本音で語る顎関節症の基本知識

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本音で語る顎関節症の基本知識

2.

参考文献 • 顎関節症治療の指針 2020 http://kokuhoken.net/jstmj/publication/file/guideline/guideline_treatment_tmj_2 020.pdf • 「顎関節症の概念(2013 年)」「顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害(2014 年)」「顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害(2014 年)」および「顎関節症の病態分類 (2013 年)」の公表にあたって http://kokuhoken.net/jstmj/publication/file/journal/concept.pdf • 顎関節症の診断基準(DC/TMD):評価インストゥルメント(日本語版) https://ubwp.buffalo.edu/rdc-tmdinternational/wpcontent/uploads/sites/58/2017/01/DC-TMD-Japanese-AssessmentInstruments_2016_06_11b492.pdf • 一般社団法人日本顎関節学会編 新編 顎関節症 改訂版 永末書店 2018 年 • 海外の教科書2020年:TEMPOROMANDIBULAR DISORDERS Priorities for Research and Care https://www.nap.edu/read/25652/chapter/1 • Freedom Physical Therapy Services https://www.treatingtmj.com/tmd/to-click-or-not-to-click-that-is-the-question/

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世界の顎関節症の流れ 1. 診断:世界の診断方法が、変わった(DC/TMD)。 ⇒筋痛の診断が増えた(と言うか、増えていたようだ(推測))。 DC/TMD :Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders( 2014 ) 2. 治療:世界の治療に対する研究の主流が、顎関節円板の障害から 筋痛にシフトした。 ⇒治療も筋痛へのアプローチが多くなった。 3. 治療:咬合と顎関節症の関係は、ほとんど述べられることがなく なった。⇒スプリント療法も使われることが減った。 https://www.iadr.org/INfORM#collapseOne

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本邦の顎関節症の流れ(私見を含む) 1. 診断:日本顎関節学会の診断基準もDC/TMDを採用。 ⇒一般の総合病院の口腔外科全般にまで広がっておらず、従来からの 診断も多くされている。 参考:アンケート調査による顎関節症の病態分類(2013年)の利用状況. 2019. 2. 治療:保険点数が口腔内装置に偏っている。 ⇒従来からの世界で使われてない、エルコプレスを使った口腔内装置 (アプライアンス)が多く使われている。 3. 治療:咬合と顎関節症の関係は、ほとんど述べられることがなくなっ た。 ⇒咬合を著しく変える危険な治療が減った。←改善

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本日のスタンス 1. 世界の顎関節症研究・診断・治療の最先端を学ぶ。 診断はDC/TMDに従って説明・治療は、2020年の海外の報告に従って説明 2. 危険な疾患を逃さずに鑑別できるようになる。 3. 顎関節症の分類が複雑なことを理解する。 4. 共感することの重要性を学ぶ(治療の種類・手技より重要)。 5. 地方の総合病院口腔外科の治療の概要を知る(推測)。 6. 大切な事は、何度も繰返し説明する。 7. 一般的な治療法を並行して説明せず、頻度の高いものをより中心に説明。 教科書・論文・指針などからの記載は、水色(確実性が高い・コンセンサスが得られている) ほぼ、海外の教科書2020年:TEMPOROMANDIBULAR DISORDERS Priorities for Research and Care 私見・経験に基づく記載は、ピンク色: 湯浅は、消極的な治療が得意ですので、たいしたことしていません・・・。 また、咀嚼筋痛障害の診断・治療が苦手なので、医院での診断での割合も少ないし、肩こりと同じ と考えています。 地方のいわゆる総合病院口腔外科の治療は、ダイダイ色(推測を含む)

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世界標準のDC/TMDによる診断 ⚫ 疼痛関連顎関節症(疼痛障害)・顎関節円板障害(関節障害)・変形性顎関節症に分 け、それぞれを診断していく。 ⚫ まずこの3つを分類するのではなく、それぞれを診断するという、不思議な診断方法。 ⚫ 顎関節症かどうかは、除外基準のみで診断なのか? 利点:有痛性顎関節症ならびに顎運動制限のある円板転位については診断しやすい。 欠点:前方以外の円板転位や変性関節症の診断が苦手である。その理由の一つが、画像 診断がルーチンではないからである。 日本顎関節学会も世界の流れに従って、DC/TMDという診断方法を採用。

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DC/TMDによる診断 疼痛関連顎関節症:・咀嚼筋痛障害 ・顎関節痛障害 ・局所的筋痛(病態的に混乱しやすいので、基本としては割愛) ・拡散を伴う筋筋膜痛(病態的に混乱しやすいので、基本としては割愛) ・関連痛を伴う筋筋膜痛(病態的に混乱しやすいので、基本としては割愛) ・顎関節円板障害:・復位性関節円板転位 ・開口制限のある非復位性関節円板転位 ・開口制限のない非復位性関節円板転位 ・間欠ロックを伴う復位性関節円板転位(少ないので、今回は割愛) ・変形性顎関節症

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疼痛関連顎関節症の診断 病歴聴取 過去 30 日間に、左右どちらかのあご、こめかみ、 耳の中、または耳の前に痛みがあったか? 次の動作で変化(すなわち、良くなったり、悪くなったり)しましたか? 硬い、あるいはかみにくい食べ物をかむ・口を開ける、あるいはあごを前や横に動かす・歯と歯を合 わせたままにする・くいしばる、歯ぎしりをする、ガムを噛む・ 話をする、キスをする、あくびを するといったその他のあごの動作 DC/TMD診断では、上記のような問診で喋る言葉(文章)がほぼ決まっ ており、その通りに喋る必要があるが、一般医には必要が無いだろう。

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診断 病歴聴取 過去 30 日間に、左右どちらかのあご、こめかみ、 耳の中、または耳の前にあった痛みがあった か? 次の動作で変化(すなわち,良くなったり,悪くなったり)しましたか? 注意:患者が示した部位が本当 に痛い部位でないことが多い。 痛みを、実際より強く表現する 診察・検査 場合も多い。 硬い、あるいはかみにくい食べ物をかむ・口を開ける、あるいはあごを前や横に動かす・歯と歯を合 わせたままにする・くいしばる、歯ぎしりをする、ガムを噛む・ 話をする、キスをする、あくびを するといったその他のあごの動作 術者が咀嚼筋・顎関節の痛みの部位を判断できる 咀嚼筋の場合:最大開口時・咀嚼筋の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部位を判断できる 顎関節の場合:最大開口時・下顎返信運動時・顎関節の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部 位を判断できる

