開発者とSREが同じ仕組みを使う、ローカルに閉じない自律AIエージェントのつくり方

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September 26, 26

スライド概要

2026年9月26日に開催された「Platform Engineering Kaigi 2026」で使用した資料です。
詳細:https://www.cnia.io/pek2026/sessions/8f889fe9-be49-4a29-93af-0c3af28646eb/

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各ページのテキスト
1.

開発者と SREが同じ仕組みを使う、 ローカルに閉じない 自律AIエージェントのつくり方 2026.09.26 Platform Engineering Kaigi 2026 安部 修平 1

2.

⾃⼰紹介 安部 修平(Shuhei Abe) ウェルスナビ株式会社 システム基盤チーム / SRE ウェルスナビでは ● サービスの性能‧信頼性の向上、セキュリティの改善、運⽤⾃動化 ● 開発者プラットフォームと内製AIエージェントの設計‧運⽤‧改善 2 @2026 WealthNavi Inc.

3.

プロダクト紹介 全⾃動の資産運⽤サービス ウェルスナビ 「⻑期‧積⽴‧分散」でリターンの最⼤化をめざす 1万円から運⽤できる 全⾃動でおまかせできる リスクを抑えて運⽤できる NISAも⾃動で活⽤できる ※画面はイメージです © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 3

4.

これからのウェルスナビ 個⼈向け ⾦融プラットフォーム お客さまそれぞれのお⾦の悩みを総合的にサポート お客様のお⾦に関するデータを取得 様々なリスクを総合的に診断 中⽴的な⽴場から総合的にアドバイス 定期的にリスクと商品を⾒直し ※現時点では構想段階で未提供。将来的に提供する可能性があるサービス領域 © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 4

5.

1. 導⼊の背景と⽴ち上がり 2. 調査‧変更を進める仕組み 3. 安全に使うための設計 4. 継続的な改善 5. さいごに 5

6.

SREエージェントの全体像 SREが⽤意する内製SREエージェントを、開発者もSlackから利⽤できるように Notion 開発者‧SRE 質問‧依頼 必要な情報を調査 GitHub SREエージェント「Clione」 Slackスレッド 個別のセットアップや 実⾏環境の準備は不要 Datadog 回答‧調査結果‧Pull RequestをSlackスレッドへ返す AWS 開発者‧SREからの依頼に対して、調査からPull Requestの作成までを⾃律的に進める 6 @2026 WealthNavi Inc.

7.

1 導⼊の背景と⽴ち上がり © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 7

8.

開発者が開発‧調査を進める上での課題 開発者は開発や調査を早く進めたいが、SREへの問い合わせが必要なケースが多かった 開発者ポータル ドキュメント Software Catalog SREへの問い合わせ 開発者 質問‧問題調査 設定変更 AIエージェントを 活⽤できないか検討 Self-Service Actions Slackや依頼チケット でSREへ 定型化しにくく、個別の対応が必要 8 SREが調査して回答 回答を待つ @2026 WealthNavi Inc.

9.

開発者に提供するSREエージェントの検討 各⾃のローカル環境で使う形と、Slack上で共有して使う形を、4つの観点で⽐較 観点 各⾃のローカル環境 Slack上で共有(Slack Bot) 利⽤の始めやすさ MCP / Skillなどの設定が必要 メンションするだけで使える 使いこなし 利⽤者ごとのAI活⽤の習熟度に依存 SREが⽤意した機能を同じように使える SREによるサポート 経緯と結果が個⼈に閉じ、SREは相談 内容を把握しにくい 経緯と結果がスレッドに残り、それを⾒て SREがサポートできる 実⾏できる操作 開発者の権限下で任意の操作を試せる 操作‧権限を適切に制限する必要がある 開発者が準備なく使え、SREもサポートできるSlack上の共有AIエージェントを選択 9 @2026 WealthNavi Inc.

10.

