おこがましくオーナーシップを持つ

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September 10, 25

スライド概要

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Fellow at Henry, Inc. Tech SaaSのPdM、スタートアップ取締役CTOや外資スタートアップのIC等を経て現任。好きな言語はGoとPerlと中国語で雑なOSSを200以上量産している。3 times ISUCON winner. 著書「みんなのGo言語」共著他。Podcast: https://oss4.fun/

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各ページのテキスト
1.

あの人のターニングポイント - トップエンジニアの人生の岐路 - おこがましく オーナーシップを持つ 2025-09-10 松木 雅幸 / Songmu

2.

Profile 松木 雅幸 (@songmu) ● フルサイクル開発組織支援 / OSS作家 ○ ○ ○ 株式会社ヘンリー フェロー MOSH株式会社 技術顧問 株式会社DELTA 技術顧問 ● 200+ OSS Developer / 3 Times ISUCON Winner ● Blogger: ○ ○ 今はまだ生成AIに自分の文章を書かせたくない gopkg.in/yaml のアーカイブと乗換先やメンテナンス継承議論 ● Podcaster: ○ 趣味でOSSをやっている者だ

3.

経歴 ● ● ● ● ● ● ● ● ● 2004-2004 中国で起業 2004-2009 語学学校でシステム担当兼営業 2009-2010 SIer 2011-2014 株式会社カヤック 技術部リーダー 2014-2019 株式会社はてな チーフエンジニア・Mackerel PdM 2019-2021 Nature株式会社 取締役CTO 2021-2022 Launchable, Inc. Principal Software Engineer 2023-2025 株式会社ヘンリー VPoE 2025- フリーランス

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OSS作家として 色々なOSSを作ったり、継続メンテナンスしています。 自分で作った物で1000stars超えた物はまだ残念ながら無い。 ● x-motemen/ghq (3.3k stars) ○ ソースコードリポジトリ管理ツール ● k1LoW/deck (825 stars) ○ ○ MarkdownからGoogle Slideを生成するツール このスライドはdeckで作成されています ● tagpr (248 stars) ○ GitHub上でのリリースエンジニアリング民主化のためのカスタムGitHub Action

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最近の新作OSS AIにより捗っている。 ● chape ○ ○ MP3のチャプターやメタデータ編集ツール Podcastの編集などで便利 (使って欲しい!) ● laminate ○ ○ 文字列の画像化管理ツール deck でコード文字列の変換の際に便利 ● action-push-to-another-repository ○ あるリポジトリの内容を別リポジトリにpushするGitHub Action ● action-create-branch ○ ブランチを作成するGitHub Action

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製品の紹介

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ポッドキャストやってます

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「強い」エンジニアとは 8

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「つよつよエンジニア」という言葉 余り好まない人もいますね ● 言葉として曖昧 ● 解像度が低い ● ふざけている 私は「強いエンジニア」というのは存在すると思う。

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なんか強い人 色々な凄さがある。 ● ● ● ● ● ● ● なんかプロジェクト・プロダクト・事業が上手くいく人 その人がいると自然と周りも強くなる人 チームの生産力まで上げてしまう人 技術力が高くて何でも知っている人 作るのが速い人 問題解決が速い人 相談したら解決方法を示してくれる人

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強さとは何なのか ● スポーツの世界だと ○ ○ 上手い人が勝つのではない、強い人が勝つ・勝った人が強い 勝ち続けられる人がもっと強い ● 技術力がある = 強い、ではない ○ 技術力はもちろん大事 ● 「無形の力」が大事

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無形の力は有形の力に勝る 技術力というのは目に見える力、すなわち 「有形の力」と言えるが、投げる・打つ・ 走るという「有形の力」には限界がある。 しかし、観察力、洞察力、判断力、決断 力、記憶力。それからデータを収集・分析 して活用する力。さらに深い思考と確固た る哲学。これらは目に見えな「無形の力」 は、無限である。 磨けば磨くほど、突き詰めれば突き詰める ほど、鋭く、強くなる。

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NPB通算ホームランランキング 1. 2. 3. 4. 5. 6. 王貞治 (868本) 野村克也 (657本) 門田博光 (567本) 山本浩二 (536本) 清原和博 (525本) 落合博満 (510本) (参考) 松井秀喜 (507本・日米通算) 選手としても当然レジェンドであり当然技術力もあった。 https://npb.jp/bis/history/ltb_hr.html より

