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June 22, 24
スライド概要
6月21日開催講演
株式会社ブランドデザイン 代表取締役。食品会社、広告会社を経て、2003年に名古屋工業大学大学院 産業戦略工学専攻 准教授に着任。その後、名古屋工業大学 産学官金連携機構 特任教授、厚労省所管 職業能力開発総合大学校 教授を経て2019年6月より現職。デミング賞審査委員会委員、日本品質奨励賞審査委員、㈱安川電機 社外取締役、㈱ジェイテクト 社外取締役を務める。専門はブランドマネジメント、主戦場は「事業開発」。企業の事業価値創造プロジェクトや幹部人財育成など企業指導多数。主な著書として『日本品質管理学会選書9 ブランドマネジメント:究極的なありたい姿が組織能力を更に高める』(日本規格協会)、『理想追求型QCストーリー』(日科技連出版社)など。
【Jスペシャル】 BM活動のすすめ 顧客価値創造活動がもたらす経営資本増大 加藤雄一郎 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 1
目次 第1章 問題提起:あなたはどちらのキャリアを目指すか 第2章 事業開発の全体像 第3章 新たな価値創造観の登場 第4章 環境適応:ダーウィン進化論はビジネスにも当てはまる 第5章 競争戦略、再考 第6章 新たな全員参加型経営 第7章 QC大会と双璧を成すBM大会創設のすすめ 第8章 最終章: 顧客価値創造活動が企業にもたらす経験 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 2
第1章 問題提起 あなたはどちらのキャリアを目指すか BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 3
「担当者」 と 「経営者」 <担当者> <経営者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 vs 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない (楠木, 2013) BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 4
あなたはどちらのキャリアを目指すか <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 vs 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 5
経産省提言 事業創造人財育成の必要性 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 6
いま企業が育てるべき人財 <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 vs 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業の持続的競争優位の確立を担う 「事業創造人財」を育成することの重要性 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 7
いまの人財育成は、専門的な知識やスキルなど 担当者レベルの遂行能力向上に注力しがち。 事業開発や事業化の能力が身についていない人たちが 担当業務に優れているという理由だけで上位職者になるから 「技術に優れ、事業で負ける」という事象が起こる 人財育成に関する現場の声 組織の分業化が加速した結果、 商品の高度化に対応すべく いまの事業が今後どうなっていくか 組織は高い専門性をもって細分化された。 それを判断をできるのは 一部のマネジメントに限られている。 しかし今後は、 事象を鳥瞰的に捉え、 特に若手従業員のレベルでは 戦略・ビジネスモデルを立案・実行できる人を 事業全体を俯瞰しにくくなっている。 育成していく必要がある。 @品質管理シンポジウム BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand
多くの企業が直面する人財育成策の課題 スーパー業務担当者 スキル <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 業務遂行の更なる知識・スキルの注入は 「スーパー業務担当者」を量産するだけという指摘がある BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 9
事業創造者を育成するポイントは何か <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業創造者へと進化させるポイントは何か BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 10
事業創造者を育成するポイントは何か <業務担当者> <事業創造者> 担当業務の遂行 筋の通った儲け話づくり 分析的 綜合的 スキル センス 測定可能 特定少数の物差し無し 習得方法アリ 直接的な習得方法なし 教書 研修プログラム 資格・階級 商売を丸ごと任せるなど センスが育つ環境を 提供することしかできない 事業創造者へと進化させるポイントは何か 顧客価値創造活動 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 11
第2章 事業開発の全体像 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 12
開発に求められる 「構想力」 と 「実装力」 構想 と 実装 事業構想 組織開発 事業開発=事業構想+組織開発 →15:20 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 13
事業開発の全体像 外部 適応 事業ドメイン 価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 実現手段としての 商品群づくり 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 14
