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March 15, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で、障害者施設等入院基本料・特殊疾患入院医療管理料・特殊疾患病棟入院料における廃用症候群の患者が療養病棟に準じた評価に変更されます。改定の背景データ、注13の算定要件の変更点、除外要件(発症前からの重度肢体不自由児(者))をスライドで整理しました。
メルマガ『【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料における廃用症候群の評価が変わる|3つの入院料が対象』:https://www.daitoku0110.news/p/disability-ward-disuse-syndrome-revision
チャットでの質問はこちら:https://notebooklm.google.com/notebook/476f6c9f-6987-4f71-9174-36ecea4b4a50
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
【重要機密】戦略ブリーフィング 【令和8年度改定】 障害者施設等入院基本料における 廃用症候群の評価見直し 対象となる3つの入院料と、療養病棟に準じた評価体系への 移行プロセス
見直しの対象 廃用症候群 障害者施設等入院基本料な ど3つの対象病棟に入院する 「廃用症候群」の患者 従来の「出来高算定」から 「療養病棟に準じた評価 (包括評価)」へ移行 重要な除外規定 発症以前から「重度の肢体不 自由児(者)」であった場合 は対象外(従来評価を維持)
評価見直しの対象となる3つの入院料 障害者施設等入院基本料 個別の病態変動が大きく、 高額な薬剤や高度な処置が 必要となる患者が対象。重 度障害者等7割以上を占め る施設基準。 特殊疾患入院医療管理料 病態の変動は比較的小さい が、継続して高い医療の必 要性がある患者が対象。 特殊疾患病棟入院料 特殊疾患入院医療管理料と 同様、医療的介入の必要性 が高い患者群を包括的に管 理。
類似する患者状態と乖離する請求点数 患者状態は類似 障害者 施設等 療養病棟 療養病棟の請求点数 障害者施設等の レセプト請求点数 実態調査(令和6年度) データ: 10対1入院基本料における 廃用症候群患者の割合:5.0% 13対1・15対1入院基本料 における割合:11.8% 認知症の有無や寝たきり度など患者状態が類似しているにもかかわらず、 請求点数に明確な差が生じている事実が浮き彫りに。
評価体系の構造的な違い(出来高 vs 包括評価) 障害者施設等入院基本料 療養病棟入院基本料 対象患者 の特性 個別の病態変動が大きく、 高度な処置が必要 慢性期で状態が 比較的安定している 算定構造 投薬・注射・処置等が 原則出来高 医療区分とADL区分に 応じた包括評価 課題:同じ状態の患者であっても、入院する病棟の算定構造(出来高か包括か) によって評価体系が異なる状態が発生していた。
慢性期入院料における評価適正化の軌跡 平成28年度:重度の意識 障害者(脳卒中の後遺症 に限定、医療区分1・2相 当)を包括評価へ 令和4年度:重度の意識 障害を有さない脳卒中 患者を包括評価へ 令和6年度:透析を実施 する慢性腎臓病患者を 包括評価へ 令和8年度 / NEW: 廃用症候群の患者を療養 病棟に準じた評価へ追加 療養病棟に準じた評価体系への統一 今回の改定は突発的なものではなく、病棟種別を 問わず「慢性期患者の評価を適正化・標準化する」 という国の方針の延長線上にあります。
算定要件「注13」のアップデート 現行: 「脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者」 改定後: 「脳卒中、脳卒中の後遺症又は廃用症候群の患者」 ↳ 対象となる医療区分:上記疾患の医療区分2または1に相当する患者 ↳ 結果:通常の障害者施設等入院基本料(出来高)ではなく、療養病棟に準じた点数(包 括)での算定が義務化される。
従来評価が維持される「除外要件」の拡充 (※既存の除外対象:重度の意識障害者、 筋ジストロフィー患者、難病患者等も引 き続き維持されます) 廃用症候群の患者 一般患者 一般患者 包括評価へ移行 新規追加の除外対象: 脳卒中又は廃用症候群の 発症前から重度の肢体不自由 児(者)であった患者 出来高維持 もともと重度の肢体不自由があった患者が新たに廃用症候群を発症したケースは、 従来どおり障害者施設等の出来高算定が認められます。
除外要件が設定されたエビデンス 療養病棟の標準患者 標準的な看護提供頻度 重度障害 + 廃用症候群 頻回ケア 身体障害者障害程度等級表の1級・2級に 該当する廃用症候群患者 データに基づく実態: 療養病棟の患者と比較して、 より頻回な看護提供(吸引、 体位変換、排泄介助など)を 必要とする割合が有意に高い。 結論:事前の重度障害がある患者に対しては、包括評価の枠組みでは必要な医療資 源の投入をカバーしきれないため、出来高評価の維持が妥当と判断された。
廃用症候群患者の算定フローチャート 通常の算定 ルールを適用 NO 主傷病名が 「廃用症候群」 であるか? YES 廃用症候群を発症する 以前から「重度の肢 体不自由児(者)」に 該当していたか? YES 従来通りの評価 (原則出来高算定) NO 療養病棟に準じた評価 (包括算定へ移行)
令和8年度に向けた医療機関の対応事項 1 2 3 現在入院中の患者監査 3つの対象病棟における廃用症候群 患者の割合と、今後の収益インパ クト(包括化による減収幅) をシミュレーションする。 発症前ステータスの特定 該当患者の過去のカルテを遡 り、発症以前に「重度肢体不自 由(1・2級相当)」が存 在していたかを厳格に スクリーニングする。 病棟管理体制と医事システムの更新 医療区分・ADL区分に基づく包括評 価への切り替えに向け、看護・医事 課間の連携フローを 再構築する。 新しい算定ルールへの適合は、単なるレセプトの変更ではなく、病棟の役割定義そのものの見直しを意味します。早期の体制整備が不可欠です。