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NPB歴代監督勝利数ランキング 1. 2. 3. 4. 5. 鶴岡一人 (1,773勝) 三原脩 (1,687勝) 藤本定義 (1,657勝) 水原茂 (1,586勝) 野村克也 (1565勝) ちなみに1563敗、及び平成における勝利数1053勝は歴代最多 現代野球における最も優秀な監督だったといって良い。 https://ja.wikipedia.org/wiki/日本プロ野球の監督の勝利数一覧

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野球語りの年寄り 野球が(残念に思う人もいるかも知れないが)、今でも尚、日本で一番 盛んなスポーツであり、結果として一番才能が集まってくるスポーツ である以上、そこで勝ってきた人の言葉には耳を傾ける価値がある。 (ちなみに市場規模に限ると、競馬・競輪・オートレースの方が多 く、プロスポーツ選手数で言うと競輪が日本では一番多い) 同様に、昭和の高度経済成長期の経営に関する話も参考になることが 多い。

16.

スポーツと私たちの違い ● スポーツは勝つことが目的 ● 選手の数も限られており、生き残れる人が限られている ● → ゼロサムゲーム的 スポーツ的アナロジーの落とし穴 ● 勝ち負けで考えすぎない ● ゼロサムで考えない

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私たちにとっての「強さ」 勝つことが最終目的では無い。 「価値の継続的な創出」 こそが重要 それができる人が「強い」

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価値とはお金ではない 「世の中に何か良い影響を与えること」 ● その対価としてお金が発生する ● それを継続する為に合理性が必要 ○ 経済合理性は大事 ● 「何か良い影響」とは…? ○ ○ ふんわりしている 人や組織によって異なる

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「自分(たち)の価値はなんなのか」を考える 解釈 → 定義 → 体現 の3段階 1. 価値を解釈する a. コトの意義を理解する 2. 価値を定義する a. コトの価値を自ら言語化する 3. 価値を体現する a. コトの価値を証明するために行動し、周りに示す ここのステップを「おこがましく」踏んでいくことが大事。

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ゼロサムで考えない ● 何が業界の為か・世の中に良い影響を及ぼせるか ● パイを大きくする・すそ野を広げる ● 世の中にはソフトウェアの力でより良くできる箇所が無数にある ○ 「ソフトウェアを梃子として使う」UNIXという考え方 ● エンジニアになれる人を増やす ○ ○ 勝ち残るのではなく生き残る 生き残れる人を増やす ■ AIがそれを底上げしてくれるはず ● AIが来たところでエンジニアは足りない ○ 「○○できないと生き残れない」とか言っている場合ではない

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競争原理は大事 ● 切磋琢磨することでより良いものが生まれる ○ ○ 停滞の防止 成長実感 ● 健全で公正な競争が消費者の為になる ○ 腐敗の防止 ライバルとの競争を楽しむこと、ライバルの良さを認めつつ自分達の 良さをもっと信じること、信じる根拠を持つ為に行動すること。

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実はプロスポーツも同じ ● 勝つことが最終目的ではない ○ その先の価値がある ● 興行として価値を出す必要もある ○ 優勝監督が解任されることも ● プレイヤーもすそ野が広がらないと、先細る ○ 排除しないこと ● 日本のプロサッカーはチーム数が増え選手になれる人が増えた ○ プロ野球も独立リーグが増えた

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閑話休題 無形の力を獲得するには? → おこがましく「オーナーシップを持つこと」を薦めたい。

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オーナーシップ おこがましく持っていく為に 24

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オーナーシップ ● 「自分ゴト化」などとも ● ある「コト」が「私の物だ」と思える状況 ● 私は「オーナーシップ」の方が前向き感があると思って好んで 使っている

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オーナーシップは誰が持ったって良い ● 自分なんかが会社やプロダクトに対して「自分のモノだ」とか思 うのはおこがましい? ○ ○ そんなことはない 積極的に取っていく ● そういうのは経営者やPdMの仕事では?と思うかも知れない ○ ○ 「経営者目線を持て」みたいなうさんくさいヤツ やりがい搾取になると良くない