1.何屋規定: 事業ドメインの価値定義 当事業は、顧客の何の実現にコミットするのか? 当事業は顧客の の実現にコミットすることによってなくてはならない存在になる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 15
2.顧客進歩ストーリー 具体的に、顧客は何をできるようになれば喜ぶか? 顧客が目指すありたい姿 前頁の事業ドメイン価値定義の内容 みらいの <ホップ> <ステップ> <ジャンプ> まず こういうことができるようになり それができれば こういうことができるようになり 経験の蓄積によってついに こういうことができるようになる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 16
3.マネタイズ・シナリオ 前記にコミットすることによって 当事業はどのように対価を獲得できるのか まず何を売って 極めつけに何を売るか 次に何を売って さらに何を売って BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 17
4.求められる自社組織行動 具現化するために、みんなで何をできるようになる必要があるか? マネタイズシナリオの実現に向けて、できるようになるべきこと 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 18
5.活動システムの全体像 一連の過程はどのような活動連鎖で表されるか? Do 5 Do 1 Do 3 Do 8 Do 12 Do 4 Do 10 Do 14 Do 12 Do 7 Do 5 Do 6 Do 9 Do 2 Do 4 Do 11 Do 13 Do 15 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 19
6.部門間連携の見える化 (QA体系図) 各部門は、どのタイミングで、何をするのか? 各部門 業 務 品質保証体系図とは品質 保証のために、どの部門が、 どのような活動を、どのような 順序で担当して実施するの かが一目で分かる図のこと。 企業組織全体で「どのプロ セスで、どの部門が、どの活 動を、どんな目的で、どの規 定や標準類に従って」品質 保証活動が行われているの かが一目で分かる図。 「部門間連携の全体像を 見える化した図面」といえる。 品質保証体系図 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 20
7.業務分掌: 各部門が担う業務の明確化 各部門は何を業務として担うのか? 部門1: ・・・・・・・・・・ 業務 業務内容 部門2: ・・・・・・・・・・ 1 業務 2 業務内容 部門3: ・・・・・・・・・・ 3 1 4 2 5 3 1 6 4 2 7 5 3 8 6 4 9 7 5 10 8 6 9 7 10 8 業務 9 10 業務内容 部門N: ・・・・・・・・・・ 業務 業務内容 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 21
8.職務分掌: 従業員各人に求められる遂行レベル いま各人は何をやれているか? 今後、何をやれるようになるべきか? 業務1: ・・・・・・・・・・ 業務内容: 業務2: ・・・・・・・・・・ 上手な人 作業標準 業務内容: 下手な人 工数: 工数: 工数: 人工 人工 上手な人 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 組織全体として 工数: 人工 目指す標準レベル をここに概説 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 人工 作業標準 業務内容: 下手な業務遂行 工数: 人工 の下手さ加減を ここに概説 上手な人 組織全体として 工数: 人工 目指す標準レベル をここに概説 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 業務3: ・・・・・・・・・・ 下手な人 工数: 人工 作業標準 下手な業務遂行 工数: 人工 の下手さ加減を ここに概説 組織全体として 目指す標準レベル をここに概説 下手な人 工数: 人工 下手な業務遂行 の下手さ加減を ここに概説 業務N: ・・・・・・・・・・ 業務内容: 上手な人 作業標準 下手な人 工数:0.5人工 工数:0.9人工 工数:1.2人工 上手な業務遂行 の上手さ加減を ここに概説 組織全体として 目指す標準レベ ルをここに概説 下手な業務遂行 の下手さ加減を ここに概説 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 22
中核は「顧客Do」と「自社Do」 事業開発の全体像 外部 適応 事業ドメイン価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? まず何を売って 極めつけに 何を売るか 次に何を売って 顧客Do 更に何を売って 実現手段としての 商品群づくり 自社Do 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 23
「顧客Do」 と 「自社Do」 【顧客Do】 顧客は何をできる ようになれば喜ぶか? 【自社Do】 我々は何をできる ようになる必要があるか? 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9 10 10 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand
考え続けるべきこと 中長期的見地に立ち 1.顧客は何をしたいか? 2.我々は何をすべきか? 2タイプの“Do”を考え続ける BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 25
なぜ、Doなのか? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 26
第3章 新たな価値創造観の登場 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 27
【1】 サービス・ドミナント・ロジック マーケティング界のガレリオ・ガリレイの登場 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 28
