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March 07, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定における急性期入院医療の4つの見直しを解説するスライドです。急性期病院一般入院基本料の新設(A・B 2区分)、重症度・医療・看護必要度の見直し(救急患者応需係数の新設)、急性期総合体制加算の新設(5区分に再編)、特定機能病院入院基本料の見直し(A・B・C 3区分)について、点数・施設基準・経過措置を整理しています。
メルマガ『【令和8年度改定】急性期入院医療の4つの見直し|入院基本料・必要度・加算・特定機能病院を総整理』:https://www.daitoku0110.news/p/r8-acute-inpatient-reform-overview
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度 診療報酬改定 令和8年度 急性期入院医療の 再編と戦略的対応 2040年を見据えた「病院機能」への 評価転換と4つの重要改定事項
病棟単位の評価から、病院全体の機能評価へのパラダイムシフト 改定の背景:2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携の推進 従来の評価 従来の評価:急性期一般入院基本料を中心とした 「病棟単位」での看護配置や重症度の評価 令和8年度の評価 令和8年度の評価:救急搬送件数や手術件数など、病院全体 の「実績・機能」を施設基準に直接反映させる体系へ移行
令和8年度 急性期入院医療改定の4つの柱 (1) 入院基本料の 新設 急性期病院一般入 院基本料(A・B区 分)の新設。 救急搬送と全身麻 酔手術の実績を要 件化。 (2) 重症度・必要度 の見直し A/C項目の拡充と 「救急患者応需係 数」の導入。 B項目測定の柔軟 化による負担軽減。 (3) 急性期総合体制 加算 旧2加算を統合し、 逆転現象を解消。 人口20万人未満へ の配慮を含む5区 分へ再編。 (4) 特定機能病院の 再編 承認基準の3類型化 に連動し、A・B・ Cの3区分へ再編。 役割に応じた点数 差の設定。
(1) 看護配置ベースから、実績ベースの「急性期病院一般入院基本料」へ 救急搬送 年間2,000件以上 + 全身麻酔手術 年間1,200件以上 ・体制要件の強化:第二次救急医療体制等の設置、24時間の画像診断・検査体制が必須。 ・経過措置のポイント: - 令和9年3月31日までは介護保険施設からの搬送を含めた全搬送件数を実績に算入可能。 - 精神病棟向けにも同様の枠組みを新設。地域包括医療・ケア病棟への移行猶予措置あり。
(1) 急性期病院A・Bの施設基準と点数比較 区分 算定点数 実績要件 看護配置 平均在院日数 急性期病院A 1,930点/日 救急2,000件以上 かつ 全麻手術1,200件以上(両方必須) 7対1 16日以内 急性期病院B 1,643点/日 【以下のいずれか1つを選択】 1. 救急1,500件以上 2. 救急500件以上+ 全麻手術500件以上 3. 人口20万人未満医療圏で搬送最大 +1,000件以上 4. 離島医療圏で搬送最大 10対1 21日以内
(2) 重症度、医療・看護必要度の見直し(A・C項目の拡充) ・ねらい:内科系症例の適正評価を進めるための対象治療等の追加。 【A項目の追加】 「専門的な治療・処置」の 「抗悪性腫瘍剤の使用(注 射剤のみ)」にカルフィル ゾミブ等の薬剤を追加。 【C項目の追加拡充】 以下の3区分で対象を拡充: 1. 救命等に係る内科的治療 2. 別に定める検査 3. 別に定める手術 ※経過措置は令和8年9月30日まで
(2) 新たな「救急患者応需係数」と測定負担の軽減 救急患者応需係数 = 病床あたりの年間救急搬送受入件数×0.005 従来の 基準該当割合 + 救急患者応需係数 (上限10%) = 新たな 「割合指数」 ・シミュレーション結果:救急搬送数が多く、手術なし症例の多い病棟で約9.2ポイントの上昇が見込まれる。 B項目の柔軟な測定ルール: 入院1~4日目:毎日測定 5日目以降:7日ごとに1回以上 退院日:測定必須 (測定日以外は直近の結果で代替可能になり、看護師の事務負担を大幅軽減)
(3) 旧2加算の統合:「急性期総合体制加算」の新設 旧・総合入院体制加算 (総合性を評価) 新・急性期総合体制加算 (「総合性」と「集積性」を一体的に評価) 旧・急性期充実体制加算 (手術実績・集積性を評価) ・統合の背景:施設基準の重複と別運用による課題を解消。 ・逆転現象の解消:旧制度では総合性の高い病院(旧総合1:3,640点/14日)が 手術重視の病院(旧充実1:4,240点/14日)より低い評価となる逆転現象が 発生していたが、新制度で適正化。
(3) 5段階評価の導入と、人口減少地域へのセーフティネット 1~7日以内: 530点/日 8~11日: 290点/日 12~14日: 210点/日 (14日間合計:5,500点) ・加算1:5,500点(最高峰の総合性・集積性) ・加算2:4,660点 ・加算3:4,240点 ・加算4:3,390点 ・加算5:2,760点 人口20万人未満の地域配慮 区分。地域包括ケア病棟等 への届出制限を一部免除し、 過疎地の救急拠点機能を評価。
(4) 特定機能病院入院基本料の3区分再編 特定機能病院A(仮称) ・対象:基礎的基準を満たす大学病院本院等 ・一般病棟7対1点数:2,146点(現行+324点) 特定機能病院B(仮称) ・対象:ナショナルセンター等 ・一般病棟7対1点数:2,136点(現行+314点) 特定機能病院C(仮称) ・対象:A・Bに該当しないその他の病院 ・一般病棟7対1点数:2,016点(現行+194点) ・区分の基準:個別の施設基準ではなく、承認要件の「基礎的基準」の有無等の類型に基づく。 ・A区分とC区分の点数差:一般病棟7対1で130点。名称等は令和7年度に関係省令で確定予定。
令和8年度に向けた病院経営陣の戦略的アクションプラン Step 1:救急搬送・手術件数の再評価とモニタリング ・年間救急搬送件数と全身麻酔手術件数の正確な把握。 ・「急性期病院一般入院基本料A・B」のいずれの要件に該当するか、または特例(人口 20万人未満・離島)を適用できるかのシミュレーション。 Step 2:「救急患者応需係数」の影響度算出 ・病床あたりの救急受入数に基づく新「割合指数」の試算。 ・内科系症例(A/C項目拡充)を含めた新基準での必要度クリア見込みの確認。 Step 3:新加算への移行準備と届出状況の整理 ・統合される「急性期総合体制加算(1~5区分)」の要件照合。 ・経過措置(令和8年9月~令和9年3月)を活用した施設基準調整スケジュールの策定。