国立 がん研究センター 種別 テーマ 講師(筆者) セミナー ヒトからAIへのタスクシフトによる患者・スタッフに優し いAIホスピタルの実現 〜病院一丸となって「病院改 革」と「医療DX」を推進する横須賀共済病院の歩み〜 セミナー 析医療の理想を実現する経営革新の取組み 医療法人社団厚済会 横浜じんせい病院 ~理想を姿を掲げ、想いと現場実践をリンクさせるマネ 本部事務局 事務局長、診療技術部 部長 山本 貴之 ジメントの仕組みを試行錯誤しながら創り上げ~ セミナー 病院経営を支える力、事務職員のDXへの挑戦 ~事務業務の革新に向けた、「単なる効率化」ではない 価値創造へ~ 国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 病院長 長堀 薫 開催日 (公表日) 時刻 主催者 (発行元) 2024年9月 13:00~ 新社会システム総 12日(木) 15:00 合研究所 2024年11 18:30~ 経営品質アセッ 月27日(木) 20:30 サーフォーラム 国立研究開発法人国立がん研究センター 2024年12 14:00~ 新社会システム総 財務経理部 調達課長 月4日(水) 17:00 合研究所 斎藤 知二 社会医療法人石川記念会 HITO病院 「病院DX最前線」日本病院DX推進協会の設立背景と今 CXO(Chief Transformation セミナー Officer) 後の展望 2024年12 17:00~ エム・シー・ヘルス 月17日(火) 18:00 ケア株式会社 脳神経外科部長 篠原 直樹 社会医療法人石川記念会 HITO病院 HITO病院と考える!チャットが実現するフラット型組織 CXO(Chief Transformation セミナー Officer) への転換 2024年12 17:00~ エム・シー・ヘルス 月20日(金) 17:50 ケア株式会社 脳神経外科部長 篠原 直樹 社会医療法人 石川記念会 HITO病院 セミナー 医療DXセミナー 社会医療法人石川記念会 HITO病院 副院長 園田 幸生 「神戸大学MBA」 2024年12 18:20~ × 「神戸大学医学 月23日(月) 19:20 部付属病院」事務 局 文献 HITO病院、「1人1台のiPhone」から始める働き方改革 増⾕ 彩=⽇経メディカル 2019年8月 6日(火) ー 日経メディカル 文献 HITO病院、日本病院DX推進協会が初の総会開催、病 院・民間企業のコラボの場を提供へ 刑部 智弘=⽇経メディカル 2024年10 月18日(金) ー 日経メディカル 文献 HITO病院、AI活用した症状詳記や教育支援、栄養指導 刑部 智弘=⽇経メディカル などを推進 2024年11 月13日(水) ー 日経メディカル (当研究会による図表) 79
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (5)仮説の検証 ~ 医業経営上の「医療DX」の重要成功要因(CSF) ~ 先行する一般企業のDX状況から導き出したCSF(仮説)について、「先進的に医療DX取 り組んでおられる医療機関」の調査で検証できた。 医療機関の組織変革「X」 CSF1 自院の目指すビジョンや方向性を再定義し、全職員のみならず地域住民と共有。 CSF2 トップが強い意志を持って関与し、推進体制づくりや取り組み内容にコミット。 CSF3 リスクを取りチャレンジすることが尊重されるような組織文化・風土への変革。 CSF4 医業経営層と業務部門・ IT部門との協調。 * CSF: Critical Success Factor (当研究会による図表) 80
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (6)医療DX推進のための重要なポイント(調査結果事例) Best Practice(ベストプラクティス) ◼ 「医業経営エクセレンスモデル」の構成要素(カテゴリー)単位に、いくつかピックアップして、紹介する。 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) (当研究会による図表) 81
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(ミッション、ビジョン、バリュー) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ➢ 存在意義(Purpose) ⚫ 地域の医療需要と機能別病床数の適合を目指し、法 人の持つ施設毎の存在意義(Purpose)を再設定。 ➢ ありたい姿 ⚫ 最初から医療DX ありきではなく、まず、これからの (当研究会による図表) 病院のありたい姿を模索し、それを実現する為のツールの一部として医療DXを導入。 ⚫ 顧客満足度を高めるために、職員満足度を向上させることが重要で、そのための医療DXと理解している。 ➢ 明確なビジョン ⚫ 医療DXは、単なる技術導入ではなく、組織全体の業務プロセスを変革することである。 ⚫ 医療経営層の役割は、「明確なビジョンの提示」と「効果的なコミュニケーション」による「変革の促進」である。 ■医療DXの推進に関する工程表 2030年度の実現目標 ③ 82
