Apple Style Guideを読む

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July 28, 25

スライド概要

YUMEMI.grow Mobile #23 - connpass
https://yumemi.connpass.com/event/361099/

再び Apple Style Guide の話をしました #yumemi_grow - usami-kの日記
https://usami-k.hatenablog.com/entry/2025/07/28/224643

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

Apple Style Guide を読む 宇佐見公輔 2025-07-28 / YUMEMI.grow Mobile #23

2.

自己紹介 宇佐見公輔(うさみこうすけ) • I/O 8 月号に WWDC25 の記事を寄稿 • iOSDC にパンフレット記事が採択 ‣ 原稿提出済み 1 / 27

3.

今日の話 iOSDC に応募したトーク記事 • 残念ながら不採択 • 今日は LT 版に編集して話す 2 / 27

4.

『Apple Style Guide』 とは

5.

Apple Style Guide https://support.apple.com/guide/applestyleguide 『Apple Style Guide』とは 4 / 27

6.

Apple のガイドライン Human Interface Guidelines • Apple 製品向けアプリのデザインのガイドライン • iOS アプリ開発者にとって必読 Apple Style Guide • Apple 製品に関する用語や表現のガイドライン • UI やドキュメントの正しい表記や表現を知る • これも開発者は知っておきたい 『Apple Style Guide』とは 5 / 27

7.

配布形態 Web 版 • Apple のサイトにある • ただ、トップからたどり着くのが難しい(検索したほうが早い) PDF 版 • Web 版のトップに PDF 版も置いてある • 最新版(June 2025)は 243 ページ 『Apple Style Guide』とは 6 / 27

8.

Apple Style Guide の 内容

9.

目次 • Style and usage(用語集、212 ページ) • Writing inclusively(インクルーシブな記述、7 ページ) • Units of measure(数量や単位の表記、7 ページ) • Technical notation(コードなどの技術的な表現、2 ページ) • International style(国際的スタイルでの表記、5 ページ) (目次から抜粋。ページ数は PDF 版より) Apple Style Guide の内容 8 / 27

10.

読み方 用語集は、数字、A、B、C、…と並んでいて、辞書的に使う構成に なっている。 用語集が内容の大部分を占める、国語辞書+付録のようなイメージ。 一般的なガイドラインのように、各セクションを順に読むという形式 ではない。 辞書を「読む」=気になる用語を開いて、その派生語を見たり前後を 見たりする読み方になる。 Apple Style Guide の内容 9 / 27

11.

用語紹介

12.

ピックアップ基準 ここから、いくつか用語をピックアップして紹介していく。 次のような例をピックアップした。 • アプリ開発で参考になる • Apple の考えかたに触れられる 用語紹介 11 / 27

13.

Apple Account

14.

「Apple ID」ではない • [適切] Apple Account • [不適] Apple ID 補足 • 昨年、「Apple ID」から「Apple Account」に名称変更された Apple Account 13 / 27

15.

サインインの表現 • [適切] Sign in to your Apple Account • [不適] Sign in with your Apple Account 補足 • Apple Account「に」サインインする • Apple Account「で」(デバイスやサービスに)サインインする のではない • アカウントという概念をどう捉えるかの参考になる Apple Account 14 / 27

16.

関連:Sign in with Apple • [適切] Sign in with Apple • 大文字小文字に注意 ユーザーが App や Web サイトに、Apple Account を使って安全に サインインする機能。 補足 •「Sign in with Apple」は機能の名称なので正確に Apple Account 15 / 27

17.

サインイン時の入力 • [適切] メールアドレスを入力し、パスワードを入力する • [不適] Apple Account を入力し、パスワードを入力する 補足 •「Apple Account」という語でメールアドレスを意味することに はならない Apple Account 16 / 27

18.

crash

19.

「クラッシュ」とは言わない • [適切] 予期せず終了する • [適切] 応答しない • [適切] 応答を停止する • [不適] クラッシュする 補足 •「クラッシュ」という語は、ハードウェアやソフトウェアの損傷を 連想させ、ユーザーに誤解を招く crash 18 / 27

20.

関連:Crash Detection • [適切] Crash Detection • 大文字小文字に注意 事故に遭ったときに iPhone や Apple Watch の衝突事故検出で助 けを呼ぶ - Apple サポート (日本) 補足 •「クラッシュ」という語が、実際に衝突事故の意味で使われている crash 19 / 27

21.

error message

22.

ユーザー向けには「エラー」とは言わない • [適切] メッセージ • [適切] アラートメッセージ、警告メッセージ • [不適] エラーメッセージ 補足 •「エラー」という語は開発者向け • 開発者向け資料で「エラーメッセージ」という語を使うのは適切 error message 21 / 27

23.

言い回しに注意を払う 「エラー」という語を避ける理由は明確な言及がないが、次のような 理由と推測される。 • 何かを間違えたかとユーザーを不安にさせる • システム側に深刻な問題が起こったと誤解させる もし「システムエラー」「タイムアウトエラー」などの語をアラート に表示している場合、言い換えを検討するとよい。 error message 22 / 27

24.

push notification

25.

ユーザー向けには使わない • [不適] プッシュ通知 • [適切] 通知 補足 • プッシュ通知という語は開発者向け • 開発者向け資料で「プッシュ通知」という語を使うのは適切 push notification 24 / 27

26.

専門用語を避ける 「プッシュ通知」という語を避ける理由は明確な言及がないが、次の ような理由と推測される。 • 専門用語はユーザーが理解しづらい • より簡明な語がある 通知がプッシュ型であるかどうかの区別は、ユーザーにとってさほど 重要ではない。 push notification 25 / 27

27.

まとめ

28.

Apple Style Guide を読もう • Apple Style Guide も開発者は知っておきたい • 辞書のような存在 •「読む」=気になる用語を開いて、そこから前後を見る • 最初のとっかかりとして、今回紹介したものを見ると良いかも まとめ 27 / 27