生成AIと分析AIのコラボ手法のご紹介_社会調査への新アプローチ

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April 14, 25

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生成AIと分析AIの コラボ手法のご紹介 社会調査への新アプローチ 2025年4月8日 株式会社NTTデータ数理システム 武藤 雅基 [email protected] © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc.

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会社概要 会社名 所在地 Mission 株式会社NTTデータ数理システム 東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館1階 資本金 5,600万円 (NTTデータ100%出資) 従業員数 約120名 (内80%が技術者) ミッション 数理科学とコンピュータサイエンスにより 社会のあらゆる分野の問題を解決する 数理科学とコンピューターサイエンス 機械学習 数理最適化 沿革 1982年4月 株式会社 数理システム 設立 シミュレーション 2012年2月 NTTデータグループ入り 2013年9月 株式会社NTTデータ数理システム に社名変更 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 2

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NTTデータ数理システムの事業と強み 数理科学とコンピューターサイエンスを軸に、4事業を展開 パッケージソフトウェアの自社開発 受託への適用・業務組込み活用 受託開発 相互連携 分析コンサルティング 高度分析技術の蓄積・統合 データサイエンス教育 • 導入実績8,000社以上―数理科学のプロ集団としての豊富な経験・取引実績 • 自社開発・自社サポートによる柔軟なサービス • NTTデータやそのグループ会社との事業連携による包括的なサービス提供 • 戦略・技術的なデータ分析コンサルティング、データサイエンス教育による伴走型サポート © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 3

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自己紹介 株式会社NTTデータ数理システム データマイニング部 主任研究員 武藤 雅基 データ分析ツールの開発 および データ分析案件を通じての お客様の問題解決に 従事しています © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 4

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アジェンダ 1. 概要 2. 生成AI × 分析AI 1. 生成AIとは 2. 分析AIとは 3. 生成AIと分析AIを用いた退職/退学リスク分析 1. データ収集フェーズにおける生成AI活用 2. データ分析フェーズにおける分析AI活用 3. 分析結果活用フェーズにおける生成AI活用 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 5

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概要 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 6

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概要 生成AIと分析AIのコラボ手法のご紹介 社会調査への新アプローチ 施策立案/ フィードバック 社会調査の課題 データ収集 ・データ(アンケート等)の収集が難しい ・収集したデータの分析が難しい ・分析結果の活用、フィードバックが難しい データ分析 本発表の要点 上記の課題を解決するために 生成AIと分析AI を協調的に利用するアプローチを提案 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 分析結果活用 7

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社会調査への新アプローチ:企業の退職・大学の退学予測を例として データ収集 施策立案/ フィードバック 生成AIによるアンケートデータ生成 ・ペルソナアンケート データ収集 データ分析 データ分析 アンケートデータ分析のための分析AI ・テキスト分析による共起ネットワーク分析(質的データ分析) ・ベイジアンネットワークによる要因分析(量的データ分析) 分析結果活用 分析結果活用 生成AIによる仮想インタビュー ・ペルソナインタビュー ただし、生成AI利用は、あくまで実データの代替としての利用であることに注意 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 8

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分析手法: 生成AI × 分析AI © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 9

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このページは生成AIによって作成 生成AIとは • 生成AIとは? 人間の言語や創造的な表現を模倣するAI。文章生成、要約、翻訳、会話など多彩な応用が可能。 • 従来との違い:ペルソナ機能 ユーザーの意図や文脈を学習し、「性格」や「話し方」など個性ある応答が可能に。 • まるで“相談できる相手” ビジネス向きの丁寧なAIから、親しみやすいカジュアルなAIまで、目的に応じた対話スタイルに対応。 • 活用シーンが拡大 カスタマーサポート、教育、マーケティング、パーソナルコーチなど、より人間らしい接点を提供。 • 今後の可能性 個性を持つAIは、単なるツールから共感し、信頼できるパートナーへと進化中。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 10