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(医業経営戦略) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ➢ 戦略目標を設定 ⚫ 戦略目標に定めていた3つのこと ① 本来業務に集中できる環境の構築 ② これからの世代の働き手に選ばれる職場環境の醸成 ③ 地域や社会が求める病院の役割に適応する組織づくり (当研究会による図表) ➢ 「自分たちのビジョンは自分たちで考える」の意識と自発的な行動 ⚫ 全部科長・役職者が参画し、 ありたい姿の実現に向け、現状分析、自組織の強み・弱み、経営課題の抽出等を 全員で討議。 ⚫ 戦略および実行計画は、各部科長を通じ全職員へ共有、個人「チャレンジシート」へ反映。 ⚫ 「自分たちのビジョンは自分たちで考える」の意識と自発的な行動に繋げた。 83
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (6)医療DX推進のための重要なポイント(ミッション、ビジョン、バリュー → 医業経営戦略) ➢ 「医療DX」は、その人の立場や職種により、解釈が異なる。 医療機関は、医師、看護師など、種々の専門職集団の為、 それそれの職員で解釈が大きく異なる。 したがって、そのまま(解釈が異なる=動機づけが異なる)では、「医療DX」を図ってもうまく進まない。 ⇒ 医療DXが目的化し、それぞれが部分最適を重視し、全体最適出来ず、十分な成果が得られない。 ➢ 「医療DX」の解は、一つではない。医療機関の数だけ、解がある。 医療機関が立地する地域の医療資源、地域住民の人口動態などが異なるため、医療機関が、地域住 民の要求や期待に耳を傾け、(1)自院の強み、弱みを再確認して、 (2)自院の地域での「存在理由」、 (3)自院の目指すビジョンや方向性を再定義し、 (4)全職員のみならず地域住民と共有し、全職員が 同じ方向を見てそれぞれの現場で自律的に行動できる組織成熟度が求められる。 84
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (6)医療DX推進のための重要なポイント(ミッション、ビジョン、バリュー → 医業経営戦略) ◼ 「何(What)をやるか?」ではなく、「なぜ(Why)やるのか?」から考えることが重要である。 ◼ イノベーション(変革「X」)では、今までの成功体験は足かせとなる。 ⇒ それらに囚われず捨てる勇気が必要である。 ⇒ 大きな慣性力がある大病院よりも、小回りが利く地域密着中小病院の方が、素早く取り組める。 ➢ ネスレ日本 元社長 高岡 浩三 氏(TOYOKEIZAI ビジネスプロセス変革 FORUM 2023 ) ⚫ イノベーション(変革「X」)は、大都市ではなく地方都市、大企業ではなく、スタートアップや中小企業 から生まれる』というのが世界の常識。 ⚫ 日本では、今も『地方には優秀な人材がいない』、『中小企業には優秀な人材が集まらない』、『企業の 規模が競争優位性を決める』と信じられていますが、これらは間違っている。 ⚫ 失われた30年の再生は、中小企業の手にかかっている。 85
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(内部プロセス) 内部プロセス (顧客価値創造プロセス) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 1/4 ➢ 大型モニター画面で関係者間で共有 ⚫ 電子カルテ内などにある各種情報(データ)を紐付け、 リアルタイムで分析・可視化するシステム「コマンドセン ター」で、患者毎のNEWS( National Early Warning Score、早期警戒スコア)を表示。 (当研究会による図表) ⚫ それまで主治医や担当看護師のみが把握していた情報を大型モニター画面で関係者間で共有。 ⚫ 早期に介入し、早く手当てができ、治療の質もあがる上に、看護師の残業なども起こりにくくなる。 ⚫ 病棟別の稼働状況表示する大型モニター画面では、病棟ごとの出勤している「看護師の総力量」とこれから発 生する「業務量」がそれぞれ点数化されており、両者を比較することで新たな緊急入院を受け入れる余力があ るのか、逆に応援が必要になるほどの業務量となっているのかなど、入院受け入れの判断指標の1つになる。 先行指標をリアルタイムで可視化 ⇒多職種協働チームで共有 ⇒ 医療現場に潜む3M(ムリ・ムダ・ムラ)の排除 86
