アドテクな話

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March 27, 15

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アドテクな話(技術の進歩が早い業界なので少し古いかも)

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クラウドで働くIoTおじさん

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各ページのテキスト
1.

アドテクの話 プ ロダクト開発部 エンジニア勉強会 市 川

2.

立場によるネット広告への思い 広告主はお金を出して広告を配信するからには、なるべくクリックされ、かつコ ンバージョンまで繋がる相手に広告を表示したい。 メディアは自分のコンテンツの価値を下げること無く、広告を表示することで収 益を上げたい。 ユーザーはどうでもいい広告は邪魔だからいらないと思ってる。

3.

RTB( REAL TIME BIDDING:リアルタイム入札)とは

4.

RTBでの登場人物 ◼ユーザー Webサイトを見に来た人 ◼SSP Supply Side Platform メディア(Webサイトなど)媒体側に対して広告枠を提供する。 自分のサイトで広告収入を得たい人は、ココと契約して自分のサイト内に広 告を表示するための、場所(枠)を提供する ◼DSP Demand Side Platform 広告主が広告を出したいときに、ココと契約して広告の入稿の管理や掲載の 運用をしてもらう。

5.

RTB(REAL TIME BIDDING:リアルタイム入札) RTBとは、1インプレッションごとに入札を行い、広告を配信する仕組みのこと ユーザー SSP DSP hoge.comのトップページ に表示したい人? その枠10円で買います DSP-1 ページを表示 20円で買います SSP-2のタグ 広告画像 広告リクエスト SSP-2さん落札です! DSP-2 8円で買います DSP-3

6.

もう少し細かく(ユーザー〜SSP) Webページの広告を表示する場所にはSSPから提供されたタグが埋め込まれている。 (大体 IFRAME) ユーザーがページを開くとIFRAMEを介してSSPに広告を表示するようにリクエスト が飛びます。 この時、cookieなどの情報から、この人が誰かという情報も一緒に取得します。 <html> <body> 〜コンテンツ〜 <iframe src=http://ssp.com/?id=1> </iframe> </body> </html> 枠1

7.

もう少し細かく(SSP〜DSP) SSPからDSPに対して、hoge.comの枠1に対して広告を表示しますかと、bidリクエス トが飛びます。 この時に、一緒にcookieに入ってたIDから、SSPで持っているこの人の属性情報も 一緒に渡します。 DSP-A 【属性情報】 id=aaa 年齢=おそらく20代 性別=おそらく男性 DSP-B DSP-C

8.

もう少し細かく(DSP内部) SSPから受け取った情報を元に、DSP内部で持っている情報から、どんな枠で、ど んなユーザーなのかを判断します。 DSP側は、多くの広告主から色々な案件の広告を預かっているので、bidリクエス トに一番いい広告を選びます。 飲食の広告 このユーザー&枠なら 30円出します DSP-A PCの広告 このユーザー&枠なら 20円出します 30円で入札しよう! 美容の広告 女性じゃないから 広告を表示したくない

9.

もう少し細かく(DSP〜SSP) 各DSPから受け取った入札の条件を見て、どの広告を配信するかを決める。 DSPからは入札額と一緒に広告配信用のタグ(大体IFRAME)を受け取っているので、 ユーザー側に落札したDSPのタグを返します。 DSP-A DSP-Aが 落札しました! 30円で! 今回はパス DSP-Aのタグを返す 20円で! DSP-C DSP-B

10.

もう少し細かく(SSP〜ユーザー) SSPから戻ってきたタグをHTMLに埋め込みます。 <html> <body> 〜コンテンツ〜 <iframe src=http://ssp.com/?id=1> <html><iframe src=http://dsp-a.co </iframe> </body> </html> <html> <body> <iframe src=http://dsp-a.com/req> </iframe> </body> </html>

11.

