モダンオフショアを支えるグローバルアーキテクト 〜私がオフショアに取り組んでいる理由〜

13K Views

February 03, 22

スライド概要

profile-image

Agile Practitioner / CSP-SM, CSP-PO(Certified Scrum Professional) / Modern Offshore Development / Vietnam / Paris Hilton / RareJob / BOOKOFF / TIER IV, Inc.

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

モダンオフショアを支える グローバルアーキテクト 〜私がオフショアに取り組んでいる理由〜 2022/2/3 藤村 新

2.

モダンオフショアを支える グローバルアーキテクト 〜私がオフショアに取り組んでいる理由〜 2022/2/3 藤村 新

3.

主な登壇歴 •Regional Scrum Gathering Tokyo 2015 •Agile Japan 2015 •Regional Scrum Gathering Tokyo 2016 •Scrum Fest Osaka 2019 •DevOpsDays Tokyo 2019 •DevOpsDays Taipei 2019 •XP祭り 2019 •Regional Scrum Gathering Tokyo 2020 •Developers Summit 2020 •Regional Scrum Gathering Tokyo 2021 •Scrum Fest Sapporo 2021

4.

最近の悩み

6.

オワコン化

7.

せっかく機会を頂いた ので、オフショアに取 り組んできた経緯から 思う存分お話したい!

8.

元々の趣味

11.

オフショア との出会い

12.
[beta]
GMO!"#$%&'()'*+,-.!/

https://www.gmo.jp/news/article/4166/

13.

)'*+01234!567

14.

89:;2<=>?@ABCD5

23.

アジャイル x オフショアで 生き抜いていこうと決めた

24.

行動あるのみ

25.

ロールモデルの存在 https://reapra.sg/our-team/

26.

“なぜ今、日本の企業がアジ アに出ていくべきなのか、 日本の成長が止まっている からです。アジアが成長し ているからです。”

27.

2015年1月 カンボジア

28.

2015年11月 YOYO Holdings@フィリピン BGC By alveo land (alveo land website) [Public domain], via Wikimedia Commons

31.

ベトナムでの 取り組み

32.

2016年2月〜8月 Asian Tech@ベトナム ダナン

34.

× 3 ≒ 1万枚 × 10枚追加

40.

アジャイル x オフショア(ベトナム) で 生き抜いていこうと決めた

41.

農業期

42.

2017年3月〜2018年6月

43.

クラスメソッド での取り組み

44.

2018年7月 クラスメソッド入社

45.

DevOps期

49.

アジャイル x オフショア(ベトナム) の 情熱を失いかけていた頃、 ふと聞こえてきた会話

50.

「やばい、開発エンジニアが足りない」 「ベトナムオフショア試してみようか」 「いくつか目ぼしい会社をピックアップ してもらったよ」 「まずはベトナム視察に行きますか」

51.

なぜ私に声を かけないのか

52.

めっちゃオススメの 会社ありますよと 言って連れて行った

54.

偉い人も連 れて行った

56.

どんどん連 れて行った

58.

お客さんも連 れて行った

60.

2019年7月 グローバルチーム発足

61.

ぼっちからの スタート https://www.slideshare.net/satoryu/20141024-rtcpreevent2014-tatssato-40689454

62.

プロジェクト数も アサイン人数も 増やしていった

64.

自由にやってた ら会社にバレた

65.

偉い人: 「ベトナムのオフショア事業の 売上規模ってどれぐらいなの?」 私: 「年間◯億円ぐらいになりました」 偉い人: 「会社としてちゃんとやるか。 事業責任者は△さんにしようかな」 私: 「えっ!?」

66.

なぜ私にやら せないのか

67.

偉い人: 「藤村の強みは現場でしょ? 現場から離れる覚悟あるの?」 私: 「…」 ̶ 数日後 ̶ 私: 「やらせてください!」

68.

現場から離れ、 アジャイル x オフショア(ベトナム) の 事業を推進する覚悟を決めた

69.

