大阪のテストコミュニティを育てるためにやっとること

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October 04, 25

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スクラム祭り沖縄トラック
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大阪のテスターです

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1.

大阪のテストコミュニティを 育てるためにやっとること スクラム祭り2025@沖縄トラック 2025.10.4 Short Session(20min) やまずん Dirty Tester バキバキQA

4.

やまずんとは ⚫ バキバキQA/Dirty Tester ⚫ 滋賀・京都育ち(一族代々京都) ⚫ 外資系SaaSのQAエンジニア ⚫ 現在:大阪のテスター ⚫ 所属(コミュニティ) ⚫ testingOsaka 主催 ⚫ スクラム祭り 実行委員 ⚫ バキバキQAチャンネル 4

5.

この発表の注意 ⚫ 所属する団体や世の中のQA・テスターが言うてることを代表してへん で! ⚫ やまずんは自分のことしか代表せんで ⚫ この発表は関西弁で行われ、通訳はつきません ⚫ 関西弁が拙いところもあるけど堪忍してや! ⚫ 昔、標準語の友達と遊んでたら関西弁が吹き飛んでん ⚫ 関西弁って、大阪・奈良・兵庫・京都、さらに細かく分けれんねん ⚫ (資料を後で見る人向け)スライドに記載された内容が全てではなく、 口頭で補足した内容もあります(これは読まないから標準語) 5

6.

この発表のゴール ⚫ testingOsakaを立ち上げた気 持ちとかやったことを知って もらって、自分でも何かでき ひんか考えてほしい ⚫ 勇気をもろてほしい 6

7.

コンテキストの共有 7

8.

新卒後 3年間 営業しててん 8

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いろいろあって ソフトウェアテスト会社に入社 2018年4月 9

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エンジニアには コミュニティがあるって知ってん 10

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考えたり 11

12.

楽しんどったり 12

13.

たまにレスバしとる エンジニアコミュニティ 13

14.

時にはレスバしている エンジニアコミュニティ エンジニアって めっちゃ楽しそうやん! って思った 14

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2018年7月 大阪配属 15

16.

2025年3月 testingOsaka初開催 16

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testingOsakaとは 17

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testingOsakaってなんやねん? 大阪のテストコミュニティ ⚫ 「テスト」っていう共通言語を通じて集うコミュニティ ⚫ テストを通じてつながりときっかけを作る ⚫ 対象は「ソフトウェア開発に携わっとる人」 テストってコン テキスト次第や もんな ⚫ 「テスター」「QAエンジニア」のためのコミュニティちゃ うで! ⚫ 「テストに興味あるけど敷居が高いな〜」って人が対象 ⚫ 絶対にリアル開催 18

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testingOsakaでやっとること いろんな勉強会のええとこ取りをする ⚫ 前半:誰かにしゃべってもらう ⚫ 後半:OSTやダイアログで参加者同士が対話する 正直後半いら んって言う人も いるねん悲しい な 対話が大事 いつも後半の重要性をゆってんねん 19

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結果どうなったんや? 97人の登録者 3人+αの運営者 ぼちぼちの参加人数 思ったより人が 来てくれんねん 20

21.

経緯をふりかえる: 相対的な地方である大阪とワイ 21

22.

2018年くらいの大阪の状況 ⚫ 勉強会はほとんど関東(東京)でやってたやんな ⚫ 「勉強会・コミュニティはオフライン」が当たり前 ⚫ 関西でテストの勉強会は少ない ⚫ WARAIという勉強会はあるけど、ベテラン勢の集まりな感じが この頃は生成AI もなかったよな どうやって仕事 してたんやろ あって怖かった ⚫ 当時の話な ⚫ 今から思うと、全部先入観や行動せんことの理由づけやった けど、当時はそう思っててん 22

23.

関東のテストコミュニティってめっちゃある ⚫ WACATE ⚫ JaSST Tokyo ⚫ SQiP 200種類あんね ん ⚫ 語る夕べとか(もうやってないけど) ⚫ 様々な企業イベント ⚫ 様々なテストイベント これを大阪で毎日14時間仕事しながらTwitterで眺めるワイ 23

24.

当時こんなことを書いてたりした このネタわかる 人いるかな? 24

25.

コミュニティに対する嫉妬心 ⚫ 当時「キラキラQA」ゆう言葉も出てた ⚫ みんなおもろそう、充実してんな ⚫ 「自分が燻ってんのはコミュニティがないからちゃうの?」 ⚫ (もちろんこれは大きな間違いやった) 全部お前のせい やろ ⚫ 大阪はコミュニティあらへんやん ⚫ TIO(This is Osaka) ⚫ 「QA不毛の地」とか揶揄してた 25

26.

2020年ごろ COVID19 26

27.

