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June 30, 25
スライド概要
YouTubeで公開した動画に使用した投影資料の共有です(2022/9/24公開)。
■動画の内容
DCF法でもっとも難解なのが割引率=資本コストをどう決めるかという点です。
この動画ではそのすべてを解説しきれませんが、基礎の基礎から実務的な考え方の枠組み、そしてそこに潜む「M&Aで使う際には足りないもの」までをわかりやすさ最優先でご紹介しましょう。
■動画URL
資本コストの決め方を会計士が解説!DCF法には●●が足りない!(27分12秒)
https://youtu.be/5M9AX6KtZW0
■出演者
古旗淳一(公認会計士・税理士)
株式会社STRコンサルティング代表取締役
買い手企業担当者としてのバックグラウンドを生かし、独立後は数多くのM&Aの相談に対応。
専門家としての知識と現実的な実務経験、最新の現場情報を踏まえてわかりやすく解説します。
■動画の内容
・DCF法の割引率と資本コスト
・資本コストとリスクの関係性
・株式と借金の資本コストの違い
・加重平均資本コスト(WACC)の考え方
・CAPM(キャップエム)の大枠
・M&AでDCF法を使うときの注意点
公認会計士・税理士が中小企業M&Aのセカンドオピニオンサービスを提供するコンサルティング会社です。 普段はYouTubeでM&Aの基礎知識やノウハウを発信しています。 https://www.youtube.com/@STR-MA
DCF法の割引率 資本コストの 決まり方
今回のテーマ 資本コストの決め方 DCF法で使う割引率の考え方 をわかりやすく解説します
本気で学ぶなら、正直難しいです! もしあなたが DCF法のエキスパートを目指すなら、 動画なんて見てないで本を読みましょう
でもそこまでいらないでしょう? 経営者に細かい話は無用。 それより本質が知りたいんだ。
今回はポイント解説!! 難しい細かい話は触れる程度にして、 全体像とポイントだけを わかりやすさ最優先でご紹介します!
DCF法についてはこちらで解説しています ついにやります! DCF法を 日本一わかりやすく解説! 【初心者向け】DCF法を公認会 計士が日本一わかりやすく解説 今からの説明が難しいと感じたら 先にこの動画をご覧ください
DCF法の考え方の枠組み 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 事業の収支 (キャッシュフロー) 100万円 100万円 100万円 100万円 100万円
DCF法の考え方の枠組み 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 事業の収支 (キャッシュフロー) 100万円 100万円 100万円 100万円 100万円 いくら? いくら? いくら? いくら? いくら?
DCF法の考え方の枠組み 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 事業の収支 (キャッシュフロー) 100万円 100万円 100万円 100万円 100万円 いくら? いくら? いくら? いくら? いくら? 合計すると、いくらになる?
DCF法の考え方の枠組み 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 事業の収支 (キャッシュフロー) 100万円 100万円 100万円 100万円 100万円 いくら? いくら? いくら? いくら? いくら? 合計すると、いくらになる? これが事業の価値
将来キャッシュフローの価値の計算方法 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー ??万円 100万円
将来キャッシュフローの価値の計算方法 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー ??万円 100万円 10%の投資リターン が欲しい人
将来キャッシュフローの価値の計算方法 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー ??万円 100万円 10%のリターンを出すには ×1.1の結果が100万円に なるといいので… 10%の投資リターン が欲しい人 X×1.1=100万円
将来キャッシュフローの価値の計算方法 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー 90.9万円 100万円 100万円を ÷1.1して計算 ※1に10%のリターンを足したもの
求める投資リターンが変わった場合は・・・ 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー 100万円 やっぱりリターンは 15%じゃなきゃやだ!
求める投資リターンが変わった場合は・・・ 現在 1年後 2年後 現在の価値 キャッシュフロー 87.0万円 100万円 100万円を ÷1.15して計算 やっぱりリターンは 15%じゃなきゃやだ!