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分析AIとは 機械学習手法を用いた分析用AI • テキスト分析(テキストマイニング) 自然言語を定性的・定量的に分析する手法 形態素解析で単語レベルに分解後、様々な分析を実行 ポイント:生成AIが苦手とする定量的分析が得意 (生成AIは数をかぞえるのが苦手) • ベイジアンネットワーク ベイズの定理に基づいたネットワークを作成し分析する手法 条件付き確率による要因分析が可能 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 形態素解析 11

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膨大なテキストデータを素早く定量的に把握するテキストマイニング 文章に出現する「単語」をキーとして、可視化・統計解析アルゴリズムを適用 単語をヒントにどんな話題がどれぐらいあるかをビジュアルかつ定量的に把握することが可能 テキストマイニングでわかる「文章の全体観」 どういう単語どうしが一緒に出現しやすい? どういう単語が多く出現する? 単語頻度分析 共起ネットワーク分析 テキストデータを俯瞰して眺める「地図」を得る © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 12

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分析AI:ベイジアンネットワーク 「A が起きた時の B の条件付き確率」 𝑷 𝑩 𝑨 で出来事をモデリングする分析手法 条件付き確率 ◼ ある事象 𝐵 が起こるという条件の下での、別の事象 𝐴 の発生確率 𝑃(𝐴 ∩ 𝐵) 𝐴と𝐵が同時に発生する確率 条件付き確率 𝑃 𝐴 𝐵 = 𝑃(𝐵) 𝐵が単独に発生する確率 ベイズの法則 よって 𝑃 𝐴 ∩ 𝐵 = 𝑃 𝐴 𝐵 𝑃(𝐵) = 𝑃 𝐵 𝐴 𝑃(𝐴) 𝑃 𝐴 𝐵 𝑃(𝐵) 条件付き確率の式 𝑃 𝐵𝐴 = と 𝑃(𝐴) そのAとBを入れ替えたもの © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 13

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確率的な依存関係を可視化するベイジアンネットワーク 因果構造の大枠を仮定する 確率的な依存関係の可視化 ベイジアンネットワーク 個人属性の違いが 話題関心の違いに影響し、 話題関心の違いが 評価に影響する 構造 学習 素材の味、食感・風味、 スナック好きか否か が 特にポジネガ評価に影響を及ぼす 特に スナック好きか否か は 個人属性には依存しない 物事の 「多段階な関係」 をモデル化することに適しています © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 14

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確率推論によるシミュレーションが可能 例:50代以上でポジティブ評価の方は、 どんな観点を重視している? 50代以上・ポジティブを条件としたときの 事後確率を推論することで把握可能 条件指定 「50代以上」 条件指定 「ポジティブ」 「素材の味」 に言及する確率は 4.6% 上昇 「安心感」 に言及する確率は 2.4% 上昇 定量的な把握が可能! © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 15

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分析アプローチ: 生成AIと分析AIを用いた 退職/退学リスク分析 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 16

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背景:退職/退学リスク分析の重要性 組織:企業/大学 個人:社員/学生 退職/退学 組織にも個人にもデメリットが大きい 人生を左右する重大なイベント 人材流出/学生離れは起きてほしくない 退職/退学リスク分析 定期アンケート回答 退職予防/退学予防のための施策実施 退職/退学の回避 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 17

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アンケートによる退職/退学リスク分析 退職/退学の予防施策のためにアンケートを実施することを想定し、 アンケートによる退職/退学リスク分析手法について説明します。 一般にアンケートは、選択式と自由記述式の項目にわけられ、それぞれ以下の特徴があります。 選択式アンケート項目 自由記述式アンケート項目 回答方式 選択式 テキストの自由記述式 分析方法 メリット 集計等の統計手法 分析しやすい テキストマイニング等のテキスト分析 選択肢になかった回答も得られる デメリット 想定外の回答はわからない 分析が難しい 量的アンケート項目 質的アンケート項目 以降では、退学リスク分析を例として、分析手法を説明していきます。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 18