コロナで風向きが変わったな 「オンラインで人と繋がれる、コミュニティに出れる」 ⚫ JaSST nano(オンラインのLT会) ⚫ テストの街葛飾(オンラインのテスト(?)コミュニティ) 世の中は大変 やったけど、俺 にとっては都合 がよかった ⚫ ここでaki.mさんと出会う ⚫ いろいろなイベント系(配信) ⚫ スクフェス大阪やXP祭りもオンラインやったな ⚫ この辺でスクラムフェスの人々と関わりを持ち始める 27

28.

オンラインをきっかけにオフラインへ コロナによる自粛の終息後 まだテストのイベントはあらへんかったけど ⚫ 「知り合いと会うてみたい」というモチベーション ⚫ 「イベントに誘われる」ってこともあった ごまはオンライ ンにしかいない けどね〜 ⚫ オンラインイベント・コミュニティの手軽さが「テスターはテスト のイベント」という固定概念を忘れさせてた ⚫ やから、デブサミ関西やスクラム道関西に行くようになってた 28

29.

地域コミュニティと testingOsaka 29

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きっかけとなった出会い ⚫ デブサミ関西でのコミュニティLT ⚫ おもろそう、すごいやん ⚫ スクラム祭りをやるときのaki.mさんの発言 出会いは突然に ⚫ 「地域コミュニティをはじめとした濃い繋がりが持てる 少人数の良質なコミュニティ」 ⚫ ほんまかいな?正直ピンとこうへんかった 30

31.

きっかけとなった挫折 ⚫ 既存のコミュニティでの馴染めんかった感覚 ⚫ 折り合いをつけれへん未熟な自分 ⚫ 「自分のために時間を使ってたい」ってゆうコミュ クズだからこそ 見える世界はあ るんかもな ニティとは相容れないエゴ 31

32.

ほんなら自分でやって確かめてみよか 32

33.

その他の後ろ暗い思い ⚫ testingOsakaのコンセプトをやるんやったら自分 でやりたい ⚫ 正直他の人にやってほしない エゴでしかない ⚫ 「僕が先に好きだったのに、、」みたい心理 33

34.

始めるにあたって運が良かった点 ⚫ 無償で見返りなしで会場を提供してくれる場所がある ⚫ タスマニアデビ男がイラストやロゴを描いてくれる ⚫ すでにある関西のテストコミュニティとも最初から繋が 場所と母(タス マニアデビ男) に感謝やな りがあったから、モメたりせんかった ⚫ 最悪自分でコンテンツが提供できるくらいのネタはあっ た noteにおるよ 34

35.

こっからが聞き たい話やんな 堪忍な コミュニティをつくり・育てる 35

36.

コミュニティを育てるってなんやろう? ⚫ いろいろな観点ありそうやな ⚫ 人が集まる・運営が複数おる・知名度・金 ⚫ ただ、わいにとっては「手段」やと考えた 自分のプロポー ザルに疑問を持 つ人 コミュニティの理念の実現と 自分がやりたいことをやるために 「コミュニティを育てる」がある 36

37.

本質的なモチベーション あの時の自分を救ったりたい ⚫ 今の自分から、「あの時の自分に与えるならこうえ うのがええんちゃう?知らんけど」と言えるもんを 過去には戻れん からな 作る ⚫ 与えるものはイベント・勉強会・コミュニティ ⚫ 「テスターを含めた開発に携わる人々が全員で共創 できる世界とビジョン」 37」

38.

手段としてコミュニティを「継続する」 ⚫ testingOsakaは「テストを通じた共創の文化」「過去の自分 を救う場」を作るためにある ⚫ 過去には戻れへんから、「やまずん2号」を救う ⚫ それがコミュニティで、実現するために「育てる」 結局自分のため のコミュニティ やねんな ⚫ 「継続する」が手段やとおもった ⚫ testingOsakaを育てることにならへんこと ⚫ 参加者が増えとるけど理念に共感してない ⚫ 有名な人が登壇してくれる ⚫ 革新的な技術について語り合える・できる ⚫ お金がめっちゃ集まる 38

39.

コミュニティを続けるためには ⚫ モチベーションと理念をちゃんと言語化して・それ に納得する ⚫ 賛同してくれる人に運営をどんどん任せる testingOsakaの 理念はめっちゃ 考えたよな ⚫ 「失敗してもええ」という覚悟 ⚫ 無理せん 39

40.

コミュニティを始める覚悟と行動 ⚫ 「この世にあってほしいものを自分で作る」 ⚫ 参考:人生は夢だらけ@椎名林檎 ⚫ 大きく期待はせん、1人でも来たら御の字 小さく始めよう 大きな期待はし ない ⚫ さすがに会場提供してくれた人には申し訳あらへんから、 初回は友達2人は呼んだ ⚫ 「主催者・スタッフが一番尊い」と割り切る ⚫ (無料のイベントにおいては) 40

41.

ここからが本題 や testingOsakaをしていくなかで 気をつけていること 41

42.

大切にしとること 人 なんのループや 越境する 楽しむ 42

43.

