教室を“学習する組織”にする 〜コミュニティが設計した、アジャイルPBL授業〜

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March 28, 26

スライド概要

Scrum Fest Nagoya 2026の登壇資料です!

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-nagoya-2026/proposal/49786/pbl

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自動車部品メーカーでSWEやりつつSMやってます。EMになりたくて見習い修行中。元々は半導体センサ屋さん。

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各ページのテキスト
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スクラムフェス名古屋2026 教室を"学習する組織"にする コミュニティが設計した、アジャイルPBL授業 1

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今日の登壇者 SPEAKER 01 SPEAKER 02 SPEAKER 03 SPEAKER 04 obama kitagawa hirono kawaguti アジャイルコーチ 元 車載ソフトエンジニア インターネットイニシアティブ 自動車部品メーカー ソフトウェアエンジニア 元々はハードウェアエン ジニア YesNoBut, inc. 代表取締役社長 一般社団法人スクラムギャ ザリング東京実行委員会 テクニカルマネージャ 元 地図エンジニア 全員の共通点:スクラムフェス三河 実行委員 2

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豊橋技術科学大学でのアジャイルPBL 修士1年向け 必修科目「高度専門人材育成訓練演習」 100名超・22チームが対象 2025年10月〜2月の毎週月曜14:40〜17:50に、計15回の授業 開発準備 3W(9h) ● チーム分け ● Git、開発環境構築 ● プロダクト決め スプリント1 3W(9h) ● 開発 2回 ● ユーザーレビュー リプランニング 1W(3h) ● コンセプト見直し ● チームに足りないことを補う スプリント2、3 3W(9h)×2 ● 開発 2回 ● ユーザーレビュー 振り返り 2W(6h) ● 全体振り返り ● 社会人に聞いてみよう 3

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アジェンダ 1 背景 — コミュニティ × 大学で挑むアジャイルPBL 2 仕掛け — 授業のゴールは「クラス全体の成功」 3 学習ループ — デイリーレポートとモブ・フィードバック 4 リアルな課題 — 成功の裏側にあったコーチ陣の葛藤 4

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● SECTION 01 背景 コミュニティ × 大学で挑むアジャイルPBL 5

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大学と企業のギャップ 大学の学び 企業の現場 ● 個人での取り組み ● チーム開発 ● 知識・理論の習得 ● 不確実性への適応 ● 「正しさ」 ● 「良いふるまい」 豊橋技科大のPBLをやるなら、実務者の私たちに何ができるだろう? 6

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解決策:アジャイルコミュニティが授業設計から評価まで ● 授業設計のポイント ○ 単なる技術習得やスクラムの型を覚える場ではなく、我々が こうありたいと思う「チームのふるまい」を実践する場とする ○ 可能な限り、企業で私たちが取り組んでいる仕組みを取り入れる 変化に適応し、100名超・22チームでもアジャイルPBLが何とかなった 7

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● SECTION 02 仕掛け 授業のゴールは「クラス全体の成功」 8

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競争ではなく「連携」 ● 複数チームのPBLは、放っておくとチーム対抗戦になりがち ○ 自分のチームのプロダクトがよければそれでいい、にはしたくない ● 一方、企業では… ○ さまざまな役割を持ったチームを組成 ○ 組織全体のビジョン達成に向けて、チームは連携しながら活動 ○ チームが成果を出してもサイロ化していれば、組織として機能しない 授業のゴールを「クラス全体の成功」とした 9

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ルーブリックで行動変容を促す ● ルーブリックとは ○ 学習成果を評価するための、評価指標と評価基準をまとめた規則のこと ● 評価ルーブリック ○ 「他チームやクラス全体への貢献」を明記 ■ Lv1を単位認定の必須条件とした 単位の条件 ■ L v3〜4は企業の即戦力レベル ○ 評価したいことは「良いふるまい」 ■ できる人は他の人を助ける ■ そうでもない人は質問することで、コミュニケーションを駆動する ルーブリックを読めば「良いふるまい」を学べる 10

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企業を再現するならモノレポ ● PBLだとチームごとにリポジトリを分けがち ● 一方、企業では… ○ リポジトリ1つなのでコンフリクトが起きる ○ だからマージ戦略や CI/CD を考えなければならない ○ デモ直前にpushして、本番サーバー落とすなんてもってのほか! チーム間でコミュニケーションを取らないとうまくいかない仕掛け 11

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少しずつ育まれた「助け合いの文化」 ファーストペンギン現る 障害報告で再発防止 Tips集をMiroに作成 「静的画像の挿入方法を知 っている方はいませんかー !?」 レビューで本番環境を落と したチームが、障害報告を Google Classroomに投稿。 再発防止に取り組んだ クラス全員が簡単にアクセ スできる場所で、知見を共 有。 情報の交流が生まれた。 「わからないことを隠す」から「知見を全体で共有」へ行動変容 12

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● SECTION 03 学習ループのエンジン デイリーレポートとモブ・フィードバック 13

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学習ループのエンジンは「デイリーレポート」 ● デイリーレポート ○ 書いてもらうのは個人報告ではなく、チームの問題解決を言語化 ■ 誰が何に困って、誰がどう動いたか ■ 何を議論をして、どう結論を出したのか ○ 企業の「日報」や「timesチャンネル」と同じ ■ マネージャーがフィードバックするように、コーチが実施する デイリーレポートはチームとコーチを繋ぐ非同期コミュニケーションツール 14

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モブ・フィードバック ● 週2〜3回、業務後に、コーチ陣がモブでレ ポートを読み込む ● 次の授業までに全チームへルーブリックに よる評価と一言コメントをフィードバック ● (めちゃくちゃ頑張ったので褒めてほしい) フィードバックに有益な情報があることに、みんなが徐々に気づき始める 15

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モブ・フィードバックを続けたことで・・・ ● 作業を始める前に、フィードバックを読み 込むチームが現れる ● ルーブリックを元にフィードバックが書 かれていることに気づき始める ● ルーブリックを読み込み、1日のゴールを 立てて行動 ● レポートのクオリティもガチ上がり 「観測して適応」した結果、ルーブリックを元に行動変容が起きた 16

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コーチ陣へのフィードバックループでもあった ● コーチ陣も観測して適応していた ○ 授業で伝えたことへの反応がそのまま レポートに書かれる ○ レポートの反応を見て、次の授業を工 夫する デイリーレポートを中心に「二重のフィードバックループ」が回っていた 17

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コーチ陣へのフィードバックループでもあった ● コーチ陣も観測して適応していた ○ 授業で伝えたことへの反応がそのまま レポートに書かれる ○ レポートの反応を見て、次の授業を工 夫する ○ (頑張ったかいがあった!!!!!) デイリーレポートを中心に「二重のフィードバックループ」が回っていた 18

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● SECTION 04 リアルな課題とコーチ陣の葛藤 成功の仕掛けの裏側にあったもの 19

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3つのリアルな課題 フィードバック、マジし んどい エコシステムの拡大 評価軸の精緻化 22チームへの毎回のFBは想 像以上に高負荷。 情熱でカバーできたが、来 年度に向けて改善が必須 参画したコーチ陣は特定の 数名に依存。 コミュニティをどう巻き込 み仕組み化するかが次の課 題 一過性の行動は評価できる が、「継続」や「習慣化」 をどう評価するか。 ルーブリックのアップデー トが必要 今日この場にいる皆さんと、一緒に考えたい 20

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THANK YOU ご清聴ありがとうございました! スクラムフェス三河でお会いしましょう! Scrum Fest Nagoya 2026 Scrum Fest Mikawa 2026 21