ナレッジ検索からの出発 2025年、まずはSREチーム内で、Slack上のナレッジ検索Botとして試験利⽤を開始 オンボーディングの課題: 必要な⼿順や過去の経緯を⾒つけることが難しい 検索 Slackで質問 ドキュメント ナレッジ検索 新規SREメンバー 検索結果を返す 過去のやりとり 補⾜‧サポート 既存SREメンバー 質問から回答、必要に応じて既存メンバーの補⾜までをスレッドの中で進められるように 10 @2026 WealthNavi Inc.

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SREチーム内での機能拡張 機能追加を積み重ね、扱える範囲を広げてSREエージェントになっていった ドキュメント検索 チケットへの書き込み ⽬的に応じて作業 新規SREメンバー SREエージェント 過去のやりとり検索 問題調査 Pull Request作成 AWSリソース確認 既存SREメンバー プロンプトの改善に加え、MCPの導⼊やモデルの進化により精度も向上 11 @2026 WealthNavi Inc.

12.

開発者への利⽤拡⼤ SREが利⽤者となって確かめながら、勉強会で開発者へ共有‧展開 ① ② ③ SRE SRE SREチーム内で利⽤ 開発者とのスレッドで SREが利⽤ 勉強会で使い⽅と 注意点を共有 開発者が直接利⽤ 機能を広げながら検証 SREが回答‧成果物を確認 開発者がフィードバック 以前から続く普及の場 (*1) SREも利⽤‧サポート SRE ④ 開発者 SRE 開発者 (*1) 0からはじめるプラットフォーム普及活動 https://www.docswell.com/s/WN_Tech-PR/KL1NGP-2025-02-21-124633 12 @2026 WealthNavi Inc.

13.

2 1 調査‧変更を進める仕組み © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 13

14.

SREエージェントの構成 Skill、Tool、Memory、外部AIエージェントを使い分け、必要な情報を確認 MCP‧Custom Toolで接続 EKS上のSREエージェント 相談‧依頼 Socket Mode Claude Agent SDK Notion Skill Datadogアラート MCP‧Custom Tool GitHub Slack SRE依頼チケット Slackワークフロー Datadog Amazon Bedrock AgentCore Memory Amazon Bedrock (Claude) 14 AWS DevOps Agent @2026 WealthNavi Inc.

15.

スレッドの会話を踏まえた作業 スレッド上で依頼すると、それまでの会話内容を読み、作業を始める 開発者とSREの会話 SREエージェントに依頼 スレッドの内容を元に作業 15 @2026 WealthNavi Inc.

16.

Datadogアラートからの調査 開発者からの依頼だけではなく、 アラートをトリガーに調査を開始 Datadogアラートの通知 SREエージェントが調査 結論と根拠をSlackへ返す 16 @2026 WealthNavi Inc.

17.

Skillの管理 SkillはMarkdownとしてGitHubで管理し、SREチームがレビュー‧更新 GitHub Pull Request作成Skill ナレッジ検索Skill ⽬的に応じてSkill利⽤ SREエージェント 問題調査Skill … SREエージェント⾃⾝にSkill改善のPull Requestを作らせることもできる 17 @2026 WealthNavi Inc.

18.

AWS DevOps Agentによる調査 AWSリソースの構成‧状態、デプロイ履歴などの詳しい調査はDevOps Agentへ依頼 SREエージェント: 対象環境に応じて選択 どちらも呼び出すことで環境差分の⽐較も可能 本番⽤Agent Space 本番環境を調査 ⾮本番⽤Agent Space 開発∕ステージング環境を調査 GitHub 社内ドキュメント 回答‧必要に応じてPull Request作成 18 @2026 WealthNavi Inc.

19.

Bedrock AgentCore Memoryによる⻑期記憶 過去の会話の要点を記憶し、関連する質問や依頼を受けたときに参照する 過去の会話から Memoryへ保存 新しい依頼を 受け取る 依頼に関連する Memoryを取得 必要に応じて 現在の情報を確認 回答‧問題調査‧ 変更へ反映 GitHub‧Datadogなど Memoryだけを根拠にせず、変化する情報は現在の情報源も確認する 19 @2026 WealthNavi Inc.