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(内部プロセス) 内部プロセス (顧客価値創造プロセス) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 2/4 ➢ 迅速な連携対応、本来業務に集中、業務遅延が改善 メモ不要、電話によるストレス軽減、場所にしばられない ⇒ スマホ&チームチャットで、「多職種協働チーム医療」。 1部署(リハ 部)で試行 ① ① 入院患者のリハビリ対応 限られた労働時間内で朝礼•終礼の廃止⇒本来業務(リハ) (当研究会による図表) リハビリ単位数の増加 17.4単位/リハ職員人・日 ⇒ 19単位/リハ職員人・日 ② スタッフステーションからベッドサイドへ 看護師の移動距離減少とチャットでの申し送りで、100分/日人の時間創出 ⇒ 本来業務(ベッドサイド)に集中。 ③ 効果を確 認後、全部 署に展開 ②、③、④ 単なる情報共有から「対話型組織変革」 に 医師からの指示待ちから、提案や依頼が増えた。また、自分のタイミングで自由な発信が生まれた。 多忙な医師に気を遣う現場(情報遅延/最低限の情報共有)⇒スタッフは気を遣わずに発信ストレス軽減、残務の処 理が迅速化。 87
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(内部プロセス) 内部プロセス (顧客価値創造プロセス) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 3/4 ④ 自宅にいても的確に指示 ⇒ 医師の働き方改革 医師はiPhoneを通して自宅などで電子カルテの内容 や画像検査の結果を確認。当直では、指導医が自宅に いても的確な指示を出すことができるため、専攻医に安 心して当直を任せられるようになった。 (当研究会による図表) ➢ 生成AI活用 ⚫ 医師が記⼊する症状詳記に生成AIを活用 電子カルテのデータから文書を自動生成し、医師は下書きとして活用し、確認・加筆などをする。生成AIを本格的 に活用できれば、医師だけでなく医師事務作業補助者の業務軽減にもつながる。 ⚫ 初期研修医の医療教育の支援 初期研修医に、教育支援用のアプリをインストールしたApple Watchを貸与。音声で質問すると、生成AIが医 学文献データベースを検索し、要約したテキストを表示。(医局に戻らなくても医療現場で) 88
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(内部プロセス) 内部プロセス (顧客価値創造プロセス) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 4/4 ➢ 間接業務の集約化(シェアードサービスセンター化) コンソーシアム又は、グループ内の複数の医療機関や施設 の給与計算・資材調達・ 施設管理・車両管理等といった共 通の間接業務を集約 ⇒ 間接業務の専門性を高め、ナレッ ジ強化・専門人材育成*、間接コスト削減を実現。 (当研究会による図表) ⚫ 参加法人の医療機関や施設が、戦略的に本来業務に集中できる環境が整い、全体的な業務効率の向上を図って いる。 ⚫ 小規模な法人では費用対効果の観点から導入が難しい AIやRPA(Robotic Process Automation) などの 導入が可能になる。 ⚫ 将来的に、コンソーシアムやグループに参加してない医療機関や施設から受託(BPO(Busuiness Process Outsourcing)サービス)により、コストセンターからプロフィットセンター化を目指すことも可能。 * サイバーセキュリティ―などのIT分野の専門人材の育成、獲得に関しても、シェアードサービスセンター化は有効な仕組みであると言える。 89
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(学習と成長) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 1/2 ➢ 現場職員のITリテラシー向上 ⚫ 業務効率向上のためのアプリを現場の全員が使えるよ う、 ITに得意な職員を手上げ方式でアンバサダーに育 成。⇒ IT リテラシーを持つ職員のすそ野を広げる。 ⚫ ITリテラシーのある職員が必ずいるので、それらをピックアップする仕組みが重要である。 (当研究会による図表) ⚫ オンラインコンテンツで業務中にリスキングできることがインセンティブになっている。 ⚫ 情報システムの教育は、医事課のITに詳しい職員が出発点。放射線技師や臨床工学技士も活用。 ⚫ ローコード・ノーコード開発をできるような職員を現場に増やそうとしている。(今いる職員が、通常業務の中でメン テナンスコストはなく、随時、自分達で改修が可能で、活用できる。) ➢ 教育機関(大学)と包括的連携 ⚫ 職員に、新たな知識やスキルを得るためのリカレント教育(次スライド参照)を受ける機会を提供する。 ⚫ 実習やインターンで学生を受け⼊れ、若い人材獲得に繋げる。 90