サービス・ドミナント・ロジック 価値の所在 GDロジック SDロジック (グッズ・ドミナント・ロジック) (サービス・ドミナント・ロジック) 価値は、 工場出荷時点で「モノ」に備わっている 価値は、 顧客がモノを使いこなすことによって生まれる モノは、価値を実現するための道具。 よって、〔モノの提供 = 道具の提供〕 「価値提供」 という言い回し の是非 モノは、価値を具備している。 よって、〔モノの提供 = 価値の提供〕 価値について企業ができることは 「提供」ではなく、「提案」に留まる。 企業が「道具」を提供。 顧客は道具に自らの「知識・スキル」を適用。 「道具の提供」と「知識・スキルの適用」によって 価値は共創される。 生まれる価値 商品を箱から出して、スイッチを入れれば の種別と度合い 誰でも同じ価値を享受できる モノを使いこなす顧客の知識・スキルによって 生み出される価値は異なる。 今日のマーケティングパラダイムにおいて ハード・ソフトは価値を実現するための道具にすぎない。 価値は、顧客が道具を使いこなすことによって生まれる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 29
【2】 デザイン思考 デザインすべきは何か? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 30
私たちがデザインすべきは 名詞ではなく、動詞なのだ。 「電話」というモノをデザインするのではなく、 「電話をかける」という行為をデザインするのだ by IDEO BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 31
<最も重要な着眼点> 「動詞」で考える BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 32
名詞ではなく、動詞で考える モノそれ自体をデザインするのではなく 行動をデザインする それも一つの行動ではなく、 一連の行動に着目し、行動の連続をデザインする = 顧客のプロセス これがカスタマ・エクスペリエンスのデザイン カスタマの経験をもとにデザインすることで 市場に受け入れられる商品をつくることが容易になる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 33
【3】 Doニーズ 顧客ニーズ三層構造のなかで SDロジックに基づき特に着目すべき最重要層 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 34
顧客ニーズの構造 Beニーズ どうなりたいのか? 目的 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? 目的 手段 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 35
事例1 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 手段 目的 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 Haveニーズ 忙しいけど どうなりたいのか? 美しくあり続けたい 毎日、手間をかけることなく 何をしたいのか? 時間をうまく使って美容ケアしたい 寝ている間に どんな道具が欲しいのか? 本人が知らぬ間に肌を潤す道具が欲しい どんな道具が欲しいのか? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 36
事例2 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 手段 目的 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? 若手や女性が活き活きと働いている 安全でスマートで未来感のある土木施工 どうなりたいのか? を行う会社になりたい 工事前の地形から完成形までの間 機労材を完全コントロールしながら 何をしたいのか? 安全かつ正確に土を移したい 日々の出来形、出来高、コストを 自動的に分かりやすく、リアルタイムに把握できる どんな道具が欲しいのか? システムが欲しい BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 37
顧客ニーズの構造 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 目的 手段 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? 最も普遍的なニーズであり、B2Cでは別名「人生ニーズ」と呼ばれ る。「こう在りたい」、「こうなりたい」など、“Be”あるいは “Become”を用いた表現になることからBeニーズと呼ばれる。 上記Beニーズを満たすために「何をしたいか」、「何をできるよう になりたいか」といった行為ニーズが後続する。「自身の人生ニー ズの実現に向けて、製品あるいはサービスを通じて、何をすること ができるようになりたいか」という問いの答えに相当する。 Doニーズを満たすための具体的な「手段」を求めるニーズ。「上記 Doニーズを実現するために、具体的にどのような道具が欲しい か」という問いの答えに相当する。 ニーズの深層には、普遍的な「基本(be)ニーズ」があり、それを満たすために「行為ニーズ(do)」が手段 として発生する。さらに、Doニーズを満たすための手段として、「実現手段が欲しい」というHaveニーズ が発生する。このように、顧客が製品・サービスを受容する背後には、Beニーズ→Doニーズ→Have ニーズという複数のニーズが、“目的-手段”の関係で階層的に繋がっている。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 38
今日的な顧客価値創造の着眼点 経験価値 目的 Beニーズ どうなりたいのか? 目的 手段 Doニーズ 何をしたいのか? 手段 顧客経験 経験デザイン デザイン思考 「顧客は何をすることができるようになれば喜ぶか?」 という視点からの顧客価値創造 Haveニーズ どんな道具が欲しいのか? <最新の顧客価値創造の着眼点> 「顧客ができるようになること」を新たに創り出すこと 「新たなDoニーズ」を創り出すこと BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 39
