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September 27, 26
スライド概要
2027/9/27開催。
午後Ⅰの問題を眺めてあーだこーだ話す会。
【2026年版・第8回】 プロジェクトマネージャ試験勉強会 午後Ⅰ品評会・第2弾:令和6年 問3を読み解く 2026年9月27日(日)/ Quatrex / システムエンジニア友の会
本日のお品書き 当日のアジェンダ 前回(第7回)の振り返り 午後Ⅰの答え方の型(おさらい) 今日の問題:令和6年 午後Ⅰ 問3 事例の状況整理(何が起きたか・2つの修整・開発項目の定義プロセス) 品評ディスカッション(設問1・設問2) 採点講評の落とし穴 まとめと次回予告 2 / 26
当日のアジェンダ(60分) 時間 内容 10:00〜10:10 前回の振り返りと、今日の問題の提示 10:10〜10:55 品評ディスカッション:設問ごとに「どう解く?」をあーだこーだ 10:55〜11:00 まとめ:感想と次回予告 問題PDFはDiscordに投げます。読む時間は取らないので、事例はこのスライドで押さえます IPAの解答例は、設問ごとに議論してから開きます 3 / 26
PART A / 10 MIN 前回の振り返りと、今日の問題 4 / 26
前回(第7回)でわかったこと 令和7年 問3「プロジェクト実施中の計画変更」を1時間かけて品評しました。 答えは本文にある。冒頭の「過去の因縁」が、後半の設問1(1)の根拠だった 一番難しいのは、当たり前のことを平然と書く設問。もう決まっているじゃないかと思うと手が 止まる 手法の名前(ファストトラッキング、クリティカルチェーン法)は、知らないというよりイメージで きないと答えられない 「影響を受けないと考えられる」のような書きぶりに、リスクが隠れている 後半を読むうちに前半を忘れる。A4で3〜4ページの地の文に慣れる必要がある 5 / 26
午後Ⅰの答え方の型(おさらい) 問われ方 答えの型 目的・狙いは何か 〜するため/〜する狙い 効果は何か 〜する効果 なぜか・理由は何か 〜だから 何か(決定・姿勢・事項) 名詞句で言い切る 一般論で答えない。本文の固有の事情を使う 下線部を問う設問は、その前後に答えが埋まっている 「〜について」「〜に関して」は真っ先に削って字数を作る 6 / 26
今日の問題:令和6年度 秋期 午後Ⅰ 問3 テーマは「プロジェクト計画の修整(テーラリング)」 出題趣旨:組織のマネジメント標準や過去の教訓を参照しつつ、プロジェクトの独自性に合わせ て修整できるか 題材は、サービス開始日厳守のネット専業銀行の立ち上げ 修整するのは2つ。変更管理プロセスと、チームのマネジメント 設問は全8問(設問1が4問、設問2が4問) 前回の問3(計画変更)と同じく変更管理が出てくる。テーラリングは午後Ⅱでも頻出の論点 7 / 26
知っておきたい用語 用語 中身 今日の出番 テーラリング(修整) 組織の標準を、プロジェクトに合わせて手直しすること 全体のテーマ 予測型開発アプローチ 最初に計画を固め、順に進める。いわゆるウォーターフォール A銀行の標準 適応型開発アプローチ 変化を前提に、少しずつ決めていく。いわゆるアジャイル H銀行で加味 変更管理委員会(CCB) 変更要求の承認・否認を決める会議体 設問1 指示型リーダーシップ 解決方法や活動を明確に指示し、指導する A銀行の標準 支援型リーダーシップ メンバーの自律を後ろから支える 設問2 朝会(デイリースタンドアップ) 毎日短く、進捗・予定・障壁を共有する 設問2(4) ※ Quatrexは、本当に立ったまま朝会をしている現場を目撃したことがあります。障害対応中かと思いましたが、毎日のようにやっているの で、これが噂に聞くデイリースタンドアップかと思いました。 8 / 26
PART B / 45 MIN 品評ディスカッション 9 / 26
状況整理①:何が起きたか 場面 出来事 背景 中堅地方銀行のA銀行は、人口減少と高齢化で収益が減少傾向 決定 グループ会社としてネット専業銀行のH銀行を設立。全取引をスマホアプリで完結するサービ スを1年後に提供。これが必達目標 体制 若手中心にA銀行から出向。勘定系はY社のYサービスを利用し、新システム(フロント+スマ ホアプリ)はH銀行システム部がY社の支援を受けて開発 PM H銀行システム部のI課長 スコー 要求事項は企画部が各業務部門と市場ニーズを調べながら順次確定。どれを1年後に実現す プ るか(開発項目)は順次判断 10 / 26
