Unreal Engine 移行による ワークフロー改善と開発効率の最適化 [UE5 Mobile Game Development Essentials 2025]

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October 07, 25

スライド概要

UE5 Mobile Game Development Essentials 2025 の講演における公開資料です。

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Unreal Engineを開発・提供しているエピック ゲームズ ジャパンによる公式アカウントです。 勉強会や配信などで行った講演資料を公開しています。 公式サイトはこちら https://www.unrealengine.com/ja/

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

Unreal Engine 移行による ワークフロー改善と開発効率の最適化 Epic Games Japan Lead Software Engineer, Developer Relations 鍬農 健二郎

2.

イントロダクション 概要 ● “他のゲームエンジンを利用して開発経験がある方”に対して、 “Unreal Engine をこれから使い始める方”に向けた内容 ● “移行”は”置き換え”ではなく”新しい選択肢”を知ること ● 他のゲームエンジンの良さを理解しつつUEの強みを理解する、 そして今までの経験を新しいプロジェクト(エンジン)に活かす

3.

イントロダクション モバイル市場の変化 ● グラフィックスの高度化 ● 快適なプレイ体験 ● 継続性やライブ運営要素 ● グローバルへの展開 ● マルチ/クロスプラットフォーム ● 幅広い端末に対応 開発に期待されていることは非常に多くなってきている...

4.

このような市場の変化にも ゲームエンジンを利用すれば ついていけるはず...!

5.

イントロダクション 多様な Game Engine とその強み Unity Open 3D Engine Godot Engine 開発初速と学習コストが低い 完全オープンソース 完全オープンソース 柔軟なビルドと配信が可能 Apache 2.0 ライセンス MITライセンス ホットリロードが快適 大規模・高性能向け設計 軽量で学習コストが低い 素早いプロトタイプ作成が可能 クラウド・オンライン連携 2D開発に特化した優秀さ マルチプラットフォーム展開 産業応用に強い マルチプラットフォーム展開 Asset Storeに豊富な資産がある 高い自由度を持つ拡張性

6.

イントロダクション Unreal Engine の強み ● ● ● ● ● 大規模プロジェクトに対応できる設計 AAAクラスのグラフィックス表現力 ビジュアルスクリプトのブループリント 最新機能とクロスプラットフォーム対応 誰でもアクセス可能なソースコード

7.

イントロダクション Unreal Engine の課題 最大の強みは ハイエンドな表現力と拡張性 ですが、 ● ビルドや動作の重さ ● PCスペック問題、エンジンコードのビルド、過剰な品質設定 ● 大規模開発におけるアセット・パイプラインの複雑さ ● Perforce運用、大規模アセット管理 ● 学習コストの高さ ● 人材不足、教育コスト、巨大なエンジンコード などがよくある課題

8.

これらにうまく対処しながら 開発を進めるための情報をご提供いたします

9.

導入 目次 UEのワークフロー UEモバイル開発のワークフロー UEモバイル開発のポイント まとめ

10.

Part 2 UEのワークフロー

11.

新しいゲームエンジンを始める時のあるある どこから手を付ければ良いかわからない

12.

ひとまずどのように開発をすすめるか ワークフローを知っておく

13.

UEのワークフロー Unreal Engineのワークフロー https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/unreal-engine/unreal-engines-systems-and-workflows-overview-for-unity-developers

14.

UEのワークフロー “EpicWay”は Epic が利用する王道パターン https://dev.epicgames.com/community/learning/tutorials/8JYW/epic-for-indies-setting-up-an-unreal-engine-studio-the-epic-way

15.

UEのワークフロー とはいえ、“EpicWay” は万能ではない ● 大規模プロジェクト向け ● ハイエンドターゲット ● マルチプラットフォーム前提 ● 各機能に専任の開発者がいる

16.

小規模で少人数から始めたい場合なんかは、 ちょっとハードルが高そう...

17.

既に知っている知識(他エンジンの知識)をもとに、 UEのワークフローの良い部分を取り入れて 開発をうまく進めていこう

18.