我々が開発すべきは何か 【開発すべき中心的対象】 「製品開発」から 製品を介した 「行動開発」へ 顧客の BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 40
「顧客Do」 と 「自社Do」 行き来することが肝要 【顧客Do】 顧客は何をできる ようになれば喜ぶか? 【自社Do】 我々は何をできる ようになる必要があるか? 1 1 2 2 3 顧客が 何をできるようになるために 3 4 4 5 5 6 6 7 8 顧客は 何をできるようになるか 7 8 9 9 10 10 我々は 何をできるようになればよいか 我々が 何をすれば BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand
ポイントは「8の字」を描くこと 事業開発の全体像 外部 適応 事業ドメイン価値定義 組織オペレーション 全体方針 <What> <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 当該事業は 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 顧客Do 実現手段としての 商品群づくり 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 自社Do 内部 適応 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 42
【キーワード】 外部適応から内部適応に至る 一気通貫 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 43
第4章 環境適応 強い者が生き残るのではい。 生き残ることが出来るのは、 変化に対応できる者である。 ダーウィン BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 44
環境適応の大別 企業の環境適応は「外部適応」と「内部適応」に大別される 【ポジショニング・アプローチ】 自社を取り巻く外部環境の要求 に応えながら自分たちを適合させる 外部適応 高 【リソース・ベースト・ビュー】 組織内部の諸機能の 最適な組合せを構築する 低 内部適応 低 高 企業の優位性は、企業の資産や組織の独自性や能力にあると同時に 自社製品が市場という外部において顧客から他社より優れていなければ持続困難 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 45
日本企業には戦略がない by 某学者 彼らは持続的改善によって オペレーション効率を向上させた。 結果として、高いQCDを実現した。 しかし、 オペレーション効率の向上は戦略ではない。 「オペレーション効率」と「戦略」は 企業が収益を上げる両輪だ。 しかし、両者は区別されなければならない。 Nagoya Institute of Technology, BRAND DESIGN 46
我が国製造業の現状 【ポジショニング・アプローチ】 自社を取り巻く外部環境の要求 に応えながら自分たちを適合させる 外部適応 高 【リソース・ベースト・ビュー】 組織内部の諸機能の 最適な組合せを構築する 低 内部適応 低 高 QCD追求は第4象限。 我が国製造業の多くが第4象限に留まるという指摘がある。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 47
ゴールは第1象限への移行 【ポジショニング・アプローチ】 自社を取り巻く外部環境の要求 に応えながら自分たちを適合させる 外部適応 高 【リソース・ベースト・ビュー】 組織内部の諸機能の 最適な組合せを構築する 低 内部適応 低 高 事業発展は第1象限以降なくしてありえない。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 48
事業発展の推移 【ポジショニング・アプローチ】 自社を取り巻く外部環境の要求 に応えながら自分たちを適合させる 外部適応 高 【リソース・ベースト・ビュー】 組織内部の諸機能の 最適な組合せを構築する 低 内部適応 低 高 ただし、第4象限から第1象限への一足飛びはない。 事業のポジショニングを再設定後、 組織オペレーションの構築が不可欠 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 49
経団連 元副会長の提言 第100回 品質管理シンポジウム これからの日本は ビジネスモデルで先行し, その上で現場力の勝負 に持ち込めば、 負けることはない 経団連 元副会長 コマツ 顧問/元代表取締役社長 坂根正弘氏 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 50
第5章 競争戦略、再考 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 51
競争戦略とは 「違い」をつくること BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 52
経済学 vs 経営学 完全競争 熱烈歓迎! 脱・完全競争! BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 53
競争戦略とは「違い」をつくること 完全競争は、利潤ゼロ 利潤を獲得するとは 他社と同じではないということ だから、違いをつくる 違いのつくり方には2つある。 「位置取り」の違いと、「組織能力」の違い。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 54
競争戦略における2つの「違いのつくり方」 位置取りの戦略 組織能力の戦略 (positioning approach) (resource-based view) 考え方の誕生時期 基本的な立場 70年代 80年代 競争優位の源は 企業外部にある 競争優位の源は 企業内部にある 外部環境における 「自社の位置づけ」に着目し 違いづくりの着眼点 「うまいこと儲かるところに 身を置こう」という考え方 レストランにたとえると ジャンルの戦い 「仕事のやり方」に着目し (ways of doing thing) 「他社と違う道具と 運用方法でうまくやろう」 という考え方 厨房の戦い BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 55
