20260902 日本ロボット学会学術講演会

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September 02, 26

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どんなに計測を極めても上位の意思決定には使えないという話を四方八方に気を使ってしました

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各ページのテキスト
1.

計測とロボット 千葉工業大学 上田隆一

2.

この発表の動機 • 「鉄道ロボティクス」でなにか予稿を出してと依頼あり • そういう研究はしていない • おそらく確率ロボティクスの人として依頼された • トンネルの中のSLAM・自己位置推定みたいな話を期待されている? • おそらくお伝えしなければならないこと(発表の目的) • 正確な地図生成や自己位置推定(やその他計測)にこだわると 自律ロボットは賢くならないかもしれないし、最近特にそうなっている • (注意: 地図生成や計測技術自体は重要) • 産業応用という点ではそんなこと議論する必要はない? →たぶんある 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 2

3.

自律ロボットの計測離れ1(2000年代) • 従来型の工場でのロボットの運用 • 事前に計画した通りに忠実にロボットや機械を制御 • 反復運動 • 正確に動くために正確に計測 • ロボットの邪魔になるものを一切排除 • ロボットを工場の外に・・・→うまくいかない • センサが使えない区間 • 邪魔になるもの多し 2026年9月2日 確率ロボティクスの興り (2000年前後) 日本ロボット学会学術講演会 3

4.

確率ロボティクス • 分からないことを確率分布で表現 • 例: ロボットの自己位置推定 Y このへん にいそう ロボット が移動 戻る X 動くと位置が 不明確に(分布が広がる) センシング センサ値から 考えるとこのへんが 高確率 情報の統合 2026年9月2日  分からないなら 分からないままで  情報を統合して結果 的に精度を高める 日本ロボット学会学術講演会 4

5.

確率ロボティクスで可能となったこと • その1 • 数kmの移動ロボットの自律走行 • 自動運転車の実現 • 精緻な地図生成 ・・・なんだけど • その2 • 確率分布からの直接的な行動決定 • 分布が広い→慎重/観測/別のタスク • 自己位置が不確かだとボールに突 撃するキーパー[Ueda IROS2003]  分からないなら 分からないままで  情報を統合して結果 的に精度を高める こっちばかり洗練 常に精度を求める方向に (制御が楽なので工場の方法と同じに) 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 5

6.

気になること • そこそこ詳しい人が「その1」と「その2」を混同 • 車の両輪ではあるものの研究としては立場が正反対 • 混同すると損 • 講演してもらうときに呼ぶ人を間違う(U氏にSLAMの話をさせるなど) • その1の先に臨機応変なロボットが実現できると間違って投資 • その1の先:「工場でないところで一定条件(厳しい条件)が揃うと、 工場のように正確に動くロボット」 • ちょっとの勘違いの積み重ねで成果が出ない • 投資対象に対する解像度が低く、ビジョンもないまま予算がついて、 なんとなく手を出してうやむやに終わる (分野は違うけどクールジャパン機構もこれ) 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 6

7.

自律ロボットの計測離れ2(2020年代) • 確率ロボティクスで解決できない問題 • あらかじめ推定・計測対象が決まっている • 言語が扱えない(これは仕方ない) これだけだと 賢くならない • 解決のカギ: 潜在空間のベクトル表現 • シーンを512次元や1024次元など決まった次元のベクトルに圧縮 • 大量の教示データを圧縮することで ロボットの行動に必要な情報だけ残す圧縮器に • 行動のシーケンス・方策なども圧縮して記憶 明示的な計測値 が存在しない • 言語: 単語や文を表すベクトルを、 画像のベクトルの次元と揃えて行動決定器に入力 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 7

8.

可能となること • ものの位置関係を言葉で考える • たとえば「まな板の上にリンゴを乗せる」というタスクの場合、 状態遷移も言葉で表現可能(計測は不要) • 自己位置推定も普段は不要 • 一般常識を理解 • 「ここは線路だから電車が来るかもしれない」などの推論が働く • GPTのような事前学習で知識を獲得 • 言葉やプログラムを理解 • 人からの指示の理解 • 計測のプログラムをダウンロードしたり自身で作ったりするように 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 8

9.

