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May 22, 26
スライド概要
令和8年度(2026年度)診療報酬改定における療養・就労両立支援指導料の見直しを解説。「治療と仕事の両立支援カード」の導入、対象疾患の定めの廃止、算定可能期間の3月から6月への延長、相談支援加算の50点から400点への大幅増点という4つの構造的転換を、医療機関・事業者向けに整理しました。
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療養・就労両立支援指導料の見直し|令和8年度改定の4つのポイント
https://www.daitoku0110.news/p/work-treatment-support-revision
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度診療報酬改定の要点:療養・就労両立支援指導料の構造的転換 治療と仕事の分断を埋める4つの障壁撤廃と新エコシステム エグゼクティブ・ブリーフィング | 医療機関・事業者向け要約
現行制度の構造的ボトルネック 手続の壁 患者・事業者の共同作成文書による高い事務負担 対象の壁 7疾患に限定され、多様な支援ニーズを排除 時間の壁 3ヶ月の制限により、現実的な治療期間と乖離 評価の壁 支援実態に見合わない診療報酬 令和8年度改定の狙い 現実の就労・治療サイクルに即した「柔軟性」の確保と、医療機関への「適切な評価」を通じた両立支援の社会実装
令和8年度改定 マスター・マトリックス 【改定前】現行制度 【改定後】令和8年度 実質的インパクト 情報提供 医療機関が患者と事業者の「共同作成文書」を受領 患者作成の「治療と仕事の両立支援カード」(事業者確認のみ)を追加 手続きの劇的な軽量化 対象疾患 7区分に限定(悪性新生物、脳血管疾患など) 疾患限定を廃止(反復継続した治療が必要な外来患者全般) 支援対象のボーダーレス化 算定期間 2回目以降は「3月」が限度 「6月」まで限度を延長 実態に即した長期伴走 報酬評価 初回800点 / 相談支援加算50点など 全体的なベースアップと相談支援加算の大幅増(400点) 医療機関のインセンティブ強化
第1の見直し:勤務情報提供プロセスの軽量化 現行の課題:「共同作成」という形式的要件が、患者と事業者の双方に重い作成負担を強いていた 患者 事業者人 共同作成文書 病院 改定後の解決策:新ツール「治療と仕事の両立支援カード」の導入 患者 両立支援カード 事業者人 病院 患者自身が病状や就労上の希望を記載。事業者は「確認」のみで足りるため、医療機関への情報提供ハードルが大幅に下がる
第2の見直し:対象疾患の「サイロ化」からの脱却 疾患の定めの完全廃止 悪性新生物、脳血管疾患、肝疾患(慢性)、心疾患、糖尿病、若年性認知症、指定難病等 これまで制度から排除 新基準 「疾患の増悪防止等のための反復継続した治療が必要」な患者 「就業の継続に配慮が必要」なもの ※外来患者を対象とするため、入院中の患者は引き続き対象外
第3の見直し:実態に即した算定可能期間の延長 現行:1を算定した月(または翌月)から起算して「3月」が限度 Month 1(起算点) Month 2 Month 3 Month 4 Month 5 Month 6 令和8年度:同じ起算点から「6月」まで算定可能に なぜ延長されたのか? 両立支援指導が3ヶ月を超えて継続されている医療現場の「実態」を適正に評価するため。長期にわたる伴走型支援が公式に認められる形へ
第4の見直し:インセンティブの再構築(点数引き上げ) 初回 800点 → 850点 2回目以降 400点 → 500点 相談支援加算 50点 → 400点 注:8倍の増点 情報通信機器使用時 初回:696点 → 740点 2回目以降:348点 → 435点 特に「相談支援加算」の大幅な引き上げ(+350点)は、医療機関に対して両立支援体制の構築を強く促す強烈なメッセージとなる
令和8年度改定が創り出す「両立支援の新エコシステム」 対象の拡大 疾患の壁が消え、支援を必要とする潜在的な外来患者がシステムにアクセス可能になる 治療と仕事の両立の社会実装 摩擦の低減 「両立支援カード」により、患者と事業者の事務的ハードルが下がり、情報が医療機関へスムーズに流れる 投資の回収 大幅な点数引き上げ(特に相談支援加算)により、医療機関は支援人材や体制構築への投資を回収・維持できる 期間の適合 6ヶ月への延長により、治療のフェーズ変化に合わせた現実的で持続的なサポートが実現
結論:限定的アプローチから、包括的・実践的アプローチへ ルールの柔軟化がもたらすもの 令和8年度改定は、単なる点数の調整ではありません。「共同作成」や「7疾患」といった過去の形式的な制約を取り払い、現場の実態に制度を適応させる構造的シフトです 医療と雇用のシームレスな連携へ プロセスの軽量化と適切な経済的評価により、医療機関と企業(事業者)は、より低い障壁で患者(従業員)の就労継続を支えることが可能になります 令和8年度(2026年度)診療報酬改定に向けて、各機関における新カードの運用フローおよび支援体制の再構築が推奨されます。