自動運転スタートアップにPOとして転職してやったこと、学んだこと

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November 11, 24

スライド概要

Agile Tour Yokohama 2024 での登壇資料です。
https://agile-tour-yokohama.connpass.com/event/331636/

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Agile Practitioner / CSP-SM, CSP-PO(Certified Scrum Professional) / Modern Offshore Development / Vietnam / Paris Hilton / RareJob / BOOKOFF / TIER IV, Inc.

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

Agile Tour Yokohama 2024 自動運転スタートアップにPOとして 転職してやったこと、学んだこと 2024/11/9 TIER IV, Inc. 藤村 新

2.

今日の テーマ

3.

アラフィフのキャリア観 • 自動運転スタートアップにPOとして • 転職してやったこと、学んだこと •

4.

アラフィフのキャリア観 • 転職直前の話 • 自動運転スタートアップにPOとして • 転職してやったこと、学んだこと 転職直後の話 •

5.

単なる私の 近況報告

6.

•藤村 新(@aratafuji) •TIER Ⅳ, Inc. •Product Owner •48歳(来週で49歳) •神奈川県川崎市出身、在住 •転職多め(現在14社目)

7.

アラフィフのキャリア観 • 転職直前の話 • 自動運転スタートアップにPOとして • 転職してやったこと、学んだこと 転職直後の話 •

8.

Facebookの思い出機能

9.

以前はFacebookの思い出機能が好きだった • • 毎年チャレンジしてる! • 毎年成長できてる! • 50歳を間近に控えて焦りを感じるようになった 1年前も同じことで悶々としてる… • • 1年前と同じことしかやれてない… • この1年で全く成長できていない… • 1年後の自分も容易に想像できてしまう…

10.

“一日がどんな日になる か、朝のうちにちょっと でも正確にわかるという ことは、ちょっと死んで いるということだ。より 正確にわかればわかるほ ど、より死んでいる。” ‒ ナシーム・ニコラス・タレブ, 『ブラック・スワンの箴言』

11.

(遅咲きの)40歳の自分 • 東南アジアで働きたい! • ベトナム開発拠点でアジャイルワークショップ現地実践 • Regional Scrum Gathering Vietnam現地参加 • カンボジアのスタートアップに声かけてもらって現地訪問 • フィリピンのスタートアップに声かけてもらって現地訪問 (面談)&1ヶ月間常駐して多国籍チームのアジャイルコーチ • 英語力不足痛感して、フィリピン短期英語留学 • 転職してベトナムにアジャイルコーチとして単身赴任

12.

https://www.wantedly.com/companies/monstarlab/post̲articles/34016

13.

現地現物

14.

50歳間近の自分 • やり慣れた仕事 • 共創(受託)開発 • アジャイルなオフショア開発 • 行き慣れた場所 • ベトナム ダナン • 読書中心の学習 • 知識は増えても経験は増えない

15.

ミッドライフ クライシス

16.

結局読書

17.

“彼がこうしたカタログ(ホール・アース・カタログ)を30 歳直前に出し、その後はシリコンバレーが興隆する前に ジョブズも参加したパソコン・クラブを立ち上げるための 資金を提供し、コンピューターのパーソナル化の運動を助 け、世界初のコンピューター・ゲームを一般に紹介し、メ ディアで初めて「パーソナル・コンピューター」という言 葉を広め、アースデイなどに先立つ環境保護運動の元祖の 一人になり、情報時代に情報はフリー(タダ、自由)になると 予言し、インターネット流行の前にオンラインコミュニ ティーを運営し、建物には建物の人生があると主張し、環 境保護運動の中心にいて反原発派だったのに擁護派に転換 して非難を浴び、いまでは1万年動き続ける時計を作り、マ ンモスなどの絶滅種の復活に取り組んでいると聞いたら、 一体どんな人かと気にはなるまいか?” ‒ ジョン・マルコフ, 『ホールアースの革命家』

18.

参考文献(スペクテイター) vol.29 vol.30 vol.48 vol.50

19.

とんでもない嗅覚で 移動し続けている?

20.

“移動距離とアイデアは比例する” ‒ ジャック・デリダ? 高城 剛?

21.

そうだ 深圳、行こう。 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:China_Resources_Headquarters%26Shenzhen_Bay_gymnasium_in_Nanshan_District2020.jpg

22.

14年ぶり 2回目

23.

https://ascii.jp/elem/000/000/168/168811/2/

24.