割引率=資本コスト 投資家から 求められている 投資リターン DCF法で 割引率として使用 ※たとえば10%なら÷1.1する
割引率=資本コスト 投資家から 求められている 投資リターン = 「資本コスト」 DCF法で 割引率として使用 ※たとえば10%なら÷1.1する
割引率で計算結果は大きく変わる! 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 将来FCF 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 永遠に続く
割引率で計算結果は大きく変わる! 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 将来FCF 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 永遠に続く 割引率10%で計算 事業価値 1,000百万円
割引率で計算結果は大きく変わる! 現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 将来FCF 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 100百万円 永遠に続く 割引率10%で計算 事業価値 1,000百万円 割引率15%で計算 事業価値 667百万円
「投資家から求められているリターン」って?? うちに投資家なんかいねぇよ!! それで何十%も 結果が変わるのかよ!
この動画の内容① 「投資家から求められるリターン」とは? まずは基本的な考え方からご紹介! これがわからないと 割引率の決め方がわからないので しっかりと理解しましょう!
この動画の内容② DCF法で使う割引率=資本コストの決め方 細かい話は軽く触れる程度にして、 重要ポイントをわかりやすさ最優先で解説します!!
この動画の内容③ 資本コストには●●が足りない! M&Aで使うときには要注意です!!
「求められるリターン」の考え方
普通の儲け話とは別の話 今なんか割安じゃね? 買っておこう♪ お金余ってるし、 一発狙ってみよう♪
「プロの資産運用機関」をイメージください 俺がうまく運用しないと、 何万人分の資産が融けちゃう・・・
「プロの資産運用機関」をイメージください 俺がうまく運用しないと、 何万人分の資産が融けちゃう・・・ 「計画通りの収益」が重要
「計画通りの収益」を上げるための発想
「計画通りの収益」を上げるための発想 将来が予測しやすいほど良い
「計画通りの収益」を上げるための発想 将来が予測しやすいほど良い → 少ないリターンでもOK
「計画通りの収益」を上げるための発想 将来が予測しやすいほど良い → 少ないリターンでもOK 将来が予測しにくい投資は悪い
「計画通りの収益」を上げるための発想 将来が予測しやすいほど良い → 少ないリターンでもOK 将来が予測しにくい投資は悪い → 高いリターンが求められる
将来予測のしにくさ(不確実性)
将来予測のしにくさ(不確実性) リスク ※「失敗しやすさ」や 「失敗時の損失の大きさ」 のことではなく、 「将来予測の難しさ」をいう。
「求められるリターン」の基本 リスクが高い投資ほど、 高いリターンが求められる ・ローリスク → ローリターン ・ハイリスク → ハイリターン
では、「会社にリターンを求める投資家」とは?
では、「会社にリターンを求める投資家」とは? 投資家(増資・株式取得) 値上がりや配当 を求めて 出資する
では、「会社にリターンを求める投資家」とは? 投資家(増資・株式取得) 既存株主 値上がりや配当 を求めて 出資する 値上がりや配当 を求めて 株式を売らない
では、「会社にリターンを求める投資家」とは? 投資家(増資・株式取得) 既存株主 債権者 値上がりや配当 を求めて 出資する 値上がりや配当 を求めて 株式を売らない 利息を求めて お金を貸す
では、「会社にリターンを求める投資家」とは? 投資家(増資・株式取得) 既存株主 債権者 値上がりや配当 を求めて 出資する 値上がりや配当 を求めて 株式を売らない 利息を求めて お金を貸す
ただし「求められるリターン」は全然違う! 株主 債権者
ただし「求められるリターン」は全然違う! 株主 業績が良くなれば 大きな利益が得られる! 悪くなれば大損をする! (将来予測しづらい) 債権者
ただし「求められるリターン」は全然違う! 株主 業績が良くなれば 大きな利益が得られる! 悪くなれば大損をする! (将来予測しづらい) 大きなリターンが 求められる (資本コスト高) 債権者
ただし「求められるリターン」は全然違う! 株主 業績が良くなれば 大きな利益が得られる! 悪くなれば大損をする! (将来予測しづらい) 大きなリターンが 求められる (資本コスト高) 債権者 業績が良くても 得られる利息は一緒! 経営危機でも株主よりは 元本が保証される! (将来予測しやすい)
ただし「求められるリターン」は全然違う! 株主 業績が良くなれば 大きな利益が得られる! 悪くなれば大損をする! (将来予測しづらい) 大きなリターンが 求められる (資本コスト高) 債権者 業績が良くても 得られる利息は一緒! 経営危機でも株主よりは 元本が保証される! (将来予測しやすい) 小さなリターン でもOK (資本コスト低)
資本コストの基礎の基礎 ・リスクが大きい投資ほど高いリターンが求められる ・同じ会社でも株式と借金では資本コストが異なる
DCF法の割引率=資本コスト の決め方
会社は株主からも債権者からも資金提供を受ける 株主 債権者 会社の財布
会社は株主からも債権者からも資金提供を受ける 株主 債権者 いっぱ リターンよこせ! リターンは ほどほどでOK 会社の財布
会社は株主からも債権者からも資金提供を受ける 株主 債権者 いっぱ リターンよこせ! リターンは ほどほどでOK 会社の財布 会社全体の 資本コストは?