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オーナーシップ駆動開発 ● チーム全員が「これが自分のプロダクトなんだ」と思える状況が 理想状態 ○ ○ 「自分が事業を成長に導くんだ」と全員が考えられる状況が最強 ■ 自分の行動がどのように価値に繋がるかをそれぞれ意識できる この状態の完全な実現は難しいからこそ追い求める価値がある ● 個人としては自分からそう思えるように心がけられると良い ● チームとしてはそう感じてもらえるようにマネージするのが大事

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オーナーシップを持つことのメリット ● タスクが完了したかだけではなく「お客様にどういう影響があっ たか」まで考えるようになる ● アウトカムやフィードバックを全部自分が受け止められる ○ アウトカムに対する満足感、その結果としての責任感の醸成 → 全部やりたくなる

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Songmuの場合 以下のような経験を通じて、オーナーシップを持つことの意義を実感 してきた。 ● ● ● ● ● ● ● ソーシャルゲーム開発のリードエンジニア経験 技術部リーダーに手を上げた話 はてな社東京オフィスエンジニアリング組織立ち上げ経験 Mackerelでのプロダクトマネージャー経験 Nature社での経営者経験 ヘンリー社でのVPoE経験 OSS開発者経験

31.

「ぼくらの甲子園」シリーズ カヤック社は2010年のモバゲープラットフォームオープン化の後に ゲーム開発に参入。参入初期からのヒット作が「ぼくらの甲子園」シ リーズ。 タイトル 提供期間 概要 ぼくらの甲子園 2010.08 - 2015.03 モバゲープラットフォーム リリース半年で 100万ユーザー突破 ぼくらのワールドリーグ 2010.11 - 2012? サッカー版横展開 ぼくらの甲子園 熱闘編 2011.10 - 2016.06 続編 ぼくらの甲子園 ポケット 2014.09 - 2025.01 初のスタンドアロンアプリ TV CMを打つなどスマッシュヒット

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私と「ぼくらの甲子園」 ● 2011年1月カヤック入社と突然のリードエンジニアアサイン ○ ○ ○ 2010年リリースの「甲子園」が思わぬヒットをしていた その後むりくり横展開した「ワールドリーグ」も運営開始済 ■ フィーバー状態・混乱状態 私は「ワールドリーグ」のリードエンジニアとしてアサイン ■ リードエンジニアからの引継が最初の仕事だった ■ 当時の自分からするとめちゃくちゃ分不相応な仕事だった ● 「ぼくらの甲子園 熱闘編」開発 ○ 初期開発メンバー。その後リードエンジニアも ● 「ぼくらの甲子園」 ○ サービス後期に少人数運営を巻き取り ● 「ぼくらの甲子園 ポケット」 ○ 開発には直接は携わっていない

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当時のチーム構成 全職種合わせて3, 4人での開発。 ● プランナー (サービス安定後は外れることも多かった) ● バックエンドエンジニア ○ ○ インフラもやる フロントエンドもやる ● Flashエンジニア ● デザイナー ○ フロントエンドもやる

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全部自分たちでやる ● ゲーム内イベント含めた企画は全員でやる ● フラットではあるけど合議制みたいな感じではなかった ● 私は実は野球が好きなので、企画は楽しかった ○ ○ プレイヤーが喜んでくれる 喜んでお金を払ってくれる ● フルサイクル開発?

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自分がチームを勝たせてる感 ● 数人チームで月々数千万以上の売上げ ● 特に3人チームで社内で一番売上げを上げていた時は心の支えに なった ○ ○ もちろんそれは、過去の資産や継続プレイヤーの皆様のおかげ 当時、会社事情として苦しい時期にあった ● 逆に、その後、新規タイトルの開発先年になったときに1年以上 自分の売上げがなかったときはマジで辛かった ○ 売上げは思っている以上に多くの物を癒やすが、それに依存してはいけない

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「サービスは運営が大事」という気付き ● ゲーム内イベント企画 ● イベントに備えた負荷対策 ○ 効率の良いDBクエリ、キャッシュ、ミドルウェアの利用 ● Infrastructure as Code (Chef) ● スクラム・カンバン ● 仕組み化・自動処理 ○ ○ バッチ処理のフレームワーク作り 詫び石配布的な処理の仕組み化 ■ これが2次障害にならないように ● カスタマーサポート ○ カスタマーサポートを支える為の管理画面や行動履歴調査画面 ● リアルタイム売上げ分析