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アンケートの設問例(退学リスク分析) 【選択式(5段階)】 1. 現在の学習意欲はどの程度か? 2. 授業出席頻度はどのくらいか? 3. 学業ストレスの度合いは? 4. 大学や専攻への満足度は? 5. 将来の進路意識は? 6. アルバイトの負担はどの程度か? 7. 友人やサークルメンバーとの関係は? 8. 大学の支援制度(奨学金、カウンセリング等)の活用状況は? 【自由記述式】 9. 最近、大学生活で感じている悩みや不安を自由に書いてください © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 19 量的アンケート項目 質的アンケート項目

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データ収集フェーズにおける生成AI活用 データ収集 施策立案/ フィードバック 生成AIによるアンケートデータ生成 ・ペルソナアンケート データ収集 データ分析 データ分析 アンケートデータ分析のための分析AI ・テキスト分析による共起ネットワーク分析(質的データ分析) ・ベイジアンネットワークによる要因分析(量的データ分析) 分析結果活用 分析結果活用 生成AIによる仮想インタビュー ・ペルソナインタビュー ただし、生成AI利用は、あくまで実データの代替としての利用であることに注意 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 20

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生成AIの活用:ペルソナアンケート 以下のようなプロンプトを複数作り、数パターンのペルソナを設定した生成AIでアンケートに回答 あなたは現時点では大学に在学中ですが、最終的に友人関係の孤立感から退学してしまう想定です。 以下の詳細な背景設定を踏まえて、質問に回答してください。 【背景設定】 - 20歳で私立大学2年生、専攻は文学部 - テニスサークルに入ったが人間関係が合わず退会し、大学でも友人が少ない - アルバイトは週3日(カフェ勤務) - 出席率が落ち、周囲に相談できず悩んでいる - 最終的に孤立感が深まり退学を選ぶが、いまはまだ在学中 【自由記述回答】 最近は授業に行く気力が減ってきています。サークルを辞めてから、大学に知り合いがほとんどいなくなってしまい、課題やレポート の相談もできません。授業中も一人で座ることが多く、グループワークの時は特に辛いです。アルバイト先では普通に会話できるの に、なぜか大学では上手くいかず、自分に何が足りないのか分からなくて焦ります。このまま卒業までやっていけるのか不安で、夜も 眠れないことがあります。 苦労するアンケート収集を簡単に実行可能 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 21

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アンケート回答(生成AIによるペルソナアンケート回答) 以下のアンケート回答を作成(70件) © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 22

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データ分析フェーズにおける分析AI活用 データ収集 施策立案/ フィードバック 生成AIによるアンケートデータ生成 ・ペルソナアンケート データ収集 データ分析 データ分析 アンケートデータ分析のための分析AI ・テキスト分析による共起ネットワーク分析(質的データ分析) ・ベイジアンネットワークによる要因分析(量的データ分析) 分析結果活用 分析結果活用 生成AIによる仮想インタビュー ・ペルソナインタビュー ただし、生成AI利用は、あくまで実データの代替としての利用であることに注意 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 23

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量的アンケート項目と質的アンケート項目の分析手法 量的アンケート項目 質的アンケート項目 【質的データ分析】 共起ネットワーク分析 【量的データ+質的データ分析】 ベイジアンネットワーク分析 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 共起ネットワーク分析 24

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質的データ分析手法 共起ネットワーク分析 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 25

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テキストデータ分析:形態素解析 生成AIによって得られたテキスト回答データは、以下に示すような自然文です。 【質問】 最近、大学生活で感じている悩みや不安を自由に書いてください プログラミングの勉強は楽しくて充実していますが、最近は就職に向けてどの分野を深く専門的に学ぶべきか悩んでいます。AI・クラ ウド・セキュリティなど興味のある分野が多すぎて、どれに注力すべきか迷っています。また、英語力をもっと伸ばしたいと考えています が、現状の勉強時間の確保で精一杯で、新しい学習時間を作るのに苦心しています。 最近は授業に行く気力が減ってきています。サークルを辞めてから、大学に知り合いがほとんどいなくなってしまい、課題やレポート の相談もできません。授業中も一人で座ることが多く、グループワークの時は特に辛いです。アルバイト先では普通に会話できるの に、なぜか大学では上手くいかず、自分に何が足りないのか分からなくて焦ります。このまま卒業までやっていけるのか不安で、夜も 眠れないことがあります。 このような自然文をそのままテキストデータ分析に使うことはできません。 そのため、形態素解析という方法で、文章を単語単位に分解します。 悩みに関する単語がどのような単語と関係あるのかを抽出可能 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 26