2024年2月〜3月 https://dev.classmethod.jp/articles/self-driving-taxi-in-shenzhen/

25.

WeChatPay, AliPayでのモバイルオーダー体験 • • フーマーフレッシュでのベルトコンベア体験 AliPayのDiDiミニアプリでの配車サービス体験 • • 華強北(フアチャンベイ)の電気街探索、お買い物体験 世界最大と言われる深圳書城中心城体験 • • AliPayのQRコード使った地下鉄利用体験 自動運転タクシー体験(Baidu Apollo, Pony.ai) • • Drone配送体験(美団(メイトゥアン)ドローン配送) 新幹線での中国出国体験 •

27.

自動運転 ヤバい!

28.

こういうことが やりたかったんだ

29.

自分はあと何回 打席に立てる だろうか?

30.

“危険だ、という道は必ず、 自分の行きたい道なのだ。 ほんとうはそっち進みたいんだ。 だから、そっちに進むべきだ。 ぼくはいつでも、あれかこれかと いう場合、これは自分にとって マイナスだな、危険だなと思う方 を選ぶことにしている。” ‒ 岡本太郎, 『自分の中に毒を持て』

31.

川崎市岡本太郎美術館

32.

転職の聖地 川崎市岡本太郎美術館

33.

『夜』 『ノン』

35.

迷ったら 危険な方を選べ!

36.

2024年3月〜4月 TIER IVで働いている元同僚に連絡 • 紹介して! • カジュアル面談 • 内定出たら考えよう • 面接 •

37.

2024年5月 GW中(5月頭) • 内定、オファー面談 • ひと晩寝かせて、転職決断! • VN拠点CEO、上長、社長に連絡 • 業務引き継ぎ(4週間で完了!) • 最終出社(5月末) •

38.

2024年6月 有給休暇(ベトナム、タイ、函館、三島、…) •

39.

2024年7月

40.

わかったこと

41.

危険 パニックゾーン “一番下手くそ” ラーニングゾーン 変化がない コンフォートゾーン ミッドライフ クライシス?

42.

“チームで一番下手くそでい るのは、バンドで一番下手 くそでいるのと同じ効果が ある。どういうわけか自分 自身が賢くなるんだ。” ‒ Chad Fowler, 『MY JOB WENT TO INDIA』

43.

わかったこと • ミッドライフクライシス • コンフォートゾーンにいるから余計なことを考える • 自分が一番下手くそなラーニングゾーンに移れば、そんなことを • 考える余裕すらなくなる 脱するためには • 深く考えず、とにかく移動する • 何かが起きている場所 • 分かったつもりになっている場所 • 現地現物 • 迷ったら危険な方を選べ!

44.

ここまでで20分経過なら 良いペース

45.

アラフィフのキャリア観 • 転職直前の話 • 自動運転スタートアップにPOとして • 転職してやったこと、学んだこと 転職直後の話 •

46.

TIER Ⅳ

50.

自動運転の CI/CD?

51.

一般的なCI/CD アプリケーション開発 コード Pull Request マージ 継続的インテグレーション 継続的 デリバリー 自動 ビルド 検証環境 デプロイ 自動 テスト xUnit 単体 テスト コード レビュー E2E PRD デプロイ

52.

自動運転のCI/CD Evaluator 自動運転モデル開発 コード 単体 テスト Pull Request コード レビュー マージ 継続的インテグレーション 継続的 デリバリー 自動 ビルド 自動 テスト 検証環境 デプロイ 実車 デプロイ Scenario Scenario OTA Simulator Simulator インストールイメージ

54.

私の役割

55.

プロダクト Web Platform … Web.Auto … … … R&D … ②Product Lead(Dev) … … … … … … … ①PO CI/CD … … … … …

56.

プロダクト マネジメントの すきま ‒『The Professional Product Owner: Leveraging Scrum as a Competitive Advantage』

57.

“私たちはこのギャップを、 プロダクトマネジメントの すきまと呼んでいる。これ こそがこの本を書いている 主な動機なんだよ。” ‒『プロフェッショナルプロダクトオーナー』

58.

https://speakerdeck.com/hiranabe/agile-in-automotive-industry-puzzles-and-lights?slide=26

59.

• プロダクトマネジメントの すきまを埋める • ビジネスと開発のすきまを 埋める • チーム間のすきまを埋める

60.

学んだこと

61.

新PO十則

62.

第一則: 最初はひたすら学べ! 頭だけでなく、 手足を動かして学べ!

63.

入社前自習(頭)

64.