もう少し細かく(ユーザー〜DSP) HTMLに新たなIFRAMEが埋め込まれたので、今度はDSP-Aに対してリクエストが飛 びます <html> <body> 〜コンテンツ〜 <iframe src=http://ssp.com/?id=1> <html><iframe src=http://dsp-a.co </iframe> </body> </html> おっ? インプが発生した。 30円で落札出来たんだ imgタグと、imp計測やclick を計測できる、タグを返します 広告表示

12.

SSP〜DSP間の処理速度 SSPからbidリクエストが来て、DSP内で入札する広告を選んでSSPにbidレスポンス が返るまでの時間は、80ms〜100msぐらい。 ネットワークのレイテンシを考えると、DSP側は20ms〜50msぐらいでレスポンス を返さないと入札に参加できないので、スピードアップのために頑張ってる。 SSP DSP DSP-1 DSP-2 DSP-3

13.

なんで見たことがある商品が広告に表示されるの? ターゲティングのお話

14.

広告主の思い 広告主は無駄に広告を表示したいわけではなく、なるべく興味を持ってく れる人に対して広告を表示することで、会員登録や商品の購入に繋げたい。 例えば、女性に対して、男性用の育毛剤とか、スーツなどの広告を表示し たところで、その広告をクリックしてくれないので、無駄なお金を払って しまうことになる。 無駄なく広告を表示するためには、ユーザーを特定することが必要になる。 それを、ターゲティングといいます

15.

ターゲティング広告の種類 行動ターゲティング広告 ユーザーが訪問したサイトの情報から、興味が有ることを 分析して、興味がありそうな広告を表示する リターゲティング広告 特定のサイトを訪れたユーザーに対して、特定の広告を表 示すること

16.

ターゲティングの方法 一般的にターゲティングをする方法としては、cookieを使う事が多い ユーザーがターゲティング用のタグが埋め込まれているサイトに訪れ た場合は、cookieに情報を書き込んだり、cookieの情報を読み出したり して、情報が収集されます けど、どうやって?

17.

ターゲティングの方法 – COOKIEの読み出し cookieはドメイン単位で書き込み、読み出しがされます。 その特性を活かして、とあるサイトに広告を配信するドメインのタグを埋 め込むことで、情報の収集ができます http://ikumou.com/ <html> <title>育毛剤のHP</title> 〜〜 <img src=http://hoge.com/dummy.gif> </html> 例えば、育毛剤のサイト(ikumou.com)があって、上記のように別のサイトの画 像を埋め込まれていると、ブラウザはhoge.comのドメインで保存されている cookieの情報を送信します。 画像は1x1pxの透過gifであることが 多い。通称「ビーコン」

18.

ターゲティングの方法– COOKIEの書き込み cookieを受け取ったhoge.com(SSPとか)は、ユーザーのIDがあれば、デー タベースにユーザーの情報に、「育毛剤」のような情報を保存します。 ユーザーの情報を持っていない(cookieが存在しない)場合は、ユーザー IDを発番して、データベースにそのIDと「育毛剤」のような情報を保存し ます。 そして、発番したIDをcookieに書き込みます。

19.

ターゲティングの方法 − 広告の表示 SSP(hoge.com)によってcookieにIDが埋め込まれたユーザーが、広告が表示 されるサイトに来ると、IFRAMEのリンク先であるhoge.comに対してcookie を送ることで、過去の行動履歴に一致する広告を配信します <html> <title>車のHP</title> 〜〜 <iframe src=http://hoge.com/ads> </html> cookie:uid=12345 この人、前に育毛剤のサイトに きたことがあるよ。 育毛剤に興味を持ってそう だから、育毛剤の広告を出そう! (リターゲティング)

20.

ビーコンの実体 ビーコンは通常画像への直リンクをしているわけではなく、サーバサイド のエンドポイントを呼び出しており、その中でhttpヘッダーやcookie、ク エリパラメータを取得しています。 プログラムは必要な処理をした後、レスポンスに画像のバイトデータを返 す。 1x1pxの透過gifであればこんな感じのbase64データをdecodeして返してい る。 「R0lGODlhAQABAGAAACH5BAEKAP8ALAAAAAABAAEAAAgEAP8FBAA7」

21.