UEのワークフロー 3つのワークフロー アセット作成フロー ワールド構築フロー ビルドパイプライン テクスチャやマテリアルなど、 ゲームを構築するための小さな 要素を作成 マップ(レベル)上にアセット を配置してゲームとしてプレイ 可能なステージを構築 プログラムをビルドしたり、 アプリケーションパッケージ を作成

19.

UEのワークフロー 共通のアセット作成フロー 外部ツール で作成 エディタに インポート エディタで 調整

20.

アセット作成フロー 外部ツールとの深い連携 DCCツール連携:Blender, Maya, Houdini との双方向連携が公式提供 リアルタイム連携:Live Link, Mayaやモーションキャプチャツールと同期 インポート:一般的なリソースに加えて Datasmith/USDでシーンを取り込み可 DCC Tools Live Link Editor CAD

21.

アセット作成フロー:インポート対応フォーマット比較 カテゴリ サポートフォーマット 3Dモデル FBX, glTF, OBJ, USD (USDA/USDC/USDZ), Alembic (.abc), CAD (STEP/IGES/SolidWorks/Inventor など, Datasmith経由) テクスチャ / 画像 PNG, JPEG, BMP, EXR, HDR, TIFF, TGA, PSD, DDS アニメーション FBX, BVH, Alembic 音声 WAV, MP3, FLAC, OGG 映像 MP4, AVI, MOV データ / その他 CSV, JSON, XML, HDRI, MIDI

22.

アセット作成フロー:幅広いインポートオプション ドラッグ&ドロップによるインポート Blueprint からのインポート Python からのインポート Commandlet (バッチファイル等)でのインポート

23.

アセット作成フロー エディタ内で“総合制作”可能な環境 外部ツールで作成するような、 様々なアセットをエディタで 作成することが可能 ● ● ● ● ● ● など テクスチャ マテリアル アニメーション カットシーン エフェクト サウンド

24.

Material Editor Sequencer Persona Niagara

25.

Modeling Tools Meta Sounds Skeletal Mesh Editing Tool Texture Graph

26.

アセット作成フロー 素材を再利用可能なアセットへ ブループリント化(プレハブ化)して利用 Mesh Mesh Camera Material Character Blueprint Item Blueprint Material

27.

UEのワークフロー 共通のワールド構築フロー シーン作成 地形構築 オブジェクト 配置 ライティング 調整

28.

アセット作成フロー 手軽さと効率を両立したツール 大規模なマップを構築するための 要素もエディタ内で作成可能 ● ● ● ● など Landscape : 地形 Foliage/Grass : 草、岩、木 PCG : 自動生成物 Water : 川、海

29.

Landscape Water Foliage/Grass PCG

30.

アセット作成フロー 様々なワールドを前提とした仕組み 広大なマップを効率的に構築する ための機能も標準で容易 ● ● ● ● World Partition One File Per Actor HLOD Data Layer など HLOD: Hierarchical Level of Detail(階層的詳細度レベル)、遠景の複数オブジェクトをひとまとめにLOD化することで負荷を減らす機能

31.

World Partition One File Per Actor HLOD Data Layer

32.

アセット作成フロー:Level Instance Sceneの中にSceneが配置可能 Level Level Main Level

33.

UEのワークフロー 共通のビルドパイプライン プロジェクト 設定 ビルド テストプレイ デプロイ パッケージ化

34.

UEのワークフロー CI/CD ● Epic開発のCI/CD統合システム (Horde:ホード)で、Perforceと連動し てビルド/デプロイ/テストを実行 ● 主要機能 ○ 自動ビルド作成とスケジューリング ○ 自動テストの実行と結果の集約/分析 ○ 分散ビルド、シェーダーコンパイル ○ Webダッシュボードによる可視化

35.

UEのワークフロー:Hordeシステム構成 Horde P4 Agent Agent Agent

36.