状況整理②:I課長が修整した2つのもの 変更管理 → 開発項目の定義プロセス チームのマネジメント A銀行の標準は予測型前提。開発項目の変動が少な A銀行の標準は、PMとリーダーの明確な役割分担 い想定 と、指示・報告に基づくプロセス。指示型 H銀行企画部の要望:「スケジュールは厳守しつつ、予 H銀行システム部の喫緊の課題:適応型プロジェクト 算内で要求事項の取込みに最大限柔軟に対応してほ をマネジメントできる若手リーダーの育成 しい」 若手でモチベーションが高く自発的な人をリーダーに 予算は上限ありだが、一定の余裕をもって確保済み 登用し、支援型リーダーシップを習得させたい 11 / 26
状況整理③:変更管理プロセスをどう修整したか 入口 検討 決定 A銀行標準の変更管理 H銀行の開発項目の定義プロセス 変更を要求する部門がCCBに 企画部が判定基準で要求事項をふるいにかけ、満たすもの 提示 だけ提示 A銀行システム部が影響・リスク・ Hプロジェクトが課題・追加コストを整理し、スケジュール遅 課題・追加コストを整理 延リスクを高・中・低で評価 CCBが承認・否認 低(30%未満)はPM承認。高・中はDDB(開発項目定義委 員会)に付議。DDBのある決定で低にできればPM承認 困り 効果が不明確、他部門の要求と ごと 相反し、何度もやり取りが発生 ― 12 / 26
この問題の芯と、設問の地図 I課長は、慣れたA銀行の標準を捨てずに土台として使い、適応型の要素を足し て修整した。 設問1 変更管理を「要求事項が順次決まる」前提に修整した理由と効果 設問2 指示型のチーム運営を「若手を支援型リーダーに育てる」前提に修整した理由と効果 修整の根拠は、どちらも本文に書かれた過去の困りごとにある。設問1はCCB運用でのやり取り の多発、設問2は若手リーダー登用の3つの失敗事例。 13 / 26
設問1(1)(2):開発項目の定義プロセス(どう答える?) (1) 下線①について、A銀行標準の変更管理プロセスを修整して開発項目の定義プロセスとし た目的。25字以内 (2) 下線②について、要求事項の判定基準を設け、提示できる基準を満たすかをH銀行企画部 で判定することで、Hプロジェクトが得られる効果。35字以内 本文のどこを見るか (1) H銀行企画部はI課長に何を頼んだか。その言葉をほぼそのまま使える (2) A銀行の標準の変更管理で、これまで何が困っていたか。判定基準のふるいがあると何が 減るか 14 / 26
設問1(1)(2):解答例と根拠 設問 IPAの解答例 本文の根拠 1(1) 要求事項の取込みに最大限 企画部「スケジュールは厳守しつつ予算内で要求事項の取込み 柔軟に対応するため に最大限柔軟に対応してほしい」 要求事項を提出した業務部 これまで「変更の効果が不明確だったり、他の部門の変更要求と 門への確認などのやり取り 相反したりして、変更要求を提出した部門や他部門とのやり取り を減らす効果 が何度か発生することが多かった」 1(2) 1(2)は、修整前の困りごとを裏返すと答えになる。 15 / 26
設問1(3)(4):DDBの決定と合意(どう答える?) (3) 下線③について、スケジュール遅延リスクの発生確率を30%未満に軽減するための、 DDBのある決定とは何か。25字以内 (4) 下線④について、I課長がDDBのメンバーに合意を取る際に、プロジェクトの進捗に伴っ て要求事項の取込みが困難となっていくことを含めた理由。35字以内 本文のどこを見るか (3) DDBは何を決める場として設置されたか。予算は足りているのか、足りていないのか (4) H銀行の必達目標は何か。I課長がDDBに譲れないものは何か 16 / 26
設問1(3)(4):解答例と根拠 設問 IPAの解答例 本文の根拠 1(3) 開発項目内のほかの要求事項を DDBは「優先度の付与や開発項目の入替えなどの開発項 外す決定 目の更新を決定」する場。予算は一定の余裕をもって確保 済み 1(4) 要求事項を受け入れ続けることで 1年後の業務開始が必達目標。スケジュールは厳守。進捗 スケジュール遅延したくないから が進むほど計画の余裕度は減る 1(3)は、何かを足すなら何かを外す。予算を足す話ではない。 17 / 26
設問2(1)(2):チームのマネジメント(どう答える?) (1) 下線⑤について、I課長が、H銀行システム部の喫緊の課題の解決に、A銀行標準のチーム のマネジメントは適さないと考えた理由。30字以内 (2) 下線⑥について、支援型リーダーシップを習得してきたベテラン行員を育成役にアサイン したのは、登用した若手リーダーにどのような姿勢があるからか。25字以内 本文のどこを見るか (1) A銀行標準のチーム運営は何型か。喫緊の課題で育てたいのは何型のリーダーか (2) リーダーに登用したのはどんな若手だったか。失敗事例1(一方的な指示でモチベーショ ンを下げた)も効く 18 / 26