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「痛い部位はどこですか?」 との質問で、手のひらで咬筋を抑えること があるが、その多くが、顎関節である。 「この筋肉の部分と骨が動く関節の部分で は痛みが異なります。どちらが痛いか、顎 を動かして考えて、指1本で示してくださ い。たった1cmの違いでも病気が異なりま す。また、わからない方もみえるので、わ からなければわからないと答えて下さ い。」 と質問を変えると部位が異なることが多い。 わからない場合、次回受診日までに考えて 来てもらうことも必要。重要なのでしつこ く聞くが、疑われていると思って怒り出す 患者もいるので、声の出し方とか笑顔とか テクニックを有する。 また、顎二腹筋後腹に手を持っていく患者 は、その部位で正しいことが多い。

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疼痛関連顎関節症の診断 病歴聴取 過去 30 日間に、左右どちらかのあご、こめかみ、 耳の中、または耳の前にあった痛みがあった か? 次の動作で変化(すなわち,良くなったり,悪くなったり)しましたか? 硬い、あるいはかみにくい食べ物をかむ・口を開ける、あるいはあごを前や横に動かす・歯と歯を合 わせたままにする・くいしばる、歯ぎしりをする、ガムを噛む・ 話をする、キスをする、あくびを するといったその他のあごの動作 診察・検査 術者が咀嚼筋・顎関節の痛みの部位を判断すること 咀嚼筋の場合:最大開口時・咀嚼筋の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部位を判断できる 顎関節の場合:最大開口時・下顎偏心運動時・顎関節の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部 位を判断できる

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疼痛関連顎関節症の診断 病歴聴取 過去 30 日間に、左右どちらかのあご、こめかみ、 耳の中、または耳の前にあった痛みがあった か? 次の動作で変化(すなわち,良くなったり,悪くなったり)しましたか? 硬い、あるいはかみにくい食べ物をかむ・口を開ける、あるいはあごを前や横に動かす・歯と歯を合 わせたままにする・くいしばる、歯ぎしりをする、ガムを噛む・ 話をする、キスをする、あくびを するといったその他のあごの動作 診察・検査 術者が咀嚼筋・顎関節の痛みの部位を判断すること 咀嚼筋痛障害と診断できた 咀嚼筋の場合:最大開口時・咀嚼筋の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部位を判断できる 顎関節の場合:最大開口時・下顎返信運動時・顎関節の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部 顎関節痛障害と診断できた 位を判断できる

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疼痛関連顎関節症の診断 病歴聴取 過去 30 日間に、左右どちらかのあご、こめかみ、 耳の中、または耳の前にあった痛みがあった か? 次の動作で変化(すなわち,良くなったり,悪くなったり)しましたか? 硬い、あるいはかみにくい食べ物をかむ・口を開ける、あるいはあごを前や横に動かす・歯と歯を合 わせたままにする・くいしばる、歯ぎしりをする、ガムを噛む・ 話をする、キスをする、あくびを するといったその他のあごの動作 注意:危険な診断を逃 さない 診察・検査 (鑑別診断が重要) 術者が咀嚼筋・顎関節の痛みの部位を判断できる 咀嚼筋の場合:最大開口時・咀嚼筋の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部位を判断できる 顎関節の場合:最大開口時・下顎返信運動時・顎関節の触診で、“いつもの痛み”を感じ、疼痛の部 位を判断できる

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顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害(2014 年・日本顎関節学会) Ⅰ.顎関節症以外の顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害 顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害(2014 年)参照 Ⅱ.顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害以外の疾患 1.頭蓋内疾患 出血,血腫,浮腫,感染,腫瘍,動静脈奇形,脳脊髄液減少症など 2.隣接臓器の疾患 1)歯および歯周疾患 2)耳疾患 歯髄炎,根尖性歯周組織疾患,歯周病,智歯周囲炎など 外耳炎,中耳炎,鼓膜炎,腫瘍など 3)鼻・副鼻腔の疾患 副鼻腔炎,腫瘍など 4)咽頭の疾患 咽頭炎,腫瘍,術後瘢痕など 5)顎骨の疾患 顎・骨炎,筋突起過長症(肥大),腫瘍,線維性骨疾患など 6)その他の疾患 茎状突起過長症(Eagle 症候群),非定型顔面痛など 3.筋骨格系の疾患 筋ジストロフィーなど 4.心臓・血管系の疾患 5.神経系の疾患 側頭動脈炎,虚血性心疾患など 神経障害性疼痛(三叉神経痛,舌咽神経痛,帯状疱疹後神経痛など各種神経痛を含む), 筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群),末梢神経炎,中枢神経疾患(ジストニアなど),破傷風など 6.頭痛 緊張型頭痛,片頭痛,群発頭痛など 7.精神神経学的疾患 8.その他の全身性疾患 抑うつ障害,不安障害,身体症状症,統合失調症スペクトラム障害など 線維筋痛症,血液疾患,Ehlers-Danlos 症候群な

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顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害(2014 年) Ⅰ.顎関節症以外の顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害 顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害(2014 年)参照 Ⅱ.顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害以外の疾患 1.頭蓋内疾患 出血,血腫,浮腫,感染,腫瘍,動静脈奇形,脳脊髄液減少症など 2.隣接臓器の疾患 ちょっと多すぎるかな (^^;。 1)歯および歯周疾患 2)耳疾患 歯髄炎,根尖性歯周組織疾患,歯周病,智歯周囲炎など 外耳炎,中耳炎,鼓膜炎,腫瘍など 3)鼻・副鼻腔の疾患 副鼻腔炎,腫瘍など 4)咽頭の疾患 咽頭炎,腫瘍,術後瘢痕など 5)顎骨の疾患 顎・骨炎,筋突起過長症(肥大),腫瘍,線維性骨疾患など 6)その他の疾患 茎状突起過長症(Eagle 症候群),非定型顔面痛など 3.筋骨格系の疾患 筋ジストロフィーなど 4.心臓・血管系の疾患 5.神経系の疾患 側頭動脈炎,虚血性心疾患など 神経障害性疼痛(三叉神経痛,舌咽神経痛,帯状疱疹後神経痛など各種神経痛を含む), 筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群),末梢神経炎,中枢神経疾患(ジストニアなど),破傷風など 6.頭痛 緊張型頭痛,片頭痛,群発頭痛など 7.精神神経学的疾患 8.その他の全身性疾患 抑うつ障害,不安障害,身体症状症,統合失調症スペクトラム障害など 線維筋痛症,血液疾患,Ehlers-Danlos 症候群な