2021年7月 グローバル事業部設立

70.

私: 「今後本格的に進めるなら自社の ベトナム拠点を作りたいです!」 偉い人: 「良いね!作っちゃおう。 拠点責任者は△さんにお願いしようか」 私: 「えっ!?」

71.

なぜ私にやら せないのか

72.

偉い人: 「だってベトナムに住めないでしょ?」 私: 「…」 ̶ 数日後 ̶ 私: 「役員として経営に参画させてください! あと、個人としても出資させてください!」 偉い人: 「クラスメソッドの事業推進が疎かに ならないなら良いよ」

73.

現場から離れ、自らリスクを取って アジャイル x オフショア(ベトナム) の 事業を推進する覚悟を決めた

74.

そして、2022年春

76.

クラスメソッドベトナム (ホーチミン)設立予定!

77.

ジョブホッパー の私がクラメソ に居続ける理由 13

78.

社内転職 社内起業

79.

どうやって いるのか

80.

モダン オフショア

81.

2014年〜2017年 モダンオフショア開発 ≒ アジャイルなオフショア開発

82.

2019年〜2020年版 レガシーオフショア モダンオフショア 目的 コストメリット 優秀なエンジニアの確保 イメージ 安かろう悪かろう 協働開発 関係 上下 フラット 窓口 ブリッジSE 無し or 代理プロダクトオーナー メンバー 顔の見えないリソース 仲間 プロセス 計画駆動 アジャイル

83.

2021年版 目的 レガシーオフショア モダンオフショア コスト削減 優秀な開発チームの確保 不変の強み 低コスト、動員力 品質 低い 高い イメージ 安かろう悪かろう、競争相手 共創相手 関係 上下 フラット 窓口 ブリッジSE 無し or 代理プロダクトオーナー メンバー 顔の見えないリソース 仲間 プロセス 計画駆動 アジャイル、スクラム

84.

ベトナムのGDP成長率 fi 2021年上半期ベトナム経済統計 https://www.vn.emb-japan.go.jp/ les/100216512.pdf

85.

低コスト? https://www.slideshare.net/hiroshik1/starting-over-in-veitnam-249504246

86.

動員力? https://topdev.vn/page/vietnam-it-market-reports

87.

不変の強みは 変わってきた 目的 レガシーオフショア モダンオフショア コスト削減 優秀な開発チームの確保 不変の強み 低コスト、動員力 品質 低い 高い イメージ 安かろう悪かろう、競争相手 共創相手 関係 上下 フラット 窓口 ブリッジSE 無し or 代理プロダクトオーナー メンバー 顔の見えないリソース 仲間 プロセス 計画駆動 アジャイル、スクラム

88.

チーム体制

89.

チーム体制 2層 スクラム

90.

オフショアだから工夫した点 •2部制でのスプリントプランニング •PO交えたβチームでPBIの選択(1部) •αチームでスプリントバックログ作成(2部)

91.

オフショアだから工夫した点 •母国語を使ったレトロスペクティブ •αチーム内で先行して実施(ベトナム語) •βチームのレトロスペクティブで共有(日本語)

92.

オフショアを機能させるG-SM

93.

G-SMの役割 • スクラムチームαの進捗を妨げるあらゆる障害物の排除 • スクラムチームαをブラックボックスと考える • クライアントが担うPOのあらゆる支援 • スクラムの理論、プラクティスの説明 • プロダクトバックログの管理支援 • POの不安、不満を早めに察知し、スクラムチームα に改善を働きかける • POの先にいるステークホルダーへの説明 • スクラムチームβのスクラムイベントファシリテート

94.

ベトナムにもSMはいる

95.

ベトナムのPPO(代理PO)

96.

BSE(ブリッジSE)とPPO(代理PO) •BSEは分断を生む •PPOは共創を促す

97.