競争戦略のタイプ 外部適応 位置取り Strategic Positioning 明確 内部適応 不明確 組織能力 弱い 強い Organizational Capability 競争戦略は「位置取り」と「組織能力」から構成された4象限で表すことができる 位置取りが明確、かつ、組織能力が強い場合が最強となる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 56
我が国製造業の現状 外部適応 位置取り Strategic Positioning 明確 内部適応 不明確 組織能力 弱い 強い Organizational Capability 「日本企業には戦略がない」というポーターの主張は 位置取りを明確にすることの必要性を説いている BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 57
競争戦略のタイプ 外部適応 位置取り Strategic Positioning 明確 内部適応 不明確 組織能力 弱い 目指すは 強い Organizational Capability 第1象限 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 58
競争戦略 事業の位置づけ < SP: Strategic Positioning > 当該事業は顧客の何を実現して儲けるのか? ⇒ What 組織能力 < OC: Organizational Capability > 上記をどのように実現するのか? ⇒ How 極論すれば事業構想で意思決定すべきは上記2点 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 59
事業構想基本フレーム 事業開発の流れ 【事業の戦略的ポジショニング】 顧客の何を実現して儲けるか? 【収益獲得シナリオ】 Strategic Positioning: SP 「何を実現するのか?」というWhatの答え まず何を売って 極めつけに何を売るか 次に何を売って 更に何を売って 【組織オペレーション】 上記をどのように実現するか? 【活動システム】 Organization Capability: OC 「どのように実現するのか?」というHowの答え 競争戦略の二大項目(SPとOC)をカバー BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 60
事業構想基本フレーム 事業開発の流れ 【事業の戦略的ポジショニング】 顧客の何を実現して儲けるか? 【収益獲得シナリオ】 まず何を売って 極めつけに何を売るか 次に何を売って 更に何を売って ① 外 部 適 応 外部適応 高 ① ② 【組織オペレーション】 上記をどのように実現するか? 【活動システム】 ② 内 部 適 応 低 低 高 内 部 適 応 「いかに環境適応するか」を表したものといえる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 61
だから八の字を描くことが肝要なのです 外部 適応 事業ドメイン 価値定義 <What> 組織オペレーション 全体方針 <How> 事業の戦略的ポジショニング 組織能力 < SP: Strategic Positioning > < OC: Organizational Capability > 顧客の何の実現にコミットするか? 左記SPをどのように実現するか? いかに収益化 (マネタイズ)するか 内部 適応 具体的に 顧客は何をできれば 喜ぶか? 左記を実現すべく 我々は何をできる ようになるべきか? 品質保証体系 (部門間連携の見える化) 各部門 業 務 の 流 れ 実現手段としての 商品群づくり 活動システムの策定 (活動連鎖の見える化) 価値共創テーマ ハード ソフト ハード みらいの ハード <ホップ> <ステップ><ジャンプ> ハード ソフト ハード ソフト BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 62
[Q] 構想するのは誰か? 全員です BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 63
第6章 新たな全員参加型経営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 64
企業経営を支える様々な取組み 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 足腰を鍛えるインフラ整備 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく取組み 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための取組み 活動に継続性をもたせるための運営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 65
経営ツールとしてのTQM 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 TQM 品質/質を中核に 「①顧客及び社会のニーズを満たす製品・サービスの提供(CS)」と 「②働く人々の満足を通した組織の長期的な成功(ES)」を目的とし TQM プロセス・システムの維持向上・改善・革新を 全部門・全階層の参加で 経営環境の変化に適した効果的・効率的な組織運営を実現する方法 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 66
