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May 14, 25
スライド概要
Generative Ai Study Group Master
中高の課題研究における生成AIの指導ポイント -育みたい探究スキルとマインド神戸大学附属中等教育学校 数学科主任・研究部 神戸大学数理・データサイエンスセンター客員研究員 産総研人工知能技術コンソーシアム 教育WGリーダー 林 兵馬 [email protected]
自己紹介 1 氏名: 林 兵馬(はやし ひょうま) 所属: 神戸大学附属中等教育学校(数学科主任・研究部課題研究担当) 神戸大学数理・データサイエンスセンター(客員研究員) 産総研人工知能技術コンソーシアム 教育WGリーダー 人工知能学会 代議員/産学連携委員会委員 略歴 2017年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 :神戸大学附属中等教育学校着任 :神戸大学数理・データサイエンスセンター 客員研究員【担当:高大連携】 : 「第1回中学生・高校生データサイエンスコンテスト」 【担当:運営・コンテンツ制作】 :第18回 日本統計学会 統計教育賞受賞 :産総研人工知能技術コンソーシアム教育WGリーダー :人工知能学会 産学連携委員会 委員 ミッション ・学校設定科目「データサイエンスⅠ」「データサイエンスⅡ」のカリキュラム開発主導 ・統計・DS教育およびAI教育について情報科と連携した授業設計の主導 ・校内における課題研究の校内とりまとめ ・神戸大学との高大連携、産学連携事業の推進、神戸市との官学連携など 講演歴 2022年 「BigDataDX2022」「SIAI2024」 (人工知能学会) 2020年~ 公立・私立高校、教育委員会での「DS特別講義」「教員研修会」など 2024年 「数理・データサイエンス・AI教育 FDシンポジウム」など (直近)
活動紹介 2
活動紹介 3
活動紹介 4
活動紹介 5
活動紹介 6
7 Q.参加者の皆様は、 教育における生成AIの活用ポイントは何だとお考えですか? 2つの観点 「生徒が利用するケース」 「教員が利用するケース」 および「育みたい探究スキルとマインド」 について説明します 企業の方は、・社内における採用・教育・研修等 ・社内における生成AIの活用 と置き換えて聞いていただけますと幸いです。
生成AI利用における教育上の課題 生成AI利用における教育上の課題 ・生成AIの、フルスペックでの利用は難易度高 ・生成AIには、説明書がなく利用に工夫が必要 ・生成AIを、使えるレベルに達していない ・生成AIのプロンプトの書き方 ≠ 今までの記述 8
教育における生成AIの活用ポイント [望ましい姿] ・生徒にとって、テーマ・内容が自分事と実感できる ⇒生成AIはやりたいことを支援する=静止摩擦係数を減らすものである 実感をさせる. [望ましくない姿] ・生徒にとって、テーマ・内容が自分事と実感できない ⇒この場合、生成AIは楽をするための道具に過ぎない。 9
教育における生成AIの活用ポイント ■総合的な探究の時間のケース① ・文章・資料作成・表現の支援 ・論文の推敲と壁打ち ・相手メール文、スライド資料、台本の作成 ・Canvaを使った広告や資料の作成 ・画像生成・制作 10
教育における生成AIの活用ポイント ■総合的な探究の時間のケース② ・データ収集・分析・探究活動の支援 ・問いの立て方、探究の深め方 ・データの収集・整理・分析 ・プログラミングコード作成支援 ・継続研究や発展研究の方向性調査 11
教育における生成AIの活用ポイント ■総合的な探究の時間のケース② ・データ収集・分析・探究活動の支援 例:ポスターの指導 あなたは高校における探究のエキスパートです。 いま、ポスターv1が生徒から提出されてきました。 ・各セクション内で気になることをできる限り挙げてください。 ・各セクションのつながりで気になることをできる限り挙げてください。 ・今後ポスターをアップデートする上でのヒント ・ポスターの配置やデザインに関して、よい提案があれば 12
教育における生成AIの活用ポイント 13 ■総合的な探究の時間のケース② ・データ収集・分析・探究活動の支援 例:アンケートの作成 高校生が「自身の好みのタイプが親と似ているのではないか」という仮説をもっています。 どのようなアンケートを取ればその仮説の検証ができますか。 また、アンケートを取る際に注意しないといけないことは?