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今で言うとSREとかフルサイクル開発とか そんな大層なものではなかったが。 ● 全部自分たちでやっていた ○ もちろん多くの人のサポートがあってのこと ● 今から見るとお遊びみたいなクオリティのものだらけ 楽しくて充実感もある。結果も出ているという手応えもあった。

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オーナーシップを持てると ● 全部自分たちでやりたくなる ● 垣根を越えて必要なことに手出しする必要が出てくる ○ 幅広いスキルが身に付く ■ ちゃんと自分の血肉となる ● それと同時に自分一人ではなく、チーム全体でなんとかしようと する意識も生まれる ○ コトに向き合うため ● そういうのが楽しい

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その後 チームより大きい単位へのオーナーシップを意識するように ● カヤック技術部リーダーに立候補 ● はてな東京オフィスのエンジニアリング組織の立ち上げ ○ 組織へのオーナーシップ ● Mackerel プロダクトマネージャー ○ プロダクトへのオーナーシップ ● Nature 取締役CTO ○ 会社へのオーナーシップ そういうレイヤーに行かないとオーナーシップを持てないわけではな い。意識をしていたらそういうチャンスがやってきた。持ちやすいポ ジショニングをしたというのもあります。

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少人数チームの良さ 40

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ピクサー流 創造するちから ピクサーのモノづくりの秘訣が詰まった本。めちゃくちゃオススメ。 ● トイストーリー2での rm -rf 事件 ● ピクサーとディズニーの合流の話 ● ジョブズの話

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「ゲイリーじいさんのチェス」の逸話 革新が期待されていた小プロジェクトで別の効果があった話 ● 実験的な短編をつくることは技術革新に役立たなかった ● 監督に経験を積ませる役にも立たなかった 当初の期待がことごとく外れたにもかかわらず、それでも短編映画がピ クサーにもたらした物があった。たとえば、それに携わった人は長編映 画よりも幅広い経験を得ることができる。 単純にプロジェクトの規模と 複雑さが増せば、それだけ専門家・分業化の度合いが高くなる。 作品に は当てられるスタッフが少ないため、一人がやらなければならない仕事 が多く、そこで身につけた様々なスキルが後々有用だった、少人数での 作業を通してより深い人間関係が築かれ、長期的に将来のプロジェクト にも有益に働いた。

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インターネット革命 (死語) ● 少人数で革新的なサービスが生み出せるようになった ○ インターネット・Webブラウザ・検索エンジンやOSSの登場 ● まさにGoogleがそれ ○ 1998年にラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの2人で始めた

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イノベーションのジレンマ 過去の成功体験、重厚なプロセス、過剰な役割分担や責任分散が変化 への適応を遅くし、イノベーションを阻害する。 ● 僕らの年代のWeb業界の人はこの本が好き ● 「巨象化した大企業を自分たちで倒すぞ」という甘酸っぱい意識 があった

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属人化忌避・チーム開発の落とし穴 ● ● ● ● プロセスが重厚になっていないか 役割分担が過剰になっていないか 合議制になって意思が失われていないか 誰かの意思決定を待っていないか イノベーションのジレンマに自分たちが陥っていないか。

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エゴを持つことは悪いことではない ● 誰も決めようとしないなら自分で決める ○ チームで決められるように動く・促す ● 「こうしたい」という意思を持つ ○ 「意思」の力こそが差別化要因 ● 自分で決めたこと・納得して行動したことの結果を受け止めるこ とが一番成長になる ○ 自己効力感を得られて充実感がある チームや組織が大きくなるにつれて失われがちなものに気をつける。 その中でもちゃんと自分たちの意思を持ち続けること。

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属人化を忌避しすぎない ● 状況が前に進むなら何でも良い ○ 属人化が問題になりそうだったら対応する ● 大事なのは硬直化を防ぎ、変化に適応できる状況を維持すること ○ ○ ○ ノウハウを独占しない 同じプロセスで停滞せず、改善し続ける → その結果として属人性が解消されることも