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テキストデータ分析:共起ネットワーク分析 文章中に同時に出現する(共起)頻度が高い単語を ネットワークとして分析する手法が共起ネットワーク分析です。 矢印で繋がった単語のクラスタ(まとまり)ひとつひとつが、 同時に出現しやすい単語(話題)を表していると とらえることができます。 共起ネットワークを見ていくと、アンケートにどのようなことが 記述されているかの傾向を掴むことができます。 例えば「授業」、「いく」、「出る」、「出席」という単語は、 同時に出現しやすく、「授業」に関する話題であることが ひと目でわかります。 その他、「アルバイト」や「不安」などの話題も見られます。 このように、アンケートでどのような話題が多く出ているかを 共起ネットワーク分析で把握可能です。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 27

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量的データ+質的データ分析手法 ベイジアンネットワーク分析 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 28

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ベイジアンネットワークとは 「A が起きた時の B の条件付き確率」 𝑷 𝑩 𝑨 で出来事をモデリングする分析手法 条件付き確率 ◼ ある事象 𝐵 が起こるという条件の下での、別の事象 𝐴 の発生確率 𝑃(𝐴 ∩ 𝐵) 𝐴と𝐵が同時に発生する確率 条件付き確率 𝑃 𝐴 𝐵 = 𝑃(𝐵) 𝐵が単独に発生する確率 ベイズの法則 よって 𝑃 𝐴 ∩ 𝐵 = 𝑃 𝐴 𝐵 𝑃(𝐵) = 𝑃 𝐵 𝐴 𝑃(𝐴) 𝑃 𝐴 𝐵 𝑃(𝐵) 条件付き確率の式 𝑃 𝐵𝐴 = と 𝑃(𝐴) そのAとBを入れ替えたもの © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 29

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アンケート回答データでのベイジアンネットワーク設定 ベイジアンネットワークの 条件付き確率になり得る候補として、 右図のものを設定 • 量的アンケートのいずれかと 質的アンケートの話題の いずれかとの間に条件付き確率が存在し得る • 質的アンケートの話題のいずれかと 退学フラグの間に条件付き確率が存在し得る • 質的アンケートの話題は 質的アンケートの話題内の 他の話題との間に条件付き確率が存在し得る © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 退学フラグ: アンケート実施後に 退学したか否か 30

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ベイジアンネットワークによる分析 量的アンケート 質的アンケート 退学結果 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 31

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ベイジアンネットワークの解釈例 量的アンケート ベイジアンネットワークでは、データを元に、 相関関係が強いノード間に矢印が引かれます。 作成されたベイジアンネットワークの右図の部分を見てみましょう。 「出席頻度」の量的アンケート結果が、 自由記述の質的アンケートの「時間」と「課題」の 話題に相関関係があることがわかります。 共起ネットワークの「時間」と「課題」の話題に含まれる単語を確認すると、 ・時間が取れない ・課題をこなす、課題を追う という話題ではないかと推測できます。 ここから、出席頻度が高いかどうかと、 課題をこなす時間が取れないかどうかに関係があるのではないかと解釈できます。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 32 質的アンケート

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ベイジアンネットワークによる確率推論(要因分析) 「交友関係」でA、Bと 答える確率が高い 「退学する」という条件付 き確率は? 「不安」クラスタの確率が高い © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 33

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退職/退学リスクへの データ分析結果の活用 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 34

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退職/退学へのアンケート分析の活用 量的データ+質的データ 退職/退学リスク分析 定期アンケート回答 質的データ分析:共起ネットワーク 量的データ+質的データ分析:ベイジアンネットワーク 退職/退学の要因把握 退職/退学の回避 退職予防/退学予防のための施策実施 退職/退学の要因への対応 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 35