TQMが擁する各種手法 企業が取組むべきことは コスト削減や新商品開発、ビジネスモデル革新など多岐にわたる。 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 足腰を鍛えるインフラ整備 方針管理 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 課題達成型QCストーリー 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための運営 「QCサークル活動」及び「QC大会」 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 67
一見すると盤石。しかし、 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 68
企業が直面する実態 売上・利益・市場シェアなど、欲しい数値結果だけを示し、戦略を伴わない全社方針 • • • • • 売上、利益、市場シェア、生産性など結果指標に重点を置かれている 数字だけを重視した目標設定となっている。しかも、それが評価に直結している 「売上等」の結果目標となりがち。その背景となる戦略や施策が浸透していない 業績目標、注力セグメントを中心に方針が構成されている 数値目標を上位から下位へ配分するだけの方針展開 総花的で何が重要かわからない全社方針(とりまとめただけ・前年踏襲・いきなり機能別管理) • • • • 各部門の目標と重点活動を取りまとめて並べただけの積み上げ型の全社経営方針 上位方針は、前年度の達成水準をすこし高めただけの踏襲に留まっている 「現状起点」で「現状の延長」の「業績目標、領域拡大目標」 最上位方針がすでに機能別管理になってしまっており、事業がこの先どこへ向かおうとしている のかわからない 戦略不在が招く、部門間の不整合と組織的なコミュニケーション不足 • 上位方針が実現される為の部署間でのヨコの調整が十分図られていないケースが散見。そ の問題の背景は、各部署のマネージメントの視点が自部署の守備範囲に偏っていること。 • 自部署に有利な解釈をしてしまいます。横断的組織に目標を持たせ、横の繋がりで達成する 動きをとれる場を作る必要がある。 • 改善活動、QCサークルなど小集団活動、自工程完結は事業全体からみた狭い範囲の内 部適応策になり、部分最適化の追求に留まるリスクがある。 69 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand
着目すべき決定的箇所 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための推進形態 QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 現行のTQMは、組織改善を施す「場」が存在する一方で 組織発展を施す「場」は十分か? BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 70
創設された新たな場 【組織を発展させるための取組み】 【組織を改善させるための取組み】 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー BM大会 活動に継続性をもたせるための推進形態 QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 QC大会と双璧を成す 新たな「場」としてBM大会が創設された BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 71
BM大会の位置づけ 【組織を発展させるための取組み】 BM大会 【組織を改善させるための取組み】 各部門および従業員各人の 知を活かした 事業構想参画 重点志向に基づく戦略実現 方針管理 足腰を鍛えるインフラ整備 日常管理 方針管理を通じて設定された 個々のテーマを進めていく手順 課題達成型QCストーリー 日常管理すべき個々のテーマの 達成水準を高めるための手順 問題解決型QCストーリー 活動に継続性をもたせるための推進形態が QC大会 「QCサークル活動」および「QC大会」 しかも、その場は方針決定後の場ではない すべての部門および従業員各人の『知』を活かした 「経営者のサポート」として位置付けられる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 72
第7章 BM活動 (顧客価値創造活動) BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 73
BM活動とは 顧客にとって当社がなくてはならない度合いを高め パートナーとして選ばれ続ける存在となるための 組織横断的な知識創造の取組み 2007年開始。今年18年目。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 74
BM活動とは 背景: マーケティングパラダイムの変遷 Selling : できたものを 売る 戦略 ↓ Marketing : ニーズに合ったものを 売る 戦略 ↓ Branding : 売れ続ける ための戦略 マーケティングの強調点が “取引” から “関係性”に移行 「売れる」 「売れ続ける」 BM活動とは 「 顧客にとって当社でなくてはならない度合いを高め パートナーとして選ばれ続ける存在となる」ための活動 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand
考え続けるべきこと 中長期的見地に立ち 1.顧客は何をしたいか? ⇒ 外部適応の検討 2.我々は何をすべきか? ⇒ 内部適応の検討 2タイプの“Do”を考え続ける BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 76
前出の競争戦略を引き合いに出すと・・ 事業の位置づけ < SP: Strategic Positioning > 当該事業は顧客の何を実現して儲けるか? 組織能力 < OC: Organizational Capability > 上記をどのように実現するか? 極論すれば競争戦略で意思決定すべきは2点 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 77
顧客Doと自社Doを考え続けることの意義 事業の位置づけ < SP: Strategic Positioning > [顧客Do] 顧客は何をしたいか? 組織能力 < OC: Organizational Capability > [自社Do] 我々は何をすべきか? 2タイプの“Do”を考え続けることは 競争戦略のタネを探していることと同じ BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 78
