【令和8年度改定】医師事務作業補助体制加算の見直し|生成AI活用で配置基準が柔軟化

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February 18, 26

スライド概要

令和8年度診療報酬改定で、医師事務作業補助体制加算の施設基準が見直されます。生成AI文書作成補助システム等のICT機器を組織的に導入した医療機関では、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入可能に。1.2人換算・1.3人換算の要件、業務範囲の明確化、届出の実績要件、年1回の効果評価義務など、押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。
メルマガ『【令和8年度改定】生成AI活用で医師事務作業補助者1人が1.3人分に?配置基準の柔軟化を解説』:https://www.daitoku0110.news/p/doctor-clerical-ict-staffing-reform
チャットでの質問はこちら:https://notebooklm.google.com/notebook/71947abe-ede3-4f18-b361-b4b00b598ae8

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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各ページのテキスト
1.

【令和8年度改定】医師事務作業補助者の「新」時代 生成AI活用で実現する「1人=1.3人」の配置基準柔軟化と業務改革 令和8年度診療報酬改定 解説資料

2.

令和8年度改定における3つの主要変更点 医師の働き方改革とICT活用の推進を背景に、医師事務作業補助体制加算の施設基準が大きく見直されます。 1. 配置基準の柔軟化 生成AI等のICT機器活用により、1人を最大「1.3人」として算入可能。 ・人員不足の解消と生産性向上 2. 業務範囲の明確化 文書作成補助や代行入力の対象業務が具体的に明示化。 ・現場運用の迷いを解消 3. 効果評価の義務化 ICT活用による柔軟化を届け出る場合、年1回の評価が必須。 ・導入効果の可視化とPDCAサイクル

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テクノロジーによる「マンパワー」の拡張 ICT機器を組織的に導入した医療機関において、医師事務作業補助者の配置人数を割り増しで算入できる仕組みが新設。活用するICT機器の種類と範囲に応じて、換算率が決定されます。 従来基準 1.0人 ICT活用 (Tier 1) 1.2人 ICT活用 (Tier 2) 1.3人

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「1.2人換算」を実現するための4つの必須要件 A. 生成AI文書作成補助システム 退院時要約・診断書・紹介状等の原案作成を自動的に行うシステムを導入していること。 大半の医師と補助者が日常的に活用し、業務効率化が図られていること。 B. セキュリティガイドライン準拠 電子カルテ等と連動するICT機器について、厚労省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠していること。 C. AI事業者ガイドライン遵守 生成AI等を用いる製品・サービスについて、「AI事業者ガイドライン」が遵守されていること。 D. 研修と体制整備 すべての医師事務作業補助者に操作方法と適切な利用に関する研修を実施。 常時ICT機器を用いて業務を遂行できる体制であること。

5.

「1.3人換算」へのステップアップ:追加ICT要件 1.2人換算の要件(生成AI)に加え、以下の3種類のうち「少なくとも1種類以上」を広く活用していること。 ① 医療文書用音声入力 ※汎用音声入力機能は除く。医療用語に特化した専用システムが必要。 ② RPAによる自動化 定型入力作業を自動化し、業務時間を短縮。 ③ 患者向け説明動画 10種類以上の動画を用意し、患者説明業務を効率化。 これらを組み合わせることで、最大級の配置基準柔軟化(1.3倍)が適用されます。

6.