BSEは分断を生む ○○がほしい! なぜなら△△だから。 なぜこの機能が必要? なぜこの実装方法? ソリューションは一択。 間違いない。 WHY + WHAT HOW + WHAT DEV PO BSE QC うーん、そう解釈 しちゃったか…。 イマイチだな…。 まぁ、こんなもんでしょ 意味分からないけど 言われたとおりに実装 するしかないよね…

98.

PPOは共創を促す ○○がほしい! なぜなら△△だから。 POはこういう理由で この機能が欲しいのか! WHY + WHAT こういう理由なら こんな実装が良さそう! WHY + WHAT DEV PO PPO QC ナイスアイデア! まさにONE TEAM! こんなアイデア出るなんて DEVチーム最高! こういう理由なら こっちの機能の方が 良くない!?

99.

オフショアの開発チームをリードするアーキテクト

100.

グローバル アーキテクト

101.

グローバルアーキテクトの仕事 • リファインメント • PBI毎の技術的確認事項をクライアントと調整 • スプリントプランニング(1部) • どのPBIまで着手できそうかの目安の共有 • クライアントからの技術的な質問への回答 • スプリントプランニング(2部) • PBI毎に作成した技術仕様をベトナムエンジニアと議論 • ベトナムエンジニアからの質問に回答 • ベトナムエンジニアがタスク分割する支援

102.

グローバルアーキテクトの仕事 • スプリントレビュー • スプリントでの成果として、PBI毎にデモを実施 • スプリント期間中 • ベトナムエンジニアからの質問に回答 • ベトナムエンジニアがデプロイしたPBIを確認 • 確認して問題なければ、クライアントにPBI完成報告 • クライアントからのフィードバック確認、対応 • 次スプリントで対応予定のPBIの技術仕様をWikiなどに記載 • 追加されたPBIのポイント見積もりをベトナムエンジニアと実施

103.

グローバルアーキテクトの概要 • クラスメソッドのエンジニアが担っている • グローバル事業部のエンジニア以外が担うケースもあり • 元はテックリードと呼んでいた • リードできないケースが増えたため改名 • 専門分野ではないエンジニアのアサイン時 • ベトナムエンジニアの技術レベルも高い • ベトナム側にもTLはいる • ソースコードを書く機会は激減 • それが理由で担当したくないエンジニアが多い

104.

2005/09 2006/09

105.

2009/06 2010/02

106.

­ 原体験 =

107.

“たとえ技術的な側面だけでも、オフショアの 開発チームを指導できるような能力を身に付けよう。 その能力こそ君の履歴書に必要なスキルだ。” ‒ MY JOB WENT TO INDIA

108.

BSEと何 が違うの?

109.

やってることは 大体同じ…

110.

アプローチや マインドセットは 異なる

111.

“スクラムマスターは、 スクラムチームと、 より大きな組織に奉仕する 真のリーダーである。” ‒スクラムガイド(2020年11月)

112.

“グローバルアーキテクトは、 オフショアチームと、 顧客の組織(PO)に奉仕する 真のリーダーである。” ‒Arata Fujimura

113.

ff fi https://blogs.per cient.com/2014/09/23/the-architect-role-in-o shore-development-projects/

115.

記事の要約 • アーキテクトは、顧客と開発チームの間の架け橋として機能する • オンショアアーキテクトは当然、顧客と直接連携して、機能要件 と非機能要件を定義する責任がある • アーキテクトはオフショア開発チームとも協力して、要件と高レ ベルの設計がチームに完全に理解されるように働きかける • 開発中、オフショアチームは通常要件に関する質問をする • アーキテクトは、これらの質問に時間内に答える責任がある

116.

記事の要約 • アーキテクトはチームをサポートするコーチの役割を果たす • 詳細設計に関するガイダンスをチームに提供する • 開発チームからのフィードバックに耳を傾け、合意を支援する • チームがコミットしたコードを確認し、フィードバックする • チームが技術的な問題を克服するのを手伝う • プロジェクトの初期段階で、オンショアアーキテクトをオフショ アサイトに移動させ、オフショアチームメンバーとしばらくの間 ペアで作業する • アーキテクトとオフショアチームメンバー間の信頼関係構築

117.