生成AI時代における育みたい力・姿勢 結局どのようなことを育みたいのか? やりたいことをやる/やれる力 探究スキルとマインドを育む
生成AI時代における育みたい力・姿勢 生成AI時代における育みたい力・姿勢 =探究スキルとマインド ・探究スキル :自分のやりたいことを具現化するスキル ・探究マインド:自分のやりたい/知りたいと思うマインド ・教員や指導者は、 いかにやりたいことを具現化するために支援できるか? 探究スキルとマインドを醸成できるか? 生成AIも上手に使いながら/使わせながら
16 Q.参加者の皆様は、 教育における生成AIの活用ポイントは何だとお考えですか? ①生成AIの使用場面を適切に制限する ②自然な生成AIの使用場面を設定する
教育における生成AIの活用ポイント 初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver. 2.0) 17
教育における生成AIの活用ポイント 初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver. 2.0) 18
生成AI利用における教育上の課題 実際に授業で使ったスライドをご紹介します 20
ポイント:生成AIとの向き合い方 ■生成AIはコパイロット=副操縦士 →生成AIで作成したものをそのまま成果物としてはいけない ■対話を繰り返す →どんどん生成AIに質問を繰り返す ■他の人の意見、専門家の意見、当事者の意見、資料の情報も重要 →生成AIは、ひとりの参加者 ■生成AIで作成した成果物は、利用者の責任のもとに出す. →情報源、裏どり、表現のチェックなどは自己責任. 21
生成AI×テーマ設定 22 テーマを決めてみよう 例1 私はA市に住んでいる高校生です. なんかよくしらないけど、先生が 「探究の時間で身近な話題でなんか調べろ」 って言われて困っています. アイディアをください. 例2 高校に入って、課題研究をする必要があるので困っています。 理系クラスなので、理系っぽい研究をする必要があります。 なんかテーマをいくつか挙げて。
生成AI×テーマ設定 テーマを決めてみよう 私はいまA高等学校の1年生で、探究活動をしています。 私たちの班では竹に関心があります。 なにかアイデアがあれば、可能な限り複数教えてください。 ポイント:解像度を上げる 23
生成AI×テーマ設定 24 私はいまA高等学校の1年生で、探究活動をしています。 私たちの班では竹に関心があります。 学校の近くの山に竹林があり、竹が放置しているのが問題で、 有効活用をしたいと考えています。 私たちの班では、生物・物理に興味がある生徒が在籍しており、 生物に加え、物理っぽいアプローチで竹を有効活用する手段を 考えていきたいです。 なにかアイデアがあれば、可能な限り複数教えてください。 ポイント:解像度を上げる
生成AI×テーマ設定 25 私はいま高等学校の1年生で、探究活動を始めました。 学校の近くの山に竹林があり、竹が放置しているのが問題で、有効活用をしたいと 考えています。 私たちの班では、物理・生物に興味がある生徒が在籍しており、 生物だけでなく数理っぽいアプローチも併せて竹を有効活用する手段を考えていき、 まず仮のリサーチクエスチョンを決めたいです。 我々の班から出てきたアイデアを羅列します。 ・生物の多様性 ・竹によって光が地面まで届きにくいのでは ・折れた竹の腐敗、分解 ・竹パウダー(人工的に竹を粉末にする) なにかアイデアがあれば、可能な限り複数教えてください。 アイデアを深堀してもいい し、組み合わせもいいし、新たなアイデアもほしいです。 また、リサーチクエスチョンを作るにあたり、我々の班で先に出来ることがあれば教え てください。
生成AI×テーマ設定 26 折れた竹の分解プロセスとその生物的役割深掘り: 折れた竹が自然分解する過程を観察し、関与する微生物や昆虫を特定する。 分解速度や条件(湿度、温度など)の違いを比較する。 新提案: 分解を早めるための微生物や菌類を人工的に追加し、竹の再利用を加速す ・興味がある内容を書く る手法を研究する。 (上記は生成AIで出力したものを加工した) とても興味があります。深堀をさらに進めたいです。一度班で話し合った結果、 以下の意見がでました。 ・班で話した内容をできる限り色々書いてみる。 ・竹の分解速度が遅いことをはじめて知ったので、 そのメカニズムと速度を上げる可能性について知りたい ・竹がどれくらい分解しているか、どうやって調べるか不明 ・数学にも関心があるメンバーがいて、数式モデルで分解を記述でき、 シミュレーションできるといいかも これをリサーチクエスチョンにするには、どのようにしたらよいでしょうか。