2017年度グローバルBM大会における 経営トップの講評 BM活動は 明日の地平を切り拓く取組み BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 79
VUCA時代をいかに生きるか Volatility Complexity (変動性・不安定さ) (複雑性) VUCA Uncertainty Ambiguity (不確実性・不確定さ) (曖昧性・不明確さ) BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 80
BM活動そしてBM大会創設の意味合い 従業員一人ひとりの知を 事業の発展に活かす新たな全員参加型経営 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 81
一人ひとりの知見を活かす • 保有する技術の活かし方、説得力のあるマネタイズ・シナリオを我々 が作り、上層部に提案していきたい。 • お客さと接している我々こそが、自分たちの経験を元に事業の今後組 を提案していく必要がある。 • 熱い思いをもっていらっしゃる方々はたくさんいるので、商売にする ということをみんなで考えていかないといけない。 • 個人的には会社の方向性に疑問を感じていた部分が、今回の参加でよ り見えるようになりました。この取組みをきっかけとして会社全体へ 波及していかないとこの会社の未来は本当にまずい方向へ進んでいる と思っています。 • 凄い面々との出会いも財産になりました。自分がやっていること、自 分たち(開発・設計)だけでなく、せっかく同じ会社にいる人材、 シーズを有効に活かしていかないともったいない、自分の考えていた ことは間違っていないという勇気を持てました。 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 82
私が一番大切にしている参加者の声 大きなビジョンを持つこと。それに向かって努力する姿勢が 個人を成長させる、組織を成長させる、周囲を成長させる。 その姿は「泥臭い、こっ恥ずかしい」のではなく 「美しい」はずだという希望が持てた。 ブランドを語るときの言葉の一語一語を 大切にしなければならないという意識が生まれた BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 83
BM活動とは 事業が生きる道を 自らの意思 自らの意思で描く取組み “make our own will” BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 84
Will-Can-Mustの輪 Will 「やりたいこと」 Can 「できること」 Must 「やるべきこと」 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 85
大事なことは 3つの輪の重なり Will Will 「やりたいこと」 Can Must 「できること」 Can Must 「やるべきこと」 重なる面積が大きいほど 組織はイキイキする BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 86
輪の巡りは健全か? Will 「やりたいこと」 Can 「できること」 Must 「やるべきこと」 やらなければ ならないこと (義務感) やらされ感の縛りは、NPSに如実に表れる BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 87
先立つものは「自らの意思」でありたい Will 「やりたいこと」 Can 「できること」 Must 「やるべきこと」 集団化されたWillは Mustを「我々がやる べきこと」に換える 鍵は、Willの集団化 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 88
先立つものは「自らの意思」でありたい Will Can Must 意思の集団化は、組織的にCanを増大する BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 89
新たなブランドマネジメントの登場 「イメージ」に着目した伝統的なブランドマネジメント ブランド・イメージ ブランド・アイデンティティ ----------- ----------- 受け手が保有するブランド認識 現状のブランドイメージ 望ましいブランド認識 形成すべきブランドイメージ 広告宣伝部が中心となった イメージギャップの解消 「能力」に着目した新しいブランドマネジメント 現状の顧客関係性 今後の望ましい顧客関係性 すべての部門を巻き込み全社一丸となった 組織能力の向上 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 90
最終章 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 91
【UXストーリー】 「良いモノを作れば売れる」が通用しなくなりつつある現代 製品ハード売りっぱなしビジネスの先行き不透明感は増し 疲弊し始めた組織に、人財流動化の波が押し寄せる。 いまこそ 「ビジネスモデルで先行し、現場力の勝負に持ち込む」 新しい全員参加型経営を目指したい。 そんなある会社における ❝新しい品質経営❞ の物語。
「BM活動」を取り入れた我が社。 これまでは競合分析や市場分析に振り回され 短期利益を求めるあまり、組織が疲弊していく 印象がありました。しかし、いまは違います。 着眼すべきは、顧客の未来。 未来の顧客プロセスを描くことで 部門を超え、中長期的展望をもって、 製品・サービスのアイデアが次々と湧いてくる ようになったのです。
これまでのプロジェクト発表といえば 取り組むメンバーが提案者、 聞く側の経営陣は評論者という ややもすると対峙の関係でした。 しかし、 フォース・フィールド・ダイアグラムを用いることで 実行可能性を協働して追求する 衆知錬成の場に変わっていったのです。 検討チームによる渾身の発表に、経営陣が本気で向き合う。 この構図はシビれます。 自分の取り組みが、この企業の未来に貢献しているという充実感があります。
