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May 04, 26
スライド概要
何卒よろしくお願い申し上げます。 一流のIT研修講師を目指し、日々研鑽を続けております。 本資料は外部公開用としてご提供するものです。 ALJ Education Plus 株式会社 Yukiko(※趣味枠アカウント)
IT研修講師のためのフィンランド式指導術 受講生レベル別 声掛け・サポート・介入の技術 嫌いにならない指導 × 主体性を伸ばす関わり方 Lv.A 完全初心者 Lv.B つまずき中級 Lv.C 順調・中級 論文根拠:Frontiers in Psychology RTI (2018) / MDPI Education Sciences (2022) / ZPD Scaffolding Theory (Vygotsky) Lv.D 早い・上達者
フィンランド式「3層サポートモデル」── IT研修に応用する IT研修への置き換え • 全員:問いかけ中心の授業設計 Tier 1 • Lv.C・Lv.D:標準的な声掛けでOK Tier 3 個別サポート • 心理的安全の土台を全員に作る ✦ 約5% • Lv.B:つまずきへの個別フォロー Tier 2 Tier 2 強化サポート(Intensified Support) • 原因分析と段階的なスキャフォールド ✦ 約15〜20%が対象 Tier 1 全員への汎用サポート(General Support) • 定期的な1on1・学習計画の共同作成 • Lv.A:集中的・個別化支援 Tier 3 • 小ステップの成功体験を積み重ねる • 苦手意識の解消を最優先にする ✦ 全受講生の約70〜80% フィンランドのポイント:「補助を受けることへの烙印をなくす」── サポートは恥ずかしいことではない
受講生タイプの見極め方 ── まず「どのタイプか」を観察する Lv.A 完全初心者 初めて触れる・スタート直後 Lv.B つまずき中級 Lv.C 順調・中級 Lv.D 早い・上達者 理解できているが詰まっている 自分のペースで進んでいる 課題を先に終わらせてしまう 観察サイン 観察サイン 観察サイン 観察サイン • 手が完全に止まっている • 途中まで進んで止まる • 着実に進捗している • 課題を最初に終わらせる • エラー文を読もうとしない • 「なんか動かない」「なぜか 」 • エラーを自分で読もうとする • もっと難しいことを求める • 「何がわからないかわからな い」 • 試行錯誤しているが空回り • ときどき質問してくる • 教えることへの意欲がある • 質問自体できない • やる気はあるが自信がない • 完成はするが深さが浅い • 退屈な顔をすることがある リスク:恐怖・嫌悪感が生まれや すい リスク:挫折感・自己否定が出や すい チャンス:主体性を引き出す絶好 の機会 チャンス:放置すると飽きて離脱 リスク
Lv.A 完全初心者への声掛け ── 安心と「最初の一歩」を作る 指導原則:「正解より存在を肯定する」── 画面を見ていることすら褒める段階 やりがちなNG声掛け フィンランド式 声掛けフレーズ ✕ 「なんで止まってるの?」 存在肯定 「画面を見てるだけでOK。 まず眺めてみよう」 ✕ 「これくらいわかるでしょ」 小さな問い 「この中で知ってる言葉、 一つでもある?」 ✕ 「もう少し頑張ってください」 自己開示OK 「最初は誰でもここで止まる。 正常だよ」 ✕ 「調べればわかります」 選択権を渡す 「どこから触ってみたい? 好きなところでいいよ」 → Lv.A のゴール:「IT、もう少しやってみようかな」と思わせること。知識の習得は二の次
Lv.B つまずき中級への声掛け ── 思考の糸口を一緒に探す 指導原則:「やる気はある。正解が見えていないだけ」── 自信を壊さず糸口を渡す フィンランド式 声掛けフレーズ NG声掛け ✕ 「何回も同じこと聞かないで」 現状把握 「どこまで動いた? そこから何が変わった?」 ✕ 「それはこうすれば動く」(即答) 思考外化 「今の頭の中を 声に出して話してみて」 ✕ 「なんで詰まってるかわかる?」(責め口調) ヒント渡し 「エラーの最初の一行、 何を言ってる?」 ✕ 「もう少し自分で考えて」(突き放す) 小段階化 「この部分だけ切り取ったら どうなるかな?」 → Lv.B のゴール:「詰まっても自分で考えたら進めた」という成功体験を積み重ねる
Lv.C 順調・中級への声掛け ── 深さと主体性を引き出す 指導原則:「動いている。ここから『なぜ動くか』まで考えさせる」── 主体性の花が咲く段階 フィンランド式 声掛けフレーズ NG声掛け(機会損失) ✕ 「よくできました」(評価で終わる) 理由探索 「動いた!なんで動いたと思う? メカニズムを説明してみて」 ✕ 「次の課題に進んでください」(流す) 応用問い 「これ、別の方法でもできる? どんなやり方がある?」 → ✕ 「完璧ですね」(深掘りしない) ユーザー視点 「このコード、使う人に 優しい設計になってる?」 ✕ 「特に問題なし」(ノータッチ) 改善観点 「自分でリファクタするなら どこを変える?」 Lv.C のゴール:「なぜ動くか・どう改善できるか」まで自分で考えられる習慣をつける