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(学習と成長) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 2/2 ➢ 職員のリカレント教育を推進 ✓ 経営改革を担う管理職教育 ⚫ 例えば、日本経営品質セルフアセッサー資格取得など、 各部署の中核となる変革推進者(イノベーター)を育成。 ✓ 日本病院会認定 病院総合医の育成 (当研究会による図表) ⚫ 多様な病態を呈する患者に、包括的かつ柔軟に対応できる総合的診療能力を有し、多職種をまとめチーム医療を 推進でき、『診療』 だけでなく、『医療』 を包括的にマネジメンできる医師として、「病院総合医」の育成を、病院長・ 副院長・部長等の管理職を中心に行っている。 ⇒主治医と病院総合医との情報共有により、主治医の対応や指示の遅延を解消すべく、主治医の代わりに病院総合 医によるタイムリーなCureとCareを実践し、多職種協働のチーム医療を推進している。(内部プロセスの改善) ⇒主治医の対応や指示の遅延の解消により、時間外業務の軽減に繋がっている。 ✓ その他 大学院Health-MBAコース受講、ディズニーアカデミー研修など。また、報奨制度も導入 91
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(財務) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ➢ 「間接業務の集約化(シェアードサービスセンター化)」 ⚫ 間接コスト削減を実現。 ⚫ 仕入れ先をそろえて価格交渉を代行することにより、購 入価格ダウンを実現。 ➢ 効率化で得られた時間⇒本来業務に⇒収益アップ (当研究会による図表) ⚫ 「スマホ&チームチャット」で、入院患者に対するリハ職員1人当たりのリハビリ単位数の増加による収益アップ ⇒リハビリテーション部のスマホ導入コストをカバー。 ⇒全部署に展開(例:内科30症例→32症例、手術室4症例→5症例) ➢ DX推進の費用対効果を正確に計測することは難しいが、着実に成果は出ている。 ✓ 金銭的な評価が必ずしも重要ではない。少子高齢化が進み、働き手が減少する中、費用に関係なく、現状を維持す るためにDX推進が避けられなかった。 92
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(委託先) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ◼ Teacher Customer 戦略 ➢ 医療現場のニーズに基づいた実用的かつ効果的な 技術の共創と実装展開 ① ITベンダー、ベンチャー企業、大学発ベンチャーなどと 継続的なコミュニケーションを取り、協力体制を築く。 ② 未来の医療機器や新しい情報システムなどの技術を (当研究会による図表) 医療現場の業務で実際に試用し、評価する。 ③ 医療現場からの使用感や改善点をITベンダー、ベンチャー企業、大学発ベンチャーなどに対してフィードバックし、 改良を促進し、最適な形に仕上げていく。 ④ その結果として、患者ケアの質の向上や医療提供プロセスの効率化が期待できる。 ⚫ ITベンダー、ベンチャー企業、大学発ベンチャーなどにとっては、開発から商品化までのリードタイムの短縮、医業 現場の貴重な意見や実績など、医療機関にとっては、新技術の経験知の蓄積、導入コストダウン、商品化後のライ センスフィーの分配をITC化投資に充当など、Win-winの関係を築いている。 93
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(連携プロセス) 連携プロセス 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) (地域の医療・介護・福祉 等の事業者との連携) ➢ 地域にある医療機関・介護施設と連携 ⚫ 「医療機能をより明確にし強化していく方針」をとった ことで、足りない医療機能も明確になった。 ⇒ この足りない医療機能を自らの法人内に持つのではな く、地域にある医療機関・介護施設と連携を模索す (当研究会による図表) る中で地域医療連携推進法人の設立に至った。 ➢ あたかも一つの病院のように ⚫ 地域医療連携推進法人に参加している複数の病院・施設間において、デジタルの力(時空を超える力)を用 いて患者の転入院が発生する病院同士が互いの稼働状況等をタイムリーに把握し、これらの病院があたか も一つの病院のように病床管理を行える状態にした。(リアルタイムデータを利活用したべツドコントロール) 94
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(患者・地域住民の理解) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ➢ CSを上げるためにはESを上げることが重要。 ⚫ 患者・地域住民との接点である医業従事者の満足度向 上が重要である。 ➢ 患者の医療体験向上。 ⚫ 現在は医療従事者の情報共有化、業務効率化が主で (当研究会による図表) あるが、オンライン予約システム、検査結果のオンライン閲覧、オンライン決済(後払い含む)による会計待ち解消な ど、患者目線でボトルネックとなるプロセスのオンライン化で、外来患者の不満足要因の解消を図っていきたい。 ⚫ 外来患者の院内の人流情報をリアルタイム分析 電子カルテから得られる外来患者の予約状況と AI カメラから得られる院内の人流等の情報から外来各部署の 忙しさを測定し、これに対応した看護師配置の変更を行ったり、例えば、CT検査が混んでいる場合は、患者さんに お知らせして ご了解頂ければ、CTと別の検査を入れ替えて、スムーズな検査を通じて患者体験を向上させる。 95