UEのワークフロー:Horde vs その他 (Jenkins/GitHub Actions/TeamCity) 特徴 Horde その他 Unreal との親和性 Epic が UE 向けに設計した専用 CI BuildGraph や UnrealGameSync 統合さ れており、ビルド・テスト・アーティ ファクト管理などが一体化されている 汎用 CI ツールのため使いやすく設定も可能 但し Unreal 独自の構成(BuildGraph)との統 合には追加のスクリプトやプラグインが必要 プラットフォーム統合 Perforce ベースで設計され、コンソー ル開発向けのデバイス管理(SFTP 経由 のアップロードなど)にも対応 、Epic のプロジェクトでも利用されている Git リポジトリや他の SCM に幅広く対応 豊富なプラグイン(Jenkins)、ネイティブ GitHub 連携(GitHub Actions)、高品質 UI/設定(TeamCity)などがある 導入しやすさ 設定には相応の専門知識と工数が必要 一般的で情報も多く使い慣れたチームも多い TeamCity は比較的設定が簡単で直感的 テスト Gauntlet テストなどの結果をスクリー ンショット、ログ、コールスタック付き でGUI表示 Jenkins/Actions/TeamCityでもビルド結果 ・テスト結果の表示は可能だが、UE 向けの高 度な可視化はデフォルトではない 運用環境 クラウドでもオンプレミスでも稼働可能 専用のストレージやエージェントを用い て分散ビルドにも対応 サーバー環境(ホスト)+エージェントで構成 され、既存のインフラへの導入が容易

37.

UEのワークフロー 高速な実機確認 ● モバイル端末上での確認のイテレーション が悪いので、実機でしか出ないバグの修正 は後回しになりがち ● Zen Streaming はアセットを実機に配置 せずにストリーミングで読み込む機能 ● 他エンジンと比較しても初回の確認は遅く なりがちだが、2回目以降は早い Zen Streaming

38.

UEのワークフロー モバイルプレビュー ● PC上でモバイル機と同じレンダリング 内容をプレビュー表示 ● PC上で確認できるので、見た目の調整 をするためにモバイルデバイスにアプ リをインストールしなくてよい ● 自分が所持していないモバイルデバイ スの見た目もエディタ上で確認が可能

39.

UEのワークフロー Emulator / Simulator ● PC上でスマートフォンを再現するアプリ (疑似操作画面)を操作してモバイルでの プレビューが可能 ● エミュレータについては各SDKのツールに 同梱されているシミュレータを起動 ○ Android Emulator ○ iOS Simulator ● テストで有効 ○ 持っていないデバイスのテストや フリック、タップ操作もPC上で確認

40.

こちらで詳細を説明

41.

そのほか、エコシステムとの連携

42.

Epic Ecosystem TO O SE TS Quixel AS Twinmotion LS Unreal Engine 5 Reality Capture Marketplace / Fab MetaHuman Epic Online Services Epic Games Store COMMUNITY Fortnite / UEFN

43.

エコシステム/ツール連携 FAB アセット購入 Horde CI/CD prototype Sketchfab アセット入手 UBA 分散ビルド Texture Editor Mesh Editor アセット編集 pre-production Reality Capture Reality Scan スキャン Quixel 高品質 アセット Bink ビデオ コーデック KWS 保護者検証 beta alpha Metahuman 高品質 キャラクタ Epic Online Services クロスプレイ Unreal Insights プロファイル Epic Games Store リリース

44.

高品質なコンテンツを作成するための 仕組みとワークフローを標準で備えている

45.

Part 3 UEモバイル開発のワークフロー

46.

コンソール/PCの開発はできるが モバイル開発はどうなの?

47.

モバイル開発のワークフロー:理想 Windows コンソール機 エディタ 開発用PC エディタで確認できたら 後は各プラットフォームの パッケージ化をするだけ Android iOS

48.

これでうまくいけば楽なのですが、 実際には様々な要素を考慮する必要がある

49.

こちらで詳細を説明

50.

できるだけクオリティを担保しつつも 無駄なアセットや調整は必要としない 保守性の良い状態を維持したい

51.

