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September 20, 25
スライド概要
Power Platform勉強会で登壇した資料です。
Power Platform勉強会 「すぐ作れる」を活かした 要件定義フェーズの合意形成 2025/9/19 山元綾子
自己紹介 山元綾子 x:@aya_polytope ● ● 福井出身、京都在住 自動車部材メーカーの社内エンジニア ○ 社内向けアプリ開発、IT推進 ○ 基幹システム導入のプロジェクト管理 ○ スクラムマスター ● 趣味は読書
Power Platformとわたし ● 2020年 現在の会社に転職してPower Appsに出会う ○ ○ ● 先駆者のみなさんのブログや勉強会がとてもありがたかった! 国内/海外工場の業務アプリを構築 現在 社内の広い範囲でPower関係の推進 ○ ○ ○ Microsoft365の普及で市民権 工場以外の業務でもアプリが普及しだす Powerを使ったアジャイルの布教活動 参考: de:code2020
伝えたいこと ● ● ● Power Platform はアプリが「すぐ作れる」。 なのに何故か「なかなか完成しない。作ったのに使われない。いまいちユーザーの反応 が悪い。」ということが、たびたび起こる。 各ステップで適切に合意をとって「ちゃぶ台返し」「使われないアプリ」のリスクを減らすこ とができる。何ならPower Platform の「すぐ作れる」特性は、合意形成に効果的に使え る。 ○ 開発前 ○ 開発着手 ○ リリース前
1.開発前「◯◯アプリって作れる?」
1.開発前「◯◯アプリって作れる?」 即答してはいけない
いきなり「What(作りたいもの)」が来たら要注意 ● 依頼者の要求が「正しい」とは限らない ○ ● 正しいWhat = 依頼部門・ステークホルダーが抱える課題を解決するもの ■ 課題と解決策は 1:1ではない。 ■ 依頼者がその課題の 1番の理解者とは限らない。 間違ったWhatを作っても課題は解決できない。
正しいWhatかを確認するための「場」を設定する
開発前に明らかにしておくべきこと 背景 なぜアプリが必要になったのか。 抱えている課題は何か。 目的 アプリ導入に期待する効果。 業務フロー 対象外 現行業務フローと新業務フロー。 今回「作らないもの」
開発前に明らかにしておくべきこと <合意ポイント> 背景 なぜアプリが必要になったのか。 抱えている課題は何か。 目的 アプリ導入に期待する効果。 業務フロー 対象外 現行業務フローと新業務フロー。 今回「作らないもの」 必要性 対価 スコープ
開発前に明らかにしておくべきこと <合意ポイント> 背景 なぜアプリが必要になったのか。 抱えている課題は何か。 目的 アプリ導入に期待する効果。 必要性 ● ● 必ず明文化すること! 業務フロー 対象外 現行業務フローと新業務フロー。 今回「作らないもの」 対価 スコープ
「明文化」のちからをうまく使おう PowerPlatformはローコードとはいえ拡張性が高い。20名以上が使うようになると 異を唱えるユーザーが出てくるので、「勝手に作った・勝手に決めた」のではない証 拠として文書を残し関係者へ展開する。 ◯◯アプリ作成について背景・目的などをまとめました。 私の認識違いがないか確認をお願いします。 ● 欠点があれば早めに手を打てる ● このメール自身が「関係者が合意した」既成事実になる ○ 「当事者間で勝手に進めた」でなくなる
2.開発着手「それじゃ作りますね」
2.開発着手「それじゃ作りますね」 まだまだ要注意!
「Why、What」が明確になっただけでは手は動かない ● 「How」はクリアじゃないし、仕様の認識はズレる
「How」を明確にするステップ ● サンプルをすぐに作れる、PowerPlatformの得意分野!! ○ 数時間で作れるレベルのサンプルを作ってレビューする。 ■ PowerApps:主要なコントロールを配置したアプリ、画面遷移 ■ PowerAutomate:ユーザーとの接点(トリガー、通知、ステータス) ■ PowerBI:主要なビジュアル 初動をはやくする!
Whatを示すときのポイント ● 主要な機能のみにフォーカスする ● 複数のサンプルを見せられるとBEST ○ ● 人間は、複数の選択肢から 1つを選ぶ能力に長けている 1名のキーパーソンを見つける ○ 自分で決められる人。「上司に確認しないとわからない」人は NG。
3.完成後「完成!リリースするぞ!」
3.完成後「完成!リリースするぞ!」 ここからでも取れる合意があります
このアプリで本当に目的が達成できるか確認する ● リリースしてしまうと後戻りできない ○ ● 関係者を集めてデモをする。最後の合意。 リリース後の改善要望・意見の対応方法を決めておく。 ○ 「意見・要望は何でも Welcome。ただし対応要否は関係者協議で決める」が理想。 ■ ○ 自分で抱え込むと「すべて Do」になりがち。複数の目で判断。 とはいえ影響の少ない要望はさっと対応する。
まとめ ● 適切なタイミングで「合意」をとることで、ちゃぶ台返しを防げる。 ● 「明文化」は武器になる。(無意識のレビュー、既成事実) ○ ● 業務フロー + サンプルアプリ もかなり強い。 PowerPlatformは動くものがサッと作れるから、ユーザーとの合意をはやく・固く取 り付けることができる。