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) Best Practice(ベストプラクティス) (6)医療DX推進のための重要なポイント(Cybersecurity) 医業経営エクセレンスモデル (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) ➢ 厚労省安全管理ガイドラインに準拠 ⚫ 例えば、モバイル端末は、画面ロック解除は指紋認証と し、さらに、MDM*1を組み込んでいる。尚、利用管理規 定を策定し、安全管理講習を行ってからスマートフォン を貸与。(技術的安全管理策+組織的安全管理策) (当研究会による図表) ⚫ デジタル化によりセキュリティリスクも高まるため、EDR*2とMDR*3を導入。 ➢ 定期的な内部監査 ⚫ 医療従事者だけでなく、パート従業員や高齢の介護福祉士も業務している。法人本部による定期的な内部 監査でチェックを実施。 *1 MDM(Mobile Device Management)=モバイル端末を管理するためのツール。デバイスの利用状況の把握、セキュリティ対策、デバイス紛失時の対策、端末の所在把握などの 機能がある。 *2 EDR(Endpoint Detection and Response)=エンドポイント( ITシステムの末端にあるデバイス)の操作や動作を記録・監視して、サイバー攻撃の侵入後すぐに対処すること。サ イバー攻撃を受けているかを調査することを目的としたソフトウェアの総称。 *3 MDR(Managed Detection and Response)=エンドポイントやネットワークの監視、検知、インシデントレスポンスを行うマネージドサービスです。サイバー攻撃をできるだけ早く 検知し対処を行うことは、被害を最小限に抑えられるために重要なポイントであり、その運用のサポートを行う。 96
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) ~ まとめ ~ ➢ 私たち、認定登録 医業経営コンサルタントは、「医療機関が、種々の課題を認識してどう解決し、自院の組織を いかに変容させるか」など、 Best Practice(ベストプラクティス)に基づき、 医療機関のより良い進路を随伴 しながら探り、支援する。 Best Practice(ベストプラクティス) 97 (当研究会による図表)
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (7)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドラインの設計(1/3) 医業経営エクセレンス・モデル コンサルティング・プロセスガイドライン (医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク) 【 概念図 】 【 設 計 図 】(全体) 既存の種々のフレームワーク を取捨選択し組み合わせ、結合 フェーズ0 チェンジ マインドセット フェーズ1 KPI ジョン・ P ・コッターの 8つの変革ステップ KPI 経営戦略策定論 コンサルティング・プ ロセスガイドライン 【 設 計 図 】(各編) 組織変革編 (コア・フェーズ) 経営戦略策定 フェーズ2 ICT化戦術策定 ICT編 KPI ICT化戦術策定論 ICT利活用 厚労省ガイドライン 各種チェックリスト、確認表 医療安全/情報セキュリティ フェーズ3 実 行 Cybersecurity編 KPI モニタリング& チェック *0.現在検討中の案の為、変更、修正する可能性あり。 (当研究会による図表) 98
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (7)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドラインの設計(2/3) 継続研修Ⅰ 座学(Zoom) 継続研修Ⅱ ケーススタディ (Zoom &リアル) (3)実践力養成OJT(形式 リアル& Zoom) 座学+ケーススタディの修了者を対象に、 「ご協力医療機関(適用医療機関)」でのOJT研修を行い、形式知の内面化を図る。 * 現在検討中の案の為、変更、修正する可能性あり。 (当研究会による図表) 継続研修Ⅲ OJT(リアル) 99
5.2024年度実行状況(調査研究 その4) (7)医療DX・実践医療経営コンサルティング・プロセスガイドラインの設計(3/3) * 現在検討中の案の為、変更、修正する可能性あり。 (当研究会による図表) 100