生成AI×テーマ設定 27 今日使うベースのプロンプト① 下記の太字を変更してください。 私はいま高等学校の1年生で、探究活動をしています。 [①皆さんが興味を持っているテーマについて書く。 単語でもいい。思いつくままいっぱい書いたらいい。] [②皆さんの興味のある学問分野について書く] 我々の班から出てきたアイデアを羅列します。 [③ ①について話し合ったことをできるかぎり書く] なにかアイデアがあれば、可能な限り複数教えてください。 アイデアを深堀して もいいし、組み合わせもいいし、新たなアイデアもほしいです。 また、リサーチクエスチョンを作るにあたり、我々の班で先に出来ることがあれ ば教えてください。
生成AI×テーマ設定 今日使う、ベースのプロンプト② 下記の太字を変更してください。 [出てきたプロンプトまたは自身の班で出てきたことを書く] とても興味があります。深堀をさらに進めたいです。 一度班で話し合った結果、以下の意見がでました。 [班で話したことを率直に、できるかぎりたくさん書く] これをリサーチクエスチョンにするには、どのようにしたらよいで しょうか。 28
本日の発表に向けて 模造紙の上に付せんを張りながら議論をすすめ、 テーマとRQを決めましょう. 青色の付せん:自分の班のメンバーからでた意見 黄色の付せん:大人やほかの班のメンバーからでた意見 赤色の付せん:生成AIによって得られた意見 模造紙:左が優先度高、右が優先度低 ※付せんの付け替え、追加コメントはもちろんOK 29
ポイント:生成AIとの向き合い方 ■生成AIはコパイロット=副操縦士 →生成AIで作成したものをそのまま成果物としてはいけない ■対話を繰り返す →どんどん生成AIに質問を繰り返す ■他の人の意見、専門家の意見、当事者の意見、資料の情報も重要 →生成AIは、ひとりの参加者 ■生成AIで作成した成果物は、利用者の責任のもとに出す. →情報源、裏どり、表現のチェックなどは自己責任. 生成AIを使う前、 すなわち「準備」と 生成AIを使った後、すなわち「活用」が重要 30
生成AI×研究計画設定 31 【RQ】スマートフォンの使用時間は、高校生の睡眠の質に どのような影響を与えるか? 【仮説】スマートフォンの使用時間が長いほど、高校生の睡眠の質は低下する。 【研究の背景・目的】高校生のスマートフォンの使用時間が増加する中で、睡眠 の質や学業成績への影響が懸念されている。本研究の目的は、スマートフォンの 使用時間と睡眠の質との関連性を明らかにし、高校生の生活習慣に対する改善策 を提案することです。 【研究計画】 ■高校生を対象に、スマートフォンの使用時間と睡眠の質に関するアンケートを 実施する。 ■アンケートでは、スマートフォンの使用時間、就寝時間、睡眠の質の自己評価 を含む質問を含める。 ■統計的に分析し、スマートフォン使用時間と睡眠の質との相関関係を検証する。
本日の発表に向けて 模造紙の上に付せんを張りながら議論をすすめ、 RQとそれに対する研究計画を練り上げましょう 青色の付せん:自分の班のメンバーからでた意見 黄色の付せん:大人やほかの班のメンバーからでた意見 赤色の付せん:生成AIによって得られた意見 模造紙:左が優先度高、右が優先度低 ※付せんの付け替え、追加コメントはもちろんOK 32
生成AI×研究計画設定 33 あなたは高校の課題研究のアドバイザーです。 【RQ 】 [ここにあなたの研究のRQを入力してください] 【仮説】 [ここにあなたの研究の仮説を入力してください] 【研究計画】 [ここにあなたの研究計画の内容(対象、研究方法、測定方法、期間、 使用するデータなど)を入力してください] 【主要な変数・指標】(例:スマートフォン使用時間、睡眠時間、睡眠の質評価等) 【その他の関連情報】(例:調査対象、調査期間、使用する統計手法など) ポイント:解像度を上げる/カスタマイズ可能! <依頼内容> 1. 上記の情報をもとに、研究のRQ・仮説と研究計画の整合性について 評価してください。特に、計画がRQや仮説を適切に検証できる内容に なっているかを確認してください。 2. 整合性を高めるための改善案や、研究をさらに発展させるアイデアを 提案してください。 3. 必要に応じて、追加すべき情報や調査方法のアドバイスもお願いします。
教育における生成AIの活用ポイント ①生成AIの使用場面を適切に制限する 例:教員が生成AIで出力したものを持参し配付する ■志望理由書の指導事例 ①こちらが生成AIの出力結果を紙で持参する ②生徒に、もとの志望理由書と生成AIの出力結果を見比べさせる ③生成AIの方が表現がよい所に黄色のマーカー, 生成AIの方で違和感がある所に青色のマーカー もとの表現の方がよかった所に赤色のマーカーを引かせる もとの文章と生成AIの出力結果を見比べ、 主体的に検討し、文章を書くことの重要性を理解させる。 34