個人を特定する方法について

22.

個人の属性を知る ビーコンを使ってユーザーが閲覧したサイトから、どんなことに興味があ るとか、性別、年齢を大雑把に判別することは可能。 都内のイタリアンのお店 恋愛コラム コスメサイト 20代に人気の芸能人ブログ 女性向け洋服 これらの閲覧履歴からこのユーザーは、 ⚫20代 ⚫女性 ⚫東京近郊に住んでるor働いている と、大雑把ではあるが推測できる

23.

行動履歴だけでは越えられない壁 大雑把にユーザー属性が特定できたが、、 ⚫実は年齢は40代かもしれない ⚫地方に住んでるかもしれない と、確実な情報ではない可能性が高い 正確な属性情報を持っている所と、ID情報を紐付ければいいはず。 Cookie Sync という仕組みを使います

24.

COOKIE SYNC がなぜ必要なのか SSPやDSPはユーザーの行動履歴から、ユーザーの属性をある 程度判別することは可能だが、自分のところで集めた情報で しか判別できていない。 そこで、サイト同士がデータを受け渡すことで、個別で管理 していたIDを名寄せすることで、より個人の属性を正確に判 別できるようになる

25.

COOKIE SYNC の仕組み(一例) http://fuga.com/ <html> <title>車のHP</title> 〜〜 <img src=http://hoge.com/dummy.gif?uid=12345&sex=f&age=10> </html> サードパーティーであるhoge.comのURLにfuga.comが持っている情報も付加する。 すると、hoge.comにはcookieに含まれているIDとfuga.comのデータをサーバで 受け取るので、 fuga.comのuid=12345さんは、hoge.comのuid=2233と同じ人 と紐付けすることが出来る

26.

アカウント情報とのCOOKIE SYNC http://hogefuga.com/ <html> <title>みんなのSNS</title> 〜〜 <img src=http://hoge.com/dummy.gif?uid=12345&sex=f&age=10> </html> 会員制サイトでは、会員登録時にユーザーの情報を登録させるので、ほぼ 確実に個人の属性を知ることが出来る。 こういったサイトと、SSPやDSPがCookieSyncできると、行動履歴から仮 定していた属性を、正確な属性情報として扱えるようになるので、ターゲ ティングの精度を上げることができる。

27.

ターゲティングの精度が上がると何が嬉しい? 広告主側のメリット •無駄な費用をかけずにリーチしたい人へ広告を出せる •コンバージョンが上がる 広告配信側のメリット •正確なターゲティングができるので、単価をあげられる •利益が上がる

28.

COOKIEの課題

29.

サードパーティークッキーの課題 •サファリなどのブラウザだと、デフォルトではサードパーティーCookieの 送信は許可していない。 •ネイティブアプリに表示する広告だとCookieが使えない その為、IDを書き込んだとしても、次回訪問してもCookieが拾えないから、 同一人物だとわからずターゲティングが出来ない

30.

COOKIEに置き換わる技術(ETAG) ブラウザは画像などで、新しくなっているか、キャッシュを使っていいか を判断するのにEtagを使います。 Etagは重複しないIDがふられており、画像のリクエストが来た時にHTTP ヘッダーに含めてサーバに送ってくるので、この情報を使って個人を特定 することが可能となる。 問題点 ◆キャッシュクリアしたら消える ◆ネイティブアプリに広告を出したい時は使えない

31.

COOKIEに置き換わる技術(フィンガープリント) 端末の情報を可能な限り取得してそれをハッシュ化することで、ある程度 まで個人を特定することが可能。 問題点 ◆工場出荷状態の端末を同じネット環境で使うと、同じ情報しか取得でき ないため、同一の人物とみなしてしまう。 ◆同じ端末であっても、IPアドレスが変わってしまうと、違う人と判断し てしまう。 ◆IPを条件に含めないと、精度が下がる http://www.adtruth.com/

32.

おしまい