Modern Medical Handbook 必須となる「生成AI」の定義と適用範囲 単なるチャットボットではなく、具体的な医療文書の「原案作成」を自動化する機能が求められます。 カルテ情報 医療データ 生成AI (Generative AI) ① 退院時要約 (Discharge Summary) カルテ情報からサマリー案を生成。 ② 診断書 (Medical Certificates) 必要な情報を抽出しドラフト作成。 ③ 紹介状 (Referral Letters) 診療情報提供書の原案作成。 重要要件:「組織的に導入」し、「大半の医師・補助者が日常的に活用」している実態が必要です(導入しただけでは不可)。

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届出における「3か月実績」の重要ルール 実績蓄積期間(3か月以上) 直近3か月以上にわたり、「ICT活用なし」の従来の配置基準で、当該配置区分(またはそれを上回る区分)を算定し続けている実績が必要。 届出提出 新基準適用 1.2人 または 1.3人 換算開始 解釈:まずは現行基準で人員体制を整え、実績を作った上で、ICT活用による柔軟化を申請するステップとなります。

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年1回の効果評価とPDCAサイクル ICT活用による配置基準の柔軟化を届け出る場合、年1回程度の定量的または定性的な評価が義務化されます。 データ収集 定量的・定性的データ 評価の実施 業務量・負担感の分析 対策・改善 必要に応じた運用見直し 報告・確認 衛生委員会等での報告 評価項目の例 ・医師事務作業補助者:業務内容の変化、業務量の増減、業務時間の短縮効果 ・医師:事務作業時間の削減量、負担感の軽減度

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業務範囲の明確化①:文書作成補助 従来の「診断書等の文書作成補助」という表現から、具体的な文書名が列挙され、業務範囲がクリアになりました。 従来 「診断書等の文書作成補助」 改定後 ・診断書 ・診療情報提供書 ・返信(紹介状への返答) ・診療サマリー ・診療計画書 等

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業務範囲の明確化②:代行入力 診療記録への入力だけでなく、オーダーやパスの操作も明記されました。 医師の指示のもと、以下のタスクを補助者が担うことが可能です。 診療記録 カルテ記事の代行入力 オーダー入力 ・検査オーダー ・食事オーダー パス管理 ・クリニカルパスの入力・管理 ・地域連携パスの入力

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業務範囲の明確化③:その他の業務 これらが「医師事務作業補助」として正式に認められることで、タスクシフトがより広範囲に進むことが期待されます。 説明準備 患者・家族への説明文書の準備・作成。 データ整理 診療録・画像検査結果等の整理。 統計・登録 院内がん登録等の統計・調査・入力作業。

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常勤要件の緩和と常勤換算ルール 常勤職員の定義 週32時間以上 週31時間以上 常勤換算の計算ルール (FTE) 常勤換算を行う際は、「当該保険医療機関における常勤職員の所定労働時間」をもって常勤1名とする。 【注意点】ただし、所定労働時間が32時間未満の場合は、「32時間」を基準として換算する。 「週31時間への緩和」は常勤職員の定義であり、計算式上の分母(32時間下限)とは区別して理解する必要があります。

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運用・届出に向けた最終チェックリスト ICT導入:生成AIシステム(文書作成)は導入済みか? 1.3倍要件:音声入力、RPA、動画のいずれかを追加導入しているか? ガイドライン:厚労省・AI事業者のガイドラインに準拠しているか? 研修:全補助者への操作研修計画はあるか? 実績:届出前3か月間の配置実績(ICTなし基準)はあるか? 評価体制:年1回の効果測定を行う委員会等は決まっているか?

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令和8年に向けたICT投資ロードマップ 生成AIの選定・導入・定着には時間がかかります。改定直前の対応では間に合いません。 Now Phase 1 現在~企画 現状分析・ツール選定・予算化 Phase 2 導入・準備 システム導入・セキュリティ確認・スタッフ研修 Phase 3 令和8年改定 3か月の実績期間 → 新区分での届出 Reiwa 8 「導入が必須要件」となっている点を踏まえ、早期の予算化と検討を推奨します。

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まとめ:医療DXによるチーム医療の進化 1.3人換算 生成AI活用で、スタッフ配置の効率を最大化。 業務明確化 診断書・オーダー入力など、タスクシフトを加速。 効果の可視化 年1回の評価で、実効性のある運用を担保。 今回の改定は、単なる省力化ではなく、テクノロジーと人が協働する新しい医療現場のスタンダードを提示しています。