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AIで全部やるのが簡単になっている ● 少人数で大きなものが作りやすくなっている ○ スキルが不足していても補ってくれる ● インターネット革命期を見てきた人達が興奮している ○ 当時も「危うい」サービスが山のように生まれた ● ともすれば重厚になりすぎてきた業界の破壊者としても期待され ている ○ 私は期待している

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成功はガレージから始まる 歴史は繰り返す。 ● IBM (メインフレーム) → ● Microsoft (汎用PC) → ● Google (インターネット・OSS) Apple, Amazon, Facebookもガレージ的なところからスタートした

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自分の作品(砂場)を持つ 自分で始めたことはオーナーシップを持ちやすい。それが仕事にも活 きる。例えば以下のような物。得意領域は人によって異なるので自分 の好みの分野で始めてみる ● ● ● ● OSS 個人サービス コミュニティ 個人事業 それらを自分の作品に留めるか、どの程度公共財にするかも自分で決 めて良い。

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OSSでおこがましくオー ナーシップを持っている話 今現在のターニングポイント 51

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k1LoW/deck ● https://github.com/k1LoW/deck ○ ○ MarkdownをGoogle Slideに変換するツール 3月にk1LoWさんが公開 ● めちゃくちゃ伸びている ○ 皆さんも是非使って下さい!

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7月に使いはじめ、すぐにpull requestを送りまくった ● 半月後にはメンテナにしてもらった ○ リポジトリのアクセス権限及びリリース権限) ● 現在はお互いアクティブな共同メンテナンス体制

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自分としては「こうあるべき」だと思った 元々、Markdownをプレゼンテーションに変換する自作ツールを使っ ていたので一家言あった。 ● 既に良い物なので「自分の道具」としても完成度を高めたかった ○ ○ あくまで 私のユースケース には不十分だった k1LoWさん的にはかなり十分だったし、利用者も存在した ● Markdown対応の不十分さ ○ Markdown仕様不準拠が故に、直感的に動かないところ ● パフォーマンス問題 ○ もっと速く → まさにおこがましいオーナーシップ

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取り組んだこと ● 機能追加の議論 ○ ○ Markdown仕様とGoogle Slide API仕様の調査 仕様をベースに、どうあるべきかを k1LoW さんと議論 ● 実際のコード変更 ○ ○ 100以上のpull requestのマージ 1万行以上のコードの追加 ● パフォーマンス向上 ○ 場合によっては100倍以上の高速化 ■ 15分かかっていたスライド生成が10秒以下に

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今では自分でマージして随時リリース ● 好きなときにマージして好きな時にリリースしている ○ 共同メンテナ同士でお互いそうしている ● 不安や懸念事項があったら相談する ○ ○ レビューして欲しかったらお願いする 必須にはしていない

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他者のオーナーシップを毀損しないこと ● もはや deck は私のOSSだというオーナーシップ感覚がある ● それと同時に、それ以上に、勿論 k1LoW さんのOSSである ○ 始めた人がエライ! ● リスペクトを持ち、オーナーシップを奪わないこと ○ ○ ○ k1LoWさんがどうしたいかを意識し、優先する k1LoWさんの意に沿わない機能は入れたくない ちゃんと議論する ● オーナーシップの総量を増やす ○ これもゼロサムではない ● とはいえ deck では大分アグレッシブにやったと思う ○ k1LoWさんの懐の深さに感謝

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まとめ 58

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オーナーシップ駆動のすすめ ● 今の状況に対して、おこがましく持ってみてはどうだろうか ○ ○ これは別に自分の実力とか経験とか関係なくやれる 思っているよりもリターンがあるはず ● オーナーシップを持てる場を自分で作るのも効果的 ○ 作品や砂場 ● フィードバックを受け止めることで充足感が得られる ○ ○ 楽しいよ 大変なこともあるので無理の無い範囲で

60.

スポンサー募集 色々OSSを開発・メンテナンスしています。$1のワンショットで も嬉しいので、活動を支援してくれると嬉しいです。 ● GitHub Sponsor ○ https://github.com/sponsors/Songmu ● ghq handbook ○ ○ https://leanpub.com/ghq-handbook https://zenn.dev/songmu/books/ghq-handbook