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August 03, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で新設される、脳死臓器提供管理料の3つの加算を図解で解説。脳死臓器提供体制向上加算5,000点、脳血流の画像診断、補助循環装置等の点数に加え、算定・請求の枠組みと施設間の合議で確認すべき実務ポイントまで整理しました。
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【令和8年度改定】脳死臓器提供管理料の見直し|3つの加算を新設
https://www.daitoku0110.news/p/brain-death-organ-donation-fee-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
経営層・医事実務・移植コーディネーター向け要約資料 【令和8年度改定】 脳死臓器提供管理料の アップデート 新設される3つの加算と、 実務・算定における対応ガイド
令和8年改定の全体像(Executive Summary) 評価の適正化 ・従来の一律評価(40,000点)から脱却。 ・実臨床の負担に応じた「3つの加算」を新たに創設。 現場の実務を反映 ・令和5年以降の法改正・ガイドライン変更を直接的に点数化。 ・コーディネーターの役割拡大、脳血流消失検査、補助循環装置下での判定を評価。 実務上の要確認事項 ・請求ルートは従来通り「移植施設からレシピエントへ」。 ・新設加算に伴う「提供施設と移植施設間の費用配分(合議)」の再交渉が急務。
なぜ見直しが必要だったのか? 増大する臨床・実務負担 ・専門人材による調整 ・高度な画像診断 ・補助循環装置の長期管理 固定化された包括評価 K914 脳死臓器提供管理料:40,000点 臓器提供のルール拡大により複雑化する現場の負担に対し、従来の包括的かつ一律の評価(40,000点)では、新たに必要となった医療資源をカバーしきれていなかった。 この「実務と評価のギャップ」を埋めるのが、今回の令和8年度改定です。
評価の前提を変えた「3つの制度改正」 令和5年12月 省令改正 脳血流消失の確認 瞳孔所見等が確認できない症例でも、画像診断(脳血流消失)による提供が可能に。 令和7年10月 ガイドライン改正 コーディネーターの役割拡大 院内の「認定ドナーコーディネーター」が、家族への説明や同意取得を実施可能に。 令和7年10月 省令改正 補助循環装置下での判定 平均動脈圧を用いた血圧評価が加わり、補助循環装置を使用したままでの脳死判定が可能に。
制度の進化が、新たな評価(加算)を生む 制度・実務の変化 認定ドナーコーディネーターの役割拡大 -> 新設①:脳死臓器提供体制向上加算 脳血流消失(画像診断)の承認 -> 新設②:画像診断の加算 補助循環装置下での判定承認 -> 新設③:補助循環装置等の加算 令和8年度改定は、これら3つの新たな実務負担を「加算」として初めて明示的に評価するものです。
見直し① 脳死臓器提供体制向上加算(5,000点) 臓器提供に関する専門の知識を有する者(認定ドナーコーディネーター等)が、院内で説明・同意取得を担う体制を評価。 従来プロセス あっせん機関のコーディネーター到着待ち 説明・同意取得 新プロセス 院内人材による即時介入(説明・同意取得) プロセスの短縮:約1~2日短縮 【患者・家族の負担軽減】 提供プロセス短縮により終末期の負担を軽減。 【機会損失の防止】 令和6年度の提供数139例に対し、急変による断念事例が18例存在。迅速な対応が提供機会の確保に直結する。 ※「専門知識を有する者」の具体的な定義範囲は、今後の告示・通知での確認が必要です。
見直し② 法的脳死判定時の「脳血流画像診断」評価 眼球・鼓膜損傷等により通常の判定(瞳孔所見等)が不可能な場合に行う、脳血流消失確認のための画像診断を合算評価。 動脈造影カテーテル法:1,920点 SPECT(シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影):800点 造影CT(コンピューター断層撮影):720点 【臨床上のインパクト】 この検査手法の承認・実施により、2024年1月~2025年9月末までに新たに6例の臓器提供が実現しています。
見直し③ 判定後も継続する「補助循環装置等」の評価 法的脳死判定日以後も継続して実施される手術・機器管理を、8区分から合算して評価。 Tier 1(最高評価) 小児補助人工心臓 4,960点 Tier 2(高度管理) 植込型補助人工心臓 2,860点 補助人工心臓 2,860点 Tier 3(標準管理) IABP法:2,420点 ポンプカテーテル:2,110点 経皮的心肺補助法:1,790点 体外式膜型人工肺(ECMO):1,720点 人工心肺:1,720点
算定構造のアップデート:ベースは変わらず「上乗せ」へ K914 脳死臓器提供管理料 包括評価:40,000点 + 加算① 体制向上 + 加算② 画像診断 + 加算③ 補助循環装置等 = 総算定点数 ・脳死臓器提供管理料(K914)の所定点数(40,000点)自体に変更はありません。 ・新設される3つの評価はすべて、この所定点数に対する「加算」として組み込まれ、実施した分だけ合算(スタック)されます。
実務上の留意点①:請求の枠組みは「従来どおり」 Step 1:算定を行う(K914 + 新設加算) 提供施設 -> 移植実施施設 -> レシピエント Step 2:費用の請求を行う ドナー側への直接請求は行わない 【注意】ドナーに実施した脳死判定やコーディネート、死後の処置費用はすべて包括・加算評価に含まれるため、ドナー側への直接請求は行いません。
実務上の留意点②:施設間での「費用配分(合議)」の再確認 提供施設(Donor Hospital) - 合議(Mutual Agreement) - 移植実施施設(Transplant Hospital) 提供施設:実務の多くを負担(コーディネート、画像診断、機器管理) 移植実施施設:診療報酬を請求・受領(加算分の点数を受け取る) 【アクション要件】 施設間の費用配分は当事者間の取り決め(合議)に委ねられています。 新設加算の恩恵を現場に正しく還元するため、既存の合議内容・契約ルールを見直す必要があります。
まとめと今後のアクションプラン 今回の3つの加算新設は、ガイドライン・省令改正による現場の努力を適正に評価するものです。 これにより、臓器提供を希望する意思の尊重と、安全な提供機会の確保がさらに後押しされます。 通知の確認 告示・通知にて「専門知識を有する者(加算①)」の詳細な要件定義を確認する。 要件マッチング 自院の脳死判定プロトコルと、画像診断(加算②)・補助循環装置(加算③)の算定要件を照合する。 合議の再交渉 移植施設・提供施設間での「費用分配」に関する契約を、新設加算を前提とした内容へ事前更新する。