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危険な疾患は、腫瘍と感染(炎症) • 腫瘍なら、徐々に腫瘤が大きくなるはず。 ⇒徐々に、咬筋などが肥大する・顎関節部の動きが制限され、最大開口域が 徐々に小さくなる。 ⇒よって、治療を始めても最大開口域が、かえって小さくなれば、口腔外科に 紹介。 • 感染なら、自発痛があるはず。さらに、発赤・腫脹もあることが多い。 ⇒緊急で必要なのは、破傷風のみ。これは、急に10 ㎜も開口できなくなる。 関節雑音の既往もなく、顎関節の痛みもなく、急に半日で開口が10 ㎜ぐらい なら危険(逆に、突然、20㎜になったのなら円板転位・ロック) ⇒すべての開口障害の患者を破傷風と考えて、少しでも疑ったら緊急的に総合 病院に紹介。自発痛があれば、口腔外科に紹介。 • 明らかに咬合がズレている。 ⇒マレだし緊急性がないので、今回は、詳細に解説しないがオーピンロック (円板の後方転位)の可能性があるが、その他、腫瘍なども否定できないので、 口腔外科に紹介。

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危険な疾患は、腫瘍と感染(炎症) • 腫瘍なら、徐々に腫瘤が大きくなるはず。 ⇒徐々に、咬筋などが肥大する・顎関節部の動きが制限され、 最大開口域が小さくなる。 30年以上の経験でも、 ⇒よって、治療を始めても最大開口域が小さくなれば、口腔 腫瘍が2例、感染が3例、 外科に紹介。 破傷風は0例だが、誤 • 診は訴訟になる。 感染なら、自発痛があるはず。さらに、発赤・腫脹もあるこ とが多い。 ⇒緊急で必要なのは、破傷風のみ。これは、急に10 ㎜も開 口できなくなる。関節雑音の既往もなく、顎関節の痛みもな く、急に半日で開口が10 ㎜ぐらいなら危険(逆に、突然、 20㎜になったのなら円板転位) ⇒すべての疾患を破傷風と考えて、少しでも疑ったら緊急的 に総合病院に紹介。自発痛があれば、口腔外科に紹介。

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咀嚼筋痛障害・顎関節痛障害 咀嚼筋で頻度が多い順 1.顎二腹筋後腹:顎の下が痛いと言う 2.咬筋中央部:顎関節との混同も多いが、なくはない 3.咬筋前縁:時々ある *.側頭筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋まで:肩こり・頭痛に含まれる 咀嚼筋痛障害といっても、単なる筋肉痛なので、生死などを考えると大したことがない とも言える。 しかし、不安が重なると、患者にとっては真剣な悩みとなる。また、数日間ではあるも のの、筋肉痛とは思えないぐらいの極めて著しい疼痛が起こる事がある。 よって、筋肉痛だと診断した瞬間に、患者に、筋肉痛ですね、大丈夫ですと安易な声掛 けをしないことが大切である(後で解説)。 顎関節痛障害:円板の転位で痛いのか、関節包が痛いのか病態が不明であり、ともかく、 咀嚼筋でなく、顎関節部そのものが痛いという診断だけであり、治療に直結しない。

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顎関節円板障害 顎関節円板障害:下顎頭-関節円板複合体を含むバイオメカニカルな顎関節内 障害。 顎関節円板障害には、関節円板転位だけではなく、関節円板変形、関節円板 重畳(ちょうじょう・翻訳ソフトより)、関節円板穿孔などが重複している ことも珍しくない。また、関節円板の転位の程度や方向もさまざまである。 しかしながら、これらの顎関節円板障害の中では前方転位が生じる頻度が圧 倒的に高いことから、前方転位の診断基準だけを定義する。 円板が転位(転位の原因は、2021年時点でも不明)していることで、関節雑 音や開口制限が生じる。 ビデオで復習。

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Freedom Physical Therapy Servicesのサイトで、実際の解剖での動きを頭の中にイメージをつける これは、何度もしっかりと見て欲しい。 そして、しっかりとイメージすることがあなたの臨床センスをアップさせることにつながる。 https://www.treatingtmj.com/tmd/to-click-or-not-to-click-that-is-the-question/ 正常 復位性関節円板転位 非復位性関節円板転位

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顎関節円板障害の分類 復位性関節円板転位:病歴で現在顎関節雑音や、診察時の開口時および閉 口時のクリック(下図のMRI)。 開口制限のある非復位性関節円板転位:現在、開口制限を伴う顎関節の ロックがある、受動開口(強制最大開口)<40mm(海外の基準)。 開口制限のない非復位性関節円板転位:過去に、開口制限を伴う顎関節の ロックがあった、過去に著明な開口制限があり食事に支障がある、受動開 口(強制最大開口)≧40mm https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6382319/

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顎関節円板障害の分類 復位性関節円板転位:病歴で現在顎関節雑音や、診察時の開口時およ び閉口時のクリック。 開口制限のある非復位性関節円板転位:現在、開口制限を伴う顎関節 のロックがある、受動開口(強制最大開口)<40mm。 注意:危険な診断を逃 開口制限のない非復位性関節円板転位:過去に、開口制限を伴う顎関 さない 節のロックがあった、過去に著明な開口制限があり食事に支障がある、 受動開口(強制最大開口)≧40mm (鑑別診断が重要)

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危険な疾患は、腫瘍と感染(炎症)<再> • 腫瘍なら、徐々に腫瘤が大きくなるはず。 ⇒徐々に、咬筋などが肥大する・顎関節部の動きが制限され、最大開口域が 徐々に小さくなる。 ⇒よって、治療を始めても最大開口域が、かえって小さくなれば、口腔外科に 紹介。 • 感染なら、自発痛があるはず。さらに、発赤・腫脹もあることが多い。 ⇒緊急で必要なのは、破傷風のみ。これは、急に10 ㎜も開口できなくなる。 関節雑音の既往もなく、顎関節の痛みもなく、急に半日で開口が10 ㎜ぐらい なら危険(逆に、突然、20㎜になったのなら円板転位・ロック) ⇒すべての開口障害の患者を破傷風と考えて、少しでも疑ったら緊急的に総合 病院に紹介。自発痛があれば、口腔外科に紹介。 • 明らかに咬合がズレている。 ⇒マレだし緊急性がないので、今回は、詳細に解説しないがオーピンロック (円板の後方転位)の可能性があるが、その他、腫瘍なども否定できないので、 口腔外科に紹介。