その刺激的な様子は社内を駆け巡り、 「僕も」「私も」「ワシらも」と、新しい仲間が集い始めました。 みな、『やりがい』や『達成感』を求めていたのかもしれませんね。 当初は正解のない検討を重ねる不安が常につきまとっていましたが、 いまの私たちは違います。 「お客様にこうあってほしい」 いまの私たちには、その感覚に 自信が持てるようになりました。 自己肯定感の醸成は、個人レベルだけでなく、組織レベルでもとても大事。 従業員各人はもちろんのこと、組織にも自己肯定感が育まれ こうして、魅力的かつ自分たちらしい 製品・サービスが継続的に創造されるようになったのです。
おかげさまで 年に一度の『BM大会』は大盛況。 自ら手を挙げた 幾つもの部門横断的チームが衆知錬成の場に臨んでいます。 BM活動が目指すことは、 自分たちが顧客からパートナーとして選ばれ続けること。 そこに決まりきった答えはありません。だから考え続けるのです。 従業員一人ひとりが、「顧客から見て、なくてはならない存在になるために 自分たちはどうあるべきか、何をすべきか」を、楽しく真剣に考え続ける。 そのアウトプットは、技術開発, 製品開発, 事業開発, 業務改善など多様で、 自分ゴト化された取組の力強さを感じます。 新しい全員参加型経営、 その姿カタチがここにある。強くそう信じています。
BM活動がもたらす“嬉しいコト” 財 務 の 視 点 株価の維持・向上 企業価値向上 事業戦略の説明責任向上 事業の将来価値に対するステークホルダーの期待度向上 人的資本政策 説明責任の向上 技術資本政策 説明責任の向上 将来の業績に対する期待と信頼の担保 ROIC等、事業資本効率向上 営業利益率上 経営幹部人財育成 事業創造人財育成 全員参加型 モチベーション向上 経営改善 と組織活性化 売上向上 顧客開拓余地の拡大 業 務 プ ロ セ ス の 視 点 経営幹部人財 育成人数 組織活性化 ビジネスモデル全体を俯瞰した 組織オペレーション効率の向上 全員参加型 経営改善 活動システムの持続的改善 離職リスクの低減 リスク・不確実要因の解消策を織り込んだ活動システムに基づく 事業方針策定の適正度向上 経営リスクと不確実性 のハンドリング 生涯価値向上 (LTV: Life Time Value 最大化) 市 場 ・ 顧 客 の 視 点 損益分岐点の低下 新製品・サービス開発 リスク・不確実要因の 予見件数 NPS向上 組織波及効果の増大 モチベーション向上と 組織活性化 自己有用感の向上 モチベーション向上度 顧客関係性レベルの向上度 マネタイズシナリオ生成件数 (モノ売りからコト売りへ) ハードとソフトのアイデア導出 全アイデア数に占める 既存品以外の新規品件数 コア技術戦略 研究企画ロードマップ オープンイノベーション 精度向上 成立件数 技術開発テーマ アイデア導出 技術開発テーマ 導出件数 全アイデア数に占める ハード以外のソフト件数 保有要素技術 理解件数 方策アイデア導出件数 組 織 ・ 学 習 の 視 点 顧客志向の徹底 (お客さまから選ばれ続けるための活動】 顧客ジョブの発見件数 顧客の未来課題の予見度合い (顧客事業を取り巻く外部環境変数全数に占める、未来変数の割合) 未来の顧客ニーズの発見 顧客の現状把握の深耕度合い 当社が理解する 顧客業務プロセスの範囲拡大 当社が理解する 顧客業務プロセスの明細度向上 顧客事業を取り巻く 外部環境変数の発見件数
BM活動がもたらす“嬉しいコト” 株価の維持・向上 企業価値向上 顧客価値創造活動が齎す 将来の業績に対する期待と信頼の担保 経営資本増大 財務資本 財 務 の 視 点 事業戦略の説明責任向上 事業の将来価値に対するステークホルダーの期待度向上 人的資本政策 説明責任の向上 技術資本政策 説明責任の向上 ROIC等、事業資本効率向上 営業利益率上 経営幹部人財育成 事業創造人財育成 全員参加型 モチベーション向上 人的資本 経営改善 と組織活性化 売上向上 顧客開拓余地の拡大 業 務 プ ロ セ ス の 視 点 経営幹部人財 育成人数 組織活性化 ビジネスモデル全体を俯瞰した 組織オペレーション効率の向上 全員参加型 経営改善 活動システムの持続的改善 離職リスクの低減 リスク・不確実要因の解消策を織り込んだ活動システムに基づく 事業方針策定の適正度向上 経営リスクと不確実性 のハンドリング 生涯価値向上 (LTV: Life Time Value 最大化) 市 場 ・ 顧 客 の 視 点 損益分岐点の低下 リスク・不確実要因の 予見件数 組織資本 新製品・サービス開発 NPS向上 組織波及効果の増大 モチベーション向上と 組織活性化 自己有用感の向上 モチベーション向上度 顧客関係性レベルの向上度 マネタイズシナリオ生成件数 (モノ売りからコト売りへ) ハードとソフトのアイデア導出 全アイデア数に占める 既存品以外の新規品件数 コア技術戦略 研究企画ロードマップ オープンイノベーション 精度向上 成立件数 技術開発テーマ 技術資本 アイデア導出 技術開発テーマ 導出件数 全アイデア数に占める ハード以外のソフト件数 保有要素技術 理解件数 方策アイデア導出件数 組 織 ・ 学 習 の 視 点 顧客志向の徹底 (お客さまから選ばれ続けるための活動】 顧客ジョブの発見件数 顧客関係性資本 未来の顧客ニーズの発見 顧客の現状把握の深耕度合い 当社が理解する 顧客業務プロセスの範囲拡大 顧客の未来課題の予見度合い (顧客事業を取り巻く外部環境変数全数に占める、未来変数の割合) 当社が理解する 顧客業務プロセスの明細度向上 顧客事業を取り巻く 外部環境変数の発見件数
ブランドマネジメントの新しい潮流 価値提案力の向上 対外的効用 顧客価値創造活動 対内的効用 経営資本の増大 BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 99
タイトル 「BM活動のすすめ」 (1) どちらのキャリアを目指すか (2) 事業開発の全体像 (3) 新たな価値創造観の登場 (4) 外部適応から内部適応 に至る一気通貫 外部適応 内部適応 (5) 競争戦略の二大項目 (6) QC大会と双璧を成す 新たな全員参加型経営 (7) 進む道を自らの意思で描く (8) BMがもたらす経営資本増大 ご清聴ありがとうございました BRAND DESIGN: Chance Discovery for The Brand 100