「加重平均」で全体を考える 債権者 3%のリターンで 6億円貸してます! 株主 10%のリターンで 4億円投資してます!
「加重平均」で全体を考える 債権者 3%のリターンで 6億円貸してます! 株主 10%のリターンで 4億円投資してます! 6:4で 資本コストを 加重平均!
借金と株式の規模で加重平均した資本コスト
借金と株式の規模で加重平均した資本コスト ・・・加重平均資本コスト
借金と株式の規模で加重平均した資本コスト ・・・加重平均資本コスト
借金と株式の規模で加重平均した資本コスト ・・・加重平均資本コスト 略して ワック WACC
ちょっと難しいけど大事な調整
ちょっと難しいけど大事な調整 利息の節税効果 借金の利率が3%でも、 会社の負担は3%より少ない!
利息は税金分だけ会社の負担が下がる 利息を払う 払った利息の30%ほど 税金が減る
利息は税金分だけ会社の負担が下がる 利息を払う 払った利息の30%ほど 税金が減る 会社の負担は 実質70%だけ!!
加重平均資本コストの計算例 借金が3%で6億円、株式が10%で4億円の場合・・・ 3%×(1-30%)× 6億円/10億円 + 10%× 4億円/10億円 =5.26% 利息の 節税効果
加重平均資本コストの計算に必要な数字 (税率は国が決めるとして・・・)
加重平均資本コストの計算に必要な数字 ・借金の資本コスト (税率は国が決めるとして・・・)
加重平均資本コストの計算に必要な数字 ・借金の資本コスト ・株式の資本コスト (税率は国が決めるとして・・・)
加重平均資本コストの計算に必要な数字 ・借金の資本コスト ・株式の資本コスト ・借金と株式の規模の比率 (税率は国が決めるとして・・・)
加重平均資本コストの計算に必要な数字 ・借金の資本コスト 銀行との約定利率を 使えばOK ※信用力が大きく変動しなければ ・株式の資本コスト ・借金と株式の規模の比率 (税率は国が決めるとして・・・)
難しいのは株式の資本コスト! 株主は俺しかいないから 俺が勝手に決めていいの? ※やりたい放題になるのでダメです 社長
仮定の話で考える 実際にはいないけど、 もし「一般的な株主」が 株式を持っていたなら、 どれだけのリターンを 要求してくるかな? ロジカルに推定する
ここでとても難しい計算をします! 株式の資本コストを推定する計算モデル
ここでとても難しい計算をします! 株式の資本コストを推定する計算モデル キャップエム CAPM Capital Asset Pricing Model 計算式 re = rf + β(rm - rf)
難しすぎるんでポイントだけ端折って説明します! この株式に投資するのって、 TOPIXに投資するのと比べると、 2倍ぐらいリスクがありそうだな・・・
リスクの大きさに合わせてリターンを調整 TOPIXに投資してる人は 8%ぐらいのリターンを求めている。 でも2倍リスキーなこの株であれば、 その分だけ資本コストが高くなるはずだ! (単純に2倍という意味ではないですが)
リスクの大きさは「同業の上場株式」の値動きから把握 TOPIXが2%動いた日に、 同業の上場株式が4%動いている・・・ つまりこの業種への投資は、 TOPIXの2倍リスクがあるってことだ!