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変形性顎関節症 病歴で顎関節雑音の存在 または 診察時に患者が雑音を自覚 かつ 診察者がクレピタスを検知 以上の診察の後に顎関節 CT あるいは MRI 検査を利用できる場合は直ち に検査を行う。顎関節 CT あるいは MRI を用いた診断基準は以下の画像 所見が一つ以上認められることとし、これをもって確定診断とする。 軟骨下嚢胞・骨びらん・下顎頭骨硬化・骨棘・萎縮 日本顎関節学会は、さらに、顎関節 CT あるいは MRI を利用できない場 合にはパノラマエックス線写真(4 分割)あるいは顎関節 CBCT による 画像診断を行う。基準は顎関節 CT あるいは MRI の基準と同様の画像所 見が一つ以上認められることとするとしている。

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顎関節症の病態分類(2013 年・日本顎関節学会) ・咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型) ・顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型) ・顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ型) a.復位性 with reduction b.非復位性 without reduction ・変形性顎関節症 osteoarthrosis(Ⅳ型) 基本的にDC/TMDの診断と同じである(後で対比してみる)。

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顎関節症の病態分類(2013 年・日本顎関節学会) ・咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型) ・顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型) ・顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ型) a.復位性 with reduction b.非復位性 without reduction ・変形性顎関節症 osteoarthrosis(Ⅳ型) 註 1:重複診断を承認する。 註 2:顎関節円板障害の大部分は,関節円板の前方転位,前内方転位あるいは前外方転位であるが,内方転位,外方転位,後方転位,開口 時の関節円板後方転位等を含む。 註 3:間欠ロックの基本的な病態は復位性関節円板前方転位であることから,復位性顎 関節円板障害に含める。 【修正のポイント】 ・症型分類ではなく,より明確に「病態分類」とした。 ・病態を数字で呼ぶことは適切ではないため,病態の具体的名称を前に出し,数字はその後にかっこ書きで示した。 ・顎関節症はあくまで発症頻度の高い顎関節・咀嚼筋の障害の分類であり,顎関節症Ⅴ型は廃止する。 ・DC/TMD と整合させるため,咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型)と顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型)に名称変更する。 ・「関節円板障害」の英名 disc disorders は和製英語であるため,「顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ 型)」に変更する。

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顎関節症の病態分類(2013 年・日本顎関節学会) ・咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型) ・顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型) ・顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ型) a.復位性 with reduction b.非復位性 without reduction ・変形性顎関節症 osteoarthrosis(Ⅳ型) 註 1:重複診断を承認する。 註 2:顎関節円板障害の大部分は,関節円板の前方転位,前内方転位あるいは前外方転位であるが,内方転位,外方転位,後方転位,開口 時の関節円板後方転位等を含む。 註 3:間欠ロックの基本的な病態は復位性関節円板前方転位であることから,復位性顎 関節円板障害に含める。 【修正のポイント】 ・症型分類ではなく,より明確に「病態分類」とした。 ・病態を数字で呼ぶことは適切ではないため,病態の具体的名称を前に出し,数字はその後にかっこ書きで示した。 ・顎関節症はあくまで発症頻度の高い顎関節・咀嚼筋の障害の分類であり,顎関節症Ⅴ型は廃止する。 ・DC/TMD と整合させるため,咀嚼筋痛障害 myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型)と顎関節痛障害 arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型)に名称変更する。 ・「関節円板障害」の英名 disc disorders は和製英語であるため,「顎関節円板障害 temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ 型)」に変更する。

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顎関節症の病態分類(日本顎関節学会とDC/TMD) ・咀嚼筋痛障害 ・疼痛関連顎関節症:・咀嚼筋痛障害 ・顎関節痛障害 ・顎関節痛障害 ・顎関節円板障害 ・顎関節円板障害:・復位性関節円板転位 a.復位性 ・開口制限のある非復位性関節円板転位 b.非復位性 ・開口制限のない非復位性関節円板転位 ・変形性顎関節症 ・変形性顎関節症

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分類が、どのような基準で、何を無視しているのか? 疼痛関連顎関節症:・咀嚼筋痛障害 ・顎関節痛障害 ・顎関節円板障害:・復位性関節円板転位 ・開口制限のある非復位性関節円板転位 ・開口制限のない非復位性関節円板転位 ・変形性顎関節症 疼痛の有無と場所による分類:疼痛の部位が咀嚼筋か顎関節かで分類している すなわち、円板の位置が転位していても転位してなくても関係ない。また、関節頭が変形し ていてもしてなくても関係ない。 円板転位の有無と位置による分類:転位した円板が復位するかしないかで分類している すなわち、疼痛があってもなくても関係ない。さらに、疼痛の部位が咀嚼筋でも顎関節で あっても関係ない。また、関節頭が変形していてもしてなくても関係ない。 骨の形態による分類: すなわち、疼痛があってもなくても、咀嚼筋でも顎関節でも、円板が転位していてもしてな くても、復位してもしなくても関係ない。

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分類をまとめると、複雑になるという矛盾 疼痛 疼痛部位 円板位置 咀嚼筋 あり 顎関節 なし 円板復位 骨変形 正常 × 前方 あり 復位 非復位 × なし すなわち、「咀嚼筋痛障害かつ復位性円板転位かつ骨変形あり(極めて少ない)」や、 「疼痛がない、非復位性円板転位かつ骨変形なし(時々ある)」など、 症状と解剖が組み合わさって3×3×2=18通りの組み合わせがある。 先ほどの日本顎関節学会の病態分類も組み合わせると多くなると言うことです。 これを、国際口腔顔面痛分類(ICOP)やICDなど疾病分類の枠組みで分類することは困難で ある。Benolielらが苦労しているが、逆に混乱が広がっているように感じる。 Ch. https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0333102419893823

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どのような治療を行ってよいか診断から直結しない・・・ 疼痛 疼痛部位 円板位置 咀嚼筋 あり 顎関節 なし 円板復位 骨変形 正常 × 「開口制限のある非復位性円板転位」 ↓ 「咀嚼筋の緊張」 ↓ 「咀嚼筋痛障害が生じている症例」 前方 あり 復位 非復位 × なし 「本来は開口制限のない非復位性円板転位」 ↓ 「たまたま咀嚼筋痛障害が生じた」 ↓ 「開口制限を生じている症例」 どちらも、咀嚼筋の疼痛・開口制限・クリックの既往などを訴える事になる。 しかし、治療の方針としては、左は、円板によって制限されている顎関節の可動域を増やす目的の開口 訓練が主となり、右は、咀嚼筋の運動療法などが主となりことなるにも関わらず、診断と治療がかみ合 わない。

32.

