社会経済システム学会2026

-- Views

October 25, 26

スライド概要

全然出来が良くないスライドですが、コメントもらえると嬉しいのでアップ。
好きに叩いてくださいませ

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

アジアでのゲーム産業の 発展パターンについて 小山友介(芝浦工業大学)

2.

はじめに:本研究の目的  『日本デジタルゲーム産業史』後によく聞かれた質問 「他の国の歴史はどうなの?日本と似てる?」→全然違う  でも、「どう違うのか」を言うのは大変   各国のゲーム産業史:それぞれ独自の発展経路  産業政策だけでなく、文化保護政策の影響もうける   娯楽コンテンツの宿命:ゲームはハイテク産業?文化産業? 経路依存性が強い  本研究:海外のゲーム産業史との比較  能力の限界で東アジア(+α)のみ  目的:比較ゲーム産業史のための概念ツールの整備

3.

余談(というか愚痴):通史の不足  ゲーム産業の通史 日本と中国しか存在しない  米国は一応あるが、家庭用のみ   各国事情の紹介本(Wolf2015)  殆どの国で1970年代末のアーケードゲー ム・80年代の家庭用ゲームが遊ばれてい たことが書かれている    ゲーム消費文化として長い歴史を持つを強調し たいのだが、「盛ってる」印象はぬぐえない そもそも“ざっくり”すぎて参考にならない 統計もない:中国は21世紀~ 東南アジアは下手するとスマホ以降のみ  欧米はマシだが、アーケード統計が無い  Phoenixは詳しいけど、章=〇年という形式で、事実上巨大な年表 歴史書というよりは資料集に近い

4.

4つの軸  市場:どのマーケットが存在しているか  ゲーム:タイプが異なる複数市場が存在  制度(政策):文化保護・青少年保護(非産業)政策 非経済的な政策が、事実上の産業政策として機能  (近年では)ゲーム産業振興策を採る国も多い   技術:既存の技術蓄積、標準のPCアーキテクチャ  特に過去のPCゲームで重要:最近はほぼ収斂  8ビット時代は多様、16ビットで絞り込み、32ビットでほぼ収斂  文化(消費文化):どの市場で、どのジャンルを遊ぶ? 上記3つの結果として生じる  世界で市場・技術の差がほぼない現在は一番影響大?  まだ暫定的です

5.

市場の欠落  日本:ゲーム産業でもフルセット型  アーケード、家庭用、PC (20世紀)+モバイル(21世紀)  20世紀に、3市場そろっていた国は少ない  アーケード  欧米:青少年保護規制→営業できなかった国もある   アジア:コピー基板が大量→産業としては小売に該当するものだけ   企業としてゲームを開発・供給できたのは日米ぐらい コピー産業としては存在 家庭用:欧米は存在(欧州は少し遅れる)  アジア:所得不足で市場として未成熟 ゲームセンター数や市場規模の十分なデータは入手出来てません

6.

技術:Imitation から Innovationへ  模倣からの産業発展:ゲームでは比較的顕著 日本:Atariのアーケードゲームを分解  韓国:アーケードのコピー基板で技術蓄積(Jo2020)   他の産業でも多くの事例  2000年代の中国:山寨機と呼ばれる携帯電話の事例  進化経済学:Innovationを模倣的/革新的に分類 Nelson & Winter(1978)  ネオダーウィニズムのメタファー    自然選択+メンデル遺伝学+突然変異 ゲームの場合;完全に一致

7.

海賊版の存在  Imitation から Innovation 全ての国(人)で可能ではない  キャッチアップして新規開発を可 能にする能力が必要   キャッチアップ能力が無い場 合、市場を壊すだけ オンラインゲーム以降(スマホ以 降)しか市場が出来なかった国 は多い  日本の場合   PC→家庭用へのシフト 2023年、バンドン(インドネシア)で撮影

8.

技術(市場?):パッケージ or サービス  日本:パッケージ→オンラインサービス 物理メディア/DL販売→オンラインサービス  コピーが容易なPCゲーム市場は早々に衰退   海賊版(コピー)が強い:パッケージ市場が育たない 韓国:(一応)PCのパッケージゲーム市場アリ  中国:コピー天国   Webマネー+ログインでアカウント拘束で初めて市場化 いきなりオンラインゲーム  20世紀のゲーム産業史は暗闇の中   近年は少し変化?  VPNで海外Steamにつないで買ってたりするので、実態不明

9.

制度:文化保護政策 産業政策  海外コンテンツの流入規制を行う国は多い  映画産業のスクリーン・クオータが有名   フランス、カナダなど:対ハリウッド 日本文化の流入制限:韓国・台湾・中国  中国は現在進行形で制限中  ゲームの審査:国や準ずる機関が審査する国は多い ※日本・米国・EUなど:第三者機関(実は例外的)  中国:国家機関(国家新聞出版署(NPPA))の審査  韓国:公的機関( GRAC:文化体育観光省の管轄下)  東南アジア諸国:国家機関  名目は文化保護だが、事実上の自国産業保護

10.

中韓の制度:産業構造に大きく影響  韓国:日本文化の流入規制  解放開始は民主化後の1998年・ゲームの解禁は2000年   家庭用ゲーム機が本格的に展開されたのはPS2以降 政府のブロードバンド振興策(1999年)もあり、PCゲーム市 場中心→かなり初期からのeSports隆盛につながる  中国:政府による厳しい管理体制 20世紀:大半が家庭用ゲーム機不認可  ゲーム市場における外資出資規制(49%上限)  「版号」付与のための検閲:認可が出るのは多くて100前後   両国ともに、日本からの流入規制≒家庭用規制 →結果として、PC中心のゲーム文化が成立

11.

Kim & Kang, 2021 より 中国企業:政策の助けも借りて自国市場の開けるウィンドウをコントロールしつつ 能力を蓄積していった

12.

市場:輸入代替 vs 輸出志向  欧州の小国:最初からゲーム内言語を英語で開発  国内市場だけでは不十分→輸出志向  輸入代替的成長 『東アジアの奇跡』(世銀)とは別の成長パターン  日本:海外(≒米国)の影響はごく初期のみ  中国:半鎖国下で模倣を通じて力をつけ、海外にも進出    買収も積極的:しかも日本企業より上手 巨大な自国市場があるから採れる戦略  韓国:輸出志向というより日本志向?  日本企業が展開しなかったオンライン市場に展開   MMORPG黎明期に市場確保 ビジネス的に、日本での売上が大きかった  NEXONの本社移転(ソウル→東京)はその最たる例

13.

ゲーム消費文化  中韓:スマホ以前はPCゲーム中心のゲーム文化 過去の様々な要因が絡み合った結果として成立  結果的にPC由来のゲーム文化が盛んに     FPS/TPS,RTS,MOBA eSports 結果論だが、日本より欧米に近い消費文化  アートワーク(絵)の好みは日本に近い 欧州・米国とは別の消費文化となる  日本が弱い市場で優位性を採る 

14.

まとめ(のようなもの)  ゲーム産業の発展パターン:複数 経路依存性が非常に強い産業  非経済的な政策が強く影響   娯楽コンテンツの宿命  日本:標準に近く見えるが、理念型とは言えない 制約が一番緩かった国(の一つ)だったのは間違いない  産業化以前の大型コンピュータ時代の弱さ    黎明期のRPGの弱さ→その後の独自発展(JRPG)に影響? アーケードの生存:発展経路に大きく影響  対戦文化がアーケードで発達→PC中心のeSportsの弱さに  議論:まだ端緒的な状態  軸となるものが何か、まだまだ手探り 不十分な報告で申し訳ありません