20.

内製を選んだ理由 権限‧ログなどを⾃社のルールや⽬的に合わせて細かく制御したいため、内製を選択 権限と実⾏できる操作 ⼊⼒‧出⼒‧ログの情報 外部エージェントの呼び分け 実⾏できる操作を絞り、 ⾃社ルールに合わせて制御 Slackへ投稿する内容や ログに残す情報を制御 相談内容‧⽬的に応じて 呼び先と呼び⽅を制御 例: 例: 例: 特定Prefixのブランチのみ 操作を許可する Slack投稿やログ出⼒前に マスキングを適⽤する 20 本番∕⾮本番⽤の DevOps Agentを呼び分け、 差分も⽐較する @2026 WealthNavi Inc.

21.

3 1 安全に使うための設計 © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 21

22.

参照‧更新対象の制限 本来⾒えない情報をSREエージェント経由で参照できないよう、範囲を明⽰的に指定 Slack 社内に存在する情報‧システム ‧横断検索:パブリックチャンネル 全利⽤者に⾒せてよい範囲 ‧プライベート:呼び出し元の範囲 SREエージェントへ 明⽰的に許可した範囲 GitHub ‧社内のInternal Repository ‧許可したRepositoryのみ 22 @2026 WealthNavi Inc.

23.

機密情報の保護 意図しない混⼊に備え、Datadogでのログ取り込み時とSlack投稿前にマスキング Datadogログ参照の例 アプリケーションログ 前提として機密情報を出さない Datadog Sensitive Data Scanner ログ取り込み時にマスキング SREエージェント Slack投稿前にマスキング Slack エージェントのログへ記録する 記録しない Tool名‧呼び出し元‧処理時間 Toolの⼊出⼒データ 23 @2026 WealthNavi Inc.

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外部通信経路の制限 汎⽤的なShellや任意のWebアクセスは与えず、許可した接続先へだけ通信する SREエージェント × 汎⽤的なShell‧任意のコード実⾏ × 無制限なWebアクセス ○ ⽤途を限定した MCP‧Custom Tool 許可していない接続先は実⾏前に拒否 許可されたAPI Notion 24 GitHub Datadog AWS DevOps Agent @2026 WealthNavi Inc.

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LLMの外側に置く多層防御 プロンプトによる指⽰だけでなく、LLMの外側で機械的に⽌める防御層を重ねる AIエージェントのLLM 利⽤できるToolを限定 ⽤途を限定したTool 実⾏前に⼊⼒を検査 PreToolUse Hook API実⾏時にも再検証 Tool内部のValidation 通信先を許可リストに限定 AWS Network Firewall 最⼩限の権限 API Token‧IAM Role‧Repository権限 いずれかで許可条件を満たさない‧判定できない → 実⾏を拒否 25 @2026 WealthNavi Inc.

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Pull Requestを利⽤した変更 GitOpsやIaCを前提に、変更はPull Requestの作成までとし、レビューとマージは⼈が⾏う SREエージェント 許可したRepositoryの特定Prefixのブランチで変更 Pull Request CODEOWNERS‧ブランチ保護‧CI ⼈がレビュー‧マージ SREエージェントが⾏わないこと × Default Branchへの直接Push × Force Push‧Pull Requestのマージ 26 × .github/やWorkflowの変更 @2026 WealthNavi Inc.

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回答の根拠 事実、推測、確認できなかったことを分け、根拠を利⽤者が確認できるようにする SREエージェントの回答 確認できた事実 そこから推測した内容 確認できなかったこと Notion‧Datadogなど 根拠となる情報へのLink 事実からの推測であることを明記 確認できていない範囲を明⽰ 27 @2026 WealthNavi Inc.

28.

処理内容の表⽰と中断 処理中の内容を表⽰し、意図と異なる場合はメンションで中断できるようにする 処理内容の表⽰ 処理中 → メンションで中断 28 @2026 WealthNavi Inc.