2020年3月〜 海外渡航禁止

118.

信頼貯金を切り崩 しているけどそろ そろ底をつきそう

119.

モダンオフショア 導入プロジェクト

120.

https://www2.slideshare.net/aratafuji/scrum-217782821

121.

2020年5月〜現在 PWA(Web)版 モバイルオーダー 開発

122.

プロジェクトの結果 •当初予定していた期日通りにリリース(2020年9月) •初期のプロダクトバックログからは大幅に変化したが、 クライアントも納得のスコープ •リリース前にクライアントの本社(US)が委託した セキュリティ会社によるペネトレーションテストでも、 ソースコードに関する指摘は軽微なもののみ •リリース後にサービスに影響が出た不具合は1件

124.

KEEP •モダンオフショアの型ができた

125.

モダンオフショア実践プロジェクト 1.外資系コーヒーチェーンモバイルオーダーWeb 2.大手ホームセンターWeb(終了) 3.大手ゲームパブリッシャーWeb 4.大手飲料メーカー子会社LINEアプリ 5.大手鉄道会社系小売LINEアプリ 6.大手ディスカウントストアネイティブアプリ 7.外資系コーヒーチェーンEC

127.

モダンオフショア の今後

128.

内製化支援の流れ

129.

https://www.slalombuild.com/pem

130.

CMVNを ホーチミンに設立 • LINE ミニアプリ • アジャイル開発プロセス • クラウド、インフラ自動化 • プログラミング 優秀なインターン採用 専門家による トレーニング実施 トレーニングと魅力的 ベトナム版 な案件を情報発信 DevelopersIO ナレッジの蓄積 案件の蓄積 CMVNでの 受入可能案件拡大 クラスメソッド全体の 顧客支援の最大化 • Web • Android/iOS アプリ • IoT • MAD 既存案件でのOJT 既存案件アサイン 既存案件をCMVNに 引き継ぎ

131.

さいごに

132.

2022/1/14に お客さんからの要望で、 スクラム/アジャイルの意義や目的 についてのWSを開催。 56名参加(お客さん31名、 CM19名、他ベンダー6名)

133.

アジャイルマニフェスト https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

134.

よりよい開発方法を 見つけだそうとして いたら既にアジャイル

135.

フィードバック

136.

RFCモデル

137.

2層スクラム

138.

よりよいオフショア開発 方法を見つけだそうと すること。それが、 モダンオフショア!

139.

https://www.ryuzee.com/contents/blog/14565

140.

https://www.ryuzee.com/contents/blog/14565

141.

おまけに

142.

“今の日本のITシーンにおいてオフショアが進んでいないのは 「10年前のオフショアブームの時に煮湯を飲まされたミド ル・シニアエンジニア達の嫌悪感」という防波堤の上で成立 しています。(中略)この辺りの嫌悪感の防波堤が極まる人手 不足の中でなし崩し的に消え始めた頃、一気に日本人人材の 特需が萎むシナリオはあると想定されます。そうなるとより 上流の企画部門や経営層がやりたいことを整理し、システム に落とし込める人材が優先的に残ることになるでしょう。” ‒ エンジニア採用シーンが高騰しすぎている件について https://note.com/makaibito/n/n91cbe8af9c32

143.

嫌悪感防波堤 決壊間近 https://www.youtube.com/watch?v=ZjSbTf7wS0s

144.

その時求められるのは 自らが手を動かしたい そこそこ優秀な エンジニアではなく

145.

グローバルアーキテクト

146.

今は、私も オフショアも オワコン化

147.

アジャイル コミュニティの 秋元康を目指したい https://www.chunichi.co.jp/article/279385

148.

返り咲いてやる!

149.

以上