ICH E6(R3)がやってきた!

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April 16, 25

スライド概要

[第11回大阪sas勉強会]

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各ページのテキスト
1.

第11回大阪SAS勉強会 2025.04.16(水) ICH E6(R3)がやってきた! ~統計解析の運用指針を明文化:新設セクションの紹介~ ノーベルファーマ株式会社 研究開発本部 データサイエンス部 森田 祐介 1

2.

導入:2025年1月 ICH E6(R3)がStep4に • 「統計プログラミング及びデータ解析」のセクションが新設 • 日本での発出(Step5)は、これからだが、速報的に内容を紹介する 2

3.

おことわり • 本資料中のガイドライン翻訳は、 発表者がStep2時の翻訳を引用あるいは参考にして作成したものです 正式な翻訳は、今後発出されるStep5をご参照ください ※パブコメ時のガイドライン案の 翻訳を引用・参考にした 3

4.

統計プログラミング及びデータ解析(1) • 本項は、臨床試験における統計的業務の運用上の側面の文書化/記録作成に関するものであり、 臨床開発、試験のデザイン、実施、解析及び報告のための統計的原則の詳細なガイダンスを示す ICH E9「臨床試験のための統計的原則」及び ICH E9(R1)「臨床試験のための統計的原則 補遺 臨床試験における estimand と感度分析」 と併せて読まれるべきである。 4

5.

統計プログラミング及びデータ解析(2) a. スポンサーは、データ解析に関するアプローチが実施計画書に十分に記載されていなければ、 試験実施計画書と整合し、データ解析に関するアプローチを詳述した解析計画書を作成すべきで ある。 b. スポンサーは、統計プログラミング及びデータ解析の適切な、かつ文書化された品質管理が実装 されることを保証すべきである(例えば、症例数の算出、IDMC 委員会における結果、試験報 告書へのアウトプット、統計モニタリング又は中央モニタリング)。 5

6.

統計プログラミング及びデータ解析(3) c. スポンサーは、データ処理及び解析中のデータ変換及び導出データのトレーサビリティを保証す べきである。 d. スポンサーは、あらゆる解析対象集団に対する各試験参加者の割付け又は除外が事前に定められ ていること(例:実施計画書又は統計解析計画書などにおいて)を保証すべきである。全試験参 加者(又は特定のデータポイント)の選択又は除外の根拠は明確に説明され文書化/記録される べきである。 6

7.

統計プログラミング及びデータ解析(4) e. 試験で盲検解除された後(該当する場合)に、計画された統計解析からの逸脱やデータの変更を 行う場合には、その内容を明確に文書化し、正当化するとともに、試験結果の信頼性の確保が必 要となるデータの不整合などの例外的な状況に限るべきである。このようなデータ変更は試験実 施責任者の承認を得るとともに、監査証跡に反映させるべきである。盲検解除後に行われたデー タの変更や計画された統計解析からの逸脱は、試験報告書に報告すべきである。 7

8.

統計プログラミング及びデータ解析(5) f. スポンサーは、実施された品質管理/バリデーション業務を含め、試験結果の報告書に含まれる 又は使用されたアウトプットに関連する統計プログラミング記録を保存すべきである。アウト プットから統計ソフトウェアプログラムが追跡可能であり、日付と時刻のタイムスタンプが付与 され、あらゆる変更から保護されるべきである、また、バイアスをもたらす可能性のある情報を 不適切に閲覧することを防ぐために、アクセス制限を実施しなければならない。 8

9.

まとめ • 本改訂は、臨床試験での生物統計家や解析プログラマの関与・貢献が 以前にも増して重要になったことを踏まえたものと推察 • これまで明文化されていなかった統計解析プロセスについて、 品質管理を含めた文書化や透明性・説明責任を一層強化する指針が提示 • 統計解析業務に携わる私たちは、これらの指針を踏まえ、解析プロセス の文書化や、透明性の向上・説明責任をより適切に実践していくことが 求められる • E6(R3)の導入は、SOPやWI、関連文書テンプレートを見直す良い契機 になると期待 9