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インタビューによる深掘り分析 アンケート実施 質的データ分析:共起ネットワーク 量的データ+質的データ分析:ベイジアンネットワーク データ分析だけでは社会調査における 複雑な要因を特定するのは困難。 当事者へのインタビューの実施が不可欠。 データ分析により退職/退学の要因を推定 効率的にインタビューを実施 退職者/退学者へのインタビュー 退職/退学への施策立案 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 36 フィードバック

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分析結果活用フェーズにおける生成AI活用 データ収集 施策立案/ フィードバック 生成AIによるアンケートデータ生成 ・ペルソナアンケート データ収集 データ分析 データ分析 アンケートデータ分析のための分析AI ・テキスト分析による共起ネットワーク分析(質的データ分析) ・ベイジアンネットワークによる要因分析(量的データ分析) 分析結果活用 分析結果活用 生成AIによる仮想インタビュー ・ペルソナインタビュー ただし、生成AI利用は、あくまで実データの代替としての利用であることに注意 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 37

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ペルソナインタビュー 生成AIに以下の設定でペルソナを設定し、インタビューを実施。 あなたは現時点では大学に在学中ですが、最終的に友人関係の孤立感から退学してしまう想定です。 以下の詳細な背景設定を踏まえて、質問に回答してください。 【背景設定】 - 20歳で私立大学2年生、専攻は文学部 - テニスサークルに入ったが人間関係が合わず退会し、大学でも友人が少ない - アルバイトは週3日(カフェ勤務) - 出席率が落ち、周囲に相談できず悩んでいる - 最終的に孤立感が深まり退学を選ぶが、いまはまだ在学中 生成AIが相手であるため、以下の利点があります。 ➢ プライバシーを気にせず、インタビューの仮想実験ができる ➢ いろいろなパターンの学生を想定して仮想インタビューができる ➢ コストがかからない ➢ インタビューに不慣れなインタビュアーの練習ができる ただし、あくまで生成AIの回答なので、実インタビューの代替にはならないことに注意が必要 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 38

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インタビュー例 現在、悩んでいることを教えて下さい。 今一番悩んでいるのは、大学での孤立感です。 テニスサークルに入ったけど、人間関係が合わずに辞めてしまって、それからはあまり大学で話せる人がいない。授業も一人で受け ることがほとんどで、グループワークがあると気まずいし、昼休みも何となく時間をつぶしている。最初の頃は「そのうち気の合う人が できるかも」と思っていたけど、2年生になっても状況は変わらない。 最近は出席率も落ちていて、単位がやばいかもしれない。でも、どうにかしなきゃと思いながらも、誰にも相談できずにいる。親にも 言いづらいし、大学の先生に相談するのも気が引ける。 アルバイト先(カフェ)はそこまで居心地が悪いわけじゃないけど、仕事仲間とプライベートで仲良くするほどではないから、そこで 孤独を埋められるわけでもない。 大学に行く意味がよく分からなくなってきたし、「このまま続けるべきなのか」「辞めたほうが楽なんじゃないか」と考えることが増えた。 でも、辞めたら辞めたで後悔するのかもしれないし、正直どうすればいいのか分からない。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 39

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インタビュー例 大学の学生支援課でお悩み相談会を定期的に実施していることは知っていましたか? 正直、学生支援課で相談会をやっていることは知っていたけど、利用したことはないです。 掲示板とか大学のサイトで見かけた気はするけど、「自分が行っても大丈夫なのか」とか、「何を話せばいいのか」とか考えてしまっ て、結局行かずに終わってる感じです。 あと、こういう相談会って「本当に親身になってくれるのかな?」とか、「結局、一般的なアドバイスだけで終わるんじゃないか」と思 ってしまう部分もあって、なかなか踏み出せない。でも、誰にも話せてない状態が続いているから、一度行ってみるべきなのかとも 思う。 実際に利用したことがある人の話とか、どういう雰囲気なのか分かれば、もう少し行きやすくなるかもしれない。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 40

