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November 12, 24
スライド概要
つくろか!3 Day2(10/27:日) 14時より、坂東大輔様にご講演頂きました。
つくろか!3 日出ずる国のIoT 〜21世紀の「和魂洋才」〜 坂東 大輔 株式会社エンジニアリングサムライ 代表取締役
1. IoTの概要 2. IoTビジネスの光と影 3.日出ずる国のIoT (21世紀の「和魂洋才」)
1. IoTの概要
IoT(Internet of Things)とは? • IoT (Internet of Things)は直訳すると「モノのイン ターネット」となる。 • “モノ”とは「現在、インターネット接続されていない モノ全般」というニュアンスである。 • 例えば、炊飯器や冷蔵庫といった家電から、ゴミ箱 やサッカーボール、ビジネス靴に至るまで、本当に 思いつくものならば何でもアリ。 • この対象範囲の広さが、IoTの定義を曖昧にしてい る原因である。 4
IoTが出てきた背景 • 組込系、センサ技術、通信技術の発展 • デバイスに組み込まれるソフトウェア(OS) ⇒あらゆるデバイスのパソコン化 • センサや通信デバイスの小型化とコストダウン⇒ 今まで搭載不可だったモノに組み込める • 無線ネットワークの普及とコストダウン ⇒IoT専用の無線回線も出てきた 5
IoTが目指すもの (1). IoT対応デバイスを大量生産し、とにかく、世界の 至る所に大量のセンサをばらまきたい。 (2). ばらいまいたセンサで収集した計測データを、イ ンターネットのクラウド上に吸い上げたい。 (3). インターネットのクラウドに吸い上げた大量データ を統計的に分析したい。 (いわゆる、Big DataやData Miningの考え方) (4). クラウド上からIoTデバイスを遠隔で操作したい。 6
「IoT (Internet of Things)」の概要図 Big Data (超大量のデータ) Cloud (3) インターネット上のサーバーで データを一元処理する。 (インターネット 上のサーバー) (2) 大量のデータを収集し、イン ターネット上に集約する。 無線 ネットワーク (4) サーバー上で稼働する AIにデータを分析させる。 AI (人工知能) センサー センサー (1) 大量のセンサーを 世界中にばらまく。 アクチュエーター アクチュエーター (5) デバイスを遠隔操作する。 7
IoT = I(Internet) of T (Things) ネットワーク (Internet) IoT モノ(Things) 8
「Things(モノ)」の定義 住宅設備 (ホームIoT) スポーツ インターネット未接続のモノ (思いつくならば何でも) ”アナログ”的な物品 家電 装身具 (ウェアラブル) 音響器具 (スマートスピーカー) 医療器具 (ヘルスケア) 自動車 (コネクティッド・カー) 9
IoTの「I」の意味 クラウド(インターネット) ビッグデータ クラウドサーバ 人工知能 孤軍奮闘は 大変・・・ エッジデバイス間の連携 エッジデバイス 10
ビッグデータの概要 センサ ビッグデータに 潜む規則性を 探ってやる。 IoTデバイス 微小な データ ・ ・ ・ 微小な データ センサ IoTデバイス ・ ・ ・ センサ 微小な データ ビッグデータ (巨大なデータ) 人工知能 (AI) IoTデバイス 11
IoT開発の全体像 開発環境の準備 50 デバイス設計とプロトタイピング 実運用 CPU GPU ソフトウェア開発 FPGA 51 通信機器の選択 通信モジュール 52 データ相互通信環境の構築 54 デバイスプログラミング C言語 Python マシン語 55 IoT アプリケーション開発 56 データの可視化とフィード バック 可視化 フィードバック制御 57 システムの運用・保守 通信 プロトコル Webブラウザ 運用・保守 セキュリティ対策 53 プラットフォームの選択 Visual Studio 12
IoTの三本柱「電子」「ソフト」「機構」 「ソフトウェア」の技術者 「電子回路」の技術者 「機構設計」の技術者 13
2. IoTビジネスの光と影