自動運転研修(頭) https://autowarefoundation.github.io/autoware-documentation/main/design/autoware-architecture/

65.

自動運転研修(頭) https://www.youtube.com/watch?v=XdYMcmwVv8g

66.

自動運転研修(手) https://autowarefoundation.github.io/autoware-documentation/main/tutorials/ad-hoc-simulation/planning-simulation/

67.

自動運転研修(足) https://medium.com/tier-iv-tech-blog/2023年度-ティアフォーが全国23か所で実証実験を実施-f5e357ff9fbf

69.

第二則: 最初の1on1を 雑談で終わらせるな!

70.

1 on 1 Rally 約20人 • • POを担うCI/CD開発チームメンバー 開発チームのステークホルダー • • ビジネス、プロダクト部門のステークホルダー お互いの自己紹介 • • 基本的な質問 現状の課題と私への期待をヒアリング •

71.

ヒアリングした課題の分類・整理

72.

主な課題の因果関係図

73.

因果関係図 https://www.slideshare.net/papanda/ss-30130669#14

75.

第三則: 仕事は自ら創るべきで、 与えられるべきでない

77.

アクションプラン策定 • 根本原因の仮説を立てる • 当事者、ステークホルダーレビュー実施 • 根本原因の改善プラン検討、策定 • プロダクトバックログのリファインメント • プロダクトバックログの一元化 • チーム間のすきまを埋めるコミュニケーション • ユーザー理解のためのユーザーヒアリング • 改善要求理解のためのユーザーヒアリング

79.

第四則: 最初はひたすらヒアリング! 聞いたことはすぐに整理!

80.

ユーザー理解のためのユーザーヒアリング • ユーザーヒアリング実施 • 6チーム、14人 • ヒアリング内容 • 業務での使い方 • 課題 • 要求の背景 • できるだけ対面で実施 • 画面共有してもらって録画 • チームメンバーや他チームにも共有

81.

ユーザー理解のためのユーザーヒアリング

82.

改善要求理解のためのユーザーヒアリング 1. 改善要求受領(Slack、Spreadsheet、Jiraチケット) 2. ユーザーヒアリング 3. ミニマムな要件定義(私) • チーム内レビュー • プロダクト観点と技術観点で丁々発止の議論 4. PSF(Problem Solution Fit)の確認 5. 設計、実装、テスト、レビュー、リリース(開発チーム) 6. リリースアナウンス 7. ユーザーからのフィードバック

83.

改善要求理解のためのユーザーヒアリング

85.

第五則: 組織に染まる前だからこそ やれることをやれ!

86.

PBのリファインメント • Jiraタスクの棚卸し • 300件以上のPBIすべてが対象 • 作成者、担当者、TLにヒアリング • 経緯は? • 今でも必要? • 誰に確認すればわかる? • Ready? Readyにするためには? • 1/3ぐらいのタスクをキャンセル

87.

PBの一元化 • お隣さんチームからの各要求リスト ヒアリング • ステータスは? • • 今でも必要? • 優先順位は? 複数の要求リストをエイヤでマージ • 抜け漏れは指摘されたら追加 •

89.

第六則: 摩擦を恐れるな、 安易な妥協案を出すな!

90.

摩擦を恐れるな、安易な妥協案を出すな! とある機能開発の最終段階 • ビジネスとR&Dで一部意見の対立 • 私が調整を担当 • 摩擦を恐れた • 両者ヒアリングした上で安易な妥協案を提示 • 全方位からの反発! •

91.

https://clubt.jp/41721/848205/104542179

92.

第七則: 使えそうな手法を探し、 最短で学び、即実践!

93.

対立解消といえばTOCfE https://www.amazon.co.jp/dp/B00L8ERBO0 https://www.amazon.co.jp/dp/4478006652 https://diamond.jp/articles/-/133677

94.

第一人者からのレビュー https://tocfebc.doorkeeper.jp/events/175424

95.

即実践! • 関係者全員で集まってクラウドを見ながら議論 • 全員で共通のゴールを改めて確認 1時間のMTGで合意 •

96.

大人の学びのパターン・ランゲージ(略称まなパタ)

97.

第八則: 従来のやり方を変えるな! 困り事だけを巻き取れ!

98.

開発の進め方のご相談

99.