分類を一緒にすると 海外の教科書2020年にも記載されていますが、 疼痛 疼痛部位 円板位置 円板復位 咀嚼筋 骨変形 正常 あり 口腔顔面痛疾患についての理解を深め、痛みを 顎関節 復位 伴う顎関節症が、より広い範囲の疼痛疾患の中 前方 なし 非復位 でどのように位置づけられるかを理解すること が大切。 × あり × なし すなわち、「咀嚼筋痛障害かつ復位性円板転位かつ骨変形あり」や、 痛みのメカニズムと、円板の偏位や顎関節の変 「疼痛がない、非復位性円板転位かつ骨変形なし」など、 性変化などの機械的な問題との相互作用の理解 3×3×2=18通りの組み合わせがある。 を深め、分類のどこに当てはまるのかを考える 必要があります。これらなしでは、顎関節症の さらに、「開口制限のある非復位性円板転位によって、咀嚼筋の緊張が起こって、咀嚼筋痛 治療はできません。 障害が生じている症例」と「本来は開口制限のない非復位性円板転位で症状を有していた者 わざわざ書いてあるということは、複雑で直感的に理解できないとい が、たまたま咀嚼筋痛障害となって開口制限を生じている症例」との区別が注意深い問診な うことだ(^^;。 どで可能であっても、病態分類として、どのように記載すればよいか不明となる。 これを、国際口腔顔面痛分類(ICOP)やICDなど疾病分類の枠組みで分類することは困難で ある。

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分類を一緒にすると 疼痛 疼痛部位 円板位置 円板復位 咀嚼筋 正常 ちょっと流れが悪いが重要な点なので あり 顎関節 復位 コメントする! 前方 なし × 非復位 骨変形 あり × なし たとえば、「インプラントを入れてから、 すなわち、「咀嚼筋痛障害かつ復位性円板転位かつ骨変形あり」や、 頭痛がして、かみ合わせが悪くなって、 「疼痛がない、非復位性円板転位かつ骨変形なし」など、 どこで咬んでよいかわからない」という 3×3×2=18通りの組み合わせがある。 症例は、そもそも顎関節症ではありませ ん。 さらに、「開口制限のある非復位性円板転位によって、咀嚼筋の緊張が起こって、咀嚼筋痛 障害が生じている症例」と「本来は開口制限のない非復位性円板転位で症状を有していた者 が、たまたま咀嚼筋痛障害となって開口制限を生じている症例」との区別が注意深い問診な どで可能であっても、病態分類として、どのように記載すればよいか不明となる。 これを、国際口腔顔面痛分類(ICOP)やICDなど疾病分類の枠組みで分類することは困難で ある。

34.

分類について、さらに一言 どうも、専門医によって、診断が、かなり異なるよ うです。特に、顎関節痛障害でばらつくようです。 私は、この顎関節痛障害として、いわゆる単に関節 痛(捻挫のような炎症)の頻度は、極めて低いと考 えております。もっとも、急性のロックなどが、こ れに相当するとすると、ある程度はありますが、純 粋にこの病態のみは少ないと考えています。

35.

方向を変えてみます そもそも、どのような主訴なら顎関節症を疑うのか? 主訴:「顎が痛い」、「口が開かない」、「口を開けると痛い」、 「音がなる」 最初に除外する事(この時点では顎関節症ではないと考えることが、 顎関節症の診断の第一歩!): 緊急的:感染⇒安静時痛がある・圧痛・腫れている・10mm程度か 危険的:腫瘍⇒だんだん開口しなくなる・他の癌の既往 歯科的:歯性による痛みの波及、智歯周囲炎など それ以外なら、顎関節症の病名も頭に入れながら、疾患を絞っていく。 地方の総合病院口腔外科の初診: 問診表⇒パノラマX線写真とパノラマ4分割⇒初診での面接(全身的な問診・経過の問診・開口量の 測定・筋肉の圧痛を少しだけ・顎関節部の触診) 大学での初診:MRIの予約

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同じような事がチェックリストとして報告されている 開口障害という症状に対してのチェックリスト 以下のサインが1つでもあれば、上級医へ相談する: • 開口部が15mm未満 • 進行性に悪化する開口障害 • クリックの既往歴がない場合 • 筋膜・筋肉によらない痛み(神経痛など) • リンパ腺の腫脹 • 疑わしい口腔内の軟部組織病変 Beddis. Temporomandibular disorders, trismus and malignancy: development of a checklist to improve patient safety. 2014 https://www.nature.com/articles/sj.bdj.2014.862 開口障害をおこす疾患一覧:http://www.exodontia.info/Trismus.html

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同じような事がチェックリストとして報告されている 開口障害という症状に対してのチェックリスト 以下のサインが1つでもあれば、上級医へ相談する: • 開口部が15mm未満 ◼ たぶん破傷風などを想定 • 進行性に悪化する開口障害 ◼ 悪性腫瘍を想定 • クリックの既往歴がない場合 ◼ 顎関節症でない可能性が高くなる • 筋膜・筋肉によらない痛み(神経痛など) ◼ 神経障害 • リンパ腺の腫脹 ◼ 炎症を想定 • 疑わしい口腔内の軟部組織病変 ◼ 悪性腫瘍を想定 Beddis. Temporomandibular disorders, trismus and malignancy: development of a checklist to improve patient safety. 2014 https://www.nature.com/articles/sj.bdj.2014.862 開口障害をおこす疾患一覧:http://www.exodontia.info/Trismus.html 破傷風について: 通常、破傷風のほとんどの場合(50〜75%)、開口障害が最初の症状です。 正中線の頸部および口腔底血腫が認められ、舌がわずかに上向きになったりもする。 (高齢で無歯顎なら、20mm以上もあるので、10mmとか、15mmとか決めつけないこと。) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5483546/

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X線の見方とかCTについての説明がないのだが? パノラマX線写真:他の疾患の除外のため パノラマ4分割:下顎頭が、下顎窩からはずれて戻ることなどを説明するため に撮影するだけで、よほどの変化がなければ、診断に役立ててない パノラマX線写真・ 4分割:教科書的には、動きの量と、骨の変化を見る 日本顎関節学会の変形性の分類 骨皮質の断裂を伴う吸収性骨変化(Erosion): ⇒下顎頭表面の骨皮質が断裂し消失し、骨表面が不整 骨辺縁部の局所的不透過生検時造成( Osteophyte ) : ⇒下顎頭の前方ないし上方に、皮質骨を含む骨の突起を認める 吸収性変化を伴う下顎頭の縮小化( deformity ) : ⇒下顎頭全体が小さく、下顎頸部を含め短縮して見える CT:同じように骨の変化を見る 勉強になる論文「顎関節関連疾患における CT および MRI 所見からのパノラマ読影へのフィード バック」オープン https://www.jstage.jst.go.jp/article/gakukansetsu/28/3/28_221/_pdf/-char/ja と言うことは、顎関節症で重要な、円板の位置や咀嚼筋の状況が、わからない・・・ あまり役にたたない・・・(^^;)。心配なら2か月後に再撮影して変化を見るぐらいかな。