IoTビジネスの光 • 世界に存在するデバイスの85%がインターネットに未 接続と言われている。 • この85%全てがインターネットに接続すると仮定する と、センサや通信デバイス、組込型マイコンなどの ハードウェア製品の需要が増大する。 • 今まで未収集だった(ブラックボックスの)データを活 用したサービスを提供可能となる。 • IoTのマーケットは、日本の国家予算を超える規模に なるという予測も出ている。 (参考URL:http://logmi.jp/58243 ) 15
IoT市場の成長 (https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45371219) 16
IoTビジネスの影 • IoTのビジネスモデル(銭の稼ぎ方)がまだまだ発展 途上であり暗中模索状態である。 • IoTシステムがもたらす付加価値を顧客に理解頂く 事が難しい。 • IoTシステムの運営費(通信費等)の負担を顧客に転 嫁することが難しい。 • IoTシステムの情報セキュリティが「攻めやすく、守り にくい」性質がある。 17
IoTシステムに特有のセキュリティのポイント 無線通信 IoTデバイス 剥き出し状態のデバイスを野 外に放置・・・ デバイスをリ バースエンジ ニアリングされ る。 OSやソフトにパッチ適用しないまま・・・ セキュリティの脆 弱性が解消しな い。 通信が平文のままで外 部から丸見え・・・ 通信が盗 聴される。 通信 通信 IoTゲートウェイ クラウドサーバ データが平文のままで外 部から丸見え・・・ データが改ざ んされる。 APIを利用する際に認証 が適切に行われない・・・ アプリケーション ユーザーのITリテラ シーが低い・・・ ヒューマン エラーによ り脆弱性が 生じる。 サーバをハッ キングされる。 OSに不正ログインされる・・・ サイバー攻撃 の踏み台にさ れる。 18
IoTのセキュリティ上の脅威 ユーザーの過失 脅威 類推しやすい設定 マルウェア(ウイルス)の 感染 安直なパスワード 安全でないネットワー クポートの開放 IoTデバイスを踏み台に される 不正な操作(アクセス) 機密データが丸見え 情報の窃取 想定される被害 サイバー攻 撃の加害者 扱い サービスの 不正使用 通信やデータが平文のまま サービス妨害 アクセス制限の未設定 管理の不徹底 情報の漏洩 (改ざん) 信用失墜 ファームウェアの未更新 IoTデバイスの放置 事故(事件) の発生 19
ボットウイルスMirai とDDoS攻撃 (出展:IPA 安心相談窓口だより第16-13-359号) 20
3. 日出ずる国のIoT (21世紀の「和魂洋才」)
IoTのまとめ • 「インターネット経由で、森羅万象を計測し、遠隔で 分析や管理を行う」ことができる時代になってきてい る。 • IoTを実現する技術が整いつつあるので、次は、IoT のビジネスモデル(IoTでどうやって稼ぐか?)を考え るのが課題となるであろう。 • IoTの基本は「センサで計測したデータを収集し、統 計分析や遠隔管理を行うことで価値を生み出す」こ とに尽きる。 22
「擦り合わせ」と「組み合わせ」 「擦り合わせ」(Integral) 「組み合わせ」(Modular) 日本企業の技術 海外企業の技術 暗黙知 (言語化されていない) 形式知 (言語化されている) 属人的 標準化 (マニュアル化) 「職人芸」(技能) 「プロセス」(技術) 伝承、模倣、横展開、再利用が困難 伝承、模倣、横展開、再利用が容易 俯瞰的 (全体最適) 局所的 (部分最適) 和の精神 個人主義 ブラックボックス (一子相伝) オープン・イノベーション 島国根性 多民族・多人種・多宗教国家 国粋主義 (鎖国) グローバル化 垂直統合型 (ケイレツ) 水平分業型 「作り込み」(完璧主義) ベストエフォート (60点主義) 差別化による多品種少量生産 (高付加価値) 同質化による少品種大量生産 (コモディティ化) 23
日出ずる国のIoT • IoTは21世紀版の「和魂洋才」だと考える。 • 日本企業の長所を伸ばしつつ、弱点をカバーできる。 「擦り合わせ」 (和魂) IoT 「組み合わせ」 (洋才) • 坂本龍馬などの幕末の志士は、和魂を抱きつつ、洋才を積 極的に学んだ。 • 聖徳太子は隋の煬帝に対して「我が国は日出ずる処だ」と毅 然として言い切った。 • 21世紀こそ、聖徳太子や幕末の志士の遺志を継承して、日 本人が世界に飛躍する時代である。 • IoTの発想は「擦り合わせ」技術に近い面もあり、IoTは日本 のものづくりの切り札(奥の手)となる。 24
「IoT (Internet of Things)」の必読書 絶賛好評発売中!! 「IoT開発がしっかりわかる教科書」(技術評論社 発刊) 25