人 前提として全員に感謝。でも大切にしすぎん(どっちやねん) ⚫ 参加者 ⚫ まず「来てみよう」と思うてくれることが素敵やん ⚫ やけど、必要以上にお客様扱いはせん ⚫ 一緒にイベントを作る仲間やし、大人として振る舞ってもらう 私はランプの精 やからな ⚫ 発表者 ⚫ 「testingOsakaの趣旨に賛同したり、体現している人」に話してもらう ⚫ 運営 ⚫ 共有するのは理念とノウハウだけであとは好きにやってもらう ⚫ 何より運営自身が一番楽しめるようにする ⚫ 過度なホスピタリティはかえって毒やと考える 43

44.

楽しむ ⚫ 自分が楽しみ、無理をしない ⚫ 義務ちごうて、楽しみながら関わる姿勢 ⚫ 「運営が一番尊い」ことを忘れない 僕はこの右上楽 しくない ⚫ 楽しむために「誰かの自己実現には付き合わない」 ⚫ コミュニティ運営は奉仕活動ちゃう ⚫ そんで、自分自身の自己実現に付き合わせないために、 「場を作る」というスタンス 44

45.

越境する ⚫ 越境するコミュニティなんやから自分自身が越境せんと な ⚫ 開発系コミュニティで顔を出してみる 僕も二次元から 越境したいよ ⚫ 別のロールの人と話する ⚫ 宣伝に終始せんと、「コミュニティへの貢献」を通して、 testingOsakaを知ってもらう ⚫ 開発系コミュニティに出没する関西のテスターはあんまりお らんのでキャラ立ちした 45

46.

多少身銭は切る(マジの金の話な) ⚫ コミュニティ運営に必要なコストを負担する覚悟 ⚫ 場所代、ツール代(ふせん、ペン)など ⚫ ソシャゲの課金やらと同じくらいに捉える 僕の絵は無料で 描かせてるくせ にさ ⚫ 数百円とか簡単に課金してまうやろ? 46

47.

黙っててもコミュニティ運営はできるよ ⚫ やまずんは正直技術以外の雑談は好きちゃうし、興味な い話には興味ない ⚫ 雑談は嫌いでもないで ⚫ 無理に話広げたり聞く義務を自分に課してへんてだけ 僕も雑談はでき ず、決められた ことしか話せな いんだ ⚫ 失礼な振る舞いを「ええで」って言ってるわけではない ⚫ 「運営している」という立場をとってると、「沈黙して おとなしい」という自分のキャラを肯定できる側面もあ る 47

48.

正直:綺麗事だけではない背景 ⚫ 収入が上がったことは関係してるんちゃうか ⚫ オフラインのコミュニティに出れたんは収入が上がって 儲かってきたから 無理してコミュ ニティ運営する 必要はないな ⚫ 残業もなくなった ⚫ フルリモートになったん関係してんな ⚫ 時間が作れるようになったからな ⚫ 自社QAとなったことも関係してるんちゃうかな 48

49.

こっからが聞き たい話やんな 堪忍な testingOsakaを通して 何が起こったか 49

50.

コミュニティを通じて越境する人々が出た ⚫ 他のコミュニティにも参加するテスターたち ⚫ イベントに参加したり ⚫ スクラムフェスに参加したり みんなありがと うな ⚫ 登壇したり ⚫ testingOsakaの運営メンバー3/4がスクラム祭り登壇&全部裏被り ⚫ テストについて学ぶプログラマーたち ⚫ スライド見てくれたり ⚫ イベントに参加してくれたり 50

51.

コミュニティを通じて成長するワイ ⚫ 「testingOsakaをやってます」が割と名刺がわりになる ⚫ 自分が所属するコミュニティやと胸張って言える ⚫ Confengineとかでも「testingOsaka」で統一してる それって成長? ⚫ 繋がりが増える ⚫ 同じ理念に共感してもらえる仲間ができたことが嬉しい ⚫ プログラマーの人にも認知してもらえる ⚫ そこから「学ぼか」という気持ちが湧いてくる 51

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結果どうなった ⚫ 「地域コミュニティをはじめとした濃い繋がりが持てる 少人数の良質なコミュニティ」はほんまにあった ⚫ 自分で作って理解できた はいはいよかっ たね ⚫ デブサミ関西2025のコミュニティ登壇ができた ⚫ これでちょっとでも勇気を持つ人がおったら嬉しい ⚫ なにより、自分が作った「場」で盛り上がってくれるん はめっちゃきもちいい 52

53.

この経験から得た学び ⚫ 最初に感じてた「QA不毛の地大阪」は勘違い ⚫ 自分が種を蒔いてへんだけやん ⚫ 「俺こそが大阪の当事者や」という強い気持ち あのときのやま ずんは今と変わ らずカス ⚫ そもそもエンジニアコミュニティやスクラムコミュ ニティに出ようともせんかった・考えもせんかった 自分は浅はかやったな 53

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自分にとって必要な コミュニティがあらへんかったら 自分で作るんもええ その一歩が世界を変え かけがえのない体験と財産が 得られるかもしれへん まあ知らんけど 絵:タスマニアデビ男 54