Lv.D 早い・上達者への声掛け ── 退屈させず、次の挑戦を作る 指導原則:「放置は最大の機会損失」── Lv.Dは伸ばせば将来の戦力。チャレンジを与え続ける フィンランド式 声掛けフレーズ NG声掛け(離脱を招く) ✕ 「終わったら自習しておいて」 拡張挑戦 「もし制約なしでやるなら 何を付け加える?」 ✕ 「待っていてください」(放置) 教える立場 「この概念、Lv.Bの人に 説明できる?やってみて」 ✕ 「他の人を待とう」(退屈確定) 設計思考 「同じ機能、3種類の 実装方法を考えてみて」 ✕ 「すごいですね」(褒めて終わり) 視点転換 「ユーザーが初心者だったら このUI、どう変える?」 → Lv.D のゴール:「教えることで学ぶ」体験を通じて、次世代リーダー視点を育てる
ZPD理論 × 4レベル別スキャフォールド設計 ── 介入のタイミングと量 Lv.A 最大サポート ↑ 多い サポート 量 少ない ↓ Lv.B 高サポート Lv.C Lv.D 中サポート 最小サポート サポートを徐々に減らしながら自律性を高める • 1ステップずつ確認 • ヒントを段階的に渡す • 問いかけ中心に移行 • 挑戦課題を提示する • 成功体験を毎回作る • 思考を声に出させる • 理由・改善の問いを追加 • 教える役を任せる • 講師が隣に座る • 詰まったら一緒に分解 • 自己評価を促す • 設計・応用を問う • 「わかった?」より「どう 感じた?」 • 「どこまで試した?」 • 「なぜそうした?」 • 「他の手はある?」 ← 自律性が低い 自律性が高い →
「ITを嫌いにさせない」指導 ── 7つの鉄則 01 存在を否定しない 05 「なんでできないの?」はNG。できない状態が普通。前提と して「学んでいる過程」を尊重する。 02 沈黙を埋めない Lv.Aには特に。「今日はこれだけ」と範囲を限定して小さな達 成感を毎回作る。 06 考えている沈黙は貴重。10秒待つ。「答えを急かす」は思考 を奪う。 03 問いは1つに絞る 複数の質問を一度にしない。「なぜ?どうすれば?何が目的 ?」と重ねると混乱させる。 04 ステップを小さく切る 進捗を見える化する 「ここまでできた」の積み上げを本人に見せる。フィンラン ドは形成的評価を継続的に活用する。 07 対話で関係を作る 技術より先に信頼を作る。「名前で呼ぶ・目を合わせる・気 持ちを聞く」が主体性の土台になる。 失敗を歓迎する 「面白いエラーだね、何が起きてる?」フィンランド式は失 敗を材料と見なす。叱責しない。 根拠:MDPI Education Sciences (2022) Finnish Teaching Practices / ZPD Scaffolding Theory / Chung (2023) Teacher Agency
参考論文・参考文献 URL一覧 Björn et al. / Frontiers in Psychology (2018) | Frontiers in Psychology 01 Response-To-Intervention in Finland and the United States: Mathematics Learning Support as an Example 🔗 https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2018.00800/full https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2018.00800/full Kauppi et al. / MDPI Education Sciences (2022) | Education Sciences, 12(11), 821 02 A Study of Finnish Teaching Practices: How to Optimise Student Learning and How to Teach Problem Solving 🔗 https://www.mdpi.com/2227-7102/12/11/821 https://www.mdpi.com/2227-7102/12/11/821 Chung, J. (2023) | London Review of Education, 21(1) 03 Research-informed teacher education, teacher autonomy and teacher agency: the example of Finland 🔗 https://doi.org/10.14324/LRE.21.1.13 https://doi.org/10.14324/LRE.21.1.13 Schaffar & Wolff (2024) | Cogent Education 04 Phenomenon-based learning in Finland: a critical overview of its historical and philosophical roots 🔗 https://doi.org/10.1080/2331186X.2024.2309733 https://doi.org/10.1080/2331186X.2024.2309733 EduCluster Finland | Inclusive Learning / Three-Tier Support Model 05 Promoting Inclusive Learning ── Finland's Three-Tiered Support Model (General / Intensified / Special) 🔗 https://educlusterfinland.fi/promoting-inclusive-learning/ https://educlusterfinland.fi/promoting-inclusive-learning/