教育における生成AIの活用ポイント ①生成AIの使用場面を適切に制限する 例:教員が生成AIで出力したものを持参し配付する ■志望理由書の指導事例 下記志望理由書にコメントをしてください。 特に、まわりくどい表現、わかりにくい表現、もっとアピールが必要なところを できるだけシビアに、数多く指摘し、修正案をだしてください。 ====志望理由書ここから==== ====志望理由書ここまで==== 志望理由書を修正しました。 以前の分と比べてどちらがいいか、チェックする観点を明らかにして、 各観点ごとに厳しくジャッジしてください。 ====修正前志望理由書ここから==== ====修正前志望理由書ここまで==== ====修正後志望理由書ここから==== ====修正後志望理由書ここまで==== 35
教育における生成AIの活用ポイント ①生成AIの使用場面を適切に制限する 例:教員が生成AIで出力したものを持参し配付する 例:ポスターの指導 あなたは高校における探究のエキスパートです。 いま、ポスターv1が生徒から提出されてきました。 ・各セクション内で気になることをできる限り挙げてください。 ・各セクションのつながりで気になることをできる限り挙げてください。 ・今後ポスターをアップデートする上でのヒント ・ポスターの配置やデザインに関して、よい提案があれば 36
教育における生成AIの活用ポイント 37 ①生成AIの使用場面を適切に制限する 例:教員が生成AIで出力したものを持参し配付する 例:アンケートの作成 高校生が「自身の好みのタイプは親と似ているのではないか」という仮説をもっています。 どのようなアンケートを取ればその仮説の検証ができますか。 また、アンケートを取る際に注意しないといけないことは?
教育における生成AIの活用ポイント ②自然な生成AIの使用場面を設定する ・問いを立てる ・研究計画の検討 ・インタビューの準備 ・アンケートの作成 ・結論の飛躍の確認 ・文章の推敲の利用 :テーマ・キーワードから、探究可能な問いへ :立てた問いから、研究の方法や手順を具体化 :質問例と質疑をあらかじめ想定 :質問内容や選択肢などを検討 :結論が、調査内容から飛躍していないかを確認 :生成AIのサポートで明確で伝わる文章に整形 38
生成AI時代に求められる探究スキルとマインド 結局どのようなことを育みたいのか? やりたいことをやる/やれる力
生成AI時代に求められる探究スキルとマインド 生成AI時代における育みたい力・姿勢 =探究スキルとマインド ・探究スキル :自分のやりたいことを具現化するスキル ・探究マインド:自分のやりたい/知りたいと思うマインド ・教員や指導者は、 いかにやりたいことを具現化するために支援できるか? 探究スキルとマインドを醸成できるか?
生成AI時代に求められる探究スキルとマインド ■探究スキル ・問題を言語化する ・研究計画を立てる ・研究を遂行する/データや証拠を集める ・信憑性・妥当性・有効性の評価のチェック/分析 ・展開 ⇒生成AI時代だからこそより求められる ■探究マインド ・なぜ?と思う気持ち ・好奇心/違和感/怒り… ・何か明らかにしたい気持ち/社会に働きかけたい気持ち ⇒生成AIにより行動に移しやすい時代に だからこそ探究スキルとマインドの有無が大きな差に 41
生成AI時代に求められる探究スキルとマインド 生成AI時代だからこそ生徒・学生時代に経験してほしいこと ・真剣に学んだ経験/取り組んだ体験 ・新しいことを学ぶ力 ・言語化する力 ・人脈作り ・やりたいこと、熱意を自身で育むこと ・生成AIも適宜上手に使って成し遂げようとする姿勢/経験 ※生成AIを使わないリスクの理解 ⇒生成AIの使用判断ができない人たち ≒与えられたものの再生能力のみで勝負できない時代に突入 42
生成AI時代における育みたい力・姿勢 学習指導要領 高等学校(総合的な探究の時間) 第 1 目標 探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して, 自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を 次のとおり育成することを目指す. (1)探究の過程において,課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け, 課題に関わる概念を形成し,探究の意義や価値を理解するようにする. (2)実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし,自分で課題を立て, 情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする. (3)探究に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら, 新たな価値を創造し,よりよい社会を実現しようとする態度を養う.