ややこしいのでポイントだけおさらい CAPMの考え方
ややこしいのでポイントだけおさらい CAPMの考え方 株式の資本コストは、 同様の事業を営む上場企業の株価の値動きから 機械的に計算する!
つまり基本的な考え方としては・・・ 全国に300店舗展開の上場会社 年商6,000億円!! 1店舗だけ運営の非上場会社 年商10億円 = 投資リスクは 同じ?!
「サイズ・プレミアム」の考え方 上場企業より小さな会社は 大企業よりリスクが大きい! だから追加の資本コストが 存在するはずだ!!
資本コストを加算する! CAPMで計算 した資本コスト + 追加の 資本コスト (サイズ・プレミアム) = 実際の株式の 資本コスト
資本コストを加算する! CAPMで計算 した資本コスト + 追加の 資本コスト (サイズ・プレミアム) = 実際の株式の 資本コスト 人によって加算率が 全然違うことも・・・
難しかったですがこれだけ抑えてください! 株式の資本コストは、 ・同業の上場株式の値動き ・事業規模 などを踏まえた計算で決まる! ※その他、資本構成なども影響します
加重平均の比率の考え方 借金 株式 6億円 4億円 規模の比率で 加重平均
加重平均の比率の考え方 借金 株式 6億円 4億円 規模の比率で 加重平均 株式時価総額 (つまり会社の時価)
卵が先か、ニワトリが先か・・・ 株式の価値をDCF法で計算したいんだけど、 DCF法には株式の時価総額が必要で、 その時価総額を知るにはDCF法が必要で・・・
卵が先か、ニワトリが先か・・・ 株式の価値をDCF法で計算したいんだけど、 DCF法には株式の時価総額が必要で、 その時価総額を知るにはDCF法が必要で・・・ 循環計算をしたり、 最適と思われる比率にしたり、 やり方は人それぞれ・・・ (算定者によって計算結果がバラつくことも)
資本コストの計算には ●●がない!!
気付かれましたか? 資本コストの計算には、
気付かれましたか? 資本コストの計算には、 主体性がない
資本コストには主体性がない 資本コスト = 「投資家」が求める投資リターン
資本コストには主体性がない 資本コスト = 「投資家」が求める投資リターン ↓ M&Aの場合は 「買い手」であるはず
実際の買い手が欲しがる投資リターンは一切無視! 「機関投資家」が分散投資することを前提に 同業の上場株式の値動きから算出しました! 買い手さんの意見?知らん(笑)
考えてみてください 買い手 難しい組織を引き継ぐので、 リターンは15%以上ないと嫌です!!
考えてみてください 算定業者 いいえ、あなたが求めるべきリターンは 理論上10%です。ワガママ言わんでください。
考えてみてください 算定業者 大きな お世話! いいえ、あなたが求めるべきリターンは 理論上10%です。ワガママ言わんでください。
でもそうしないと客観的評価ができない! 算定業者 15%欲しいってあなたの主観ですよね? それを採用しちゃったら、 客観的な評価にはならないんですよ・・・
だからと言ってお金払えるわけじゃないよね 買い手 上場株式を分析したら 10%が平均的ってのはわかったけど、 私は15%じゃなきゃ嫌なの!!
だからと言ってお金払えるわけじゃないよね 買い手 上場株式を分析したら 10%が平均的ってのはわかったけど、 私は15%じゃなきゃ嫌なの!! 客観的な計算結果では、 M&Aが成立しない!!
つまり・・・ 「客観的な資本コスト」による企業価値評価は・・・
つまり・・・ 「客観的な資本コスト」による企業価値評価は・・・ プライシング M&Aの値決めには使えない
つまり・・・ 「客観的な資本コスト」による企業価値評価は・・・ プライシング M&Aの値決めには使えない 参考値や説明材料にはなっても、 価格の決定打にはなり得ない。
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