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4 1 継続的な改善 © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 29

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動作状況と利⽤状況の確認 ● Datadogで、エラーや処理時間などの動作状況と、利⽤数の推移などの利⽤状況を確認 ● 現状を把握し、継続的な改善に活かす 動作状況 利⽤状況 Datadog Agent Observabilityで確認 Datadog Dashboardで確認 ‧エラーの傾向 ‧処理時間 ‧コスト ‧セッション数 ‧Skillごとの利⽤数 ‧チームごとの利⽤数 Agent ObservabilityやDashboardを⾒るのはSREだけではなく、SREエージェント⾃⾝も同じ情報を参照できる 30 @2026 WealthNavi Inc.

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SREエージェント⾃⾝による振り返り ● 開発者とのやりとりと、⾃⾝の動作記録の両⽅から改善候補を出す ● 改善候補はそのまま反映せず、⼈が確認して取り込む 振り返り対象 Slackワークフローから定期的に起動 Slack 開発者とのやりとり SREエージェントが 振り返り、改善候補を出す SREチームが 確認‧優先順位付け Skill/Toolなどの改善を Pull Requestで反映 Datadog ‧Dashboard ‧Agent Observability 改善例:⾮効率なTool呼び出しを⾒つけ、処理時間を改善 31 @2026 WealthNavi Inc.

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5 1 さいごに © WealthNavi Inc. All Rights Reserved. 32

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開発者とSREの作業の変化 ⼀次対応の多くをSREエージェントが担い、SREは⼈の判断が必要な部分へ注⼒ Before After 開発者が⾃分で情報を探す 開発者が⽬的‧困っていることを相談 解決できなければSREへ相談 回答‧初期調査‧Pull Request SREの着⼿を待つ SRE: 補⾜‧判断‧ レビュー 開発者: 確認‧対応 開発者による利⽤数(呼び出し回数) マージしたPull Request数 1,117 件 (2026年8⽉) 178 件 (2026年8⽉) (SREエージェント作成分) ⼀次回答までの待ち時間 約60分 → 約5分 (約92%短縮) ※ 開発者がSREを待たずに進められたかを⾒るための参考値 33 @2026 WealthNavi Inc.

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開発者プラットフォームの構成要素としてのSREエージェント SREエージェントは開発者プラットフォームに加わり、既存の仕組みを⼟台とする 開発者プラットフォーム SREエージェント 開発者ポータル 開発者 ドキュメント Software Catalog IaC‧GitOps‧CI/CD Self-Service Actions Observability 34 権限‧ポリシーなどの ガードレール @2026 WealthNavi Inc.

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まとめ AIエージェントは、開発者プラットフォームの構成要素になる SREが持っているナレッジをAIエージェントに組み込み、開発者と共有できる IaC、GitOps、CI/CDなど、これまで整えてきた仕組みは、AIエージェントを動かす⼟台になる 開発者による実際の利⽤を⾒て、継続的に改善を進めていくことが重要 35 @2026 WealthNavi Inc.

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ご清聴ありがとうございました 36 @2026 WealthNavi Inc.

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【重要な注意事項】 ● 本資料は、断定的判断を提供するものではなく、情報を提供することのみを⽬的としており、いか なる種類の商品も勧誘するものではありません。最終的な決定は、お客様⾃⾝で判断するものと し、当社はこれに⼀切関与せず、また、⼀切の責任を負いません。 ● 本資料には将来の出来事に関する予想が含まれている場合がありますが、それらは予想であり、ま た、本資料の内容の正確性、信頼性、完全性、適時性等を⼀切保証するものではありません。本資 料に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は⼀切の責任を負いません。また、当社は、新 しい情報や将来の出来事その他の情報について、更新⼜は訂正する義務を負いません。 ● 本資料を利⽤することによりお客様に⽣じた直接的損害、間接的損害、派⽣的損害その他いかなる 損害についても、当社は⼀切の責任を負いません。 商号等:ウェルスナビ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2884号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 資産運用業協会 37 @2026 WealthNavi Inc.

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