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まだまだ、治療前に伝えたいこと 1. 予防と早期発見 顎関節症の発症に日常的な歯科矯正治療を示唆してい る研究はありません(歯科矯正で予防できるというこ ともないし、逆に、原因となることもない)。 2. より簡単な診断方法が研究されている。世界的に、 DC/TMDは複雑であまり使われていないことが指摘さ れている。 地方の総合病院口腔外科の歯科医師では、DC/TMDという用語すら知 らないのが一般的である。また、日本顎関節学会が病態分類を変更し て、数字を使わないようになったことを知っている歯科医師も多くは ない。

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Freedom Physical Therapy Servicesのサイトで、実際の解剖での動きを頭の中にイメージをつける これは、何度もしっかりと見て欲しい。 そして、しっかりとイメージすることがあなたの臨床センスをアップさせることにつながる。 https://www.treatingtmj.com/tmd/to-click-or-not-to-click-that-is-the-question/ 正常 復位性関節円板転位 非復位性関節円板転位 筋肉と慢性疼痛の関係など、病態生理を理解することも、現在の咀嚼筋痛が重要となってきている 風潮からは、極めて大切な事であるが、よいビデオなどが、なかったので紹介できないが、各自、 学習して、こちらもイメージをしっかり持つことが重要であることを強調しておく!

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顎関節症と判断できれば・・・、治療で失敗しないために 最初から、紹介すべき患者は? • 自分で、絶対に顎関節症だと断言できなければ • 他の医院を回っている • かみ合わせ時の違和感を有する • 精神科・心療内科受診 • 痛くて、まったく食事がとれないと言い切る • 自分の治療後に顎が痛くなったと言われた場合 • (歯科インプラントが埋入されている) 治療を行う前に: 治療で改善しなければ、高次医療機関に紹介することを治療前に説明する

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治療:総論 水色のスライドは、世界のエビデンスを説明しており、湯浅が推奨しているのではない。 世界の最新の治療を、しっかりと学ぼうということで説明しますが・・・。 顎関節症の治療には、自己管理、理学療法、薬物療法、咬合調整、口腔内装置、手 術など、さまざまな治療法が考えられます。 治療が一般的であるにもかかわらず、顎関節症の治療に関する診療ガイドラインは、 世界的にほとんどない。 顎関節症を発症した人を対象としたある研究では、57%が6カ月間の追跡期間中に 1つ以上の治療を受けたと報告している(Slade et al.、2016)。 これらの治療法の安全性と有効性に関するエビデンスはバラバラである。実施され た研究の多くは、確かな結論を出すには十分な症例数がなく、適切な対照群がなく、 標準化された治療の成功の指標が欠けていたり、一般的な患者を想定してなかった りする。 ⇒と言うように、世界の研究者は、何していたんだ・・・と突っ込みたくなる。

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世界で行われている治療 重要:「まず、害を与えないでください」 慎重で協調的な管理がルール。 1. 自己管理的治療:自己、仲間、およびセラピストによるアプローチを含む、 自己管理の方法。体験学習・認知行動療法・バイオフィードバックも含む。 ⇒今後も普及するが、施行にはトレーニングが必要なので安易に子なっては いけない。 2. 理学療法(広義): 咬合治療:効果の研究なし。侵襲的で害がある。 口腔内装置(アプライアンス・スプリント): 筋痛などに短期なら効果があるとする研究あり。 理学療法:運動療法:開口域が増すなどの研究あり。 理学療法:マニュアル療法:関節の周りの軟組織と筋肉を伸 ばすことによって動きを増やすことです。 運動療法とあわせて効果ありの研究あり。 3. 補完的な治療: 鍼:咀嚼筋障害に効果ありとの研究あり。 やわらかい食事:推奨されているが、効果不明である。 経皮的電気神経刺激(TENS):咀嚼筋の痛みを軽減の研究。

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世界で行われている治療(続き) 4. 薬物療法: 経口薬:エビデンスが不十分 局所薬:カプサイシンの研究不足している 筋肉内薬:ボツリヌス毒素有効との研究もあるが害が心配 5. 介入的治療: 関節穿刺と関節鏡検査:有効との研究あり。 結論(総論と同じだが): 顎関節症の治療法の多くは、データが不十分であり、質も低い。 ↑これでは、どうすれば良いかわからなくなって困ることになるが、ともかく、世界的に、 今頃になって、やっと顎関節症に対する治療で、まともに質の高い研究による標準治療が無 いことがわかった!ということを顎関節症の専門でない一般歯科医師も理解する事が、重要 である。 研究ベースでは、トリガーポイント注射(筋痛と筋筋膜性疼痛を分け後者に)・レーザー(次のスライドで 解説)が流行っているものの、まだエビデンスとしては不十分である。 また、N-stretch(N-rest ・N-position)など、歯を少し離す(TCHみたい)ストレッチも行なわれている ようだ(これもエビデンスが少ない^^;)。

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世界で行われている治療(続き) 低出力レーザーについて:近年、論文が激増中なので少し追加 Ahmad SA, Hasan S, Saeed S, Khan A, Khan M. Low-level laser therapy in temporomandibular joint disorders: a systematic review. J Med Life. 2021 Mar-Apr;14(2):148-164. 多種多様なレーザーが使用されていた。ガリウム-アルミニウム-ヒ化アルミニウムレーザー (GaAlAs)が最も多かった。 37件中18件の研究はLLLTがTMDの痛みを軽減するのに有効。 いろいろとバラバラで、まとまった効果を算出できなかった。 Jing G, Zhao Y, Dong F, Zhang P, Ren H, Liu J, Liu Y, Yu C, Hu J, Bao G, Kang H. Effects of different energy density low-level laser therapies for temporomandibular joint disorders patients: a systematic review and network meta analysis of parallel randomized controlled trials. Lasers Med Sci. 2021 Jul;36(5):1101-1108. 臨床応用の場合、TMD患者の短期間の疼痛管理には最も低出力のレーザ治療(エネルギー密度は0 〜10 J / cm 2の範囲)が推奨されます(中程度の質のエビデンス)。 治療の1か月後、最も低出力のレーザ治療もプラセボや他のレーザーグループよりも良好に機能し ましたが、結果は統計的有意性のポイントに達しませんでした(質の低いエビデンス)。 などより、顎関節症と言っても厳密に咀嚼筋痛障害と顎関節円板障害を分けてない論文が多くて、実際、ど こにあてて良いかの提言はできない。 少なくとも、使うならば、最も低出力のレーザ治療(エネルギー密度は0〜10 J / cm 2の範囲)が良いよう だが、それよりも、しっかりと診断して、説明することが重要なのは言うまでもない。1カ月もすると、経 過観察と比較して、それほど効果が無いようだ。