生成AI時代における育みたい力・姿勢 ■一層求められる探究の充実(一部抜粋) (1)探究が高度化し,自律的に行われることを意識する ・高度化した探究 [整合性] :探究において目的と解決の方法に矛盾がない [効果性] :探究において適切に資質・能力を活用している [焦点性] :焦点化し深く掘り下げて探究している [広角性] :幅広い可能性を視野に入れながら探究している ・自律的な探究 [自己課題]:自分にとって関わりが深い課題になる [運用] :探究の過程を見通しつつ,自分の力で進められる [社会参画]:得られた知見を生かして社会に参画しようとする (2)課題の設定において,生徒が自分で課題を発見する過程を重視する (3)他教科・科目等における探究との違いを踏まえる 今、求められる力を高める総合的な探究の時間の展開(文科省)より
生成AI時代における育みたい力・姿勢 生徒は, ①日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる 疑問や関心に基づいて自ら課題を見付け, ②そこにある具体的な問題について情報を収集し, ③その情報を整理・分析したり知識や技能に結び付けたり, 考えを出し合ったりしながら問題の解決に取り組み, ④明らかになった考えや意見などをまとめ・表現し, そこからまた新たな課題を見付け, 更なる問題の解決を始めるといった学習活動を 発展的に繰り返していく. 引用:学習指導要領 高等学校(総合的な探究の時間) 要するに探究とは,物事の本質を自己との関わりで 探り見極めようとする一連の知的営みのことである. ポイント: ・生成AIを使って育みたい力・姿勢=探究スキルとマインド ・「探究における生徒の学習の姿」を様々な場面で作る
46 Q.参加者の皆様は、 教育における生成AIの活用ポイントは何だとお考えですか? ■生徒利用について 生成AI時代における育みたい力・姿勢=探究スキルとマインドを設定のもと ①生成AIの使用場面を適切に制限する ②自然な生成AIの使用場面を設定する あともう一つあると考えます
教育における生成AIの活用ポイント ③解像度を上げる ・この探究の問いだけど、着想はどこから得た? ・このテーマで、何を明らかにしようとしている? ・このテーマ、本当に面白いと思っている? ・このテーマにどのような感情を持っている? 生成AIでは出力が難しい内容であり、生徒の根本を問う指導を教員が行う ①教員が生徒の解像度を上げること ②生徒が生徒自身の解像度を上げること が、生成AI時代の指導で極めて重要 主体的に学びに向かう態度の醸成こそが、 生成AI時代に重要なポイント 47
本日のまとめ 教育における生成AIの活用ポイント 生成AI時代における育みたい力・姿勢 =探究スキルとマインド ・探究スキル :自分のやりたいことを具現化するスキル ・探究マインド:自分のやりたい/知りたいと思うマインド ①生成AIの使用場面を適切に制限する ②自然な生成AIの使用場面を設定する ③自身と相手の解像度を上げる 48
本日の内容 1. 本日の趣旨説明 2. 課題研究における生徒の生成AIの利用 3. 課題研究における教員の生成AIの利用 4. まとめと今後に向けて 49
課題研究の教員側の課題感 課題研究の教員側の課題感 ・専門外の内容の指導が難しい ・そもそも指導のポイントがわからない ・生徒になんて声をかけよう ・探究の伴走方法がわからない いままで多くの教員の課題研究への悩みを聞いてきました ⇒GASを使って課題研究支援ツールを作ってみました 50
本日の内容 1. 本日の趣旨説明 2. 課題研究における生徒の生成AIの利用 3. 課題研究における教員の生成AIの利用 4. まとめと今後に向けて 51
まとめ 52 ■どのような姿・態度・能力を育みたいかをよく考える ⇒それは課題研究でも同じ ■生成AIをうまく使う ⇒やりたいことを明確化する。 それは生徒・教員も同じ ■AIの進化と共にユーザーも進化する ⇒AIをどのように使うか 人間がどのように進化するか 指導力の向上や生徒理解がますます重要に
今後の展望 ■課題研究での生成AIの利用の事例を増やす ■課題研究のサポートツールの開発 53