来年度 (2025年度) (参考) 来年度(2025年度)プロセスガイドラインの有効性検証(案) 私たちの研究会活動にご賛同いただき、且つ、変革を目指す医業経営者をご紹介又は公募し、「ご協力医療機 関(適用医療機関)」として選定し、プロセスガイドラインの有効性検証及びブラシュアップにご協力頂く。 OK 当協会 担当部署 (ステアリングコミッティ) 審議 依頼書 送付 定例会(1回/2か月) ご協力医療機関(適用医療機関) 応募 フォーム 面 談 Zoom 医業 経営者 医療DX 研究会 問診 票 面 談 リアル又は Zoom 計画 摺合せ 医業 経営者 面談検討 稟議書 作成 プロジェクト 体制構築*2 キックオフ ミーティング 実 施 計画書 (合意版) 医業経営 成熟度診断*1 有効性検証 計画書立案 支 援*3 報告書 *1.医業経営エクセレンスモデル(医業経営品質の向上を目指すためのフレームワーク)に基づく、医業経営成熟度診断を行い、当該成熟度に応じたコンサルティングを心がけることとする。 *2.医業経営者の課題認識や思いなどをヒアリングして、組織変革の覚悟の有無を確認した上で、組織横断のプロジェクトチームを作って頂く。 *3.当該プロジェクトチームが主体的に組織変革活動して頂くための支援及び医業経営者へのフィードバック、アドバイスなどが、私たち、医業経営コンサルタントの主たる役割である。 (当研究会による図表) 101
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5.アクションプランの実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 102
6.おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) 1/5 ■ 非会員の行動理解/分析フレームワーク (当研究会による図表) 103
6.おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) 2/5 ■ニュースレター「Medical DX Times」配信(1回/3カ月) ● 02号アンケート(抜粋) [選択] 非会員 [選択] 非常に参考になる [選択] 大いに活用する [自由記入] 一般への情報公開、ありがとうございま す。非会員の立場から、通信の1号、2 号を拝読いたしました。 2号は医療DXの国の検討状況がよく分 かり、大変参考になりました。 ● 04号アンケート(抜粋) [選択] 個人正会員(近畿地区以外) [選択] 非常に参考になる [選択] 大いに活用する [自由記入] 重点分野別で個別項目が網羅されてお り、わかりやすいです。ありがとうござい ました。 申込み⇒ 医療DX研究会ウェブサイト https://hbs.one.ne.jp/jahmc-kinki/ 104
6.おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) 3/5 ■ 日本最大級のイベント・コミュニティ・クラウドサービスPeatix(ピーティックス)で運営開始 https://jahmc-kinki.peatix.com/ 105
6.おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) 4/5 ■ 外部組織主催セミナーへの積極的な対応 主 催 一般社団法人日本能率協会 106
6.おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) 5/5 ■ 医療DX研究会活動により、2024年度の新規会員獲得の実績(2024.12.07.現在)は、以下の通りである。 皆様のご理解ご協力の程、よろしくお願いします。 (1)新規会員入会済み 個人正会員(有資格者) 2名 個人正会員(非資格者) 1名 (2)新規会員入会予定 個人正会員(受験予定) 2名 (3)新規会員入会検討中 個人正会員(非資格者) 0名 107
1.医療DX研究会 2.医療DX政策動向(調査研究 その1) 3.医療機関の内外環境(調査研究 その2) 4.研究会提言(調査研究 その3) 5.アクションプランの実行状況(調査研究 その4) 6. おわりに (1)新規会員獲得と既存会員の定着 (調査研究 その5) (2)結 び 108
6.おわりに (2)結び ~ 私たち、認定登録 医業経営コンサルタント ~ 「少子高齢化&人口減少」という今までに経験したことのない厳しい時代に入り、医療だけではなく、日本の 全業種は、変革(X)しなければ生き残れない。 日本の全業種が変革(X)する上でも、「医療、介護、福祉」は、すべての業種とっての「健康で安心して経済 活動ができる」基盤であり、「医療、介護、福祉」の変革(X)が正しく進むことが重要である。 そのために、私たち、認定登録 医業経営コンサルタントは、 ■ 目指す姿 (To Be) ■ 2030年度の実現目標 微力ながら、変革(X)に少しでも貢献 できれば幸いである。 ■ 2026年度までの具体的な施策 ■ 現状認識(As Is) 109
近畿地区協議会 医療DX研究会 ウェブサイト https://hbs.one.ne.jp/jahmc-kinki/ イベントサイト https://jahmc-kinki.peatix.com/ 110