Unreal Engineにはそれらを実現する 便利な機能がある

52.

モバイル開発のワークフロー:理想 Windows コンソール機 エディタ 開発用PC Android iOS

53.

モバイル開発のワークフロー:デバイスプロファイル IOS共通 設定 IOS iPhoneSE用設定 ScreenDensity:326 Device Profile エディタ 開発用PC iPhoneSE iPhoneX用設定 ScreenDensity:401 iPhoneX 設定ファイルの調整で デバイス(端末)毎の設定を 細かく調整可能 iPhone16Plus用設定 ScreenDensity:460 iPhone16Plus

54.

モバイル開発のワークフロー:スケーラビリティ Windows用設定 描画品質:Epic Windows コンソール用設定 描画品質:High Device Profile エディタ 開発用PC コンソール機 Scalability Android用設定 描画品質:Middle Android 設定ファイルの調整で 品質設定毎の設定を 細かく調整可能 iOS用設定 描画品質:Middle iOS

55.

こちらで詳細を説明

56.

モバイル開発のワークフロー:出力先への対応 Windows Device Profile Scalability コンソール機 エディタ 開発用PC Android iOS

57.

あとは機能的な制約による違いを把握

58.

他のゲームエンジンでもそうですが、 Unreal Engineにも機能的な制約があります ● そもそもモバイルではサポートしていない ● サポートしているがパフォーマンスに影響

59.

なぜコンソール/PCではサポートしているが、 モバイルではサポートしていない機能があるか? ● ハードウェアスペックによる制約 ● プラットフォームの制約 が大きい

60.

モバイル開発のワークフロー カテゴリ 機能 対応 補足 レンダリング Mobile HDR △ バッテリー負荷大、古い機種では非推奨 Lumen △ 一部の高性能端末でのみサポート Nanite △ UE5.3 以降 Android/iOS で実験的サポート Virtual Shadow Maps × モバイルデバイスの制約により非対応 Cascaded Shadow Maps ◯ 制限ありだが利用可能でモバイルの標準的な手法 Screen Space Reflections △ ForwardReneringの制約で負荷が高く限定的な利用 Ray Tracing △ モバイルデスクトップの一部機種のみ Temporal Super Resolution △ 高性能機種のみ利用可能だが限定的 Virtual Texturing △ 一部機能制限あり、メモリ制約のある端末は注意

61.

モバイル開発のワークフロー カテゴリ 機能 対応 補足 ワールド World Partition 〇 Streaming Cell数に注意 Landscape 〇 解像度、マテリアル制限 Water System △ 描画負荷が高い Chaos Physics 〇 複雑なシーンは負荷に注意 Chaos Destruction △ モバイルではスケールダウン必須 Chaos Cloth △ 簡易設定で利用 Niagara VFX 〇 大量のパーティクルは注意 Niagara GPU Sim △ 古い機種では非対応 Meta Sounds 〇 制限なし

62.

モバイル開発のワークフロー カテゴリ 機能 対応 補足 ネットワーク Online Subsystem 〇 利用可能 Epic Online Services 〇 利用可能 UMG 〇 利用可能、タッチ入力にも対応 Slate 〇 利用可能 Common UI 〇 利用可能 Enhanced Input 〇 タッチ、ジェスチャー、加速度センサー対応 Mass Framework 〇 大量のエンティティ処理はパフォーマンスに影響 Animation 〇 利用可能 UI ゲームプレイ

63.

要約すると、 ● レンダリング:非対応やパフォーマンスの懸念 ● ワールド:基本利用可能だがパフォーマンスに注意 ● ネットワーク・UI・ゲームプレイ:利用可能

64.

モバイル開発のワークフロー:出力先への対応 Windows Device Profile Scalability コンソール機 エディタ 開発用PC Android iOS

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モバイル開発のワークフロー:出力先への対応 モバイルワークフロー これらは愚直に やる作業 World DataLayer分岐 Windows PerPlatform Override Device Profile エディタ 開発用PC コンソール機 Scalability Blueprint やコードで分岐 Android アセットの物理分岐 iOS

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愚直にやる部分であっても、 Unreal Engineにはそれらを実現する 便利な機能がある

67.