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だったらどうするの?⇒診断・治療:私見 咀嚼筋痛障害: 診断:顎関節部に問題が無いことを確実に診断する。 治療:痛みに対して共感する(これがもっとも大切) 筋肉痛なので、肩こりと同じく体操、最近の 研究では全身の運動が局所にも効果ありと説明 先のスライドのマニュアル療法の感じ。 海外では理学療法士が積極的治療しているが、 本邦の保険では説明程度である。

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診断・治療:私見 TCHについて少し 歯の接触癖:歯ぎしりやかみしめでない。咬筋に指をあてて、少し開いた所か ら、歯が接触する所まで近づけるだけで、咬筋が緊張するのがわかる。そこか ら、ぐっとかむとさらに緊張する。それを、体感して、そして、患者にもそれ を行なって感じてもらう。

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診断・治療:私見 TCHについて少し 歯の接触癖:歯ぎしりやかみしめでない。咬筋に指をあてて、少し開いた所 から、歯が接触する所まで近づけるだけで、咬筋が緊張するのがわかる。そ こから、ぐっとかむとさらに緊張する。それを、体感して、そして、患者に もそれを行なって感じてもらう。 TCHの是正は、なかなか困難であるが(次のスライドでも)、 全身的な運動をしたり、深呼吸をすると、自然と歯が離れるので、歯を離す ことをに集中して疲れないこと。 詳しくは、TCHの教科書が数冊出版されているので、参考にして欲しい。 特に、その概念を理解することは、極めて重要。湯浅はいわゆる舌痛症(口 腔顔面痛)に応用して利用している。

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診断・治療:私見 「周囲の筋肉の疲労、顎関節の異常、咬合異常、歯ぎしり等などからくるそれぞれの疼痛、 および症状、経過に違いはあるのか、その特徴は?」などの質問に対して。 周囲の筋肉の疲労:咀嚼筋痛の可能性もあるし、正常範囲内のちょっとしたことを強く訴え ているだけということもある。疲労感は、極めて難しい。基本は、ストレッチなどをしっか り行なうことだが、頑張って説明してもほぼ行なってくれない。肩こりがあると言って、初 診料だけや再診料だけで赤字で、運動の重要性を説明しても、誰も行なってくれないのと同 じ。行なうなら、ある程度の値段で、日誌までつけて徹底的に行なうしかないだろう。 咬合異常からの疼痛は、たとえば冠を入れた直後などは咬合性外傷のようになる。慢性痛で 咬合からの異常は、基本的に無いと考えた方が良い。そもそも、総義歯の方など、昼と夜で 咬合がまったく異なる、それで咀嚼筋痛などおこっていない。咬合の異常では無く、継続し た歯の接触(TCHなど)の筋肉の緊張だ。そうすると、治療は、上記と同じ。また、歯ぎし りも同じ。 東京医科歯科大学では、TCHの是正の指導は自費で行なっている。そうすると、行なってく れる人がいる(土地柄もある)。すると地方で、保険でどうするか、他疾患で無いことを確 認したら、後は、肩こりと同じで、原因不明・ストレッチと言い切る。無理に原因を追及し ないこと。

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診断・治療:私見 咀嚼筋痛障害: たとえば、Youtubeで顎関節症を検索すると、整 診断:顎関節部に問題が無いことを確実に診断する。 体の先生による筋肉リリースが流行っていること がわかります。これは、海外でも同じ傾向です。 治療:痛みに対して共感する(これがもっとも大切) 筋肉痛なので、肩こりと同じく体操、最近の 研究では、質が高い研究もほとんどないので、現 研究では全身の運動が局所にも効果ありと説明 在は、お薦めはしません。しかし、お薦めするよ うになる可能性はあります。 海外では理学療法士が積極的治療しているが、 説明程度であるが、納得される。

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診断・治療:私見 顎関節円板障害: 診断:中途半端な円板転位を考慮して診断。 治療:手・図などを使った丁寧な円板の病態説明 疼痛のない復位性転位:説明のみ 疼痛のある復位性転位:食事時のコツとか経過観察 開口制限のない非復位:食事時の痛みの共感と経過観察 開口制限のある非復位:自己開口訓練(円板の可動域を 増やすことを目的) ちょっと一言:食事時に、指で顎関節部を押さえて食べる と痛みが引くことをアドバイスする事もある。

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診断・治療:私見 病態説明は、まずパノラマ4分割をみせて、「びっくりして下さいね」(これ を言わないと騙されたと思われるといけないため)と言いながら、開口時に関 節窩から脱臼することを説明。 その後、手を使って、円板の関係を説明。 その後、患者自身の手を顎関節に合わせて開閉口してもらい、円板か下顎頭の 動きを体感してもらいます。

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診断・治療:私見 • • • • “関節円板”をクッションと言わない方が良い です。 理由は、クッションなら大切なもの、それが ズレて大丈夫なのかと不安が強くなる。 「円板の転位は、多くの方、おおよそ30%以 上の方がズレています。」と言うと安心され ます。 高齢者の方には、「円板転位は、若い人に多 いので、年をとったので顎関節症になったの ではないですよ、若いですね〜」と言うとコ ミュニケーションが取りやすい。 骨変形は、よほどの事が無い限り、話しませ ん。「骨が少し変形していますね〜」と安易 につぶやかないことが重要。不安を増強させ ると予後が悪くなる(変形性のが症状の改善 に時間がかかるという報告があるが、あまり 言わないようにしている)。

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治癒:何を持って治癒とするか? 治癒の判定は決まってない! 世界中で、どの論文・研究も本当にバラバラです・・・。 臨床試験の判定すら決まってない (COMETという動きがあり、今後は基準ができると思われるが) 最大開口域:DC/TMDでは40mmだが、これは、あくまでも診断。 疼痛の程度(visual analog scale:VAS):初診と比較して、どの程度小さくなれば良いのか?また、 どの値になれば治癒と判定して良いのか? 最大開口域 35mm程度だが、本人がそれほど困らないと言えば30mmも許容 VAS 本人がそれほど困らないと程度(ほぼ33mm未満) 愛知学院大学歯学部:最大開口域 35mm・VAS 33以下 東京医科歯科大学:最大開口域 40mm・VAS 0へ 多くの大学:最大開口域 40mm・VAS 30-20未満 いわゆる総合病院歯科口腔外科:不明です(^^;。 得意でない施設は、基準はなく、本人が良いと言ったらと想像される。

