令和8年度改定|療養病棟入院基本料の見直し完全ガイド~医療区分の変更点「3つの柱」と施設基準の引き上げへの対応

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March 14, 26

スライド概要

令和8年度診療報酬改定における療養病棟入院基本料の見直しを解説。感染症処置と他の処置の併施による医療区分3の新設、非がん緩和ケア(末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全)の医療区分2追加、超重症児(者)の受入評価の新設の3つの柱に加え、入院料2の医療区分2・3患者割合の5割から6割への引き上げと経過措置について、具体的な要件を整理しています。
メルマガ『【令和8年度改定】療養病棟入院基本料の見直し3つのポイント|医療区分の変更点を解説』:https://www.daitoku0110.news/p/r8-medical-care-ward-revision
チャットでの質問はこちら:https://notebooklm.google.com/notebook/00bf6789-aaf8-4d57-a94c-b9156a7a70d7

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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各ページのテキスト
1.

[HOSPITAL MANAGEMENT & STRATEGY / 経営陣・病棟管理者向け] 令和8年度改定 療養病棟入院基本料の 見直し完全ガイド 医療区分の変更点「3つの柱」と 施設基準の引き上げへの対応

2.

患者の病態と医療資源投入量をより適切に反映するための 「評価の適正化」と「重症患者受入れの推進」が本改定の核となる。 Pillar 1 (処置) 感染症処置と他処置の 「併施」による 【医療区分3】新設 Pillar 2 (疾患) 非がん疾患(3疾患)に 対する緩和ケアの 【医療区分2】追加 Pillar 3 (小児) 医療的ケア児 (超重症・準超重症)の受入れ 【医療区分2・3】追加 施設基準の引き上げ(療養病棟入院料2) 医療区分2・3患者割合 【5割 → 6割】へ

3.

感染症処置と他の処置の併施による医療区分3の新設 Before(従来) 感染症の治療に係る処置 (肺炎、尿路感染症など) 単独評価: 【医療区分2】 After(令和8年度改定) Piece A: 感染症処置 Piece B: 創傷の治療等の 他の処置 複合実施による適正評価: 【医療区分3】へ昇格 肺炎と褥瘡など、合併しうる病態に対する処置を4カテゴリーに再分類し、複合実施を高く評価する新スキーム。

4.

併施要件の具体化:医療区分3への昇格方程式 Panel A 別表第五の三の二(1): 感染症の治療に係る処置 [肺炎治療] [尿路感染症治療] [脱水治療] [頻回の嘔吐治療] [経腸栄養] + Panel B 別表第五の三の二(2): 創傷の治療・器具管理 等を伴う処置 [褥瘡治療] [末梢循環障害の開放創治療] [創傷・感染症治療] [中心静脈栄養] [人工腎臓等] [気管切開等] = Result Block 条件:(1)と(2)の処置 をそれぞれ1つ以上 「同時に実施」 ⇒【医療区分3】 算定可能

5.

非がん疾患に対する緩和ケアの評価拡充 従来の対象 ・悪性腫瘍(がん) ・医療用麻薬等の薬剤投与による 疼痛コントロール 【医療区分2】 新たに追加された対象 非がん疾患(3つの末期疾患): 1. 末期呼吸器疾患 / 2. 末期心不全 3. 末期腎不全 新たに【医療区分2】へ追加

6.

追加された非がん疾患(3疾患)の該当基準マトリックス 疾患名 BIZ UDPGothic 重症度分類基準 BIZ UDPGothic 共通要件 BIZ UDPGothic 末期呼吸器疾患 ヒュー・ジョーンズの分類「V度」 ・適切な治療が実施されている にもかかわらず末期の状態に あること。 ・頻回もしくは持続的に医療用 麻薬等(点滴薬物療法含む) による苦痛・症状のコントロー ルが必要であること。 末期心不全 NYHA重症度分類「IV度」 (器質的な心機能障害による慢性的な症状) 末期腎不全 日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類 「Stage G5以上」かつ 透析療法の開始・継続が困難

7.

超重症児・準超重症児の医療区分への位置づけ 対象:15歳未満の小児患者(超重症児(者)入院診療加算の基準該当者) 最重度:超重症の状態 (区分A212 注1に規定) ⇒【医療区分3】へ追加 重度:準超重症の状態 (区分A212 注2に規定) ⇒【医療区分2】へ追加 療養病棟における医療的ケア児の受入れを、医療区分の仕組みの中でダイレクトに評価する枠組みへのアップデート。

8.

療養病棟入院料2:医療区分2・3患者割合の引き上げ 現行基準:5割(50%)以上 新基準:6割(60%)以上 背景・目的:より医療の必要性が高い患者の受入れを推進するためのハードル引き上げ。 既存の届出医療機関に対するセーフティネットとして経過措置期間を設定。

9.

タイムラインと経過措置:いつまでに対応が必要か? 令和8年3月31日時点 基準日 (現行の療養病棟入院 料2を届け出ている 医療機関が対象) 令和8年4月1日~9月30日 【経過措置期間】 この期間内は、新たな6割要件 を「満たしているものと みなされる」(猶予期間)。 令和8年10月1日~ 新基準の完全適用 医療区分2・3患者割合 「6割以上」の厳格適用開始。 要件未達の場合は降格リスク。

10.

経営上のネクストステップ:令和8年改定に向けた準備 Action 1:算定見直しの洗い出し 新設された「感染症×創傷等」 の併施要件、および「非がん疾 患(呼吸器・心不全・腎不全)」 に該当する既存患者のリスト アップと医療区分3・2への移 行シミュレーション。 Action 2:病床運用のシミュレーション 経過措置期間を見据え、医療 区分2・3の患者割合「60%要 件」をクリアするための入院 判定基準の見直し、地域連携室 (退院支援)との連携強化。 Action 3:運用体制の完全移行 令和8年9月30日の経過措置 終了日をデッドラインとした、 院内フロー(医師・看護師・医 事課の情報共有体制)の再構 築。