チームリーダーとPOの役割分担 • チームリーダー • ピープルマネジメント • マイルストーン、スケジュール管理 • チームメンバーのアサイン管理 • 予算管理 • リリース作業 • 開発プロダクトオーナー(私) • バックログ、タスクの精査、リファインメント • 他チームへのヒアリング • 優先順位の調整 • スプリントでの開発希望をチームに伝える • リリースアナウンス(ピンポイント、速報)

100.

SMの 転職失敗 あるある

101.

第九則: 異文化異業種の ギャップを受け入れろ!

102.

“グーグルは自動運転車の公道テストを 7年間も無事故で実施してきた。初めて の事故も、時速2マイルでの軽微な追突 事故にすぎない。それを可能にしたの は、ショーファーに安全性を重んじる文 化があり、テストドライバーとエンジニ アの優れたチームがあったからだった。 対象的に、マスクとテスラが2015年 10月にリリースしたオートパイロット のテストバージョンは、わずか7ヶ月後 に死亡事故を起こしている。” ‒『AUTONOMY』

103.

“「トライアル&エラー」と言えば聞こえはいいが、 車の場合のエラーは人命に直結するので バクチをやってはいけない。 予測して安全だと確認できることしか実行しない。 かと言って過去に戻ってはダメ。” ミスターGT-Rが語る”人のためにモノをつくる”ということ:Agile Japan 2014 レポート (1) https://www.manaslink.com/articles/13692

104.

シナリオに基づく安全性評価フレームワーク https://web.tuat.ac.jp/~smrc/symp2023/download/230928̲JARI̲kitajima.pdf

105.

Fail Fast から Safety First へ

106.

第十則: 組織の連結ピンになれ!

107.

わかったこと • Product Leadと開発POの兼務はとても良い • “広く浅く”と“深く狭く”の2つの視点が持てる “広く浅く”だけだと、開発者とは密に連携 • できなかった • “深く狭く”だけだと、部分最適に寄ってし まい、全体最適の視点で考えられなかった ビジネスと開発を連結する役割 •

108.

“システム4は、重複した構造 をもつ集団形態をとっている。 つまり各作業集団は、ほかの集 団と、ある特定の人(複数の集 団に属している)を通じて連結 されている。このような重複し た集団の要となっている人を 「連結ピン」と称する。” ‒ R.リッカート, 『組織の行動科学』

109.

リッカートの連結ピン 縦横に連結した重複集団機構

110.

“このような横のコミュニケー ションや相互影響は、「非公式 的」な組織を通じて発生はする が、その場合の活動は公式的な システムを侵害することになる ので、公式のシステムとして正 当に行われるときに比べて、効 果も少ないものである。” ‒ R.リッカート, 『組織の行動科学』

111.

公式な役割としての 連結ピンが重要

112.

一方で

113.

5.1.17 ハブ、スポーク、リム “ここでハブは単純な調整と管理機能を 担い、あらゆるステップが成功裏に完了 することを請け負う。ただし、作業を行 うのはリムだ。リムは引き継ぎを実行 し、それに関連する情報をロール間で中 継する。スポークは、リムを中央で調整 を行うハブと結びつける。スポークによ り、ハブとのコミュニケーションリンク はリム同士のコミュニケーションリンク よりも軽量となる。” ‒ James O. Coplien, Neil B. Harrison, 『組織パターン』

114.

“ハブとスケールフリーネットワー クは新しいことではなく、自然に 発生している「パターン」だ。 ハブを任命して作る、というもので もないだろう。どうやったらハブ になれる人を育成できるか?とい うより、それは自然にあるもの で、むしろ阻害する要因が既存の 組織のマネジメント階層にある。” https://kawaguti.hateblo.jp/entry/2019/12/06/070000

115.

公式な連結ピン? ハブとリムの分担? 自然にあるハブ?

116.

まとめ

117.

新PO十則 1.最初はひたすら学べ!頭だけでなく、手足を動かして学べ! 2.最初の1on1を雑談で終わらせるな! 3.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない 4.最初はひたすらヒアリング!聞いたことはすぐに整理! 5.組織に染まる前だからこそやれることをやれ! 6.摩擦を恐れるな、安易な妥協案を出すな! 7.使えそうな手法を探し、最短で学び、即実践! 8.従来のやり方を変えるな!困り事だけを巻き取れ! 9.異文化異業種のギャップを受け入れろ! 10.組織の連結ピンになれ!

118.

さいごに

119.

https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c2402̲2.html

120.

仕事で 泣きたい https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c2402̲2.html

121.

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000040119.html

122.

日本で自動運転の 社会実装を 実現させて泣く! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000040119.html

123.

以上