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診断・治療:私見 顎関節円板障害: ともかく、共感する。「痛みがあると食事 に困りますよね〜」 診断:中途半端な円板転位を考慮して診断。 そして、円板の病態説明をするだけで、ほ 治療:図などを使った丁寧な円板の病態説明 とんど治る。なんと、55%が次回再診も なく早期に満足している(次回予約を取ら 疼痛のない復位性転位:説明のみ ないことを自分で選択) 。 疼痛のある復位性転位:食事時のコツとか経過観察 2週間後に再診して、少しでも改善してい れば治る。改善してなければ、口腔外科に 開口制限のない非復位:食事時の痛みの共感と経過観察 早めに紹介。予後が悪い場合、顎関節症だ 開口制限のある非復位:自己開口訓練 と点数が低く、さらに診察時間も長くなる ので無理しないこと。

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地方の総合病院口腔外科での治療内容(推測) 咀嚼筋障害:そもそも診断できてない。開口制限・クリックがないにも関わ らず疼痛を強く訴える顎関節症患者は、心理的要因が強い人として扱われる。 エルコプレスで作成しただけの口腔内装置を入れて、何となく治る(口腔内 装置の効果でなく自然経過)。 顎関節円板障害: 復位性:円板がズレているが大丈夫と言われるだけ。大丈夫と言われて、多 くが納得するが、一部に説明不足により予後が悪くなる方もいる。 開口制限のない非復位性:エルコプレスで作成しただけの口腔内装置と柔ら かい食事の指導。自然経過で、多くが、そのうちに改善する。 開口制限のある非復位性:開口練習とエルコプレスで作成しただけの口腔内 装置と柔らかい食事の指導。自然経過で、多くが、そのうちに改善する。 まとめ:多くが自然経過で改善する。そうすると患者も忘れてしまうので、 何となく上手に言っている。時に治らないと心理的要因とされてしまうが、 それでも、半年もすれば、少しは改善するので受診しなくなる。 その中に、痛みを強く訴える方がみえるが、もともと顎関節症でなく、口腔 顔面痛と診断が正しいことが多い。

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地方の総合病院口腔外科での治療内容(推測) 咀嚼筋障害:そもそも診断できてない。開口制限・クリックがないにも関わ らず疼痛を強く訴える顎関節症患者は、心理的要因が強い人として扱われる。 顎関節症は、自然経過で改善するので、保存的治 エルコプレスで作成しただけの口腔内装置を入れて、何となく何となく治る 療なら、半年もすれば少しは改善して、患者も自 (口腔内装置の効果でなく自然経過)。 然に来なくなる。よって、どのような治療でも改 顎関節円板障害: 善するため、担当医も自分の治療で良いと思って 復位性:円板がズレているが大丈夫と言われるだけ。大丈夫と言われて、多 いる(顎関節症が得意な先生を除く)。 くが納得するが、一部に予後が悪くなる方もいる。 でも、顎関節症でない鑑別診断は、一般の歯科医 開口制限のない非復位性:エルコプレスで作成しただけの口腔内装置と柔ら かい食事の指導。自然経過で、多くが、そのうちに改善する。 師より適確なので、不安な症例は、早めに口腔外 科へ紹介する(顎関節症が得意でなくても大丈夫 開口制限のある非復位性:開口練習とエルコプレスで作成しただけの口腔内 です)。 装置と柔らかい食事の指導。自然経過で、多くが、そのうちに改善する。 まとめ:多くが自然経過で改善する。そうすると患者も忘れてしまうので、 何となく上手に言っている。時に治らないと心理的要因とされてしまうが、 それでも、半年もすれば、少しは改善するので受診しなくなる。 その中に、痛みを強く訴える方がみえるが、もともと顎関節症でなく、口腔 顔面痛と診断が正しい。

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顎関節症を少し専門に行っている先生なら・・・(推測) 咀嚼筋障害:咀嚼筋マッサージ・スタビライゼーション型アプライアンス 顎関節円板障害: 復位性:説明のみ。 急性(2〜4週間程度)非復位性:復位を目的とした徒手的顎関節受動術。 慢性の非復位性:復位を目的としない徒手的顎関節受動術(マニュプレー ション)。顎関節可動化訓練。 参考:内田貴之:GPにこそ知ってもらいたい顎関節症のベーシック治療. クインテッセンス 40.52-81.2021. 日大松戸の小見山先生が監修しているようで、しっかり書かれているので、非常に参考になる。 確かに、これらの治療は教科書的にすばらしいが、一般の歯科医院で、これをすべて行 うのは不可能と考えます。どちらかというと、大学の顎関節専門外来の内容である。残 念ながら、一般のいわゆる総合病院の口腔外科では、ここまでの治療は行っていない (推測)。もっとも、湯浅は、もっと簡単に治療している。

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顎関節症を治療して、予後が悪い場合 できるだけ早く、高次医療機関へ紹介する。 日本顎関節学会では、2週間で奏功しなければ紹介としている。 2週間は早いという意見もあるが、悪化していれば、危険(不変ならら、 もう少し長く経過をみてもよいだろう)。 治療途中の患者でも、紹介状に治療の経過が詳細に書いてあれば、どの口 腔外科でも喜んで受け入れます。 特にお願いしたいことが、うまくいかなかった治療を必ず書いて下さい。 それが無いと、患者に、「◯◯治療をしたのに効果が無かった、かえって 悪くなった」、ということを患者の口から詳細に聞き直す必要があります。 患者の気持ちが悪くなり、紹介元への不満が増す可能性があります。 普通の顎関節症の予後の違いは、残念ながら「パーソナリティー・性格」 も反映されていると考えている(年齢の違いは少ないが、年齢によるパー ソナリティーの差による傾向はある)

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まとめ 顎関節症で最も重要なことは、鑑別診断です。顎関節症な らば、自然経過は良いので、しっかりと共感し病態説明を すれば、少なくとも2週間後に、不変であっても悪化するこ とはほとんどありません(悪化すれば口腔外科へ)。 しかも3カ月もすれば、ほとんどが慣れるぐらいは良くなり ます。顎関節症の専門医は、その期間を、より安心した中 で短くする事ができると考えて下さい。 学校検診での説明は、不調を訴える生徒には、丁寧な説明が必要 なのですが、学校を休んでまで口腔外科に受診するまでもないこ とが多いので、長期休暇を利用するしかないでしょう(悩ましい ところです)。