気になること • 導入や開発の際の要件定義が大変難しい • 数値化できるのはアウトプットだけ • 要件定義というより面接や実技が必要かもしれない • システムの複雑化(保守運用が大変) • エージェントが自分でシステムを作る・いじる • インターネットにつなぐ必要がある(大きな会社は遮断気味) • 新入社員のような思わぬミスをする • ※安全性はセンサで担保しないといけないのでまた別の話 登壇者が言えること「準備お願いします」 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 9

10.

まとめ • 自律ロボットの研究=計測からの脱却 • 長期的に見ると自律性の話は重要なので無視すると後追いに • おそらく企業にとって高い自律性は短期的には興味の対象外だが • 個人的に長年気になっていること • 各個人が忙しすぎ/SNSがうるさすぎて、 事例調査どまりのことが多いのではないか • もう一歩踏み込む時間が欲しい • みんなが競争で仕事を詰め込みすぎていると共倒れする 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 10

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以下ボツスライド 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 11

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「正確な計測にこだわるとロボットは 賢くならない」なぜ? • 次の2つのパラダイムシフトによるロボットの進化が証明 • 2000年ごろ〜: 確率ロボティクス • センシングの不確かさを確率分布で表現することで表現, 許容 →工場の外で自律ロボットが動き出した • 2020年ごろ〜: 大規模な人工ニューラルネットワークの使用 • 模倣学習、強化学習、VLA(vision language action model) • 強み(弱み): 特定のものの座標を使わない(つまり計測しない) →人間や動物と同じレベルの行動ができそう 「正確に計測しないとロボットは動かない」 という考えを一部, あるいは全部覆した 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 12

13.

精度を常に高く保つのはダメ? • 動けばよいけど、なにかあると脆い • センサを目隠しされると動けない • 一度推定がおかしくなると以後動けない 確実に動物や 人間より脆い • 脆さを克服して推定がおかしくなっても動けるようにしたら・・・ • 別に精度を常にキープする必要がない • そこは努力するところなのか? • もっと言うと視覚に入るものを全部計測しようとするときりがない • 自己位置など主要なものに限る  不要なときに精度を • 人間でもスマホで使う 求めない • 登壇者の一番の悩み  情報を統合して結果 こっちの考えが 的に精度を高める ないと袋小路 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 13

14.

VLA・強化学習へのシフト • VLA: 言葉でロボットが動く • 計測値でなく物体の位置関係で推論(教示データがそうなっている) • 潜在空間・言葉の利用 • 計測値でなく物体の位置関係で推論(教示データがそうなっている) • たとえば「まな板の上にリンゴを乗せる」というタスクの場合、 まな板の上にリンゴがあればよい(タスクができれば計測関係ない) • 不要なときに精度を求めていない • そもそも何も明示的に計測していない 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 14

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どういうロボットになるか? • 間違いなく人に近づく • 動きの予測が難しい • おそらく新入社員のような不可解な行動 • (よく「安全性が心配」という話になるがそういう話ではない) • 報酬をほしがる? • 汎用と専用を行き来 • 道具を使って計測 • 定規や確率ロボティクスのソフトウェア どんな仕事ができるか考える段階? 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 15

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今までのまとめと周辺技術 2000年 2020年 2010年 精度・信頼性追及 確率ロボティクス 分布から行動決定 その他機械学習 ANN LLM 深層強化学習 深層学習 VAE DDPM /FM VLM /VLA 模倣学習 • おそらくVLMやVLAが計測手法やその他 アルゴリズムを使いこなすようになる 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 16

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地図生成だけではない確率ロボティクス • 確率ロボティクスとは • 2000年代に移動ロボットの能力を飛躍的に引き上げ • センシングの不確かさを確率分布で表現することで表現、許容 →工場の外で自律ロボットが動き出した • なんらかの計測値の誤差の扱い(例: ロボットの位置) • 確率ロボティクス以前: あらゆる地点で許容範囲内であることを求める • 以後: 分からないことをとりあえず確率分布で表現 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 17

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発表の目的 • つぎのことをお伝え • 精緻な地図生成でロボットが賢く動くわけではない • (精緻な地図生成が必要なことはある) • 人工ニューラルネットワークに基づく手法は計測をしない • それにより • ロボットを現場やサービスに投入するときの誤解による事故を防止 • 大量に発注したけど使えなくて不良在庫に • ずれた要件定義 2026年9月2日 日本ロボット学会学術講演会 18