モバイル開発のワークフロー:ダウンスケール アセット作成フロー (スタティックメッシュ) ● 共通作業 共通FBXから統一メッシュを作成 NaniteはPC/Consoleのみで使用 ● モバイル最適化設定 MinLOD / ScreenSizeを調整 小物:LOD0 500〜1000 tris / LOD2まで 背景:LOD0 2000〜10000 tris / LOD3まで (HLOD統合を前提に簡略化) ● 特殊対応 モバイル専用アセットを作成(差が大きい場合)

68.

モバイル開発のワークフロー:ダウンスケール アセット作成フロー (スケルタルメッシュ) ● 共通作業 共通FBXから統一スケルタルメッシュを作成 ● モバイル最適化設定 ボーン総数:70以下、インフルエンス:4 Clothは更新頻度を制限または無効化 物理シミュレーションは軽量化/OFF ● アニメーション最適化 カーブ/通知を削減 ループ再生に限定するなどで処理を簡略化

69.

モバイル開発のワークフロー:ダウンスケール アセット作成フロー(テクスチャ/マテリアル) ● テクスチャ設定 最大サイズ:1024(UIは非圧縮) 圧縮設定:ASTC 6x6(ノイズ系は5x5/4x4) → 高画質を保ちながら容量を削減 ● マテリアル設定 QualitySwitch, FeatureLevelSwitchで処理分岐 SSRなど高負荷な処理はモバイルで無効化 → 描画負荷を抑え、フレームレートを安定化

70.

モバイル開発のワークフロー:ダウンスケール ワールド構築フロー(ワールド) ● World Partition モバイルでは小さめのストリーミング設定 (128〜256m)でエリアを細分化 ● Data Layers 装飾やVFXを分離しモバイルのマップから除外 モバイル用ライトベイク/反射/PPも専用に分割 ● HLOD 常時生成し、マテリアルとLightmapを簡易化 → CPU負荷と描画負荷を抑えつつ共存

71.

自社タイトルでモバイル対応したから モバイル開発に必要な機能を備えている

72.

Part 4 UEモバイル開発のポイント

73.

どのエンジンを使ってもモバイル独自の課題には直面する モバイル開発独自の課題を解決するための、 UEでのアプローチ(ワークフローと機能)を紹介

74.

モバイル開発のポイント おさえておきたいポイント パフォーマンス最適化 パッケージサイズ削減 ゲームがカクカクして遊べない インストールすると他のゲームが遊べない 長い暗転のロード待ちにうんざり 仕方ないからインストールするのやめるか パッケージ配信効率 ランタイムメモリ最適化 初回DLが長すぎて始められないゲーム アプリケーションが良く落ちて遊べない 頻繁に要求される巨大パッチのDL ゲームを起動していると動作が不安定

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モバイル開発のポイント 1. パフォーマンス最適化 ● ● ユーザー体験への影響 ○ 操作の反応が遅い・画面がカクつくと、すぐに遊ばれなくなる ○ スマホはPCより性能が低く最適化していないと重くなったり熱暴走が起きる OSの制約 ○ Androidでは5秒以上固まると「応答なし」が出る ○ iOSではハングやCPUの使いすぎでアプリが強制終了される ○ CPUを使いすぎるとバッテリー消費や発熱が増えてガイドライン違反になる

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モバイル開発のポイント 1. パフォーマンス最適化 ● 端末ごとに品質を調整 ○ ● ● Device Profile, Scalabilityで柔軟に調整 レンダリング設定の見直しと最適化 ○ フォワードレンダリングやHDRオフで軽量化 ○ メッシュマージ、インスタンシング、HLODの利用 パフォーマンスを計測して改善 ○ statコマンドや Unreal Insights で重い箇所を探す

77.