設問2(1)(2):解答例と根拠 設問 IPAの解答例 本文の根拠 2(1) 支援型リーダーの育成に適さ A銀行標準は「課題の解決方法やメンバーの活動を明確に指 ないマネジメントだから 示し、指導を行うことを重視」。育てたいのは支援型 モチベーションが高く自発的 「若手でモチベーションが高く自発的に仕事に取り組む姿勢 に仕事に取り組む姿勢 をもつメンバーを積極的にリーダーに登用」 2(2) 2(2)は本文の一文をそのまま抜くだけ。平然と書けるかの設問。 19 / 26
設問2(3)(4):後方支援と朝会(どう答える?) (3) 下線⑦について、育成役のベテラン行員に若手リーダーを後方で支援してもらうことにし たのは、Hプロジェクトに対するどのような効果を期待したからか。30字以内 (4) 下線⑧について、週次進捗会議とは別に朝会を実施することで、スケジュール遅延リスク に対して具体的にどのような効果を得たいと考えたのか。30字以内 本文のどこを見るか 過去の若手リーダー登用の失敗事例は3つある。修整の3項目と1対1で対応している (3) 失敗事例2:責任感から細かく指示・過度に介入した結果、何が起きたか (4) 失敗事例3:週次進捗会議で叱責を恐れて「問題なし」と報告した結果、何が起きたか 20 / 26
設問2(3)(4):解答例と根拠 設問 IPAの解答例 本文の根拠 2(3) チームのパフォーマンス 失敗事例2「チームとしてのパフォーマンスが低下して、進捗が遅 低下による進捗の遅れを れてしまうことがあった」 防ぐ効果 2(4) 問題が大きくなる前に原 失敗事例3「遅延が表面化したときには状況が深刻になっており、 因を把握して早期に解決 対策の遅れとともに多くの時間とコストを費やす」。朝会では毎日 を図る効果 「障壁となっている事項や不安要素」を共有 どちらも、失敗事例の結果を裏返すと効果になる。 21 / 26
採点講評の落とし穴 設問1(3) 一般的な手法として「予算の追加投入」に着目した解答が散見された。H銀行はス ケジュール厳守で予算内で最大限柔軟に対応する方針で、予算も余裕をもって確保済み。効く のは予算追加ではなく開発項目の入替え 設問2(3) 正答率がやや低かった。「適応型マネジメントができるリーダーの育成」に着目した 解答が多かった。問われているのはH銀行の必達目標(1年後の銀行業務の開始)に対する効果 で、そのためにチームのパフォーマンスを最大化すること 「育成」の文脈に引っ張られず、設問が何に対する効果を聞いているかを読む。 22 / 26
PART C / 5 MIN まとめ 23 / 26
今日のまとめ テーラリングの問題は、「標準の何が合わないか」と「過去に何で困ったか」が必ず本文に書いて ある。そこが根拠 修整の効果は、修整前の困りごとや失敗事例の結果を裏返すと出てくる 一般的な打ち手(予算を足す、育成に役立つ)に流れず、このプロジェクトの制約(期限厳守、予 算は余裕あり、必達目標)に合わせる 前回の問3と同じく、変更管理の話は「何を守り、何を柔軟にするか」の線引き 感想を一言ずつ 前回の問3と比べて、読みやすかったか。どこで手が止まったか。 24 / 26
Quatrexの所感 個人的には、すごく興味深いテーマでした。ただ設問はベーシックで、ちょっと物足りなかったです。 題材として面白かったところ 地銀が、人口減少と高齢化への打ち手としてネット専業銀行を立ち上げる 勘定系は、複数の銀行が共同で利用するサービスに乗る ウォーターフォール前提の標準を、アジャイルに寄せてテーラリングする ゼロベースでアジャイルを導入して失敗した、という話を昔聞いた気がする それを1年でサービスインさせる そして相変わらず、課長がPM 物足りなかったところ 設問は、本文の困りごとを裏返すか、本文の一文を抜けば答えられるものがほとんどでした。共同利用の勘定系との付 き合い方や、1年でのサービスインの厳しさといった、この題材の一番おいしいところは設問になっていません。 25 / 26
年間計画と次回予告 期 時期 テーマ 第1期 1〜3月 プロマネマインドセット醸成 第2期 4〜7月 午後Ⅱ(科目B-2)論文対策 第3期 8〜10月 午後Ⅰ(科目B-1)対策+午後Ⅱ強化 ← 今ここ 第4期 11〜1月 総仕上げ(科目A対策含む) 第5期 2027年2月 受験+振り返り 次回(第9回)は10月。日程とテーマ(午後Ⅰ第3弾か、午後Ⅱ強化か)は、今日このあと相談して決めます お疲れさまでした! 26 / 26