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インタビュー例 相談会でどういうアドバイスをもらいたいですか? もし相談会に行くとしたら、具体的な解決策や選択肢を知りたいです。 ただ「頑張ろう」とか「友達を作る努力をしよう」みたいな一般論じゃなくて、今の状況を少しでも良くするために実際に何ができ るのかを知りたい。 特に聞きたいのはこんなこと: 1.大学で孤立してしまったときの対処法 •友人がいない状態で、どうやって人間関係を広げればいいのか? •今さらサークルに入るのは厳しいけど、他に交流の場はあるのか? •一人で授業を受けることが当たり前になってしまったが、それでも大学生活を楽しむ方法はあるのか? 2.出席率が落ちてしまったときのリカバリー方法 •もうすでに単位が危うい可能性があるが、今から挽回できる方法はあるのか? •教授に相談したら何か対応してもらえるのか?(例えばレポート提出で補えるとか) •休みがちになった授業にどうやって戻ればいいのか? 3.退学する場合の選択肢とリスク •もし本当に辞めるとしたら、その後の進路はどうなるのか? •退学して後悔するケースと、逆に前向きな選択になるケースの違いは? •休学という選択肢はありなのか?(休学と退学の違いやメリット・デメリット) 今はまだ退学を決めたわけじゃないけど、このままズルズルいくのも怖いから、今できることや今後の可能性を少しでも知りたいと 思ってる。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 41

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まとめ © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 42

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まとめ 生成AIと分析AIのコラボ手法として、退職/退学リスク分析を例に、以下の分析手法をご紹介しました。 • • • • 生成AIによるペルソナアンケート 自由記述アンケート(質的データ)の共起ネットワークによる分析 設問(量的データ)と自由記述(質的データ)のベイジアンネットワークによる分析 生成AIによるペルソナインタビュー 上記の分析手法は、生成AIが得意な分野(テキスト生成、疑似人格=ペルソナ)と、 機械学習による分析AIが得意な分野(定量分析、定性分析)を組み合わせた分析手法です。 データ収集や分析、そのフィードバックが難しい社会調査への応用可能性について、 探索的な取り組みの一例としてご紹介しました。 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 43

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参考情報 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 44

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データ分析プラットフォーム 予測モデル構築、クラスタリング、 異常検知、ディープラーニング etc... 機能群 テキスト処理機能群 ベイジアンネットワーク機能群 © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 45

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ベイジアンネットワークの活用は様々な場面で広がっています ◼ ベイジアンネットワークの基本的な知識から、実務の現場でベイジアン ネットワークが使われている実践例までを幅広く紹介した書籍が出版さ れました。 BayoLinkSで実践するベイジアンネットワーク 著者:本村陽一 編著 発行元:オーム社 章題例 • • • • • ベイジアンネットワークによる製造情報論の実現 因果連鎖分析とベイジアンネットワーク 思考力を拡張させるベイジアンネットワーク ベイジアンネットワークをBayoLinkS で体験しよう …… 多くの BayoLinkS ユーザー様より ご寄稿を頂きました。是非お手にとってみてください。 https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274230486/ © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 46

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ベイジアンネットワーク・因果推論を理解するための参考書籍 ベイジアンネットワーク技術 確率的グラフィカルモデル ユーザ・顧客のモデル化と不確実性推論 本村 陽一 著・岩崎 弘利 著 発行元:東京電機大学出版局 鈴木 讓 編著・植野 真臣 編著 本村 陽一 ほか著 発行元:共立出版 https://www.tdupress.jp/book/b349930.html https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10003769.html © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 47 因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか ジューディア・パール 著・ダナ・マッケンジー 著 発行元:文藝春秋 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915968

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NTTデータ数理システム サイトより、 E-BOOK ベイジアンネットワーク入門読本 がダウンロード可能です! ※備考欄に「GASGで知った」とご記入ください※ https://www.msiism.jp/ebook.html © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 48

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お問い合わせ先 ◼ テキストマイニングツール Text Mining Studio データ分析プラットフォーム Alkano に関して ➢ 株式会社 NTTデータ数理システム : [email protected] © 2025 NTT DATA Mathematical Systems Inc. 49