モバイル開発のポイント 2. パッケージサイズ削減 ● ● ダウンロードとインストールのハードル ○ アプリが大きいとユーザーがダウンロードをためらう ○ Androidでは圧縮後200MBが上限となるため注意が必要 ○ 起動時間が長く動作も重くなり、メモリ使用量や電力消費も増える ストレージ容量の制限 ○ 容量が大きいアプリは他のデータを圧迫して削除されやすい ○ ユーザーも空き容量を確保するために重いアプリを消す

78.

モバイル開発のポイント 2. パッケージサイズ削減 ● ● 不要なアセットの削除 ○ 使われていないアセットは削除 ○ Reference Viewerで不要な参照を確認 ○ 使わないプラグインやサブシステムの無効化 アセット圧縮と品質調整 ○ AndroidではASTC圧縮を活用 ○ Size Mapでアセットサイズを確認

79.

モバイル開発のポイント 3. パッケージ配信設計 ● ● 必要なデータだけを配信する ○ 最初は遊ぶために必要な最低限だけを入れる ○ 追加データは、プレイ中や後から必要な分だけダウンロード ○ 不要なタイミングでの大容量DLはストレスになる アップデート配信を軽くする ○ Androidでは100MB+追加分150MB以内が目安 ○ iOSでは200MB超はWi-Fi必須、4GBを超えると審査に通りにくい

80.

モバイル開発のポイント Chunk:0 コアデータ 3. パッケージ配信設計 ● ● コンテンツを分けて管理する(チャンク化) ○ Asset Managerを使ってデータを分割 ○ ChunkDownloaderで必要なチャンクをダウンロード ○ 差分パッチによる最小の変更差分を配信 Androidにおける分割配信 ○ ● Google PAD Pluginを使って大容量アセットを分けて配信 iOSにおける分割配信 ○ On-Demand Resources (ORD) の機能にはまだ未対応 ○ Mobile Patch UtilityやChunkDownloaderで対応 Chunk:1 Chunk:2-5 チュートリアル 初回DLデータ

81.

モバイル開発のポイント 4. メモリ最適化 ● ● アプリのクラッシュや強制終了を防ぐ アプリ アプリ 他のアプリ 他のアプリ OS OS RAM ○ メモリの使いすぎでOSがアプリを強制終了する ○ Androidは優先度の低いアプリから終了、iOSも過剰使用で終了される 性能や電力にも影響 ○ AndroidはGCが頻発すると処理が重くなる ○ iOSは大量のメモリを保持によりCPU負荷や電池消費も増える Crash

82.

モバイル開発のポイント 4. メモリ最適化 ● ● ● 使うメモリを減らす ○ テクスチャは解像度やMipMapを調整 ○ アニメや音声は圧縮、ストリーミングを活用 オブジェクトの管理を工夫する ○ 使い回せるデータはプーリングで再利用 ○ 不要になったデータは早めに開放する メモリ使用量を調べる ○ Memory Insights でメモリ使用量を確認し改善

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Part 5 まとめ

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イントロダクション Unreal Engine の強み ● ● ● ● ● 大規模プロジェクトに対応できる設計 AAAクラスのグラフィックス表現力 ビジュアルスクリプトのブループリント 最新機能とクロスプラットフォーム対応 誰でもアクセス可能なソースコード 再掲

85.

まとめ Unreal Engine の課題 最大の強みは ハイエンドな表現力と拡張性 ですが、 ● ビルドや動作の重さ ● PCスペック問題、エンジンコードのビルド、過剰な品質設定 ● 大規模開発におけるアセット・パイプラインの複雑さ ● Perforce運用、アセット管理 ● 学習コストの高さ ● 人材不足、教育コスト、巨大なエンジンコード などがよくある課題 再掲

86.

まとめ Developer Assistant で学習

87.

まとめ 実践的な情報や質問の公開 EPS (Epic Pro Support) の情報をEDC (Epic Developer Community) にて公開

88.

その他、コミュニティや各種イベントでも、 積極的にUEに関する情報を発信しています!

89.

Thank you! EPIC GAMES JAPAN

90.

Thank you! EPIC GAMES JAPAN